奨学金の申請理由の書き方
日本では中学生までが義務教育とされていますが、現在の高校進学率は98%以上と言われています。また、そのうちの半数以上が大学に進学しており、高卒就職者は高校卒業生の約15%程度にとどまっています。
このことからも、高校生の多くが大学や短大、専門学校への進学を視野に入れていると言えますが、進学を考える上で気になるのが「進学費用」です。
奨学金は学費・生活費の補填になる
進学率が年々上がる一方で気になる「進学費用」は、高校進学時とは比べ物にならないほど高額になります。私立大学では1校の受験料に3万5000円かかるだけでなく、入学金に約30万円、また授業料は文系で100万、理系に至っては130万円以上かかることもあります。そこで高校3年生になると、学校で奨学金の説明会が行われることもあります。
奨学金を活用して進学
このように、大学や短大、専門学校といった高等教育を受けるにはお金がかかりますが、兄弟姉妹が多かったり、母子家庭・父子家庭、働くことができない事情があったりするなど、家庭事情などによってはすぐに支払うことが難しいこともあります。そこで活用したいのが奨学金です。奨学金は今や大学生の約半数が活用していると言われています。
奨学金にも様々な種類がありますが、どれを活用するにしろ「申請書」を書かなければなりません。ですが、高校生や大学生にとって申請理由をどのように書いたらいいのかという書き方がわからなかったり、中には作文そのものが苦手という人も少なくないでしょう。
奨学金の申請理由作文のコツは「200字以内で簡潔にわかりやすく」!
申請理由の作文のコツは「200字以内で簡潔にわかりやすく状況を伝えること」です。申請理由の作文を読む人は、申請者本人やその家庭環境について詳しく知る人ではありません。そのため、自分のことをよく知らない人でも申請者本人が現在置かれている状況が簡潔にわかりやすく伝わることが重要になります。
「200字以内で」というのは、多くの奨学金の申請理由の作文の文字制限が200字だからです。これは、少ない文字数でまとめられればよいのではなく、少なくとも200字のうちの90%ほど(約180字)は埋めたいところです。
どうして学費が足りないのかをアピール
奨学金を申請するための申請理由は様々ですが、共通することは「学費・生活費の補填」です。そのため、奨学金の申請理由の書き方の1つ目は「なぜ学費(生活費)が足りないのか」を書くことになります。
なぜ学費が足りないのか、という申請理由を具体的に見てみると様々でしょう。保護者の収入が減少してしまったことや、兄弟姉妹が多いこと、または母子家庭や父子家庭であることなどもあるかもしれません。このように申請理由は具体的に書く必要があります。
ネット上の例文を参考
何を書けばいいかわかっていても、「どのように書き出したらいいかわからない」「どのように表現したらよいのかわからない」という書き方の不安もあるでしょう。そこでインターネット上に掲載されている例文を参考にすると便利です。
奨学金の申請期間はなにかと忙しいことも多く、あまり多くの時間を割くことができない可能性もあります。そこでこういった例文を上手に活用して、伝わる奨学金の申請理由書を書いていくことが重要になります。
インターネットはあくまで参考程度に!
