フォーマルとは【意味】
冠婚葬祭の儀式へ参加する服装としてフォーマルという言葉は広く使われています。たくさんの人が集まる場所では、そのシーンに相応しい装いが必要なことは認識されています。その一方で、正しいフォーマルの意味や定義が曖昧になって、最近間違った認識により場に応じた着こなしが出来ていないことがあります。念の為、今一度おさらいしておきましょう。
正式な・公式な
フォーマルとは英訳で「正式な」「公式な」を意味し、服装では「正式であるさま」や「公式であるさま」と解釈されています。冠婚葬祭や謝恩会など、儀式的なシーンで着用する正式な服装のことを一様にフォーマルファッションと呼びます。そこには女性・男性共に、ドレスコードの違いや服装の選び方などマナーがあるので気を付けなくてはなりません。
英語表現
フォーマルとは英訳で「形式・儀礼的」さらに「正式な・公式なさま」など、形態の意味があります。ファッション用語に置き換えると、一般的に「フォーマル・ウエア」の事を指していて、皇室の行事や格式の高い儀式などで着用する服装の分類の中で「もっとも格式の高い正装」を指します。最上級の正装ですので服装の違いや選び方にルールがあります。
「formal」
「formal」の主な意味は、「正式の、公式の、礼式の、儀礼的な、形式ばった、几帳面な、堅苦しい」など多くの意味を含んでいます。ファッション用語としての意味の捉え方は先述した通りですが、他にも「a formal receipt・本領収証」「a formal visit・儀礼的訪問」や「formal expressions・ 堅苦しい表現」などと表現されることで分かり易いでしょう。
「form」の意味
更に「formal」は「form」と「al」に分解できます。「form」の意味は「形、姿、形状、姿態、外観、人影、物陰、型、方式、種類」などがあります。例文としては「a form of address・敬称、肩書」「as a matter of form・形式上、儀礼上」などがあり、球技などで「フォームがきれい」「フォームの基本」など、日本語でも表現されています。
「al」の意味
そして「al」の意味は、接尾辞として使われていて名詞語尾となり「何々すること」となります。つまりファッション用語としては「形や姿を形式的や儀式的にする」という意味になり、英語表現の「ending of word」として使われる語尾の表現という理解でいいでしょう。例えば「arriveがarrival」となって到着することとなるような具合いです。
フォーマルとは【カジュアルとの違い】
フォーマルとは冠婚葬祭やパーティーなど、儀式的なシーンで着用する正式な服装で、カジュアルとは服装の選び方に大きな違いがあります。そのため成人式や謝恩会、入学式や卒業式などのシーンでドレスコードによってフォーマルな着こなしが求められます。主催者と参列者の服装が違うように立場やシーンに合わせ、マナーを守ったコーデが必要となります。
一方、フォーマルとは違い「カジュアル」とは、英訳すると「気軽な、格式ばらない」などの意味を指しています。そのため服装選びにはオープンシャツとジーンズやチノパンツ、スニーカーやサンダルといった気軽に着用できるラフな服装になります。
しかしながら、カジュアルファッションにも種類があって「いつでも、どこでも、なんでも」OKという訳ではありません。「スマートカジュアル」「ビジネスカジュアル」、そして「カジュアル」などシーン別にルールがあるのでマナーには気を付けましょう。
フォーマルとはドレスコードの一つ
そもそもドレスコード(dress code)とは何でしょうか?ドレスコード=フォーマルファッション(正装)と解釈している人が意外に多いのですが、それは間違いです。ドレスコードとは、とある場所へ参加する場合の「マナー・ルールを守る服装」もしくは「服装の格の指定」が正しい意味と捉えてください。
ドレスコードと聞くとフォーマルシーンを想像しますが、フォーマル以外でも「ノーネクタイ、ショートパンツはお断り」などの指定もあります。これもドレスコードの一つということができます。そのためフォーマルとは、数あるドレスコードの一つと理解してください。
ちなみに、このドレスコードが使われる主な場面としては「結婚式やパーティーなどフォーマルな場面」「格式高いホテルのレストランでの食事・ディナー」や「豪華客船のクルーズ旅行」「会社・企業での服装の慣例」などがあります。
フォーマル
