燻製の方法と向いている食材の種類
アウトドアや自宅で楽しめる燻製の基本的な方法と、燻製に向いている食材をご紹介していきましょう。燻製には、温燻・熱燻・冷燻の3つの燻す温度の高さの種類があります。
どの材料を使って燻製を作りたいか、または燻製の柔らかさや保存性をどのような状態にするか3種類から選ぶ必要があります。
温燻
短期間で一気に燻製にする方法を「温燻(ねっくん)」と言い、80~130℃の高めの温度設定が定番です。水分を飛ばしていくことより、スモークの色合いや香りを楽しむ燻製方法の種類になります。
低脂肪・高タンパクの食材を温燻することで、ジューシーなみずみずしい感じを保ったままの食べやすい燻製が出来上がります。温燻に向いている食材は、鶏のささみや茹で卵、チーズなどが適しています。お酒のおつまみを作りたい人におすすめの燻製方法の種類です。
熱燻
定番で一般的な燻製方法である「温燻 (おんくん)」は、50~80度を目安に燻製していきます。温度管理が簡単なので、中華鍋や土鍋などで代用して、家庭でも燻製しやすいです。
高温になっていくほど食材の表面が硬くなっていきますが、ジューシーを閉じ込めることによって旨味を引き出す燻製の種類です。
家庭で使用頻度の高いソーセージ・ベーコン・ハムなどの食肉をスモークすると、水分が半減しカビや雑菌の繁殖を抑えて、美味しいまま1週間前後の保存が可能になるのでおすすめです。
冷燻
冷風を活用して食材の水分を乾燥させていく「冷燻(れいくん)」は、25℃以下の低めの温度で燻製していくのが基本です。1日以上乾燥させていくことで、しっかりと水分が抜けていくので長期間保存したい時におすすめの燻製方法の種類です。
冷燻に向いているのは、スモークサーモンや生ハムなどです。しっかりと水分を飛ばすことで火を通さず食べれて、旨味を凝縮した味わいになるので、保存食や非常食を作りたい人におすすめの燻製方法です。
燻製の食材の選び方
次は、燻製の食材の選び方についてご紹介していきましょう。難易度が高いイメージのある燻製ですが、自宅にある調理器具や食材で簡単に作ることができます。但し、燻製作りは初心者向けの食材、中級または上級向けの食材とレベルに合わせておすすめの食材の種類が違うので注意しましょう。
初心者は入手しやすい食材がおすすめ
燻製初心者の場合には、すぐに入手できる食材の種類がおすすめです。チーズやナッツ、ゆで卵などはスーパーなどでもすぐ買える食材は、簡単に燻製も作れるのでおすすめです。
また、意外な食材の種類としてはたくあんやちくわ、豆腐、そしてポテトチップの燻製も簡単に作れて美味しいです。
下ごしらえが必要なものは中~上級者向け
燻製を作るのに慣れてきた中級者や上級者には、下ごしらえが必要な食材の種類がおすすめです。ハムやベーコンなどの食材を燻製する場合は、余分な水分を取り除き旨味を高めるための塩漬けして、塩抜きをするという下ごしらえがあります。
燻製に不慣れな状態では、食材の下ごしらえは面倒に感じるかもしれないので、燻製の手順をマスターしてきた人におすすめです。一手間かけて準備をすることで、さらに美味しい燻製が出来上がります。
また、食材の下ごしらえさえも楽しいと思えるようになってきたら、燻製の工程の中でお酒を加えてみたり、好みの香りのハーブをブレンドしたり、燻製チップの種類を変更したりとアレンジを加えて燻製作りに挑戦してみるのもおすすめです。
燻製用のおすすめ食材【簡単・初心者向け】
それでは、簡単で初心者向けの燻製用のおすすめ食材からご紹介していきましょう。近所にあるスーパーや食材を取り扱っているドラッグストアなどでも簡単に入手しやすくて、なおかつ美味しい食材ばかりです。
ウィンナー