ここで注意するべきは「インターネット上の例文をそのまま使用しない」ことです。申請理由の作文を受け取った人にも「そのまま写してきたものだ」とばれてしまう可能性が高く、評価を大きく下げる原因となります。インターネット上には200字以内に収まる奨学金申請理由の書き方もたくさん載っていますが、あくまで参考程度にするようにしましょう。
このような点も踏まえて、今回は様々な申請理由のパターンに合わせた例文を紹介しつつ、200字以内で伝わる申請理由の作文を書くコツをお伝えしていきます。
奨学金の種類をおさらい
奨学金といっても様々なタイプのものが存在しています。大きく分けると「給付型」「貸与(無利子)型」「貸与(有利子)型」です。最も人気になるのが「給付型」です。それに次いで「貸与(無利子)型」、できれば避けたいのが「貸与(有利子)型」です。
どの種類の奨学金を借りるかによって、将来返済しなければならない金額が変わります。あくまで奨学金は「学生本人の借金」になります。そのため卒業した後、社会人になってからの返済計画をきちんと考えた上で、どの種類の奨学金を借りるのか、またどの程度の金額を借りるのかを考えるようにしましょう。
給付型が一番人気で倍率も高い
奨学金の中で最も人気になるのが「給付型」奨学金です。これは名前の通り、返済する必要のない奨学金です。例えば、神奈川大学の「給費生試験」は給付型奨学金の一例です。これは、給費制試験という学力試験を受験し、その上位合格者には大学4年間で最大870万円の給付金が支給されます。
このように、各学校ごとに給付型奨学金が設定されていることもあれば、医療関係の学校では「卒業後〇〇(関連病院や指定都道府県)で〇〇年間働くことで返済免除となる」といった形の奨学金もあります。
貸与型は一般的な奨学金
「貸与型」は将来返済が必要な奨学金です。貸与型の中でも「無利子」のものと「有利子」のものがあり、「無利子」の方が人気になります。奨学金の返済には、返済方法にもよりますが10年以上かかることもめずらしくありません。そのため、利子による金額負担は大きくなります。
奨学金の申請理由①家庭の収入が少ない
それではここから、奨学金の申請理由についてパターン別の作文の書き方を例文を通して紹介していきます。まず最初に見ていくのが「家庭の収入が少ない」という申請理由の作文の書き方です。
「保護者(親)の収入減少」や「母子家庭・父子家庭」の場合、「兄弟姉妹の状況」や「保護者(親)からの援助がない」場合など、様々な申請理由が考えられます。表現が簡単ではない作文になりますので、例文を参考にしながら書き方を確認しましょう。
親の収入の減少に関する作文
まず保護者(親)の収入の減少についての作文の書き方を見てきます。ここでは、ただ単純に「家計収入が減少する」ということだけではなく、それに至った経緯まで触れることが重要です。
例えば、「父(母)が解雇されてしまった」「父(母)が病気になり、長期療養のため働けない」「父(母)が祖父母の介護のため働けない」「母子家庭・父子家庭になった」などが挙げられます。つまり、「どうしても奨学金を借りなければならない家計状況にある」ということが相手にわかるような作文にするとよいと言えます。
例文
例えば、それまで共働きだった両親のうちのどちらかが、なんらかの理由のために仕事を辞めざるを得なくなり、世帯収入が下がった場合の例文を見てきましょう。
「私の両親は共働きでしたが、私が高校2年生の時に祖母が認知症となり、要介護状態となりました。そのため、母は祖母の介護のために仕事を辞めざるを得ず、家庭収入が大きく減少しました。このような現状から、私の大学費用をまかなうことが困難な状況になっています。」
可能であれば、両親の年収等も具体的に記載できるとより伝わりやすくなります。重要なのは「奨学金を借りなければならない」という状況を具体的に伝えることです。
母子家庭・父子家庭に関する作文
次に、母子家庭・父子家庭の場合の作文の書き方について見てきます。この場合は、父または母だけではなく、兄弟姉妹などがいればその状況も併せて書くとより伝わりやすい作文になります。そこでここでは、いくつかの家計状況を例としながら、作文の書き方の例文を見ていきましょう。
母子家庭で母・弟の3人家族の場合の例文
