夏のスーツをかっこよく着こなそう!
暑い夏でもスーツが欠かせないビジネスマンはたくさんいます。最近ではすっかりクールビズが定着していますが、まだまだどのように着こなしたら良いのか悩んでいる男性も多いようです。しかし、クールビズと言っても、難しく考える必要は全くありません。
夏のスーツは、クールビズの元々のコンセプトである、冷房を抑えて快適に働けるビジネススーツにすればよいのです。そこで、スーツの選び方や着こなし方にちょっとした工夫をして、おしゃれなスタイルにすればOKです。
今回は、夏用のスーツについて、素材の選び方やおしゃれに着こなすコツまで詳しく解説します。併せて、夏用スーツにおすすめのインナーや、おすすめの夏用スーツまで紹介します。カッコよく夏用スーツを着こなして、暑い夏を乗り切りましょう。
夏用のスーツの素材の選び方
夏用のスーツは、冬用のものと違って、パリッと硬くて薄手な上、通気性が良く、触った時にひんやりとするような生地で作られています。ここでは、夏用スーツに使われている生地のうち、5種類について詳しく紹介するので、スーツの選び方の参考にしてください。
おすすめ素材①強撚ウール
まず、おすすめする夏用スーツの素材は「強撚ウール」です。文字のとおりに強く撚った糸で織ると、薄くてしなやかな、光沢のある生地に仕上がります。吸湿性と吸湿性と放湿制に優れているため、夏用スーツにはぴったりの素材です。
おすすめ素材②モヘア混
モヘアは、アンゴラ山羊の毛のことで、成獣の毛は太くて硬く、弾力性があります。また、直毛なので光沢もあります。多くの場合、ウールと混紡されて使われていて、生地にすると通気性が高くなるため、夏におすすめの素材の一つです。
おすすめ素材③リネン混
夏のカジュアルアイテムとして定番のリネンも、ウールと混紡して夏用スーツに使われています。リネン混の生地を使うと、ドレッシーに仕上がります。リネンだけの生地にするとシワが入りやすくなるため、スーツとして着用するのなら混紡素材のものを選ぶと良いでしょう。
おすすめ素材④ホップサック織り
ホップサックとは、ビールの苦みをつけるホップを摘み取る時に使う麻袋のことです。その麻袋の凸凹織りの生地に似ていることから、ホップサック織りと呼ばれています。軽くて通気性が高いため、夏用の単品ジャケットに良く使われていて、ドライなタッチで着こなすことができます。
おすすめ素材⑤シアサッカー
シアサッカーは「しじら織り」とも呼ばれていて、生地の表面に縮みの織りうねがあるのが特徴です。アメリカントラッドの老舗「ブルックスブラザーズ」が世界で初めてスーツに採用したことでも有名です。凹凸の生地が汗ばんだ肌に張り付かないため、夏用スーツも快適になります。
夏用スーツの着こなし方でクールビズを実現!
夏用を快適に過ごすためのスーツは「夏用仕様」となっています。スーツのジャケットやパンツを、素材ではなく、構造の違いによって、軽さとフォーマルを両立させているのです。通常のスーツジャケットと比べると涼し気な装いになり、ドレスライクにも着こなすことができます。
夏用スーツの構造に関する選び方についても、いくつかのポイントがあります。ここでは「軽量仕立て」「半裏仕様」「通気性の良いパンツ」の3つのポイントについて詳しく説明していきます。クールビズを実現するためには大切なポイントなので、しっかりと覚えておいてください。
ポイント①軽量仕立て
スーツを構成する要素として大切な、芯地、肩パッド、裄綿の3つのパーツについて、それぞれを軽くすることで夏用仕様になります。芯地については、台芯、肩増芯、胸増芯、フェルトといった4層の毛芯を、台芯1枚の1層毛芯にすることで抜群に軽くできます。
肩パットも、芯とフェルトを重ねて仕立てていたものを、メッシュ状の素材に変えることで、軽さを実現できます。肩の厚みもなくなるので、見た目にも軽くすることが可能になります。
袖山に使う芯地である裄綿についても、しっかりと熱放出するメッシュ芯とポリエステル混のフェルトとを組み合わせれば、通気性を大幅に改善させることができます。このように、軽量仕立てによる選び方をすることで、暑い夏でも清涼感を得ることができるでしょう。
ポイント②半裏仕様
裏地の分量を通常の半分にした半里仕様も、クールビズに適しています。総裏仕様の場合は、背中全体に裏地縫い付けられていますが、半裏仕様は、着丈の半分から下を縫い付けず、ひらひらとさせておきます。
