畳に生息するダニの駆除方法を紹介!
畳は日本伝統の床材です。イグサで作られた畳表が、芯となる畳床に縫い付けられています。畳の横には畳縁で補強がされているものがほとんどです。高温多湿な日本の気候の中、畳は快適に生活できる床材として親しまれてきています。
畳にも琉球畳やカラー畳といった種類のものもあります。そうした日本人に馴染みのある畳の上では、素足で歩き、寝転がったりすることも多いでしょう。夏に蚊取り線香を焚きながら、のんびりとお昼寝をした経験がある人もいるのではないでしょうか?
しかし、畳は湿気を吸うので、ダニやカビが発生しやすくなります。気持ちよく畳に寝転んでいたら、ダニに刺されてしまったという経験はないでしょうか?畳にダニが発生する原因を知らなければ、対策は立てられません。
畳に発生してしまったダニをどう駆除していけばいいのかを知っていきましょう。最近は有効なスプレーなどが発売されています。どういったスプレーが駆除に有効なのか、今後発生しないようにどういったことに注意をしたらいいかを見ていきましょう。
畳にダニが発生する原因
四季を通じて、畳を気持ちよく使いたいものです。しかし、日本は湿度の高い国です。春が終わって夏が近づくころになると、畳の上を素足で歩くことも多いでしょう。そんな時、畳に汗が染み込んでいまいます。
さらに梅雨時などじめじめした季節には、カビやダニが発生しやすくなります。なぜじめじめしていると、ダニは発生してしまうのでしょうか?
ダニの生態を考えると、発生しやすい条件というものがあります。畳のダニを駆除する前に、なぜダニが畳に発生してしまうのか、原因を見ていきましょう。おのずと対処法がわかってきます。
ダニが繁殖しやすい条件が揃っている
畳にダニが発生する原因にはいくつかの要素があります。まず、温度が20℃から30℃、特に25℃前後がダニが生息しやすい環境になります。春が過ぎ、気温が上がっていく梅雨時から夏にかけて、ダニが発生する原因になります。次に、湿度が60%から80%以上ある場合です。
特に70%前後がダニが発生しやすい湿度と言えます。高温多湿の日本では、梅雨の季節には湿度は非常に高くなります。気温と合わせて、ダニが喜ぶ環境になりダニの原因になります。さらに、栄養素となる汚れもダニの原因になります。素足で畳の上を歩くと、身体のアカが畳に付着します。
また、フケや髪の毛もダニの原因になります。食事をしたら、注意をしていても食べかすが畳にこぼれます。要するに、梅雨から夏の時期にかけては特に、ダニが発生する原因がことごとく揃っていると言えるのです。
畳のダニの種類と被害
ダニとは、昆虫ではありません。クモやサソリの仲間です。頭と胸と腹が一体となっており、胴体の前方に口部分があります。こうしてみると、ますます歓迎できない生き物です。またダニといっても、いろいろな種類があります。
マダニやイエダニといったダニが有名なところではないでしょうか?ダニには他にも種類があります。畳に発生するダニには、どういった種類のものがあるのでしょうか?
畳に発生するダニは、チリダニとも呼ばれる「ヒョウヒダニ」と「ツメダニ」がいます。どういった特徴を持って、人間にどんな悪さをするのでしょうか?
ヒョウダニ
畳のダニの種類の1つ目であるヒョウヒダニについて見ていきましょう。ヒョウヒダニはほぼ一年中見ることができるダニです。畳だけでなく、絨毯や家具などにも発生します。このヒョウヒダニが大発生した場合、死骸やフンがアレルギーの原因となってしまいます。
ただ、マダニのように人を刺したりはしません。ハウスダストとなり、アレルゲンとなって人間を苦しめます。餌とするのは、ほこりや人のフケ、アカ、その他の有機物です。気管支が弱い人は、ヒョウヒダニの死骸やフンを吸い込んでしまうと、喘息を起こしてしまいます。
ツメダニ
畳のダニの種類の2つ目であるツメダニはどんな特徴があるのでしょうか?ツメダニは、ヒョウヒダニを餌として食べます。梅雨時や秋口に増殖します。特に8月から9月にかけて繁殖します。
ヒョウヒダニなどの他のダニを食べて生きるため、ヒョウヒダニが繁殖すると、当然ツメダニも増殖します。ヒョウヒダニを食べてくれるのですから、一見良いダニのように思えるかもしれません。
しかし吸血こそしませんが、ツメダニは人を刺すことがあります。人を刺すと体液を吸うので、炎症を起こしてしまうなど、厄介なダニです。
畳のダニを駆除する方法
どうやら畳にダニが生息しているとわかったら、注意して駆除していかなければなりません。一番簡単な駆除方法は、畳の貼り替えをするというものです。畳屋に頼んで、貼り替えをしてもらうと、ダニは駆除できます。
しかし、問題は金額です。一畳当たり、3000円から5000円かかります。これを毎回行っていたら、かなりの出費になってしまいます。なんとか自力で駆除が出来ないものでしょうか?