まず最初に、母子家庭で母と弟の3人暮らしをしている家庭を具体例に、申請理由の例文を書いていきます。弟が中学生と仮定すると以下のような例文が考えられます。
「私は母と高校1年生の弟との3人で暮らしており、母は女手一つで弟と私を育ててくれました。母はいつも私を夢を応援してくれましたが、私は大学進学を希望しており、また弟も将来は大学進学を希望しています。これから大学進学を控える高校生の弟の進学費用を考慮すると、貴奨学金を活用し、母の負担を減らしたいと考えています。」
母子家庭であることや兄弟姉妹の具体的な学年・希望進路はもちろん、「なぜ大学進学したいのか」などの将来の夢や目標などを併せて書き、200字程度になるようにまとめるとより良いでしょう。
母子家庭で母と2人で暮らしている場合の例文
では、兄弟姉妹がいない場合の母子家庭では、どのような申請理由の作文をすればよいでしょうか。より具体的な家計状況やそれまでの経歴について触れながら200字以内にまとめると良いでしょう。
ここでは、母と奨学金申請者本人の2人のみの母子家庭を想定します。例文にすると以下のような作文となります。
「私の家庭は母子家庭で、母は私が幼い頃から女手一つで私を育ててくれました。そのような母の背中を見て、私あ将来大学に進学し、将来は看護師としてより多くの人を手助けしていきたいと考えております。母は朝から晩まで働いておりますが、それでも私の大学進学費用等を母の収入のみでまかなうことは難しく、貴奨学金で学費工面をしていきたいです。」
兄弟に関する作文
兄弟姉妹がいる場合も、奨学金の申請理由となりえます。例えば、「すでに兄・姉が大学進学している」場合は、2人分の大学費用をまかなうことは簡単ではありません。一方で、「進学を控えた弟・妹がいる」ことや「兄弟姉妹がたくさんいる」ことも申請理由となるでしょう。兄弟姉妹の構成をパターン別に見ていきましょう。
兄・姉が大学等に在学している場合の例文
まず、兄または姉が大学等に進学した場合の例文を見てみましょう。この場合、兄・姉の進学と併せて家計状況についても触れるようにするとより良いでしょう。実際に、大学2年生の兄がいる家庭を例として、申請理由の例文を書いていきます。
「私には私立大学に在学中の兄がいます。両親は私の大学進学を応援してくれておりますが、2人分の大学費用は家計にとって大きな負担となります。そのため、貴奨学金で自分の学費を工面したいと考えております。」
兄や姉など自分よりも年上の兄姉がおり、まだ大学・短大・専門学校などに在学中の場合は、申請理由となりやすいでしょう。この場合、兄姉の具体的な進路(私立大学か国公立大学かなど)を踏まえて200字以内に作文すると具体性があり説得力が増します。
進学を控えた弟・妹がいる場合の例文
次に、進学を控えた弟や妹がいる場合の申請理由の例文を見ていきましょう。弟や妹の学年・進路状況などを記載するとより説得力のある作文となります。現在高校1年生の弟がいる場合の申請理由を作文すると、以下のような書き方が想定できます。
「私には現在高校1年生になる弟がいます。弟は公立高校に通っておりますが、将来は大学進学を目指しています。そのため、私と弟の2人が大学に進学するとなると、家計に大きな負担となります。そのため、奨学金を活用し、家計への負担を減らしたいと考えております。」
兄弟姉妹が多い場合の例文
最後に、兄弟姉妹が多い場合の申請理由の例文を見ていきましょう。兄弟姉妹が多い家庭における教育費の経済的負担は、進学時の大きな問題となりえます。このような場合、兄弟姉妹の現状を簡単に説明しつつ、教育費の負担が大きくなることを説明すると良いでしょう。
「私には、大学在学の姉と私立高校に通う2年生の弟、小学5年生の妹がいます。私立大学・私立高校に通う姉弟の教育資金だけでも、家計にとって大きな負担となっています。このような中でも、私は大学進学を目指しており、両親に頼らず学費工面をしたいと思っております。」
親からの援助がない作文
保護者(親)からの支援がないこともあるでしょう。死別していたり、両親の離婚等で養育費がもらえないなど、その理由は様々です。ここでは、具体的な事情を述べた上で、なぜ奨学金が必要なのかの申請理由を作文していくと良いでしょう。
