手軽に燻製が作れるスモークチップを紹介!
燻製を作るのは少し面倒くさそうと思っている人も多いかもしれませんが、燻製は燻製器と燻製用のスモークチップやスモックウッドがあれば家庭でも作ることができます。とくにスモークチップはホームセンターなどで簡単に手に入れることができ、少量でもすぐに燻製を作ることができます。
最近では、多くの種類のスモークチップが店頭に並んでいます。ここでは、簡単に燻製を作ることができるスモークチップの種類や特徴、使い方などについて詳しく紹介します。
スモークチップとは
自宅やアウトドアライフで、燻製を作ることを楽しむ人が多くなっています。燻製を作るためには、燻煙材という煙を出して食材を燻すことができるものが必要になります。燻煙材には、スモークチップとスモークウッドの2種類があります。
スモークチップは原木を細かく砕いたもの、スモークウッドは原木を粉状にしてそれを棒状に固めたものになります。スモークチップは、短時間で燻製を作ることができます。スモークウッドは、時間をかけてじっくり燻製を作るときに向いているという違いがあります。
また、スモークチップの方が、煙が多く発生するため香りがつきやすいといわれています。ここでは、燻製を簡単に短時間で作ることができるスモークチップの特徴について解説します。
木材を細かくチップ状にしたもの
スモークチップは、原木を細かく砕いてチップ状にした燻煙材のことです。スモークチップは、直接チップに火をつけて燻すのではなく、下からコンロなどの熱源でスモークチップをあぶることによって煙を出し、その煙を使っていろいろな食材を燻製にします。
スモークチップは原木によって香りが違い、多くの種類があることが特徴です。また、いろいろな種類のスモークチップをブレンドすることで、自分の好きな香りを手軽に作ることもできます。
ただスモークチップは、スモークウッドのように直接火をつけるわけではないので、燻煙器が必要になります。燻煙器は、家庭用の中華鍋などで代用することができるので、自宅でも気軽に燻製を作ることができます。
短時間での燻製に向いている
スモークチップは原木を細かく刻んであるので、少ない量ですぐに燻煙が出ることが特徴です。また、スモークチップは80度以上の高温になるまでの時間が短いため、5分から1時間という短い時間でも燻製を作ることができます。短時間で燻製を作りたいときは、スモークチップをおすすめします。
少量の燻製にも使用できる
スモークチップのもうひとつの特徴は、少量の食材でも燻製を作ることができるということです。スモークチップは、少ない量で燻煙が出てきます。そのため、スモークチップの量を調節することで、燻す食材の量が少なくても簡単に燻製を楽しむことができます。
燻製用スモークチップの種類・特徴
燻製用のスモークチップには、多くの種類があります。スモークチップは、多くの種類の原木を細かく砕いて作っているため、使っている原木の種類によって香りや色づきなどの出来上がりや相性の良い食材が違うという特徴があります。ここでは、スモークチップの種類別の特徴について詳しく解説します。
ヒッコリー
ヒッコリーは、アメリカ原産のクルミ科に属する樹木です。くせのないすっきりとした香りが特徴で、スモークチップをブレンドするときにもよく使用されています。とくにハムやベーコン、サーモンなどと相性が良いといわれていますが、くせのない香りのためどのような食材でもおいしく仕上がります。
日本では、ヒッコリーとしてオニグルミを原木として使っているスモークチップが販売されていることがあります。オニグルミの木は同じクルミ科の樹木ですが、ヒッコリーとは違う材質なので、購入するときに表示を確認する必要があります。
サクラ
サクラは、とても香りが強いスモークチップです。また、もっともポピュラーなスモークチップで、香りと色が食材につきやすいため、初心者用の燻製セットなどにはサクラのスモークチップが多く使われています。
サクラのスモークチップは、香りが強くクセが少しあるスモークチップなので、豚肉やマトン・チーズなどの燻製に向いています。ただほかの食材にも使うことができます。
りんご
リンゴを原木としたスモークチップは、ほのかに甘い香りがします。香りや色つきがあまり強くないため、とても上品な燻製に仕上げることができます。サクラほど香りも色も強く出ないので、失敗も少なく淡泊な味の食材に適しています。