簡単で初心者向けの燻製用のおすすめ食材1つ目は、ウインナーです。温度管理をする必要がなく、燻製が完成したらすぐに食べることができるので、大人から子供まで定番に美味しく食べれます。ウインナーの他に、ソーセージ・フランクフルト・魚肉ソーセージなど同様に簡単で美味しいです。
生のソーセージを燻製する場合は、先にボイル等で温めておき、食べれる状態にしてから燻製するのがおすすめです。また、ウィンナーのパッケージを見ると、加熱済みになっているものもたくさんあるので、確認してみましょう。
そのまま食べても美味しいですが、ケチャップやマスタードを付けても美味しいです。燻製後にウインナーやソーセージを加熱したい場合は、香りを飛ばさずに火を通すことができる電子レンジがおすすめです。
ナッツ
簡単で初心者向けの燻製用のおすすめ食材2つ目は、ナッツです。生のナッツを使う場合は火を通してから、市販のミックスナッツを使う場合はそのまま燻製にしていきましょう。ミックスナッツの塩気に燻製の風味が加わり、余分な油が落ちて、クセになるような美味しい味に仕上がります。
細かいナッツ類を燻製する場合は、網から落下しないようアルミオイルを敷いたり、小さなカゴに入れて燻製するのがおすすめです。ミックスナッツの他にも、カシューナッツ・アーモンド・クルミ・ピーナッツ・落花生などがおすすめで、少し上等なお酒のおつまみに変身します。
練りもの
簡単で初心者向けの燻製用のおすすめ食材3つ目は、練り物です。スーパーで安い価格で売っているちくわやかまぼこなどの練り物は、燻製してみると意外とハマる味に仕上がるのでおすすめです。
黒こしょうやマヨネーズ・大葉など色々トッピングしてみるとさらに美味しくなるので、お酒のおつまみにおすすめです。ちくわ以外にも、はんぺん・かにかま・笹かまぼこ・チーかまなどもおすすめです。
ポテトチップス
簡単で初心者向けの燻製用のおすすめ食材4つ目は、ポテトチップです。塩気の効いているポテトチップスは、燻製にすることで香ばしさが増してさらに美味しくなります。色んなフレーバーがあるポテトチップスですが、まずは定番の味から選んでみましょう。
ポテトチップスを燻製するときは、高温で10分燻していき、出来上がったら1〜2時間乾燥させるとパリッとした美味しい食感になります。煙で湿らせないよう注意しましょう。
ゆで卵
簡単で初心者向けの燻製用のおすすめ食材5つ目は、ゆで卵です。「くんたま(燻製卵)」としてコンビニでも発売されているほど、簡単に燻製できる定番人気の食材です。うずらの卵の水煮もおすすめです。
ゆで卵は殻を剥いて表面を乾かしてから、スモーカーなどに入れると色が月やすくなります。半熟のゆで卵を漬け汁で浸けておいてから、燻製にすると中はとろとろで深みのある味に仕上がるので、お酒のおつまみやラーメンのトッピングにもおすすめです。
燻製用のおすすめ食材【定番】
次は、定番で燻製におすすめの食材をご紹介していきましょう。燻製と言えば、定番で思い浮かべてしまう食材ばかりです。味が想像できそうですが、燻製にすることでさらに旨味を増し、美味しく仕上がるおすすめの食材です。
チーズ
定番で燻製におすすめの食材1つ目は、チーズです。「スモークチーズ」として市販でも流通しているぐらい身近にある食材なので、燻製にチャレンジしやすく、そのまま食べても美味しいので購入しても無駄なく使えます。
チーズを燻製する場合は、加熱しても溶けないタイプのチーズを使うのがおすすめで、特に雪印の6Pチーズが燻製用に人気があります。
濃厚なチーズのの旨味と塩気が、スモークの香りと混ざることでコクが増して深い味わいに変身します。表面はほどよく硬く、中はトロッとした今まで味わったことのないチーズが楽しめます。
ベーコン
定番で燻製におすすめの食材2つ目は、ベーコンです。旨味や風味のベースが完成されていて、元々保存期間も長いベーコンは、燻製することでさらに風味を増し、ほどよい塩味がでてくるので料理に使ったりそのままお酒のおつまみとしても美味しく食べれます。