「私は、幼い頃に両親が離婚してから母と祖母に育てられました。その母も亡くなり、父も再婚して新しい家庭を築いていることもあり、進学にあたって資金援助を受けることが困難な状況にあります。そこで私は、貴奨学金で大学進学したいと考えております。」
奨学金の申請理由②借金・住宅ローン
奨学金の申請理由として他に挙げられるものに、借金や住宅ローンなどがあります。「家計状況が苦しく、大学費用を工面することが困難である」という内容になります。
家計状況について子どもに話したくないという考えを持つ保護者(親)もいるかもしれませんが、進学にあたって進学費用は避けて通ることはできません。借金や住宅ローンといった家計に関わる内容を申請理由とする場合は、保護者(親)と一緒に申請理由を書くと良いでしょう。
住宅ローンに関する作文
マイホームを購入する際、多くの人は「住宅ローン」を組みます。この住宅ローンは35年などおよそ定年に到達するほどの年齢まで支払う必要があることが多くなっています。そのため、子ども(奨学金申請者)が大学に進学するタイミングでは、まだ住宅ローンの支払いが残っている人も少なくないでしょう。
進学を控える弟や妹がいたり、両親が定年に近くなっていたりなど、住宅ローンと併せて大学進学費用を支払うことが難しいケースもあるでしょう。今回は、このような場合の奨学金申請理由の例文を見てきます。
具体的な家計状況や兄弟姉妹などの家族構成も重要
住宅ローンのみで奨学金申請理由を書くことは簡単ではありません。そこで家計状況や兄弟姉妹などの家族構成と併せて書くと良いでしょう。今回は、中学2年生の妹がおり、まだ住宅ローンも残っている家庭を例として奨学金の申請理由の書き方を見ていきます。
「私には中学2年生になる妹がおり、この先の教育資金がかかることがわかっております。その上、まだ10年以上の住宅ローンも残っており、これらの支払いを考慮すると、私は貴奨学金を活用して大学進学をし、両親の金銭的負担を減らしたいと考えております。」
借金に関する作文
住宅ローン以外にも家計に借金がある場合もあるでしょう。このような場合も、住宅ローンの少額kん申請理由の書き方と同様に、より具体的に状況を伝えることが重要になります。
「私の父は自営業を営んでいましたが、不況の影響を受け、事業が立ち行かなくなりました。そのため現在、その借金返済に追われております。このような家計状況の中、私の大学進学費用を両親に頼ることも難しく、貴奨学金を受けることにより進学をしたいと考えております。」
奨学金の申請理由③病気・障害・高齢の家族
ここまで家族構成や家計状況による奨学金の申請理由の作文について見てきました。これらはこれから述べる申請理由などと併せて書くことも多い内容でしょう。
ここでは、病気や障害・高齢の家族がいる場合の奨学金の申請理由の例文について見てきます。この場合、「病気・障害・高齢の家族がいること」だけではなく、それに付随した家計状況なども併せて書きながら200字以内にまとめることを意識するようにしましょう。
病気の家族に関する作文
病気を患っている家族がおり、多額の治療費がかかったり、その看病のために働くことができなかったりすることもあります。家族のだれが病気を患っているのか、家計面と併せながら奨学金申請理由を200字以内でまとめると良いでしょう。
「私の弟は幼い頃から身体が弱く、入退院を繰り返しています。そのため、治療費等がかかるだけでなく、弟の看病のため母も働くことができません。このような家庭状況の中で、私が大学進学するためには、貴奨学金が必要です。」
障害を持つ家族に関する作文
障害を持つ家族がいる場合、家族のうちの誰かが働くことができないことも多いでしょう。このような場合、家計が苦しく進学費用に困ることが予想されます。このような場合の奨学金申請理由の200字作文は以下のような例文が考えられます。
「私の家族は父と母、小学2年生の妹の4人家族です。妹は幼い頃から障がいがあり、母は働きに出ることができません。父も定年退職が近く、今後の家計状況として私の学費の負担が大きくなってしまいます。そのため、貴奨学金によって両親に負担をかけずに大学進学をしたいと考えております。」
高齢の祖父母との同居・介護に関する作文
