前世の記憶を持つ人ってどんな人?
仮に前世があるとしても、実際に前世の記憶を持っている人はあまりいません。しかし、ごく一部の人は前世の記憶を持っていて、思い出すことができるようです。そのような人にはどのような特徴があるのかを解説していきましょう。
前世とは
前世の記憶を持つ人の特徴を解説する前に、そもそも前世とは何なのかを考えてみましょう。よく前世は芸術家だったのではなどと言いますが、その前世は何を意味し、どのような思想から出てきたものなのかを検証してみましょう。
前世の記憶を持つ人は多い?
前世という考え方は、輪廻転生という古来インドの思想から生まれました。人の人生は現在生きているものだけでなく、生まれる前の別な人生、つまり前世があり、死後に別な人生、後世が続くという思想から来ています。
前世という場合は、お母さんの胎内に宿る前に経験した別の人生という意味になります。この前世を信じるかどうかは、個人個人の考えにもよりますが、実際には信じている人が多いようです。
しかし、信じているから、前世の記憶を持っている、前世のことを思い出すことができるというわけではありません。普通は前世の記憶は頭の中から消えていますが、その人の習慣、性格などに前世の影響があるとも言われ、気が付かないところで前世の記憶を持っている人が多いです。
実際に前世の記憶を持つ人がいる
前世の記憶を持つ人はそれほどいませんが、実際に前世のことをかなりはっきりと思い出すことができるという人がいます。スピリチュアル感覚が優れ、霊感の強い人でしょうが、そのような人は前世で自分はこうだったと明言できます。
いい前世と悪い前世の記憶
前世の記憶を思い出すことができる人でも、その記憶がいいものである人もいれば、悪いものである人もいます。いい前世の記憶なら気分はいいでしょうが、悪い前世の記憶はトラウマになりやすく、心の傷として残ります。
前世は一つではない
前世という場合一つ前の前世を指すことが多いですが、実際にはその前の前世、さらに前の前世というようにたくさんの前世があります。その一つ一つを覚えているという人はほとんどいません。お釈迦様のような悟りを開いた人だけがすべての前世を見ることができると言われています。
前世の記憶を持つ人の特徴
前世の記憶を割とはっきりと持っている人には、どのような特徴があるのでしょうか。普通の人とは違う点がありそうですが、どこがどう違うのかと思っても分かりにくい部分です。そこで、前世の記憶を持つ人の特徴を少し詳しく見てみましょう。
勉強していないのに知ってることがある
人は勉強することで、いろいろなことを知り、覚え、記憶に蓄えていきます。それが普通の人間の脳の在り方ですが、前世の記憶を思い出すことができる人は、特徴として勉強しないのに知っていることがあります。
例えば、古い言葉の記憶があったり、違う民族の生活体系に詳しかったり、昔の出来事を克明に語ることができたりなど、絶対に知らないようなことに答えることができるのです。
つまり、前世で自分が直接体験したのでなければ、分からないようなことを知っているのです。もちろん、それが前世の記憶の証明になるというわけではありませんが、かなり前世との関連がありそうに思える特徴です。
未来をよく夢で見ている
前世の記憶を思い出すことができる人は、スピリチュアル性に優れ、霊感が強い場合が多いです。その特徴のせいか、よく未来を夢で見ます。普通の人でも夢で多少の予知ができる場合がありますが、前世の記憶がある人の場合、よりその夢が鮮明で予知力が強いようです。
前世の記憶がある人の中には、夢で前世のことを思い出すという場合もあるようです。目が覚めている時だけでなく、夢の中で再体験をしているということになりますが、いい前世ならまだしも、悪い前世だと苦しいこともあるでしょう。
先天性の欠損や疾患を持っている
先天性の欠損や疾患を持っている人の中に、前世の記憶があるという場合があります。そのような人すべてに当てはまる特徴ではありませんが、インドでは報告事例があります。もちろん、先天性の欠損や疾患と前世が関係しているというわけではありません。
しかし、何らかの前世が特に強い記憶となり、現生にまで引き継がれているというケースがあります。欠損や疾患により、スピリチュアル性が高まり、霊感が鋭くなっているという可能性もあります。
前世での怖い記憶が残っている
前世で怖い体験をした人にその記憶がまざまざと残る場合があります。前世に限らず、現世でも怖い体験というものは心に大きな影響を与えますが、前世でも同じように怖い体験をし、それが現世まで引きずることがあります。
特に前世の記憶の特徴として、繰り返し思い出すことがあり、怖い体験はかなりしつこくその人にまとわり続けます。夢でも同じような映像を見ることがあり、昼間でなくても苦労することがあるようです。
はじめて来たとは思えない場所がある
初めて見る景色に感動することもあるでしょうが、前世の記憶がある人は、その初めて見る場所に対して、どこかで見たことがある、景色を覚えているという経験をする場合があります。デジャビュ体験ということでしょうが、前世でその土地を訪れたことがあるせいでしょうか。
