平常心を保てる人になりたい!
ショックな出来事が発生したり大事な試験やプレゼンの前で緊張していると、ショックや緊張で精神的な面で普段通りにはいかないことがあります。そんなときによく「平常心と保つように」と言われますが、なかなか平常心を保つのが難しい人もいるでしょう。
そこで今回は平常心の意味や類語、そして平常心を保つ対処法や名言について解説しましょう。平常心を保てる人になりたいと考えている人はぜひ参考にしてみてください。
平常心とは
平常心を保つための対処法などを紹介する前に、まずは平常心の意味や類語などを解説しましょう。そもそも平常心とはどういった状態のことを指すのでしょうか。また、意味や類語と併せて平常心という言葉を使った例文についても紹介します。
言葉の意味
平常心を辞書で調べると、平常心の意味は「ふだんと変わらない心。揺れ動くことのない心理状態。」と書かれています。
何か思いがけない出来事が起こると精神的に動揺してしまうことがありますが、いつもと同じ心理状態を保つことが「平常心を保つ」という意味になります。
類語
平常心の類語を調べると、類語がいくつかありました。平常心をどういった意味で使用するかによって類語は分けられますが、例えばショックな出来事に対して我慢をするという意味で平常心という言葉を使う場合は「辛抱する」「忍耐する」「我慢する」などの類語が挙げられます。
また、感情が高ぶらないようにいつもと同じ精神状態を保つ意味で使用する場合は、類語として「動揺しない」「平静でいる」「冷静な気持ちを保つ」が挙げられます。
例文
平常心の意味や類語の他にも「平常心」という言葉を使った例文をいくつか紹介します。「友人から言われた一言に衝撃を受けて平常心を忘れていた。」は、何かしらに衝撃を受けたことで我を忘れてしまったときの例文です。
「大変な状況なときこそ、平常心を保つことが重要である。」は、これから困難なことが待ち受けているときに、能力や技術といったことではなく、まずは心を落ち着けることが大切であると思う時に使用する例文です。
平常心を保っている人の特徴
続いては、何かあった時でも平常心を保つことができる人の特徴について紹介します。あなたの周りにもいつも冷静で平常心を保てている人がいるかと思いますが、どういった特徴を持っているのでしょうか。
自分を落ち着ける方法を知っている
人間は誰しもが何か思いがけない出来事が起こったら、動揺して平常心を保つことができなくなるものです。平常心を保つことが出来なくなったときに、自分を落ち着ける方法を知っていることで平常心を取り戻すことができます。
平常心を保つことできる人のなかには、自分を落ち着ける方法を知っていて日頃から習慣化している人が多い傾向があります。例えば深呼吸をして心を落ち着ける、音楽を聴く、水を定期的に飲むなど、毎日続けられるリラックス方法を実行している人が多くいます。
一つずつ作業する
忙しい時には「あれもこれもしないといけない」と精神的に慌ててしまうこともあるのではないでしょうか。特に完璧主義な人ほど、あらゆることをこなそうとして平常心が保てなくなることが多々あります。
しかし平常心を保つことができる人の多くは「あれもこれも」物事を行うのではなく、「あれとこれだけ」と必要最低限のことをこなそうとします。
目標を少し低めに設定して必要最低限のことだけこなそうとすれば、「ミスをしたらいけない」と不安になることも無く、落ち着いて取り組むことができるようになるでしょう。
しっかり備えをしている
平常心を保つことができる人には、物事に対してしっかりと準備が出来ている人が多い傾向があります。しっかりと事前に準備が出来ていれば極度に緊張をしたり失敗を恐れたりすることもありません。
また、何か怒れる出来事や悲しい出来事があっても「そういう人もいるものだな」「人生こういうこともあるよね」と気持ちを切り替える準備をしていることで精神的な余裕を持つことができます。
平常心を保つための対処法
では、どのようにしたら平常心を保つことができるのでしょうか。続いては平常心を保つための対処法について紹介しましょう。今回紹介する対処法は一例なので、自分にあった対処法を見つけて、気持ちを落ち着けるようにしましょう。
