主な飲み水の種類
今回は、水の種類について解説をしていきます。一言で水といっても、実は様々な種類があることを知らない方も多いかもしれません。水道水とミネラルウォーターでは違いがありそうな気がしますが、具体的にどのように違うのかきちんと理解している方は少ないです。
まず、飲み水の種類から紹介をします。飲み水にも、様々な種類があることをご存じでしょうか。水道水をそのまま飲み水として利用する方もいますが、市販のミネラルウォーターを利用する方も多いです。それぞれの種類ごとの特徴と違いを紹介します。
飲み水の種類①水道水
飲み水の一種類目は、水道水です。水道水は、一般的に広く利用されている水です。自宅などで蛇口をひねると出てくるという感覚を持つ方が多いかもしれません。
日本では、ダムで貯蔵した雨水をろ過して塩素消毒をしたうえで、一定の水準をクリアしたものだけが提供される決まりになっています。
日本の水道水は世界的に見て非常に安全性が高く、比較的安心して利用できる水です。ただ、最低の水準をクリアしているというもので、品質の良さが確保されているというわけではありません。他の種類の水に比べて品質は劣ります。
飲み水の種類②ミネラルウォーター
飲み水の二種類目は、ミネラルウォーターです。ミネラルウォーターは、マグネシウムやカルシウムなどのミネラル成分を豊富に含んでいることに特徴があります。
ミネラルウォーターと一言で言っても、ミネラル成分の含有割合などで様々に分類することができます。地層から染み出た天然水が一般的ですが、ミネラル成分を人工的に調整したミネラルウォーターもあります。
スーパーなどでミネラルウォーターは市販されています。店頭に並んでいるだけで種類が豊富に用意されていることが分かります。ミネラル成分の含有量や割合などを考慮して好みの商品を選択しましょう。
飲み水の種類③炭酸水
飲み水の三種類目は、炭酸水です。炭酸水は、炭酸ガス(二酸化炭素)を含んでいる水のことで、ジュースなどで用いられる例が多くなっています。
人工的に炭酸ガスを水に注入して生成するタイプと、地層から噴出するガスを含んで湧き出てくるミネラルウォーターのタイプがあります。
日本では前者の形式で生成することが多いですが、海外では後者のタイプの炭酸水も結構多く、ミネラル成分を含みながら炭酸水のシュワシュワ感を自然に味わうことができる商品が販売されています。ヨーロッパの山岳地域でよく見られる現象です。
飲み水の種類④アルカリイオン水
飲み水の四種類目は、アルカリイオン水です。アルカリイオン水は、人工的に作る飲み水です。整水器で水を電気分解すると、マイナス極に触れた水が水素となり、アルカリ性になることで生成される水です。
口当たりが通常の水と比べてまろやかになり、飲みやすい飲料感になります。口当たりがやさしく、子供にも好まれる味わいになります。
主に料理用や日常の水分補給に利用されることが多いです。健康面でも注目されていて、多くの方が利用する人気の飲料水として販売されています。赤ちゃんのミルクを作る際にもおすすめです。
飲み水以外の水の種類
続いて、飲み水以外の水の種類を紹介します。水には、飲み水や調理用など人間などが口に入れる目的で利用される以外にも様々な役割を担っています。
工業用や化粧水などの美容系のグッズ、コンタクトレンズの洗浄液など特殊な用途に利用されることも多いです。意外に日常生活の中でも利用されているものの、知らない種類の水も多くあります。
それぞれの水の特徴を理解して、日常生活でどのように生かされているのかを把握することで水の役割をより強く感じることができます。生きていくうえで欠かせない水の重要性が分かってきます。
飲み水以外の種類①RO水
飲み水以外の水の一種類目は、RO水です。RO水は、RO膜という特殊な膜で水をろ過して生成されます。ミネラルや不純物、有害物質などをすべて除去した純水になります。
不純物や含有物が全くないため安全性は非常に高いですが、ミネラル分がないために味がなく、飲みづらいという欠点があります。
RO水の用途は、料理において特に汁物やシチュー系の商品に利用されます。水に味わいがない分、逆に素材の味わいが生かされるので、調理専門店やレストランなどで好まれて使用される例が多くなっています。