裏地によく使われているキュプラの生地は、あまり通気性がよくありません。裏地の量を半分にすることによって、背中の熱気がこもりにくくなり、快適さをアップさせているのです。夏用スーツの選び方として、冷感を感じたいのであれば、半里仕様がおすすめです。
ポイント③通気性の良いパンツ
夏用スーツでは、ジャケットだけではなく、パンツも快適にする必要があります。パンツの腰裏やひざ裏の素材をメッシュ生地にして、通気性を大幅にアップさせるだけでも、汗のべたつきなどによる不快感を軽減させることが可能となります。
快適な着こなし方ができる夏用スーツの選び方はいろいろありますが、この3つのポイントを押さえるだけでも、スーツの着心地はずいぶん変わります。夏用スーツの選び方として、頭の片隅に置いておいてください。
夏のスーツをおしゃれに着こなすコツ
夏のスーツは、「いかにも決めています」というよりも、さりげなく着こなしたいところです。暑い中ではかっちりしたスーツよりも、さりげない着こなしの方があか抜けた印象を与えてくれます。ここでは、夏用スーツのさりげない着こなし方のテクニックを紹介していきます。
①本切羽を開ける
さりげない夏用スーツの着こなし方の一つとして、本切羽を開けてジャケットを着ることをおすすめします。本切羽とは、ジャケットの袖口にボタンホールと対になったボタンがあって、そのボタンで袖を留めたり外したりできるようになっている仕様のことを言います。
古いイタリア映画の中には、登場人物が手を洗う時に、ジャケットを着たまま袖ボタンを外して、シャツのカフスと一緒にジャケットの袖口を折り返すというシーンがあります。これは、本切羽の仕様となっているため、手を洗う時に袖を濡らさずに済んでいるのです。
そのように使うことが可能だを考えると、本切羽の仕様は、もともと実用的だったのでしょう。このように、ファッションとしての本切羽の使い勝手を知った上で、袖口のボタンを1個か2個開けて着こなしてもおしゃれです。
②フロントのボタンの数を少なく
フロントのボタンの数を少なくすることで、夏用スーツのおしゃれな着こなし方できます。ヨーロッパでは、「ワンボタンスーツ」が存在していて、イギリスのフォーマルなシーンでは、ワンボタンのジャケットに下襟がピークトラペル(剣先襟)のスーツを見かけることがあります。
フィギュアスケートの金メダリストの羽生結弦選手が、平昌オリンピックの凱旋パレードで、ワンボタンにピークトラペルのジャケットを着用していました。ワンボタンのジャケットはとてもエレガントに見えるので、夏用スーツにはぴったりの着こなしです。
③着丈を調整
着丈には、時代によって流行があり、その違いがはっきり出る部分です。現在のスタンダードな着丈は、20年前よりも5cm以上も短くなっています。そのため、長めのジャケットを見ると、古臭く、野暮ったい印象になってしまいます。
スーツを着た印象で、ジャケットの着丈が長めだと感じた場合は、短く調整してみましょう。1cmだけ短くしても、全く印象が変わってしまいます。着丈を調整することで、スーツのバランスが崩れないかと心配になりますが、3cmくらいまでの調整であればさほど影響はありません。
④スーツの色を軽やかにする
夏用スーツの着こなし方として、軽やかな色のものを選ぶこともおすすめします。定番のネイビーを選ぶ時も、やや明るめのネイビーにすると爽やかな印象になります。優しい印象を加えたい場合は、ブルーグレーも良いでしょう。コーディネイトしやすい色なので、ぜひおすすめです。
また、夏用スーツで絶対に外せない色は、ライトグレーです。グレーの中でも一番明るい色なので、暑い日にも涼しげな雰囲気を演出してくれるでしょう。清涼感に加えて、知的な印象も持ち合わせている色なので、ワードローブの一つに加えると着こなしの幅が広がります。
夏スーツと使えるおすすめのインナー7選
夏用スーツを涼し気に着こなしたい時には、インナーの選び方に気を配ると良いでしょう。最近は、さまざまな冷感インナーも販売されていて、それぞれに特徴があるため、自分に合ったインナーを選ぶ必要があります。
インナーの選び方のポイントは、水分の乾きやすさを目安とする「蒸散性(吸湿速乾性)」、風通りの良さや熱のこもりにくさを目安とする「通気性」、着用した瞬間のひんやり感を目安とする「接触冷感」の3つです。
ここでは、夏スーツに使えるおすすめのインナーを紹介します。それぞれに特徴があるので、選び方のポイントを押さえて、自分に合うインナーをぜひ探してみてください。
