グリセリンのいろいろな使い方を紹介!
ドラッグストアなどで格安で手に入れることのできるグリセリン。そんなグリセリンですが、化粧水にしたり、掃除やお風呂など幅広く活用できます。この記事では、グリセリンの特徴や効果、扱う時の注意点などと共に、おすすめの使い方17選をご紹介します。
グリセリンとは
ドラッグストアで1000円も出せばたっぷりの量が買えるほどコスパ抜群のグリセリンですが、家に常備しておきたいほど使い方も豊富で、しかも人体に安全にできています。
グリセリンの詳しい特徴や使い方についてご紹介する前に、グリセリンとはいったいどのようなものなのかについてご紹介しましょう。
別名「グリセロース」
一般的にはグリセリンという名前で知られていますが、実は20世紀以降、学術の世界では「グリセロール」と呼ばれるようになっています。
そんなグリセリンですが、古くからその保湿成分に注目が集まっていました。無色無臭で少しだけ粘り気があるので化粧水といった保湿目的の使い方が人気です。また、甘味料や保存料などといった使い方もあります。
アルコールの一種
ではグリセリンとは一体何なのかというと、実はアルコールの一種で三価アルコールに分類されています。グリセリンは、もとは海藻などに含まれている成分です。また、人間の体内にも存在するものですので、安全性の高さでも注目されているのです。
したがってアレルギー体質の人が保湿のために使うのにおすすめですし、とにかく安全には気を配りたい赤ちゃんのいる家庭で使用するのにもぴったりです。
植物性グリセリンと合成グリセリン
ドラッグストアなどでグリセリンを購入する時に迷うのは植物性グリセリンにするか、合成グリセリンにするかという点についてです。
植物性グリセリンというのは、その名前のとおりココナッツオイルやパームオイルから抽出されているグリセリンです。純度は98パーセントほどです。
そして合成グリセリンは石油を原料として作られるグリセリンのことを指します。石油から作られたとグリセリンと聞くと少し怖い気もしますが毒性はありません。また、不純物が含まれないことから医療品などに使われているのもこの合成グリセリンです。
では、どちらのグリセリンがおすすめかというと、どちらもほぼ変わりがないというのが一般的な考え方です。
天然素材のオーガニックのグリセリンにこだわるのか、不純物がないので劣化しにくい合成グリセリンにするのかは個人の好みによります。
また、加工しやすいとされているのは合成グリセリンですが、値段としては植物性グリセリンの方が安く手に入ることがほとんどです。
グリセリンの特徴
日常生活の色んな場面で便利に活用できるグリセリン。アルコールの一種で人体にもやさしいというグリセリンですが、いったいどのような特徴があるのでしょうか。特徴を知っておくと実際にグリセリンを使って何かを作る時にも有効に使うことができます。
安全性が高い
グリセリンの特徴、まず一番に挙げられるのが安全性が高いという特徴です。化粧水などの化粧品に使われるだけでなく、医療品や食品といった幅広い使い方があるグリセリン。
一般社団法人日本化学物質安全・情報センターの研究によってもグリセリンが肌に低刺激であることは証明されています。肌の弱い赤ちゃんやアレルギー体質の人でも安心して使えるのがグリセリンなのです。
保湿力がある
グリセリンの特徴、続いてご紹介するのは保湿力があるという特徴です。グリセリンが一般的に知られるようになったのも、この保湿力という特徴を生かした手作り化粧水でした。
グリセリンには豊富な水分が含まれているという特徴があります。ですからグリセリンを肌に塗ることで角質層から水分を逃がさないようにしてくれるので、保湿効果があるのです。
また、グリセリンはヒアルロン酸との相性も抜群です。グリセリンで化粧水を作る時には、一緒にヒアルロン酸を使えばさらに高い保湿効果が期待できます。
水に溶けやすい
グリセリンの特徴、水に溶けやすいという特徴も見逃せません。例えば化粧水を作る時には水とグリセリンを混ぜる必要がありますが、そんな時にも混ざりやすいので加工が容易です。
また、水に溶けやすく吸湿性に優れているという特徴に関連した点で挙げられるのは、固まりにくいという特徴です。冬場になると寒さで硬くなってしまうクリームなどにグリセリンを混ぜておくといつでも滑らかに保つことができます。
水と混ざると発熱