ドレスコードとは「場所・場面に応じた服装をする」そう解釈しましょう。つまり設定された時間(Time)、場所(Place)、場合(Occasion)といったTPOに合う服装になることを求めています。その中で最も格式の高いドレスコード「正礼装」を指定するのがフォーマルで、ドレスコードの最上位に位置する格式高い「服装指定」ということになります。
結婚式の新郎新婦やその親御さん、そして仲人の服装などがフォーマルにあたります。また、政治家の内閣組閣時の記念撮影の服装、先日の国家式典「天皇陛下の即位式」に参列する時の服装などをイメージすると分かり易いでしょう。
カジュアル
カジュアル(casual)の英訳は「気軽な、くつろいだ、何気ない、さり気ない、気まぐれな」などの意味があります。日本語のカジュアルは、主に服装に使われ「気軽に着られる、軽装、リラックスできる堅苦しくない」などの服装スタイルを指しています。動きやすくて楽が基本、服の選び方はシャツとデニムパンツ、スニーカーなどが代表的なアイテムです。
しかしパジャマ姿で買い物に出掛けると道徳に反するように、カジュアルにもTPOに応じたドレスコードが存在します。例えば「カジュアルエレガンス」、準フォーマルのスマートエレガンスよりカジュアルな雰囲気でドレッシーなワンピースや羽織物など着用します。
もう一つのドレスコードが「スマートカジュアル」、普段のカジュアルとセミフォーマルの中間くらいの服装を求められます。ワンピース、ブラウス&スカートなど自由にコーデを楽しめますが、Tシャツ、ジーンズ、スニーカーなどはNGとなります。
フォーマルとは【女性の服装】
フォーマルとは最も格式の高いドレスコード、国家式典での皇室の方や参列の方の服装がこれにあたります。また、高級ホテルで行われる結婚式やパーティー、そして格式の高い行事でもフォーマルのドレスコードが求められます。シーンに合う服の着用が必要となり、フォーマル(正装)でも昼と夜ではコーデのマナーが異なりますので気を付けましょう。
アフタヌーンドレス
昼の装いはアフタヌーンドレスを選ぶのがマナーです。選び方はスカート丈が足のくるぶし程度、もしくはロング丈のものを選びましょう。肌の露出は極小に抑えた上品な雰囲気を漂わせるドレスが最適です。そのため襟回りの開きが少なく、七分袖以上のものを選ぶのがマナーです。袖の無いドレスのみを所有の場合は、ジャケットを着用すると良いでしょう。
イブニングドレス
夜の装いはイブニングドレスを選ぶのがマナーです。選び方は胸元やバックラインを大きく露出したデザインを、そしてとてもゴージャスで華やかな印象を与えるものが最適です。スカート丈は足の甲からフロア丈の長い丈を選びましょう。カットが大きい露出はちょっと?という方は、トップスがレースデザインのドレスを選べば品のある肌見せとなります。
そして、夜の豪華な催しでの女性の正装には光物が歓迎されるので、豪華なアクセサリーを合わせるのが上手な着こなしとなります。コーデ選びには会場に合わせたドレスアップと、ご一緒する方の正装に格を合わせることが重要です。
フォーマルな場面でのマナー
フォーマルファッション(正装)は、ドレスコードの分類の中で最もきちんとした服装です。普段はあまり着ない正装だからこそ、しっかりとマナーに気を付けなければいけないポイントがあります。年齢を重ねるとフォーマルファッションでお出掛けする機会が増えてきますので、様々なシーンでの違いを理解し「適切な正装」を心掛けましょう。
女性の正装のルール(基本)は次の通りです。主な正装の利用シーンは「冠婚葬祭」「式典や祝賀会」など、いずれも人生の重要なセレモニーで着用するので失敗できません。しっかりと身に着けておきましょう。まずは、全体的に肌の露出が少ない服装が基本となります。
ワンピーススタイルは襟元が詰まった首回りデザインを選び、長袖にスカート丈はロングやミディ丈、無地やレースの生地で華美過ぎないようにします。慶事シーンでは明るい色、喪の席では黒を着用します。服装の選び方や違いを十分に理解しておくことが必要です。
フォーマルとは【男性の服装】
フォーマル(正装)はかなり格式の高い服装で男性も女性同様、服装には違いと選び方があります。そのためドレスコードの分類毎に決められた服装が求められます。代表例として、昼に行われる格式の高い結婚式や披露宴で新郎や新郎新婦の父親が着用する服装です。さらに皇室が主催したパーティーや式典時の正装スタイルを参考にすると良いでしょう。