GU・ドライVネックシームレスT(半袖)
GUの「ドライVネックシームレスT」は、とても薄手の生地で作られていて、非常に軽やかな着心地のインナーです。襟と袖口がシームレスになっているのが特徴で、白色のシャツや薄手のトップスを着てもほとんど影響しません。
色は、ホワイト、ブラック、ベージュの3色で、より透けにくいものを選びたいのであれば、ベージュをおすすめします。サイズはSからXLまで4タイプを揃えています。プチプラブランドの中では抜群の実力で、機能性もファッション性も両方欲張りたい方におすすめのインナーです。
ミズノ・アイスタッチクイックドライアンダーVネック半袖
スポーツ用品メーカーのミズノが販売する「アイスタッチクイックドライアンダーVネック半袖」は、蒸散性と通気性に優れたインナーです。冷感が長続きすることも特徴で、着用後しばらく経ってもひんやり感が消えないため、人気のある商品となっています。
カラーは、ホワイト、キャスチャコール、グレージュの3種類、サイズはMからLLまでの3タイプです。防菌消臭機能や脇の汗取りパッドがあり、暑い夏にも安心して着用できます。汗ばむ日の外回りに着用していれば、スーツを着ていても、涼しげでスマートな印象になります。
ユニクロ・エアリズムメッシュクルーネックT(半袖)
ユニクロの「エアリズムメッシュクルーネックT(半袖)」も、夏用スーツのインナーにおすすめです。蒸散性が抜群で、通気性も良く、汗をかいてもさらっと軽い着用感が特徴のインナーです。
ユニクロのエアリズムだから味わえる快適さで、暑い日でも爽やかさをキープできます。カラーはホワイトとブラックの2種類なので、ワイシャツの色に合わせて着用すると良いでしょう。サイズはXSから4XLまで8タイプ揃っていて、ぴったりのインナーを選ぶことが可能です。
しまむら・2枚組 接触冷感インナー(半袖・V首)
しまむらの「2枚組接触冷感インナー(半袖・V首)」は、2枚で1,000円以下で買えるのに、高機能なところが大変魅力的です。通気性が非常に良いので、夏用スーツのインナーにぴったりの商品です。
このインナーは、しまむらと繊維製造の老舗メーカーのレナウンが共同開発していることもあり、柔らかくてしなやかな質感の生地に仕上がっているのが特徴です。肌触りの良いインナーなので、着心地は抜群です。
カラーは、ホワイト、ブラック、ネイビーの3種類です。肩回りはやや小さめとなっていますが、サイズはSから3Lまで揃っているので、自分に合ったサイズを選ぶことができます。襟がVネックなので、どんなワイシャツにも合わせられるところもおすすめポイントです。
ワークマン・ICE CHARGEV首半袖Tシャツ
ワークマンの「ICE CHARGE V首半袖Tシャツ」は、何と言っても接触冷感が魅力的なインナーです。特殊な技術を使い、ヒスイを粉末状にしたものを織り込んだ糸で仕立てられているため、たまらないひんやり感を得ることができます。
今ではユニクロやしまむらと並ぶくらい人気があるワークマンが販売するインナーは、肌触りも好評です。目が詰まった素材であることから、通気性はそれほど良くありません。しかし、さらさらとつるつるの中間のような質感にハマる人が多いようです。
カラーは、ホワイト、グレー、ネイビー、ブラックの4つで、サイズはMからLLまでの3タイプです。肩回りがやや小さめで、伸縮性もあるため、丈が短く感じる方もいるでしょう。高いひんやり感を感じたい方におすすめするインナーです。
グンゼ・クールマジック VネックTシャツ
グンゼの「クールマジックVネックTシャツ」は、優しい肌触りが特徴となっています。素材にレーヨン混を使っているため、柔らかさとしなやかさを感じることができます。通気性がとても良いため、メッシュ素材のざらつきが気になる方には、このインナーをおすすめします。
このインナーは、冷感よりも保湿を感じることができるため、冷房の利いた室内での仕事が多い方や、冷え性の男性におすすめです。カラーは、ホワイト、ブラック、スキンベージュ、ライトサックスの4種類で、サイズはM、L、LLの3タイプになります。
ATSUGI・ハイスペックインナー 半袖Vネック メンズインナー
ATSUGIの「ハイスペックインナー半袖Vネック・メンズインナー」は、さらっとした質感が特徴です。生地が非常に薄くて軽いため、ワイシャツの下でもたつくことがありません。このインナーは、蒸散性と通気性が非常に良いものになっています。