グリセリンの特徴、水と混ぜると発熱するという特徴もあります。溶解熱と呼ばれるこの特徴を生かしで作られているのがマッサージをしているとじんわりと温かくなってくる温感クレンジングなどです。
温かくなることでリラックス効果が期待できるだけでなく、毛穴を開きやすくしますので汚れがしっかりと落とせるという効果があると言われています。
価格が安い
グリセリンの特徴、最後にご紹介するのは価格が安いという特徴です。この記事でも後の項目でご紹介するようにさまざまな使い方があるグリセリン。
一般的なドラッグストアで購入でき、価格も500mlで約1000円ほどです。たっぷりと使える化粧水が作りたい時や毎日のお風呂タイムを充実させたいといった時にも惜しげなくグリセリンを使うことができます。
グリセリンの肌への効果
グリセリンというと一番知られている特徴はその保湿効果ではないでしょうか。そしてその保湿効果を生かして作ることができるのが化粧水です。
安全性が証明されているとは言え肌に直接つける化粧水ですから、グリセリンの肌への効果についてしっかり知っておきたいものです。
乾燥した肌の保湿
グリセリンの特徴のところでもご紹介しましたが、肌への効果として一番注目したいのがその高い保湿効果です。
グリセリンには周囲の水分を集めることで保湿するという効果があります。乾燥する時には肌から水分が逃げてしまっているのですが、グリセリンはその水分を肌に留めてくれるのです。
肌のバリア機能を改善
また、グリセリンには肌のバリア機能を改善してくれるという効果もあります。肌のトラブルとしてよく挙げられるのが痒みやアトピー性皮膚炎です。
これらのトラブルは、もともと備わっている肌のバリア機能が低下していることから起こります。しかし、グリセリンを使うと肌から逃げる水分を引き留めてくれるので肌のバリア機能が改善するのです。
グリセリンの使い方6選【肌・髪】
グリセリンの使い方、ここからご紹介するのはグリセリンを肌や髪に使うという使い方です。肌も髪も人から注目される部位ですので綺麗に保ちたいですが、お金もあまりかけたくないという時にはコスパよく買えるグリセリンを有効活用したいものです。
注意点としては、保湿効果が高いとなるとグリセリンを直接肌に付けたくなりますが、グリセリンは基本的には原液を肌に使うのを避けるのが一般的です。グリセリンの原液を塗ると角質層に含まれている水分まで奪い、乾燥してしまうからです。
①手作り化粧水
グリセリンの使い方、まず最初にご紹介するのはグリセリンで化粧水を作るという使い方です。保湿力の高い化粧水を買おうとなるとかなり値段が高くなってしまいますが、グリセリンを使った化粧水ならコスパよく作ることができます。
化粧水を作る時に必要な材料はグリセリンと精製水のみです。グリセリンの割合が全体の5から10パーセントになるように混ぜれば化粧水の出来上がりです。
②マッサージローション
グリセリンの使い方、マッサージローションを作るという使い方もあります。グリセリンには粘度があるという特徴がありますので、それを生かして作ります。
マッサージローションは化粧水と同じようにグリセリンと精製水を混ぜて作ります。割合は10パーセント程度がおすすめです。香りを付けたい場合は、アロマオイルを数滴入れましょう。
③ハンドケア
グリセリンの使い方、ハンドケアとしての使い方もあります。化粧水を作る時と同じようにグリセリンと精製水を混ぜて作ります。こちらもグリセリンの割合は5から10パーセントが適当です。
お風呂上りなど、肌がしっかりと潤っている時に薄めたグリセリンを手に塗り込みます。その後、ワセリンで保護すると更に効果が高まると言われているのでおすすめです。
④スクラブ
グリセリンの使い方、スクラブとして角質を取り除くという使い方もおすすめです。必要なのはグリセリンと重曹です。
重曹とグリセリンを3対1の割合で混ぜてから、角質が気になるところに塗ってマッサージをします。保湿効果をさらに高めるためにはハチミツを加えるのも人気の使い方です。
⑤頭皮ローション
グリセリンの使い方、頭皮ローションとしての使い方もあります。頭皮が乾燥していると痒みやフケの原因になります。グリセリンを化粧水を作った時と同じように精製水を混ぜます。
割合は化粧水を同じく5から10パーセントがおすすめです。髪を洗った後の清潔な頭皮にしっかりと馴染ませ、マッサージをしましょう。
⑥寝癖直し
グリセリンの使い方、寝癖直しという使い方もあります。忙しい朝には大活躍してくれる寝癖直しウォーターですが、これもグリセリンで作ることができます。