ベーコンを燻製する場合は、厚切りタイプのベーコンがおすすめです。元々味がしっかりついているので、下味をつけることなく、10分間燻製するだけです。冷めてしまってもフライパンで少しあぶるだけで、出来上がりの美味しさに戻ります。
ハム
定番で燻製におすすめの食材3つ目は、ハムです。家庭でよく使う食材であるハムは、燻製にすると旨味がギュッと凝縮されて、元々ある塩気とスモークの香りや味わいがハムの味をより引き立たせて美味しく仕上がります。
ハムは他の食材と比べると比較的厚みがないので、燻製器ではなくフライパンでも燻製にチャレンジすることができます。また、味がしっかり付いているので下味する必要がなく、燻製作りの工程が簡単なのでおすすめの食材です。
豚バラ
定番で燻製におすすめの食材3つ目は、豚バラです。豚バラはブロック肉を燻製にするとベーコンになるので、手間はかかりますが自宅でベーコンを作ることができます。
まずは豚バラのブロック肉に下味を付けて、3日間冷蔵庫で漬け込み、水に浸して塩抜きしていきます。風通しのいいところで十分に乾燥させたら、スモーカーにセットして1〜2時間ほど燻製していきましょう。
最後に冷蔵庫で寝かせて熟成させると、市販のベーコンとは格別な味の風味を増したベーコンが完成します。自分で燻製すると、塩加減を調整したり、チップやスパイスを変えることで味の変化を楽しむことができるのでおすすめです。
サーモン
定番で燻製におすすめの食材4つ目は、サーモンです。「スモークサーモン」としても市販で売っているぐらい燻製の定番のサーモンは、下処理に手間がかかりますが、いつも食べているサーモンより高級感が増した上品な食材に生まれ変わります。
燻製に使うサーモンは、簡単に作るなら刺身用のトラウトサーモン、手間をかけるならキングサーモンがおすすめです。味付け、塩漬け、塩抜き、風乾燥のあと、30度の低温で2時間ほど行う「冷燻」で燻製していきます。サラダやチーズとの相性が抜群に仕上がります。
ホタテ
定番で燻製におすすめの食材5つ目は、ホタテです。旨味が強いホタテは燻製にすることでさらに美味しさの幅が広がり、様々なレシピにも活用できます。但し、下処理が必要な食材なので初心者には難易度が高いです。
下処理が面倒に感じる人には、「干し貝柱」であれば簡単に燻製できます。生のホタテの下処理方法は、塩漬けにして一晩寝かせて、水気を切って5分間蒸し器で蒸し、日の当たらない場所でパットに並べて24時間乾燥させていきます。
乾燥したホタテは、1〜2時間かけて燻製したら出来上がりです。手間がかかる分、美味しさの増したホタテが食べられます。また、カキやアサリなどの貝類も同様の下処理や燻製方法になります。
タコ
定番で燻製におすすめの食材6つ目は、タコです。刺身や酢の物でも美味しく食べれるタコを燻製にすると、スモーキーな味わいと増した甘みが口の中で広がり食感もクセになる絶品に生まれ変わります。
タコは丸ごと使うと下処理が大変なので、茹でタコの切り身を使うのがおすすめです。タコに下味を漬け込み、一晩寝かせて塩抜きし、しっかりと乾燥させたら2時間ほど中火で燻製していきます。
出来上がった後に、冷蔵庫で12時間寝かせる手間を付け加えると、味が染みてさらに美味しくなるのでおすすめです。魚介類を燻製する際は、チップにピートを加えると、生臭さを消すことができます。
イカ
定番で燻製におすすめの食材7つ目は、イカです。イカもタコと同様に、燻製することによって、さらに食感やスモーキーな味わいがプラスされて美味しく仕上がります。