飲み水以外の種類②精製水
飲み水以外の水の二種類目は、精製水です。精製水は、蒸留やイオン交換などの方法を用いてろ過されて作られます。RO水と同様、不純物やミネラル成分が全く含まれない純水の一種となります。
浸透性に優れ、肌に優しいという性質を生かして、化粧水やコンタクトレンズの保存液として使用されることが多くなる種類です。
ドラッグストアなどで市販されていますが、不純物もミネラル成分も何も含まれていないために雑菌の繁殖に弱いという欠点があります。開封してから一週間をめどに使い切ることを目標に、開封後は冷蔵庫での保管を心がけましょう。
飲み水以外の種類③海洋深層水
飲み水以外の水の三種類目は、海洋深層水です。海洋深層水とは、水深200メートルよりさらに深い部分にある海水を指します。ミネラル成分を豊富に含んでいることが特徴として挙げられます。ミネラルウォーターよりさらに含有量が多くなります。
さらに、細菌類や有機物が少なく安全性が高いことも特徴です。水深200メートルより深い部分には、太陽光が届かないことで、有機物が発生しづらくなるためです。
海洋深層水は、塩分を取り除いて飲料用として利用されることも多いですし、化粧品や医薬品などにも活用されることが多い品質の高い水になります。
天然水とミネラルウォーターの違い
続いて、天然水とミネラルウォーターの違いについて説明をします。スーパーなどでは、ミネラルウォーターと天然水がそれぞれ販売されているコーナーをよく見かけますが、どれだけの方が二つの違いを区別できているでしょうか。
天然水とミネラルウォーターには似ているように感じますが違いがあります。もともとは両方とも天然水ですが、天然水として採取した後どれだけ人間の手が加えられるかによって違いが出てきます。
用途も飲み水としての味わいもかなり変わってくるので、両者の違いを理解して自分に合った方の水を選択するようにしましょう。
ミネラルウォーターの原水
ミネラルウォーターは、天然水に加工を加え、ミネラル分を調整して生成されます。ミネラルウォーターのもとになる原水は、七種類に分類されます。浅井戸水、深井戸水、湧水、鉱泉水、温泉水、伏流水、鉱水の七種類になります。
それぞれ採取される場所や採取されたときの温度や採取する方法、自然に湧き出ているか否かなどによって区分されます。それぞれミネラルウォーターの成分や味わいを決める重要な要素になります。
七種類から生成されるミネラルウォーターを飲み比べて、自分の好みに合う商品をみつけるのも楽しいです。
ミネラルウォーター分類
ミネラルウォーター自体の分類は、4種類に分類できます。農林水産省が定める「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」による分類で、公的に定められています。第一に、ナチュラルウォーターです。特定の水源から採取された地下水を原水としています。
ろ過などの基本的な加工以外の措置を加えないことが条件になります。第二に、ナチュラルミネラルウォーターがあります。ナチュラルウォーターのうち、ミネラル分が水に融解しているものを指します。第三に、ミネラルウォーターがあります。
ミネラル分の調整や複数の水源の水を混合して生成されます。第四に、ボトル度ウォーターがあります。上記三種類以外のもので、主に飲料用に用いられます。
水の硬度
続いて、水の硬度について説明をします。水には、硬度という考え方があります。水に含まれるミネラル分の濃度により分類されます。一般的に、水は硬水と軟水に大別することができます。
硬水と軟水にはそれぞれ特徴があり、おすすめの利用方法などが異なっています。香水と軟水の特徴をそれぞれ紹介していき、それぞれのおすすめの活用方法も含めて解説をします。
水は硬度によって味わいも口当たりも大きく異なってきます。栄養成分としても変わってくるので、それぞれの特徴を理解しおすすめの活用方法を理解しておきましょう。
軟水の特徴
まず、一つ目の分類として軟水について解説をします。軟水の定義は、日本では硬度が100以下の水を軟水と分類します。軟水の特徴は、ミネラルが多すぎないことから、肌や胃腸にやさしいという特徴を持っています。