作り方はこちらも化粧水と同じでグリセリンと精製水を混ぜるだけ。割合はグリセリンが5から10パーセントです。保湿効果が高いので、水をつけるよりも寝癖が直りやすくなります。
グリセリンの使い方3選【お風呂】
グリセリンの使い方、ここからご紹介するのはお風呂タイムにグリセリンを使うという方法です。リラックスしたお風呂タイムには欠かせない入浴剤やバスボムですが、値段が意外と高いのが難点です。
しかし、グリセリンで作る方法なら自宅で気軽に手作りすることができますので毎回のお風呂にもコスパを気にせず使うことができます。
①入浴剤
グリセリンの使い方、お風呂の入浴剤を作るという使い方をまずご紹介しましょう。必要なのはグリセリン、クエン酸、重曹、そしてアロマオイルです。
割合はグリセリン小さじ1、クエン酸大さじ1、重曹大さじ2、そして好みのアロマオイル2から3滴です。これを混ぜ合わせてお風呂に入れるだけです。
作り置きしておくこともできますが、材料だけ揃えておけばすぐに作れますのでその日の気分でアロマオイルを選び、毎日違うお風呂タイムを演出するのもおすすめです。
②バスボム
グリセリンの使い方、プレゼントにもおすすめのバスボムという使い方もあります。必要な材料はグリセリン、クエン酸、重曹、そして天然塩です。
まずはクエン酸と重曹を1対2の割合でよく混ぜます。そしてクエン酸と同じ量の天然塩を加えます。その後、グリセリンを少しずつ加えながらギュッと握って希望の形に成形します。アロマオイルを加えると更にリラックスできるお風呂タイムになります。
③シャンプー後のリンス
グリセリンの使い方、リンスとしての使い方もあります。髪の痛みが気になる時に使いましょう。用意するのはグリセリン、精製水、クエン酸です。
配合の割合はグリセリンが小さじ1、精製水500ml、そしてクエン酸大さじ3です。これをよく混ぜ、リンスと同じようにシャンプーの後に使います。髪に塗布してからすぐに洗い流さず、5分ほど置いておくのがおすすめです。
グリセリンの使い方3選【掃除・洗濯】
保湿効果が注目されるグリセリンですが、実は洗濯や掃除にも使えるという万能選手です。安全性が証明されているグリセリンだからこそ、小さな子どもさんやペットのいる家庭で使いたいものです。ここからはおすすめの使い方を3選ご紹介します。
①窓掃除
グリセリンの使い方、まずは窓掃除に使うという方法です。窓掃除といっても、綺麗にする段階で使うのではなく、綺麗になった窓にグリセリンを塗ることで撥水効果を持たせるという使い方です。柔らかい布などにグリセリンを2から3滴垂らして窓を拭きましょう。
②柔軟剤
グリセリンの使い方、柔軟剤として使うという方法もあります。グリセリンの保湿効果を生かした使い方で、しっとりふわふわの仕上がりが評判です。使い方は、柔軟剤の代わりにグリセリン大さじ1を入れるだけです。
③染み抜き
グリセリンの使い方、なんと染み抜きとしても使うことができます。必要なのはぬるま湯250cc、重曹大さじ2半、グリセリン250cc、液体洗剤大さじ2です。これを全部混ぜて、歯ブラシなどで汚れを掻き出すようにして染み抜きをします。
グリセリンの使い方5選【その他】
グリセリンの使い方、肌、お風呂、掃除などジャンルに分けてご紹介してきましたが、最後にご紹介するのはその他の使い方です。まさに家中で活躍させることができるグリセリン。注目を集めているのにも納得です。
①静電気の防止
グリセリンの使い方、その他としてまずご紹介するのは静電気の防止という使い方です。市販されている静電気の防止スプレーには界面活性剤が使用されているので、それが肌に合わないこともあります。
精製水に5から10パーセントのグリセリンを混ぜてスプレーすれば、肌にもやさしい静電気防止スプレーの完成です。
②除菌スプレー
グリセリンの使い方、除菌スプレーもグリセリンで作ることができます。必要なのは無水エタノール、精製水、そしてグリセリンです。割合は無水エタノール70ml、精製水30ml、そしてグリセリン5mlとなっています。
③シャボン玉
グリセリンの使い方、子どもさんが遊ぶのに安全なシャボン玉液も作ることができます。グリセリン大さじ1、水240cc、洗濯糊60cc、食器用の洗剤30ccをしっかり混ぜて作ります。グリセリンの粘り気を生かした使い方で、大きなシャボン玉が作れます。
④スノードーム作り