座禅
平常心を保つための対処方法のひとつとして座禅が挙げられます。最近の研究で座禅には心理的・身体的なメリットがあることが証明されており、スポーツ選手の中には座禅をトレーニングの中に取り入れている人もいるほどです。
座禅を行うことで不安やストレスを和らげ心を落ち着けることができます。また、座禅には不安やストレスを和らげるだけではなく集中力・記憶力の向上や幸せホルモンとも呼ばれているセロトニンの活性化、睡眠の質の改善等の様々なメリットがあります。
すぐにでも何かを対処しなくてはいけないという危機的な状況では座禅をして平常心を保つということはもちろん難しいですが、日常的な習慣として座禅を行うことで日頃から平常心を保てるようになるでしょう。
座禅の組み方
座禅は座った状態で右足を左足のふとももに乗せ、逆も同じように左足を右のふとももに乗るように足を組みます。この時、両足をふとももの上に乗せるのが難しい場合は、片方だけでも構いません。
手は両手を手のひらが上を向くように足の上に乗せ、両手の親指の指先同士が軽く触れ合うように置きます。そして背筋を伸ばして軽く身体を前後左右に動かし、重心を安定させましょう。
身体が安定したら軽く顎を引いて目を少し開けた状態で1m程度先を見つめます。そして肩の力を抜いてゆっくりと呼吸を整えましょう。
家で座禅をするときは椅子に座った状態で座禅をしても大丈夫です。椅子に座った状態で足を90度におろし背筋を伸ばします。手を軽く組んでゆっくりと呼吸を整えてください。
深呼吸
すぐにでも心を落ち着かせて平常心を取り戻したいという場合の対処法として深呼吸がおすすめです。数回程度の深呼吸をすることで心を落ち着けることができます。
深呼吸をして大きく息を吸い込むことで新しい酸素が体内に取り込まれ、血液の循環が良くなります。血行が良くなると交感神経と副交感神経のバランスが整ってセロトニンの分泌が促され、セロトニンが分泌することで身体も心もリラックスすることができます。
あまり知られていないですが、深呼吸には生活習慣病の予防や便秘・冷え性改善、デトックス効果、疲労回復、ダイエット効果など健康的な効果もたくさんあります。
平常心をすぐにでも保ちたいときだけではなく、座禅と同じように日頃からの習慣のひとつとして深呼吸を取り入れても良いでしょう。
自分磨き
平常心を保つ対処法の一つとして自分磨きが挙げられます。自分磨きをして自分に自信を持つことで、精神的に揺らぐことが少なくなります。自分に自信をつけて「私はこの状況を乗り越えれる力がある」と思うことも平常心を保つうえでとても大切です。
客観的な視点
心を落ち着けるためには、客観的な視点から自分を見つめ直すこともとても大事です。自分のことを客観的に観察することで、自分に対して落ち着くようにと指示することができます。
例えば「肩に力が入り過ぎている」や「心臓がバクバクしている」「焦っているように見える」など客観的に見たときに自分がどのような状態なのかを把握することで心を落ち着かせることができるでしょう。
休息をとる
精神的に落ち着きたいときや頭の中を整理したいときには、充分な休息をとることもとても大切です。身体的にも精神的にも疲れているときには、心が乱れやすく落ち着こうとしてもなかなか上手くいきません。
そういった時には、まずは休息を取って疲れを取るようにしましょう。疲れを取って頭の中と身体をリフレッシュさせることで平常心に戻ることができます。
また、休息をとるときに自分の好きなことをして気持ちを切り替えてもいいでしょう。趣味に没頭することで頭の中がスッキリしますし、好きなことをすることで気持ちも前向きになれるはずです。
無理をしない
思いがけないことが起こってしまったときに平常心を保つ対処法として「無理をしない」ことが挙げられます。冷静になろうとしても我慢して無理をすることでパワーを使ってしまうので、平常心に戻ることは難しいでしょう。
そのため、「無理に笑顔を作らない」「無理に場を和ませようと努力しない」「会話を続けようとしない」など無理をしないようにすることをおすすめします。無理をすることで精神的にも身体的にも疲れてしまうので、なるべく我慢をしないで精神的に落ち着くことが大切です。