畳に発生したダニを自力で駆除する方法について見ていきましょう。こまめな努力が必要ですが、ちょっとしたことでダニの発生を抑えられるので試してみてください。
毎日掃除機をかける
畳のダニを駆除する方法の1つ目は、毎日掃除機をきちんとかけるというものです。畳の上には、ダニが喜ぶ餌がたくさん落ちています。フケ、アカ、ホコリ、食べかすといったものを放置しておくと、ダニは繁殖してしまいます。
ダニの好物を取り除かないと、駆除することはできません。そこで有効な方法が、毎日掃除機をかけるということです。掃除機のかけ方にもコツがあります。
一畳当たり30秒ほど時価をかけて、丁寧な掃除をしていきましょう。また、畳の目に沿ってかけるというコツもあります。こうすることで、畳の上のダニの餌を取り除くことができます。
2週間に1度拭き掃除
畳のダニを駆除する方法の2つ目は、2週間に1度の拭き掃除です。雑巾を固く絞って、畳の上を拭きましょう。その部屋がどれほど使われているかにもよります。来客の多い畳の部屋の場合は、1週間に1度の頻度がおすすめです。雑巾による拭き掃除にもコツがあります。
まず、雑巾はぎゅっと絞るというものです。雑巾がずぶ濡れの状態だと、畳が湿ってしまいます。ダニは湿気を喜ぶので、逆効果になってしまいます。雑巾で拭いた後は、窓を開け、風通しを良くして、畳を乾かしましょう。こうすることで畳を清潔に保つことができます。
畳の下のホコリ掃除
畳のダニを駆除する方法の3つ目は、畳の下のホコリ掃除です。ダニは、畳の表面にだけ発生しているわけではありません。畳の下にもダニは発生しています。
ダニだけでなく、健康に害のあるものが発生している懸念もあります。その場合は、畳の下のホコリを取り除かなければなりません。畳干しをする時、畳の下をしっかり掃除しておきましょう。
ホコリを掃除機で吸い上げ、水拭きをして、しっかり乾かすのは、畳の表の掃除の時と同じです。隅々までしっかりと掃除をすることで、畳の下のダニを駆除することができます。
畳は天日干しする
畳のダニを駆除するのに、畳を天日干しするのも効果があります。畳を取り外し、畳の下を掃除している間、畳を日当たりと風通しのよい場所で干しておきましょう。
畳のダニをすっかり除去したいのなら、黒いナイロン袋に入れて干すのがおすすめです。しかし注意も必要です。天日に干し過ぎると、日光による日焼けを起こしてしまいます。日焼けすると、畳は変色してしまいます。
あまりにも日差しが強い時は、天日干しも注意が必要です。畳を干しておく場所がない場合は、掃除した畳の下にペットボトルをはさんで乾燥させましょう。こうしたダニ対策は、カビ防止にもなるのでおすすめです。
床に防虫シートや乾燥シートを敷くと◎
せっかく畳を干して、畳の下も掃除するのですから、今後ダニが発生しにくくなるように対策を立てましょう。畳の下に防虫シートや乾燥シートを敷いておくと、湿気も防ぎ、虫除けにもなるので、ダニが繁殖しにくくなります。
最近の住宅事情を考えると、高気密な環境にあります。そういった環境は、ダニが増える原因になります。こまめな掃除と乾燥を注意して心掛け、ダニ対策をしていきましょう。
畳のダニを駆除するおすすめアイテム
畳のダニを駆除するためには、掃除と乾燥が大事なことはわかりました。ダニの死骸やフンはハウスダストになるので、掃除機で吸い込むといいでしょう。さらに水拭きをすると、ダニを抑えることができます。
しかし、生きているダニはダニ駆除用の殺虫スプレーを使うのもおすすめです。ダニ専用の殺虫スプレーを噴霧すると、水拭きや掃除機で取り切れなかったダニを殺すことができます。
パウダータイプのものやスプレータイプのものがありますが、ここではダニに有効なスプレータイプのダニ駆除用の殺虫スプレーを紹介します。
ダニがいなくなるスプレー
畳のダニを駆除するおすすめアイテムの1つ目は、KINCHOの「ダニがいなくなるスプレー」です。この「ダニがいなくなるスプレー」は、月に1度、畳の上にスプレーするという駆除スプレーです。
ダニを確実に駆除できるという、防除用医薬部外品なので、効き目は確かです。速乾性なので、スプレーしてもべたつくことがありません。ダニの繁殖に悩む布団やソファにも使うことが出来ます。
ほのかなフローラルの香りがするので、掃除をした後に、気持ちのいい香りに包まれます。掃除後の爽快感はとても大事なのではないでしょうか?