グリセリンの使い方、コレクションをしている人も多いスノードームもグリセリンを使って作ることができます。
スノードームの中に入っているトロミのある液体は、グリセリンと水を1対10の割合で混ぜたものです。蓋つきの透明な瓶の中に好きなものを入れ、粒の大きなラメを入れてから液体を入れます。
⑤便秘時の浣腸
グリセリンの使い方、最後にご紹介するのは便秘時の浣腸です。ドラッグストアなどに行くと販売されているのがグリセリン浣腸です。大腸を刺激し、排便を促進する効果が期待できるので医療現場でも広く採用されています。
グリセリンの使い方の注意点
グリセリンの使い方を数多くご紹介してきましたが、いくら安全なグリセリンとはいえ使用に当たっては注意点がいくつかあります。事故の無いようにグリセリンを使うためにも、しっかりと確認しておきたい注意点をご紹介しましょう。
濃度に注意する
グリセリンの使い方の注意点、まずはグリセリンの濃度に注意する必要があります。グリセリンに保湿効果があると聞くと濃いグリセリン液を作ってたっぷりと使いたくなります。
しかし、濃度が高すぎるグリセリンを直接肌に塗ると、肌の水分を奪ってしまい、逆に乾燥してしまいます。そうならないための注意点は、グリセリンの割合は全体の10パーセントを超えないようにするという点です。
また、極度に乾燥している場合はグリセリンの原液を1滴ほど直接塗り込み、上からワセリンなどでカバーする方法もありますが、慎重に行う必要があります。
肌に使用する前にパッチテスト
グリセリンの使い方の注意点、グリセリンを肌に使用する前には必ずパッチテストを行うというのも見逃せません。いくらアレルギー反応を示しにくいグリセリンとはいえ、100パーセント安全とは言い切れません。
お風呂の後などの清潔にした状態で、手作り化粧水などを少しだけ肌に塗布します。場所は二の腕の内側がおすすめです。
そして1日ほど様子を見て、赤くなったりかぶれたりしないか様子を見ます。アレルギー体質でグリセリンも心配な方は、初めは濃度を低くして作ってパッチテストをしてみると安心です。
脂性肌・ニキビ肌への使用は控える
グリセリンの使い方の注意点、脂性肌やニキビ肌の人がグリセリンを使うのには注意が必要です。グリセリンは安全度の高さで知られていますが、ニキビや吹き出物の原因となるアクネ菌の増殖を促進するという可能性が指摘されています。
場合によっては肌のバリア機能の低下によってニキビが発生していることもあり、その場合はグリセリンも有効なことがあります。脂性肌やニキビ肌の人は少しグリセリンの割合を減らし、肌の調子を見ながら少しずつ使ってみましょう。
しっかり蓋を閉めて保管
グリセリンの使い方の注意点、グリセリン自体の保管に関する注意点ですがしっかりと蓋を閉めて保管する必要があります。
空気に触れないようにしなければなりませんし、雑菌が入らないようにしましょう。また、製品によっては開封後は冷蔵庫での保存が推奨されていることもあります。
容器の衛生面にも気を付ける
グリセリンの使い方の注意点、グリセリンを使って作った化粧水などを入れておく容器の衛生状態にも気を配る必要があります。グリセリン液を作る前にはしっかりと手を洗うのはもちろん、使う道具も丁寧に洗います。
そして化粧水などを入れておく容器は念のために煮沸消毒をしておくと安心です。雑菌が入ったり、蒸発しないように蓋がしっかりと閉まる容器を選ぶのも大切です。
化粧水などは早めに使い切る
グリセリンの使い方の注意点、化粧水などは早めに使い切るという注意点もあります。グリセリンはそのままでは劣化はしにくい性質がありますが、水などと混ぜると劣化のスピードが上がってしまいます。
グリセリンを使って化粧水などを作る時にはたっぷりと作って保存しておくのではなく、少しずつ作ってこまめに使い切るのが大切です。
火のそばで使用しない
グリセリンの使い方の注意点、最後にご紹介する注意点は火の近くで使用しないという点です。グリセリンは実は可燃性の液体です。日本では消防法により危険物第4類(引火性液体)に指定されているほどですので、火の近くで使ったり、保存するのは厳禁です。
グリセリンのいろいろな使い方を試してみよう!
手作り化粧水を作ったり、お風呂タイムを充実させるアイテムを作ったりとさまざまな使い方ができるグリセリン。安全なだけでなくドラッグストアなどで安く手に入るのも嬉しい点です。皆さんも今回ご紹介したグリセリンの使い方を色々と試してみてください。