平常心を保てる名言
最後に平常心を保てる名言をいくつか紹介します。自分自身が「平常心が保てていない」と感じたら、これらの名言を思い出して心を落ち着けるようにしましょう。平常心を保つときの対処法のひとつとして名言を心に留めておくことをおすすめします。
「辛抱強さ」や「冷静さ」は知能指数よりも重要かもしれないと、私は思っています
この言葉は世界的に有名な投資家であり資産家でもあるウォーレン・バフェット氏の名言です。投資をしていると銘柄の値動きや市場の動き、世の中のニュースに敏感になり不安になってしまうこともあるが、それに動じることなく冷静に辛抱することが大切だという意味です。
また、バフエット氏は「株式市場は時に集団ヒステリーに襲われる。その時に集団と愚かな行為を犯すか、それとも自分の判断に忠実になれるかで投資の成果は大きく左右される」とも話しています。
周りに左右されるのではなく、落ち着いて冷静に自分自身の判断で行うことで結果が大きく変わってくることを意図した名言のひとつです。
ネガティブは「慎重」「冷静」とも言える
この名言は「ヒロシです」のセリフでお馴染みのお笑い芸人のヒロシさんが、若者向けのサイトのインタビュー内で話した言葉です。
ネガティブというとマイナスなイメージがありますが、ネガティブな人は物事に対して慎重であり冷静に考えることができるので、「慎重で冷静に仕事ができると自信を持ってほしい」とヒロシさんは話します。
不安な気持ちになってしまい平常心を保てないときには、「自分は慎重で冷静なだけなんだ」と自分に言い聞かせることで心を落ち着かせることができるでしょう。
冷静を保て。怒りは議論ではない
「冷静を保て。怒りは議論ではない」という名言は、アメリカの政治家であり法律家でもあるダニエル・ウェブスターの言葉です。ダニエル・ウェブスターは19世紀前半を代表する政治家の一人です。
時には「怒り」を原動力として物事に打ち込むこともあるでしょう。しかし感情を原動力としていると、時が経つにつれて感情が薄れてしまうため後から後悔することも少なくありません。
感情に流されるのではなく、いつも冷静に物事を考えて平常心を保つことが、物事を上手く進めるためのコツでもあります。
将軍は決して「まさか」と言ってはならない
この言葉は東ローマの皇帝・マウリキウスの名言です。これは「上に立つ指導者的な立場である人は、あらゆることを想定して事前に対処法を考えておかないといけない」という意味があります。
また「思いがけないことが起こったとしても、部下たちの士気を下げないように冷静に解決しなくてはいけない」という意味でもあります。
「平常心を保っている人の特徴」でも解説したように、平常心を保てる人は日頃からしっかりと準備をしている人が多い傾向があります。何かあっても平常心を保つことができるように、日頃から対処法を考え備えておくことが大切です。
平常心をもって一切の事をなす人、これを名人というなり
この名言は江戸時代初期の剣術家である柳生宗矩の言葉です。柳生宗矩は徳川将軍家の兵法指南役で剣術の名人でありました。この言葉の意味は「本当の名人はあらゆることにおいて常に平常心を保てる人のことをいう」です。
本番になるとなかなか上手く自分の実力を発揮できない人がいますが、それは緊張や不安が原因であることが多いです。そのため緊張や不安を無くし平常心を保つことで、いつもの練習と同じように本番でも実力を発揮することができるでしょう。
本番で実力を発揮するためには、日頃から何度も練習することが必要です。平常心を保てるくらいに繰り返し練習をすれば、そのときには名人に匹敵するくらいの実力が備わっているでしょう。
平常心を保ってストレスのない生活をしよう
今回は平常心という言葉の意味や類語、そして平常心を保つための対処法などについて解説しました。思いがけないことが起こるとつい心を乱してしまうこともあるでしょう。しかし日頃から準備をしておくことで、そんな時にでも平常心を保てるようになります。
日常的に行える対処法もいくつかあるので、今回紹介した対処法を参考にしながら、平常心を保てるようにしてストレスの少ない生活をおくれるようにしましょう。