さらに別の状況として、高齢の祖父母と同居していたり、その介護が必要だったりすることもあります。この場合も、介護などによって働く機会が制限され、大学進学費用が捻出できないことがあります。こういった場合の奨学金申請理由の例文は、以下のようになります。
「私は両親と祖父の4人家族です。祖父は以前に遭った事故の影響で介護が必要な状況にあり、そのため母は祖父の介護のために働くことができません。父は自営業を営んでおり、不況の影響を受けており、収入も不安定な状態が続いています。このような中で両親に頼って大学進学することは難しく、貴奨学金を申請いたしました。」
奨学金の申請理由④一人暮らしが苦しい
特に大学進学となると、地元から離れた学校に進学する人も少なくありません。このような場合はたいてい大学の近くに一人暮らしをしながら学生生活を送ることになります。すると、進学費用・学費に加えて、毎月の生活費が大きな負担となります。家賃や水道光熱費、食費など、世帯が分かれてしまうためにかかる費用も2倍近くになります。
高額な大学費用だけでなく、生活費をまかなうために奨学金を利用することもあるでしょう。このような場合の奨学金申請理由の200字作文を例文で見ていきましょう。
一人暮らしに関する作文
ただ「一人暮らしをするから」というのは申請理由としては弱い動機となってしまいがちです。家族・家計状況も踏まえながら奨学金申請理由を作文していくことが重要となります。例文としては以下のようなものが考えられます。
「私は将来の夢を叶えるべく、地元を離れた大学への進学を希望しております。しかし、数年前に父が亡くなって以来母子家庭で、母には大きな負担をかけてしまいます。そのため、貴奨学金を活用し、生活費・学費をまかない、母に大きな負担をかけることなく目標に向けて邁進していきたいです。」
アルバイトに関する作文
アルバイトなどによって生活費をまかなっている大学生も少なくありませんが、もちろんアルバイトに従事する分学業に割くことができる時間は少なくなります。こういった、学業と金銭的負担の両立を申請理由とすることもできます。
「私には中学2年生と小学4年生の弟がいます。今後さらに教育費がかかるため、両親に金銭的負担をかけることができません。しかし、私は遠方の大学に進学し、大学在学中の資格取得を目指しているため、学費や生活費を工面するほどのアルバイト等をすることも困難です。そこで貴奨学金を通じて、大学進学をしたいと考えております。」
親からの援助に関する作文
保護者(親)から資金的援助を受けることができない場合、その経緯について触れたうえで、200字以内でまとめると良いでしょう。例文にすると以下のようなものがあります。
「私は将来目指している職業があります。それには、地元から遠く離れた大学に進学することが欠かせませんが、私の両親は自営業を営んでおり、不況の影響から収入も安定していません。そのため、毎月の仕送りを受けることができないため、貴奨学金で生活のやりくりをし、学業に専念したいと考えております。」
親の負担に関する作文
上記の例文とは異なり、親から援助を受けることができてもその負担が大きくなることを危惧して、奨学金を申請する人もいるでしょう。このような場合の200字申請理由作文の例文は以下のようになります。
「私の家庭は母と2人の母子家庭で、母は私の大学進学を応援してくれております。しかし、私が進学を希望する大学は自宅から遠方にあり、生活費まで母に負担をかけることはできません。そのため、貴奨学金によって自立した学生生活を送り、母の負担を減らしたいと考えております。」
奨学金の申請理由⑤夢や授業に費用がかかる
将来の夢や目標をもって大学進学する人も多いでしょう。しかし、大学進学費用に加え、目標などを達成するために別途授業を受講しなければならなかったり、留学が必要だったり、ここからの学習・経験には何かとお金がかかります。このような場合の奨学金申請理由作文の書き方を見ていきましょう。
夢に関する作文
難関資格の取得やアナウンサー・CAといった人気職業を目指す人は、大学以外にもダブルスクールをするような人も少なくありません。そこで、自分の夢を叶えるための資金として奨学金を活用したい場合、申請理由は以下のようなものが考えられます。