味や口当たりも少し優しい印象を受けます。日本の水は、硬度が50未満が一般的になっていて、海外の水に比べてよりやさしいという特徴があります。硬度が高い水を飲み続けると、胃腸の弱い方は下痢になりやすいという側面もあります。
軟水の使い方
軟水のおすすめの使い方は、赤ちゃんや胃腸の弱い方でも安心して飲めることから、赤ちゃんのミルクづくりに利用したり、料理に利用する方法があげられます。また、肌や頭髪にも優しいので、洗髪や洗顔の際にもおすすめです。
また、石けんや洗顔料との相性がよく、泡立ちが良いという特徴もあります。ミネラル分の性質として、石けんの成分と結合して残りかすのような物体が生成されてしまうことがあげられますが、軟水ならこの心配が少なく安心して利用できます。
硬水の特徴
続いて、もう一つの分類である硬水について解説します。硬水とは日本における定義としては硬度が100を超えている水のことを指します。ミネラル成分を豊富に含んでいることから、相性の良いおすすめ料理に用いると美味しく仕上がります。
胃腸の弱い方が飲みすぎると下痢を起こしたりトラブルの要因となるので注意しましょう。栄養素は軟水よりも硬水の方が豊富に含んでいますが、口当たりが少し強く、人によっては苦みや渋みを感じる方もいます。慣れないうちは、硬度が低めの硬水を利用しましょう。
硬水の使い方
硬水のおすすめの使い方としては、相性の良い料理に活用することがあげられます。荷崩れを防ぎたい料理の場合には、軟水よりも硬水の方が調理しやすくおすすめです。肉の煮込み料理に活用すると、とても柔らかい食感の肉が出来上がります。
また、パスタ料理にも硬水の方がおすすめです。パスタの麺にコシが出て、食感がよくなります。パスタをゆでるときに塩を少し加えることが一般的ですが、これは硬水を用いるのと同じ意味合いで、ミネラル分を増やした方が美味しくゆであがるためです。
国別の軟水・硬水の定義
最後に、硬水・軟水の定義が国ごとに異なることを解説します。前述のように、日本では硬水は硬度が100を超える水、軟水は硬度が100以下の場合という定期がありますが、これは日本だけの定義で、外国では別の定義が用いられています。
日本人が海外に行って水を飲むと腹痛に見舞われるケースが多いのは、水の硬度に関する定義が異なる点も要因の一つとされています。硬水・軟水の定義をよく理解し、海外に行っても困らないように気を付けましょう。
日本での定義
日本における硬水と軟水の定義は、前述のように硬度が100が区切れ目となっています。100を超えると硬水、100以下だと軟水と定義されます。
硬度の計算方法自体も実は国によって異なります。日本では、アメリカ硬度を採用しています。これは、水1リットル中に含有されるカルシウムとマグネシウムの量によって算出されます。
国によって定義も異なりますし、計算方法も異なるので、海外では軟水の分類でも日本では硬水に近いということもよくあるので注意が必要です。
日本の水は基本的に軟水
日本の水は、基本的に軟水が多いと言われています。これには、日本の地形が影響しています。日本はミネラル分の少ない火成岩の地層が多いため、水もミネラル分が少なくなる傾向にあります。
また、山脈が急こう配である地形が多いため、雨水が川になって流れる距離が短くなることから、ミネラル成分を含まずに流れていくケースが多いことも、日本で軟水が多い要因となっています。
WHOでの定義
WHO(世界保健機関)における軟水と硬水の定義について解説します。WHOの場合は、硬度60未満が軟水で、硬水は硬度60を区切りに3段階の定義を行なっています。
日本と同様アメリカ硬度をベースにした計算方法を採用しています。一言で軟水といっても、どの基準を採用しているかによって硬度に差が出てくるので、注意しましょう。
水の種類ごとにおすすめの使い方は違う
以上、水の種類について紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。水と一言で言ってもたくさんの種類があり、それぞれおすすめの利用方法や活用の目的が異なることなどを紹介してきました。
飲料水の中でも種類はたくさんあるため、自分の好みや体質に合ったものを選択したり、利用目的に応じて使い分けることが賢い水との付き合い方といえます。