ニート・フリーター・引きこもりの8050問題と末路
ニートやフリーター、引きこもりでも、親子共々若ければ、すぐに困ることはありません。しかし、ニートやフリーター、引きこもりを続ければ、親も子も年齢を重ねていきます。そうなれば、今までのような生活はしにくくなります。
その問題をよく8050問題と言います。これは親が80代で、50代の子供の経済的な世話をしなければいけない状態のことです。普通は50代ともなれば、仕事を活発にし、それなりの収入を得ているはずですが、ニートやフリーター、引きこもりの場合はそうではないので、親に頼ります。
その状態を長く続けることはできません。いずれは悲惨な末路がやってきますが、今回は、そのニートやフリーター、引きこもりの悲惨な末路とそこから脱出する方法を詳しく解説します。
親の収入が絶えて困窮してしまう
親が80代、子供が50代のニート、フリーター、引きこもりとなって、一番不安なのは収入の維持でしょう。親はもう働けないでしょうから、年金のみが収入となるはずです。しかし、年金の額は限られています。それでも、まだ親が元気のうちは最低限の暮らしはできるかもしれません。
しかし、親が死に、年金の支給がストップしてしまうと、ニートやフリーター、引きこもりの人は生活の手段を失い、困窮することになります。その後は、最悪な悲惨な末路がやってくるかもしれず、これが大きな社会問題になりつつあります。
ニート・フリーターの抱える問題
ニートやフリーターがどのような問題を抱えているのかを考えてみましょう。ニートやフリーターは気楽そうだと思う人がいるかも知れませんが、そうとは言えません。心の中や生活上のさまざまな問題を抱え悩んでいます。
家に引きこもるようになる
フリーターの場合は、正社員でなくても最低限のアルバイトなどはしていることが多いので、社会との接点はあります。それに対して、ニートは学校にも行かず、仕事にも就かず、職業訓練も受けていません。
つまり、社会とのつながりはほとんどない状態です。それが続くようになると、引きこもりということになります。引きこもりになると、思考自体もマイナスになりがちで、それがさらに心を閉ざす原因になるという悪循環に陥ります。
ゲームなど娯楽に没頭してしまう
フリーターの場合は、まだやることがありますが、ニートは引きこもりがちでやることがほとんどないでしょう。そのため、ゲームや映画など娯楽にハマりやすくなります。ニートには時間があるのですから、仕事を始める勉強でもすればいいのですが、なかなかそうなりません。
ニートが一度ゲームなどに没頭すると、のめり込むようになります。ゲームは現在自分が置かれた厳しい状況を忘れさせてくれるものであり、一時でも愉快な気持ちになれます。そのため、簡単にはやめられなくなるでしょう。
ニート・フリーター期間が長いと就職が難しくなる
ニートやフリーターの期間が短ければ、就職しにくいということはないでしょう。多少は不利になるかもしれませんが、就職できないということはないです。ニートの場合は、その期間についてなんとでも言い訳や理由付けができるでしょう。
フリーターの場合は、アルバイトをしていたということなら、特に問題にはなりません。しかし、ニートやフリーターの期間が長いとなると、事情は違ってきます。ニートの場合は、何もしない期間について説明がしにくいでしょうし、そのような人は企業もなかなか採用しません。
フリーターの場合は、アルバイトをしていたと言っても、それがかなり長期になると、どうして正社員として仕事をしてこなかったのだろうという目で見られます。技術や資質の面で欠けるところがあったのだろうかと疑問を持たれ、就職がしにくくなることがあります。
周囲に見放される
ニートを続けていると、いずれは周囲の人から見放されます。最悪の場合、親から見放されるケースもあり、そうなれば生活が維持ができなくなりますから、ホームレスになるしかないかもしれません。悲惨な末路とも言えますが、親が見放さなくても他の人が見放すでしょう。
ニートとなっている場合は、友達付き合いもなくなっていることが多いです。付き合いがあるのは、親以外に兄弟姉妹、親戚のおじさんおばさんくらいになり、その人達も見放すということがなくても、だんだん相手にしてくれなくなるかもしれません。