「私は将来、国家公務員として働きたいと考えています。しかし私の家庭は母子家庭でまだ小学生の弟もいます。そのため、予備校などには通うことなく国家公務員試験に合格する必要があります。試験合格に向けて学業に専念するためにも、貴奨学金によって母に負担をかけずに勉学に励みたいです。」
授業料に関する作文
私立大学の中には、授業料が高額な学校もあります。こういった内容も奨学金の申請理由作文に盛り込むと良いでしょう。
「私は将来看護師になりたいと考えておりますが、私が進学を希望する大学は他の大学と比べても授業料が高く、また、祖父母の介護をしながら仕事をしている両親に金銭的な支援を頼ることもできません。そのため、貴奨学金を活用したいと考えております。」
留学に関する作文
近年のグローバル化の影響を受け、留学プログラムの充実している大学も増えています。また、学生のなかでも「大学在学中に留学したい」という人も多くいます。しかし留学には多額の費用がかかります。
留学を奨学金申請理由とする場合は、「留学したいという意欲・その目的意識」と「留学費用」の両方を200字以内にまとめると良いでしょう。
「私は将来グローバルな企業で働きたいと思っています。そのため、大学在学中にはアメリカの大学に留学し、語学力などを身につけたいと考えております。しかし、私にはすでに大学に通う姉がおり、これ以上両親に負担を掛けることは困難です。以上の理由から、貴奨学金の貸与をお願いいたします。」
通学費用に関する作文
家庭の事情から、遠方の大学まで自宅から通わなくてはならないこともあります。遠方から通う場合は、その分交通費もかかります。このような場合の申請理由の書き方は以下のようになります。
「私は高齢の祖母と母の3人暮らしです。私が進学を希望する大学は自宅から3時間ほどの遠方にありますが、母子家庭で頼れる身内も他におらず、一人暮らしをすることもままなりません。しかし、通学にも多額の費用がかかります。そこで、母子家庭で支えてくれる母の負担を減らすためにも、貴奨学金を志望いたしました。」
教材費用に関する作文
大学で購入する教材などはそれまでのものと比べても高額になります。そこで、授業料に加えて教材費なども申請理由として書くことができます。
このような場合、「毎年20万円程度の教材費がかかり」など、どのくらいの期間でどのくらいの費用がかかるのかを明確に記載することが重要なポイントになります。
奨学金の申請理由⑥返還猶予・減額が必要
大学在学中に就職先が決まらなかった場合、卒業後すぐに奨学金を返済することが困難なこともあるでしょう。このような場合、早急に返還猶予・減額返還請求をするようにしましょう。
ここでは、大学在学中に就職できなかったパターンと就職はしたが収入が少ないパターンに分けて、返還猶予・減額返還を求める作文の例文を見ていきます。
在学中に就職できなかった場合の作文
「私は大学在学中に就職できず、現在はアルバイトをしながら就職活動をしております。雇用機会の多さから、現在地元を離れて生活していることもあり、アルバイト費用で生活費・就活費をまかなうことで精いっぱいで、また母子家庭で妹と暮らしている母に頼ることもできません。そのため、第一種・第二種奨学金の返済期限の猶予をお願いいたします。」
就職先の収入が少ない場合の作文
「私は2018年の3月に大学を卒業時、その後就職をしましたが、年収が250万円ほどのため手取り給与額は200万円ほどです。家賃が8万円、水道光熱費1万円、通信費1万円、その他必要な交際費等を含めると毎月の収支も赤字になることも少なくありません。そこで、第二種奨学金の返済期限の猶予をお願いいたします。」
奨学金の申請理由の書き方のコツは「200字程度で分かりやすく」書くこと
兄弟姉妹や母子家庭・父子家庭などの家庭状況、また両親の収入や援助を受けることができない現状といった家計状況はできるだけ具体的に書くことで説得力が増します。特に、人気の高い奨学金に申請する場合は、この「具体性」を重視するようにしましょう。
なかには200字では収まらないこともあるでしょう。このようなときは、書きたい内容を一度箇条書きにした上で、申請理由の作文に残す題材を取捨選択すると一貫性のある申請理由を書くことができます。例文を参考にしながら、一貫性と説得力のある申請理由作文を書きましょう!