イカも刺身用の切り身を使う方が簡単に燻製できます。下味を付けて一晩寝かし、水に浸けて塩抜き、しっかり乾燥させたら2時間ほど中火で燻製していきます。塩漬けの際にハーブ、スパイスなどを加えると洋風の仕上がりになり、ワインのおつまみにもなります。
出来上がったらそのまま食べても美味しく食べれますが、冷蔵庫で一晩寝かせるとさらに味が染み込んで美味しく食べれるのでおすすめです。
ししゃも
定番で燻製におすすめの食材8つ目は、ししゃもです。ししゃもはうっすら塩味が付いているので、下味を付ける必要がなく簡単に燻製を作ることができます。特に子持ちししゃもを使うと、プリプリの食感が美味しいのでおすすめです。
ししゃもは軽く塩を振り、風にあててしっかり乾燥させてから、弱火で燻製していきましょう。燻製してから、一晩冷蔵庫で寝かせるとさらに美味しくなるのおすすめです。
醤油
定番で燻製におすすめの食材9つ目は、醤油です。燻製した醤油を一塗りするだけで、燻製の香りをまとった燻製調味料として活用できます。通常では燻製できない生野菜などの食材にかけたり、とんかつなどに付けて食べても美味しいです。
醤油は100ccぐらいを目処に燻製しましょう。量が少なすぎると蒸発してしまい、焦げた香りになってしまいます。100均などに売っているバッドに入れて燻製するようにしましょう。醤油以外にも、塩やオリーブオイルなども燻製調味料としておすすめです。
燻製用のおすすめ食材【変わり種】
次は、変わり種の燻製用のおすすめ食材をご紹介していきましょう。燻製のイメージとはかけ離れている食材でも、燻製することでさらに美味しく食べれるので、燻製作業に慣れてきたらぜひ試してみましょう。
たくあん
変わり種の燻製用のおすすめ食材1つ目は、たくあんです。たくあんを燻製にすると、スモーキーの香りが強く歯応えもパリパリになるので秋田名産の「いぶりがっこ」に近い味わいが楽しめます。リッツなどの上に燻製たくあんとチーズをのせたら、おつまみとしても楽しめます。
豆腐
変わり種の燻製用のおすすめ食材2つ目は、豆腐です。水分が多いので燻製には不向きに思われる豆腐ですが、水分をしっかり取り除くとまるでチーズのような味わいに変身します。格安で調達できて簡単に燻製できるので、お金をかけずに色んな燻製にチャレンジしたい人におすすめです。
納豆
変わり種の燻製用のおすすめ食材3つ目は、納豆です。納豆を燻製すると、納豆特有の臭みが和らぎ食べやすくなります。納豆パックのまま燻製すると、パックが溶けてしまうので必ずアルミカップに移し替えましょう。ホットサンドなどと相性よく食べれます。
バナナ
変わり種の燻製用のおすすめ食材4つ目は、バナナです。バナナは燻製することで、蜜を含んだクリームみたいになり、燻製の香りと混ざることでまるでブランデーのような大人の風味に仕上がります。好みが別れるかもしれませんが、トロトロ感がクセになる人もいるでしょう。
餃子
変わり種の燻製用のおすすめ食材5つ目は、餃子です。燻製にすることで、皮がきれいな燻製色に染まり、パリパリとした食感が出て、ジュワッとしたジューシー感も楽しめる餃子に仕上がります。冷凍餃子でも簡単に燻製できるので、初心者にもおすすめです。
ミニトマト
変わり種の燻製用のおすすめ食材6つ目は、ミニトマトです。燻製の煙をまとうだけで、生で食べるより酸味がまろやかになります。また、甘みと旨味が存分に引き出されるので、皮がなければフルーツのような味わいがします。ワインにぴったりのおつまみとなります。
お家で美味しい燻製を楽しもう
燻製におすすめの食材は、簡単に作れる初心者におすすめの食材から、定番のもの、そして変わり種の食材まで様々ありました。普段は普通に食べている食材も、燻製することで燻製の香りと旨味が凝縮されて美味しくなります。
自宅でも簡単に燻製できるので、まずは簡単に作れる食材から美味しく仕上がる燻製料理にチャレンジしてみましょう。