リンゴのスモークチップはとてもマイルドなので、鶏肉や白身魚・チーズなどの燻製を作るとおいしく仕上がります。また、強い香りが苦手な人にもおすすめのスモークチップです。
ヒノキ
針葉樹とされるヒノキは、スモークチップにして燻煙すると油分が多いため、かなりの煙の量になります。また香りがかなり強く個性的なので、チーズを燻製にすると絶品といわれています。ヒノキのスモークチップは使い方が難しいといわれています。
クルミ
クルミのスモークチップは、香りにくせがなく食材を燻製にしたときの色は、程よい感じに仕上がるため、とても使いやすいといえます。燻製を初めて自分で作ってみるという人には、おすすめのスモークチップです。また肉、魚などほとんどの食材に使うことができます。
ウイスキーオーク
ウイスキーオークというスモークチップは、長年ウイスキーを貯蔵していた樽を削って作られています。中には100年以上使われていた樽のスモークチップもあり、ほのかにウイスキーの香りがします。ウイスキーオークで燻製するとウイスキーの香りがしますが、くせのない仕上がりになります。
ウイスキーオークのスモークチップは、くせがないためいろいろな食材を燻製することができます。とくに、鶏肉や白身魚など淡泊な食材との相性が良いといわれています。
燻製用スモークチップの選び方
スモークチップには、香りや仕上がりの色付きなど種類によって違いがあることが特徴です。そのため、まだ燻製を作る経験が少ないときは、どの種類のスモークチップを選んだらいいのか迷ってしまいます。ここでは、香りや仕上がりに違いが出るスモークチップの選び方について詳しく解説します。
香りで選ぶ
スモークチップは、原木の種類によって出来上がった燻製の香りや色づき具合に違いがあります。スモークチップを選ぶときは、どの香りにするかを決めることをおすすめします。
スモークチップには、香りにくせがなくほとんどの食材と相性が良いタイプ、香りに特徴があり淡泊な食材と相性が良いタイプ、豚肉などと相性が良いタイプがあります。どの香りにするかは好みといえますが、スモークチップの香りと食材の相性を考えてみることをおすすめします。
最初はブレンドがおすすめ
スモークチップには、サクラやリンゴ・クルミなど単体で販売されているものがあります。市販されているスモークチップには、くせが少なくいろいろな食材を燻製することができ、使いやすい種類のスモークチップを数種類ブレンドしたものがあります。
まだ燻製を作ることになれていないときは、あらかじめオールマイティにブレンドされたスモークチップを選ぶことをおすすめします。
おすすめの燻製用スモークチップ11選
スモークチップは、原木の種類によって香りが違うためいろいろなものがあります。また、販売されているスモークチップには、同じ香りでもメーカーなどが違うことがあります。ここでは、とくにおすすめの燻製用スモークチップを11選紹介します。
①ソト スモークチップス ブレンド
ソトスモークチップスブレンドは、国産の広葉樹であるナラとブナを中心にブレンドされたスモークチップです。サクラなどのように強い香りが苦手な人や初心者の人にとくにおすすめのスモークチップです。
くせのないスモークチップなので、すべての食材でつかうことができ使うことができるオールマイティのスモークチップといえます。
②進誠産業 スモーク・チップ ヒッコリー
北アメリカでよく使われているヒッコリーのスモークチップです。ヒッコリーはクルミ科に属する樹木で、くせのない使いやすいスモークチップとして知られています。とくにスモークサーモンやハム、ベーコンとの相性が良いとされています。
ヒッコリーと記載されているチップの中に、オニグルミとも表示されているものがあります。ヒッコリーとオニグルミは同じクルミ科に属していますが、ヒッコリーはペカン属でオニグルミはクルミ属になります。そのためヒッコリーとオニグルミは別の品種となります。
進誠産業のヒッコリーチップは国産のオニグルミではなく、北アメリカから輸入したヒッコリーを使用しています。
③ソト スモークチップス りんご
ソトスモークチップスりんごは、果樹であるリンゴの甘い香りが特徴的なスモークチップです。くせのない香りなので、強い香りが苦手な方にもおすすめです。とくに鶏肉や白身魚の燻製を作るときに、おすすめのスモークチップです。
④ソト スモークチップス さくら