中には、前世の記憶と現世で見た場所の様子が少し変わっていることに気づく人もいます。よほどスピリチュアル感覚が優れ、霊感の強い人だけの特徴ではありますが、そのような体験をする人が過去にもいたし、現在もいます。
当事者しか知らないことを知っている
めったにないことですが、前世の記憶がある子供などにたまに起きる現象です。それは、当事者しか知らない情報を知っていることです。たとえば、前世で他人に殺された人が生まれ変わり、犯人のことを覚えているというケースです。
また、遺体の場所も知っていて、実際に捜索してみると、発見ができたという場合もあります。これは前世の記憶を思い出すことができたせいだと考えることもでき、前世を信じない人にも驚きのケースでしょう。
スピリチュアル的に優れた感覚を持っている
これまでにも何度か取り上げた特徴ですが、前世の記憶を思い出すことができる人は、スピリチュアル的に優れた感覚を持っています。通常の感覚では得られないスピリチュアル性に恵まれ、いろいろなことにも霊感でよく気づく人が多いです。
ただ、スピリチュアル感覚に優れる人は、どちらかと言うといい前世を過ごした人に多いようです。いい前世によって魂が磨かれ、現世でも優秀な特徴を持って生まれ変わってきたというわけです。
前世の記憶を持つのは子供に多い
大人でも前世の記憶を持っている人はいますが、忙しい生活に明け暮れるうちに、徐々に記憶が薄れるケースもあります。それに対して、子供の中には前世の記憶を明確に持っている子がいます。
大人に比べて、子供はまだ生まれてから月日がそれほど経っていないので、生まれる以前の前世の記憶がかなり残っているのです。もちろん、子供と言ってもすべてではありませんが、たまにそういうケースが見られます。
歴史的な出来事を覚えている
前世で歴史的な大きな出来事に出くわした人がいたとします。そのような人は、史実を確認しなくても、その出来事をよく覚えていることがあります。むしろ歴史書では語られない裏事情なども思い出すことができるケースもあり、周囲から見ると驚きの存在でもあります。
古い戦争などの歴史は、歴史書を紐解かないと状況は分かりません。ところが、前世でそのような場にいた人、特にその場で殺された人などは、鮮明にその記憶が残っている場合があります。時にはそれがトラウマになるケースもあります。
惹かれる土地がある
それほど前世の記憶がはっきりしていなくても、なんとなく惹かれる土地というものは誰にでもあります。行ったことがなくても無性に行きたい土地、留学してみたいと思う国、できれば住んでみたいという気持ちになる場所などがあるでしょう。
そのような国や場所では、前世で生活した経験があるのかもしれません。その記憶が深層意識に残って、現世でも訪れようという気持ちになっている可能性があります。これも前世の記憶を持っている人の特徴とも言えるでしょう。
前世の記憶を持つ子供の例
前世の記憶を持っている人の中で、子供にはどのような特徴があるのかを見てみましょう。子供にはまだそれほど新しい記憶が蓄えられていないので、前世の記憶がかなりはっきりと残っている場合があります。
前世のママを覚えている
子供にとって親は何よりも大切なものですが、前世の記憶がある子供の場合は、現世のパパやママ以外に、前世のパパやママの名前や顔を覚えているケースがあります。現世の親にしてみれば驚くべきことですが、前世では別の人に育てられたということです。
また、前世のパパやママのことを覚えているだけでなく、生活した家の記憶がある場合も多いです。どのような家でどんな暮らしをしていたのか、子供の頭の中に結構鮮明に残っていることがあります。
前世の職業を覚えている
前世の記憶を思い出すことができる子供の中には、職業を覚えている子もいます。自分が前世でどのような仕事に就き、どのような業務を行っていたか語れる子供もいます。前世の職業は現世の職業にも影響があるもので、似たような仕事を将来始めるかもしれません。
前世の辛い出来事を覚えている
前世の辛い出来事を覚えている子供もいます。人生にはいろいろな辛い出来事がありますが、前世での経験は特に心に強く残っている場合があります。前世で火事に遭った、両親が死んだ、孤児になったなどの経験を語る子供もいます。夢でうなされる場合もあります。
前世で亡くなった時のことを覚えている
前世でどのように死んだのか、死んだ時の状況を覚えている子供がいます。「こんな風に死んだんだよ」などと語る子もいて、最初その話を聞いた親は信じられないことでしょう。しかし、あまりに何度も真剣に繰り返す子供を見ていると、前世の記憶と思える場合もあるでしょう。
前世の名前を憶えている
これは子供だけに限りませんが、前世の記憶がある人の多くは前世の名前を覚えています。子供の場合は、その前世の名前をあえて使うこともあります。次第にそのようなことはなくなりますが、最初のうちは親も戸惑うでしょう。
母親の出産を待っていた
これは前世の生活の記憶ではなく、死後の魂の状況を表すものですが、母親の出産をずっと待っていたという子供がいます。つまり、あの世で母親が自分を生んでくれるのを今か今かと待望していたということですが、特殊なスピリチュアル体験の例とも言えます。
前世の記憶を思い出すことはできる?