フリーターの場合は、見放されるということはないでしょうが、それでもいつまでもアルバイト生活では、一人前の大人として見てもらえません。結婚もしにくいでしょうし、家庭も築きにくいでしょうし、周囲の評価が下がります。
生活保護を受けられるとは限らない
ニートの中には、いずれは生活保護を受ければいいと思っている人もいます。しかし、生活保護を受けるには、いくつかの厳しい条件があります。援助してくれる身内や親族がいない、病気や怪我などで働けないなどの条件です。
ニートの場合、これらの条件を満たせるとは限りません。むしろ満たせない場合のほうが多いかもしれません。そのため、生活保護を期待しても、受給できないというケースがありますから、最悪の場合、悲惨な末路を迎えます。
ニート・フリーター・引きこもりの悲惨な末路の例
ニートやフリーターの抱える問題をいくつか見てみましたが、今度は、ニート・フリーター・引きこもりの悲惨な末路の例を取り上げてみましょう。親が若いうちは、ニートもフリーターも引きこもりも安心でしょうが、いずれは悲惨な末路が待っています。
末路①親の年金・貯金しか頼れなくなる
ニートやフリーター、引きこもりになったばかりの頃は、親も現役で仕事をしているでしょう。そのため、仕事をしない、またはアルバイトで生活している子供の面倒を見る余裕はあります。ところが、親が定年退職すれば、状況は変わります。
定年後も少しは仕事をする人もいますが、主な収入源は年金となります。もし親がそのような年齢になった時にも、子供がニート、フリーター、引きこもりだとすると、頼りになるのは親の年金と貯金だけになります。
そうなれば、生活がかなり窮屈になり、以前のような暮らしは維持できません。ひどい場合は、不足する生活費のために親子で衰弱死というケースもあります。そうなれば、悲惨な末路としてニュースで取り上げられるでしょう。
末路②自殺する
ニートや引きこもりの場合は、年齢を重ねると、ますます精神的に追い込まれるようになります。仕事をしていない、収入もない、将来どうなるかわからないなど、不安材料がどんどん増えていきます。その不安が嵩じると、自殺に走る人もいるのです。
自殺というのは悲惨な末路の中でも最も悲惨と言ってもいいでしょう。人間はよほど追い込まれた状況にならなければ、自殺まではしませんが、ニートや引きこもりの場合は、そういう精神状態になりやすいです。
フリーターの場合、自殺まで追い込まれるケースは少ないですが、それでも将来への不安から、悶々と悩む人も多いです。
末路③ホームレスになる
ニートや引きこもりで、親の死後、生活保護が受けられればいいですが、その目論見が外れることがあります。その場合は、生活手段がなくなるので、ホームレスになる人も多いです。家もなく、収入もなくということなら、悲惨な末路として路上での生活を送ることになるでしょう。
親が不動産を持っている場合は、相続によって懐が潤うこともあります。かなり恵まれたニートやフリーターや引きこもりですが、その相続財産もいつかは尽きてしまいます。そのため、仕事をしておかないと、いずれはホームレス生活という悲惨な末路を迎えるでしょう。
末路④孤独死する
子供がニートや引きこもりで、親が年を取り亡くなった場合は、その他に頼る相手がいなくなることも多いです、親戚からも見放され、友達付き合いもなく、完全な孤独状態に陥ります。その結果として、孤独死という悲惨な末路を迎える人もいます。
孤独死に関しては、国も対策を考えています。しかし、その対象は高齢者の孤独死になりがちです。ニートや引きこもりの孤独死についてはまだこれといったことは行われていません。そういう意味では、国や行政の支援も受けにくいです。
ニート・引きこもりを脱出する方法
悲惨な末路が待っているニートや引きこもりですが、ただその末路を待っているだけではいけません。なんとしてでもそこから脱出する方法を考える必要があります。そういう方法は確かにあるので、希望を持って前へ進んでください。
現状を受け止める
ニートや引きこもりの人が、いきなり脱出しようとしてアレコレしようと思ってもできないでしょうから、まずは冷静に現状を受け止めることから始めてみましょう。親は何歳、自分は何歳かをまず見つめ、そこから後何年くらい今の生活が維持できるか考えてみてください。