ソトスモークチップスさくらは、初心者向けのスモークチップです。国産の原木を使用しているさくらのスモークチップは、豚肉やマトンなどの肉や魚などクセの強い食材で、燻製を作るときに使用することができます。そのほかの食材にも、相性が良いといわれています。
⑤進誠産業 スモークチップ ホワイトオーク
ウイスキーを貯蔵するために長い間使用されてきた樽を削って作ったスモークチップが、ホワイトオークです。原木は、ナラの木になります。ウイスキーの香りがするスモークチップです。ウイスキーの香りを生かした燻製を作ることができ、とくに淡泊な鶏肉や白身魚などと相性が良いとされます。
⑥コールマン スモークチップ ニクブレンド
国産の木材とアメリカからの輸入木材が、原材料として使用されています。コールマンスモークチップニクブレンドの大きな特徴は、スモークチップの表面に国産のザラメ砂糖がついていることです。ザラメ砂糖がついているので、つややかな仕上がりになります。
⑦進誠産業 スモーク・チップ ブナ
進誠産業スモークチップブナは、国産の原木を使っているので安心して使うことができます。ブナのスモークチップは、色づきがよいことが特徴です。どのような食材にも使うことができます。とくに魚の燻製に向いているといわれています。
⑧ロゴス LOGOSの森林 特選薫製チップ クルミ
ロゴスの森林特選燻製シリーズクルミは、厳選された国産のクルミが原木として使用されているので、安心して使うことができます。少しくせのある香りなので、好き嫌いがはっきりしています。肉やサーモンなどの燻製やいろいろな食材の燻製に向いています。
⑨ソト スモークチップス ウイスキーオーク
ソトスモークチップスウイスキーオークは、30年以上洋酒を貯蔵していた樽を削って作られています。洋酒の樽にはホワイトーク材が使われており、スモークチップ自体にほのかに洋酒の香りが残っていることが特徴です。
ソトスモークチップウイスキーオークは少し渋みがあるようですが、くせのない甘い洋酒の香りが、鶏肉や白身魚の燻製に適しています。
⑩進誠産業 スモーク・チップ サクラ
進誠産業のスモークチップサクラの原木には、すべて国産の天然木が使用されています。そのため、安心して使用することができます。サクラのスモークチップは、香りが強く、少しくせがあるため、豚肉やマトンなどの肉との相性が良いといわれています。
⑪ソト いぶし処 ピートスモークパウダー
ソトいぶし処ピートスモークパウダーは、単独で使用するのではなく、いろいろな種類のスモークチップに混ぜて使うと、より深みのある味わいの燻製を作ることができます。出来上がった燻製には、香ばしさとおいしさをプラスすることができます。
ピートは、ウイスキーの本場であるスコットランドでモルト(ウイスキー原料)を乾燥させ、さらに香りづけするために使われています。ピートは、植物が堆積し地中で炭化したものです。このピートの香りが、ウイスキーの仕上がりを決めるともいわれています。
基本的な燻製用スモークチップの使い方
はじめて燻製を作るとき、できるだけ上手に仕上げたいと思います。そのためには、スモークチップの正しい使い方と手順を知っておく必要があります。ここでは、上手に燻製を作るためのチップの適切な量や使い方、加熱の仕方などについて詳しく解説していきます。
使い方・手順
燻製を作るとき使うチップの適切な量は、ほんの一握りくらいの量(約15グラム)です。あまり多くの量を一度に使うと空気の通り道がなくなり、逆に煙が出ないことがあります。
スモークチップに直接火をつけるのではなく、燻煙器や鍋・フライパンにアルミホイルを敷き、その上にチップを置き加熱します。これは鍋などにチップの香りが移らないようにするためです。煙が出始めたら食材をセットします。
おいしい燻製を作るためには、燻製が出来上がるまで加熱し続ける必要があります。そのため、屋外で燻製を作るときは、火が途中で消えないように定期的な確認をおすすめします。
スモークチップで美味しい燻製を作ろう!
ホームセンターなどで手に入れることができるスモークチップを使うことで、手軽に美味しい燻製を作ることができます。わざわざ燻製器を準備しなくても、家庭にある中華鍋などでも作ることができます。また、キャンプなどのアウトドアライフでも気軽に燻製を楽しむことができます。
家族や友人たちと一緒にスモークチップを使ったおいしい燻製づくりに挑戦してみることをおすすめします。