また、各種の学校での入学式、卒業式などに教職員が着用するのも多いです。男性のフォーマルファッションは、昼のセレモニーにはモーニングコートを着用し、夜のセレモニーには裾がツバメの尾のような燕尾服を着用するのがマナーです。
モーニングコート
モーニングコートは、男性の昼のセレモニーで着用する「最上級正装」の一つになります。上着のカラーはブラックが基本で、そのほかグレーやアイボリーも着用可能です。そしてベストは共生地の素材のものを、スラックスはグレーの縦縞のものを合わせて着用するのが基本のスタイルとなります。
イブニングコート・ホワイトタイ
夜の男性の正礼装は燕尾服です。上着の背丈が短く背の裾が長く二つに割れていて、ツバメの尾を連想させるのが特徴です。カラーは主にブラックで、合わせてホワイトのベストやホワイトの蝶ネクタイを組み合わせて着用します。色は黒が基本ですが濃いミッドナイトブルーでもOK、柄は無地で下襟全体が「拝絹」と呼ばれる同色のシルク地で飾られています。
セミフォーマル・インフォーマルとは
ドレスコードの「セミフォーマルとは」と「インフォーマルとは」何か?違いは?について解説します。ドレスコードの格の高い順は次のようになります。①フォーマル(正礼装)モーニングやイブニングドレスなど②セミフォーマル(準礼装)パーティードレスやセレモニースーツ③インフォーマル(略礼装)カジュアルなパーティードレス、ワンピースなどです。
セミフォーマルの意味とは
セミフォーマルとは「セミフォーマル・ウエア」の略で、その意味は準礼装の服装をすることになります。準礼装とは、式典やパーティー通常のドレスやスーツよりもワンランク上の服装で幅広く着用される服のこと指しています。フォーマル「正礼装」の次に格式が高く女性・男性ともに昼夜の着用ルールがあるので気を付けましょう。
服装の選び方
フォーマルシーンの頻出はそう多くはありませんが、実はセミフォーマルシーンは意外と多いのでしっかりおさえておきましょう。例えば結婚式やホテルで行われる同窓会や謝恩会に二次会、豪華な旅行など、私たちの生活には欠かせない行事などです。女性・男性共にフォーマルまでとはいかないまでも、それに近い服装が求められ、時間帯で服装が変わります。
女性は昼にはセミアフタヌーンドレス、清楚でドレッシーなデザインなものを選びましょう。肩を出さない、丈は最低膝丈か膝丈より下が主流です。基本はワンピースですがスーツも可能。夜は胸元が開き肩が見え、スカート丈は少々短めなカクテルドレスが基本です。
男性はディレクターズスーツやブラックスーツが基本ですが、ジャケット&パンツにネクタイを締めたスタイルも準礼装と認められます。準礼装ですので通常のスーツよりもワンランク上のものを選び、昼はディレクターズスーツ、夜はタキシードが主流となります。
インフォーマルの意味とは
フォーマルの反対語として「インフォーマル」という表現があり「informal」と表記します。「formal」に否定を意味する「in」がついた単語で英訳すると「非公式なこと」「略式であること」という意味で「informal data:非公式データ」などと表現されます。
ファッション用語のインフォーマルとは「私的な」「日常の」「普段の」といったニュアンスを持ち合わせる言葉です。インフォーマルな服装とは「略礼服」「平服」を意味します。しかしTシャツやポロシャツにジーンズなどの普段着ではNG、女性ならおしゃれなワンピース、男性ならプレスの利いたスーツなどになります。
服装の選び方
インフォーマル(略礼服)の服装選びは、女性はワンピース、ツーピース、パンツスーツなど、男性はスーツ、スラックス、シャツなどが良いでしょう。平服の様にくつろいだ感じはあるものの、全体的に上品でエレガントさに溢れる装いが「インフォーマル」です。女性・男性ともに略礼服といえども、装いに共通するのは「上品・清潔」にまとめることです。
カジュアル感を少々併せ持ちながら、全体のコーデに品があるように演出しましょう。服のデザインや素材の自由度を楽しめますので、女性は特に、お洒落でドレッシー感を演出できる花柄やドット柄、プリント柄など個性的でファッショナブルな装いを楽しみましょう。
フォーマルとは「正式な」「公式な」という意味
「フォーマルとは?」簡単にまとめますと「正式・公式」な装いをする事。そしてフォーマルファッションとは「正装や礼装」を指していて、フォーマルウエアには「正礼装」「準礼装」「略礼装」の3種類があり、それぞれのドレスコードに従い着用、昼と夜で着るものが違うという事になります。大切なセレモニーに参加する際には、是非心掛けてください。