それができると、次に何をすればいいのかもなんとなく見えてくるでしょう。それは仕事をするということですが、一体どんな仕事なら、長年ニートや引きこもりになっていた自分にできるのか、探すことが大切になってきます。その点については、後ほど解説します。
生活リズムを整える
ニートや引きこもりを長年続けていると、生活リズムが狂ってきます。朝遅く起きて、夜遅く寝るというリズムになっている人も多いでしょう。また、食事時間も不規則かもしれません。そんな生活が悲惨な末路を招くことにもなりかねません。
そこで、ニートや引きこもりからの脱出の第一歩として、まずは生活リズムを整えてみましょう。それだけでも気分が良くなり、前向きな考え方できるようになります。前向きというのは非常に重要で、そこから道が開けていきます。
自己肯定力を高める
ニートや引きこもりの人は、自分を否定するように思考しがちです。自分なんてだめな人間だ、自分は社会に役に立たないなどと考え、どうしても悪い方向へ向かいやすいです。しかし、そのような精神状態だと、ニートや引きこもりからは脱出できません。
そこでおすすめの方法として、自己肯定力を高めてみましょう。自分を肯定し、自分にも何かができると考えていくのです。精神的な暗示のようなものですが、意外に効果がある方法です。
公的な機関を頼る
世の中は厳しく、ニートや引きこもりに冷たい目を向ける人もいます。しかし、公的機関なら、そのような人の相談にも真摯に乗ってくれます。公的機関にはいろいろな分野があり、ニートや引きこもりの精神的な支援から生活支援、就労支援まで幅広く対応してくれるでしょう。
ニートや引きこもりで悲惨な末路を迎えることはどうしても避けなければいけません。といっても、頼る相手が見つけにくいでしょうから、それなら遠慮せずに公的機関に相談してみましょう。
身だしなみを整える
ニート生活や引きこもり生活が長いと、生活リズムだけではなく、身だしなみも乱れてきます。あまり気を使うことがなくなり、かなりラフな格好をすることも多くなるでしょう。しかし、その状態のままではニートや引きこもりから脱出できません。
やはり、1日でも早く社会復帰するためにも、身だしなみは整えておきましょう。もちろん人間の中身も大事ですが、外見を整えると、気持ちもしっかりし、次の行動に移りやすくなります。
運動をする
ニートや引きこもりの人は、家にこもりがちで、体もなまっているでしょう。まずはその状態からの脱出方法として、少し運動をしてみてはいかがでしょうか。何も激しい運動をする必要はありません。軽い運動でいいので、体をほぐしてみましょう。
そうすれば、気持ちも前向きになり、積極的な行動に打って出やすくなります。また、将来するかもしれない仕事に向けての体力づくりにもなります。いろいろな面で運動の効用は大きいです。
外に出るきっかけを探す
ニートや引きこもりの人は、外出頻度も減ります。家にいることが多くなり、それがさらに消極的な姿勢に繋がります。しかし、その状態のままではいつまでも変わらないので、少しでもいいので外出してみましょう。
散歩、買い物、病院へ行くなど外出のための理由はいろいろあります。外出する習慣が多くなると、ニートや引きこもりから脱出してみようと思うきっかけになるかもしれません。
アルバイトとして働く
外に出る機会が多くなると、仕事をしてみようという気になるかもしれません。そうなればしめたものです。ニートや引きこもりの脱出方法で一番いいのは就労意欲が湧くことです。ただ、いきなり正社員というわけには行かないでしょうから、まずアルバイト口を探してみましょう。
アルバイトなら、ニートや引きこもりであった過去があっても、雇ってくれる場合も多いです。中には、ニートや引きこもりを対象にしたアルバイト口を紹介しているところもあるので、思い切って利用してみてください。
派遣社員として働く
ニートや引きこもりの人がアルバイトができるようになれば、もう脱出したも同然です。ここからはさらなるステップアップに向けた取り組みをしてみましょう。その方法の第一は、派遣社員を目指してみることです。
派遣の仕事だけで生活を維持し、家族を養っている人もいます。生活自体は楽ではないでしょうが、それだけ派遣という仕事はアルバイトよりも条件が良いです。ニートや引きこもりの人がアルバイトに慣れたら、次は派遣社員です。
正社員を目指す