また、薄手のインナーなので暑苦しさがなく、冷感はあまり気になりません。肌を弱酸性に整えるといった抗菌防臭機能がついているのもおすすめできるポイントです。
グレー、オークグレー、ホワイトの3色展開で、サイズはS、M、Lの3タイプとなっています。襟がVネックなので、ワイシャツの下に着てもあまり響かない点も、人気があるところとなっています。
夏用スーツおすすめ4選
クールビズが定着してきても、スーツを着る必要があるビジネスマンはたくさんいます。少しでも涼しく過ごすためには、夏用スーツの選び方が重要になってきます。ここでは、おすすめしたい夏用スーツを厳選してピックアップしてみたので、ぜひご覧ください。
ユナイテッドアローズ・ストレッチ トロピカルウール 2B スーツ
ユナイテッドアローズの「ストレッチトロピカルウール2Bスーツ」は、夏のビジネススタイルにぴったりのスーツです。夏用スーツの定番生地であるトロピカルウールで仕立てられているため、このスーツは、通気性が良く軽いのが特徴です。
見た目も涼し気になるのもおすすめしたいポイントの一つです。ストレッチ性の生地であるため、適度に伸び縮みしてくれることから、ストレスフリーな着こなし方もできます。スーツの色を明るめのグレーにすると、より清涼感も演出することができます。
タケオキクチ・ヘリンボーン プリント ジャケット
タケオキクチの「ヘリンボーンプリントジャケット」は、とても上品な印象です。夏用スーツにおすすめする一番のポイントは、家庭で洗濯が可能なウォッシャブル仕様になっているところです。クリーニングに出す手間が省けるのが非常に便利です。
織りの変化によってできた隙間によって湿気を放出してくれるため、蒸散性もばっちりです。そのため、汗をかいても涼しさをしっかりキープしてくれます。スーツのカラーを落ち着きのあるブルーにすると、見た目にも爽やかさがアップします。
スラックスは別売りとなっていますが、スーツとして上下で揃えれば、大人にふさわしい高級感を漂わすことができます。ストレッチ性もしっかりあるので、快適な着心地が得られることもおすすめです。
トゥモローランド・トロピカルウール 2ボタンスーツ
トゥモローランドの「トロピカルウール2ボタンスーツ」は、イタリアの名門生地ブランド「チェルッティ」のトロピカルウールで仕立てられています。夏用スーツに欠かせない高い通気性があり、撥水性と撥油性を備えたイージーケア仕様によって、汚れがつきにくくなっています。
このスーツは、日本人ビジネスマンの体型を分析して仕立てています。ワーキングスーツでありながらシャープさを加えているので、おしゃれな着こなし方もできるようになっています。形状記憶性を持たせたクリースなど、細かいディティールに気を配っているのもうれしいところです。
リーセンシー オブ マイン・REDA ICESENSE S130s ジャケット
リーセンシーオブマインの「REDA ICESENSE S130s ジャケット」には、レダ社のアイスセンスを採用しています。アイスセンスには、生地の表面に赤外線を遮断する加工がされているため、赤外線の反射を促進して、生地の表面温度を8度も低く保つことができるのです。
他社の同色スーツと比較してみると、アイスセンスによって体感温度がマイナス10度にもなると言われています。スラックスは別売りですが、上下で揃えてスーツにすると、見た目に光沢のある上品な生地感と、細身のシルエットによってエレガントさがアップします。
ナノ・ユニバース・ナノグラビティACTIVE ピンヘッドジャケット LUX
ナノ・ユニバースの「ナノグラビティACTIVE ピンヘッドジャケット LUX」は、とても動きやすい仕様になっています。ウールのしなやかさを保ちつつ、ストレッチ糸を使用することで伸び縮みするため、窮屈さはあまり感じません。
毛芯や肩パット、裏地を極力省いて仕立てられているため、軽くて風通しが良く、夏用スーツにぴったりの1着です。別売りのスラックスとベストを合わせれば、3ピーススーツにもなります。インナーをカットソーにすればカジュアルダウンにもなるので、着こなしの幅も広がります。
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夏のスーツをスマートに着こなすことができると、仕事の効率もアップするでしょう。今回紹介した夏用スーツの選び方のポイントや着こなし方を参考にして、仕事の幅を広げつつ、おしゃれも楽しみながら、暑い夏を乗り切ってください。