普通は前世の記憶は覚えていません。前世でどのような生活をしていたにしても、その記憶は消えています。もしかしたら脳のどこかに残っているかもしれませんが、それを引き出すのは難しいです。しかし、何とか前世の記憶を思い出す方法はないものでしょうか。
惹かれるものや場所を追及する
妙に惹かれるものや場所というものがあります。特に行ったことはないのだけれども、どうしても訪れてみたい、住んでみたいという場所です。そのような場所があれば、ぜひ一度は訪問してみてください。
特定の場所に惹かれるのは、前世でそこで生活したことがあるからかもしれません。絶対とは言えませんが、その場所を訪問することで、前世の記憶が呼び覚まされる可能性もあります。スピリチュアル体験を肌で感じ取るいい機会にもなるでしょう。
瞑想をしてみる
瞑想を始めたからと言って、すぐに前世の記憶がよみがえるわけではありませんが、毎日続けることで集中力が生まれます、その集中力から前世の記憶のヒントになるものが得られるかもしれません。もちろん、雑念を振り払うのは大変でしょうが、慣れるとうまくできるようになります。
瞑想中に頭の中に浮かんだものが前世と関係している可能性もあります。ふと浮かんだものは意外に意味があり、大切な内容を含んでいることがあります。瞑想はとても価値のあるスピリチュアル体験であり、実践することで得られるものも多いです。
夢の記録をつける
睡眠中に見る夢はいろいろな意味を持っています。未来の予知をする夢もあれば、現在の自分の置かれた状況を分析する夢もありますが、もう一つ過去を思い出すという夢もあります。したがって、夢の中に前世の記憶が含まれている場合があります。
その夢を記録に付けていけば、未来予知だけでなく、前世の記憶を思い出すよすがになるかもしれません。夢にはさまざまな内容が含まれているので、整理が大変ですが、記録に付けていけば、うまくまとまり、前世の記憶と関連があるものを抽出できるでしょう。
退行睡眠を行う
退行睡眠とは、記憶の過去にさかのぼって、問題の本質を見つけ、現在の悩みの解消を目指す催眠療法のことです。普通は、現生の過去の記憶をさかのぼり、トラウマの本質を探っていきますが、さらに過去へと進み、前世にまで行きつくことがあります。
前世まで進む退行睡眠を前世療法と呼ぶ場合があります。前世のトラウマを解決し、現生の生活をより良くする治療になっているからです。したがって、退行睡眠をうまく行えば、前世の記憶を思い出すケースもあります。
ただ、退行睡眠には一つ注意点があります。それは前世の生活が必ずしも楽しいもの、快適なものであったとは限らないことです。もし辛くてきつい前世だったとすると、思い起こすことでかえって苦しむこともあります。
霊能者に前世を見てもらう
自分で前世の記憶を呼び起こすのは簡単なことではありません。いくらスピリチュアル体験をしようと思っても、なかなかうまく行くものではありません。努力が無駄に終わるケースも多いです。
では、前世の記憶を知る方法が全くないのかと言うと、優秀な霊能者に頼るという手があります。霊能者の中には前世の透視ができる人がいて、大事な情報を選んで教えてくれます。
ただし、すべての霊能者が前世の霊視ができるとは限りません。先祖の透視はできるが、前世はできないという人もいます。したがって、いい霊能者を探すまでが大変です。霊能者は目に見えないものを扱うだけに、本当に信頼できる人を見つけるのは簡単ではありません。
直感を信じる
人には直観力というものがあります。個人差があるので、直観力に特に優れた人と得意でない人もいますが、それでも直観というスピリチュアルな感覚を大切にすることで得られるものがあります。
前世の記憶もこの直観力と関係がある部分があります。論理的に筋道立てて考えた結論と前世の記憶は相反する場合があり、スピリチュアルな直観力で得られた情報の方が深いつながりがある場合があります。