フマキラー ダニブロッカー
畳のダニを駆除するおすすめアイテムの2つ目は、フマキラーの「ダニブロッカー」です。このスプレーは、ダニの駆除にも予防対策にも使うことができます。畳を汚すオイルのような溶剤を含まない、アルコールベースの処方がおすすめなポイントです。
このスプレーもべたつかず、乾きやすい特徴があります。また、嫌な臭いが残りません。このスプレー1本で、約38畳分の使用ができます。付け替え用も売っているので、継続して使うことができます。医薬部外品で殺虫剤なため、人に向けてスプレーしないように注意して扱いましょう。
畳のダニを増やさないための対策
ここまで、畳の掃除方法について紹介してきました。畳を徹底的に掃除すると、ダニを駆除することができます。しかし、畳のダニを退治するのは、なかなかに大変な作業です。
普段から注意して、畳にダニが発生しないように対策を立てることが必要です。普段からどういったことに注意し、どういった対策を立てていけばいいのでしょうか?気持ちよく寝転がれる畳にするために、注意すべきことと対策の方法について見ていきましょう。
定期的に部屋を換気する
畳のダニを増やさないための対策の1つ目は、定期的に部屋を換気するというものです。ダニは湿気を好みます。さらに暖かい場所も好みます。そのため、湿気を除去していくことが、畳のダニ対策に効果的です。
よく、洗濯物を部屋干しする場合がありますが、畳の部屋での部屋干しは控えたほうがいいでしょう。もし畳の部屋で部屋干しをする場合は、窓を開けて換気をしたり、除湿器を効果的に使うといった対策法を取っていきましょう。
乾燥する季節に加湿器を置く場合も、換気に注意しましょう。しかし雨の日に窓を開けるのはやめましょう。こうすることで、カビを抑制する効果もあるので一石二鳥です。
カーペットなどを敷かない
畳のダニを増やさないための対策の2つ目は、カーペットなどを敷かないというものです。畳の部屋にソファなどを置く時、カーペットを敷く場合もあるようです。
これはダニ対策としては問題です。畳の上にカーペットを敷くと、温度も湿度も上がってしまって、ダニが発生する条件を満たしてしまうからです。
もしどうしてもカーペットを敷きたい場合は、掃除の時に、カーペットの掃除と、その下の畳の掃除の両方を行っていきましょう。もちろん、水拭きした時は、カーペットの下の畳もきちんと乾かす必要があります。
畳部屋に置いてあるものも注意
畳のダニを増やさないための対策の3つ目は、畳部屋に置いてあるものも注意するというものです。畳の部屋には、畳だけでなくダニが発生しやすいものが置いてあることが多いです。
たとえば座布団や布団があります。ソファーを置いている場合もあるでしょう。インテリアに飾っているぬいぐるみも、ダニが発生しやすいです。こうした置いてあるものも、定期的に丸洗いしたり、天日干しをしたりするようにして、ダニから守りましょう。
年に2回は畳干しをする
畳のダニを増やさないための対策の4つ目は、年に2回は畳干しをするというものです。畳干しは、春と秋といった気候のいい時期に年に2回行うようにしましょう。
畳を外すのは、それほど大変な作業ではありません。マイナスドライバーを畳の縁に差し込み、コテの力で持ち上げましょう。そうやって畳干しをする時には注意すべきことがあります。
まず、裏側を向けて干しましょう。表にすると日光で畳が変色してしまいます。畳を外した後、しっかりと叩いて、奥にあるダニの死骸やホコリを出すようにしましょう。
畳のダニを駆除する方法を試してみよう!
日本伝統の畳の部屋は、やはり落ち着く空間です。大の字になって寝転んでもダニによる被害が起きないように、しっかりとダニ対策をしましょう。少々手間ではありますが、きちんと掃除をして清潔さを保つと、気持ちの良い畳の上での生活を送ることができるでしょう。