そういう意味では、直観力を重視することで、前世の記憶を思い出すこともあり得ます。また、直観力を磨くことも前世をよみがえらせる効果があります。
前世の記憶を持つ人の注意点
前世の記憶を持つことにはいいことばかりがあるとは限りません。良くないことも含まれる場合があるので、注意すべきこともあります。その注意点についていくつかまとめたので、前世の記憶を持つ人はもちろん、思い出そうとしている人も気を付けてください。
トラウマに注意する
前世の記憶で注意すべきことと言えば、まず前世で悲惨な体験をした、辛い思いをした、苦しんだ、不幸な死に方をしたという場合です。このような前世の記憶を持っていても、決して気分がいいものではありません。
ましてやそのような前世を必死に思い出そうとしても、得られるものはあまりありません。不幸な前世はトラウマとして残る場合もあり、ただ記憶があればいいということではありません。
自分の前世が幸福であったか不幸であったかは簡単には分かりませんが、記憶をたどることでかえって現世が苦しくなることもあるので、注意が必要です。
前世の記憶にとらわれ過ぎない
前世の記憶を思い出したい、前世の生活を知りたいという欲求を持った人がいますが、仮に前世のことがわかってもそれにとらわれすぎるのは良くありません。これはスピリチュアル思考の人が特に注意すべきことですが、前世や直観というものに頼り過ぎてはいけないのです。
前世の記憶も大事でありますが、前世はあくまでも過去の出来事です。過去どのような生き方をしたにせよ、最も重視すべきが現世です。現世で素晴らしい人生を送ることが人間が生きている目的ですから、前世にこだわり過ぎないように注意しましょう。
ただ、前世の人生があまりにつらいと、いつまでもそのトラウマが取れないこともあります。そのような場合は、前世のトラウマ解除の御祈願をされるといいかもしれません。
現世を大切にする
繰り返しになりますが、大事にすべきは現世です。今現在をどう生きるかを考えることにこそ人間が生きている意味があります。そこから未来に向けてどう自分を発展していったらいいかに目を向けましょう。
もちろん、前世の生活は現世のさまざまな部分に影響を与えているので、全く無視することはできません。だからと言って気にし過ぎては前へ進めませんから、現生第一主義で人生に望むように注意してください。
霊能者に頼る場合の注意点
この注意点はご存じでない人も多いので、説明しておきます。それは、霊能者に頼る場合の注意点です。霊能者を名乗る人は全国に多数いますが、透視にはエーテル体、アストラル体、霊体などを対象にしたものがあります。
人智学にも出てくる用語ですが、どのようなものを透視できるかで、前世の見え方も変わってくると言います。必ずしも霊能者がすべての世界を透視できるとは限らず、一部の表面的な世界だけで判断している場合があります。
したがって、前世を透視できるとは謡っていても、不十分な透視しかできない霊能者もたくさんいます。どの霊能者がどのくらいの透視能力を持っているのかを判断するのは非常に難しいですが、実際に相談に行った人の口コミが参考になるでしょう。
占い師は前世が見える?
占い師の中にも前世が透視できると言っている人がいます。しかし、基本的に占いと霊能力は別のものです。占いができても、前世透視ができるとは限りません。むしろできないのが普通です。したがって、霊能者に頼る以上に占い師には注意する必要があります。
前世の記憶は楽しい記憶ばかりではない
ここまで、前世の記憶を持つ人の特徴や前世の記憶を思い出す方法などについてお伝えしました。前世の記憶を持っている人は独特な特徴を持っていますが、それをまねて前世を思い出そうとする場合は、楽しい記憶ばかりではない点に注意しましょう。