ニートや引きこもりからいきなり正社員というのは難しいでしょう。仕事をしていない期間について、面接でも履歴書でも説明がしづらいはずです。したがって、順を追って正社員を目指すのが一番いい方法です。
その点、アルバイトや派遣社員として一定期間過ごしていれば、その実績と経験が買われ、正社員として雇われる確率も高くなります。晴れて正社員になれれば、ニートと引きこもりの完全脱出です。
フリーランスに挑戦する
ニートからアルバイト、派遣社員、正社員へと順調に進めば言うことなしです。ただ、簡単な道ではなく、時間も苦労も必要です。場合によったらうまく行かないこともあるかもしれません。
それなら、技術を磨き、資格を取り、フリーランスを目指すという方法もあります。フリーランスなら、過去の経歴を問われない場合もあり、ニートや引きこもり経験が長い人でも仕事を見つけられる可能性があります。
ニート・引きこもりに向いている仕事
ニートや引きこもりの人は絶対に悲惨な末路を避けたいでしょうから、仕事を見つける努力をする必要がありますが、仕事なら何でもいいというわけには行きません。ニートや引きこもりの人にも合った仕事というものがあります。それがどんな仕事なのか見てみましょう。
清掃業
長年ニートや引きこもりであった人は、コミュニケーションが苦手になっているかもしれません。それなら清掃員がおすすめの仕事です。人と会話する機会は少なく、黙黙と作業に集中できます。仕事の範囲も決まっていて、取り組みやすいです。
警備員
警備員も比較的コミュニケーションが少なくて済む仕事です。また、特に何もせずに待機しているという時間もあり、ニートや引きこもりの人でも気楽にできる部分もあります。それでいて意外に給料は良いですから、やって見る価値はあるでしょう。
ドライバー
運転免許を取得できれば、トラックドライバーやタクシードライバーになる道も開かれます。特にトラックドライバーは一人でいる時間も長く、ニートや引きこもりであった人でもやりやすい仕事です。運転の仕方さえ覚えれば、快適に日々を送れるでしょう。
工場勤務
一つの作業にこだわりを持って臨めるのが工場勤務という仕事です。好きな分野があれば、余計に仕事にも熱が入るでしょう。ニートや引きこもりでも、好きな分野はあるでしょうから、それを活かす方法が工場勤務にあります。
介護
ニートや引きこもりでも、体力に自信があるというのなら介護もおすすめの仕事です。介護分野は人手不足が大きな問題になっていて、引く手あまたです。ニートや引きこもりからそのまま雇ってもらうことも可能となっています。
最初のうちは介護の仕事も資格無しで行っていくでしょうが、やがて資格を取得すれば、仕事の幅も広がるだろうし、待遇も良くなるでしょう。
IT業界
プログラマーやエンジニアなどのIT業界の知識や技術を習得すると、一段と就職しやすくなります。たとえ、ニートや引きこもりであったとしても、実力さえあれば認められる世界です。知識や技術の習得は大変でしょうが、一旦身につければ、就職口には困らないでしょう。
フリーターから脱出する方法
フリーターの場合、ニートや引きこもりのように悲惨な末路を迎えるという可能性は少し低いでしょうが、それでもフリーターよりも正社員のほうがいいことは確かです。そこで、今度はフリーターから脱出する方法を紹介しましょう。
就職したい企業・業種を決める
フリーターから脱出しようという場合は、次にどのような企業・業種に就職したいのかを決めておきましょう。目標を定めるということですが、目標が決まれば、その目標に向けた努力ができます。そうなれば、正社員雇用への道も近づくでしょう。
就職支援サービスを利用する
フリーターから脱出を目指す方法の一つに就職支援サービスの利用があります。就職支援サービスは求人サイトとは違い、就職を応援するスタッフが付きます。そのスタッフにいろいろな相談ができます。一人で就職活動がうまくできないという人にはおすすめのサービスです。
資格を取りスキルを磨く
今の世の中は実力社会です。実力さえあれば、正社員として雇ってくれるところもあります。その実力を示すものが資格とスキルです。スキルを磨いて、資格を取得すれば、フリーターからの脱出も早まるでしょう。
職探しのコツをつかむ
フリーターからの脱出に当たっては、職探しのコツも掴んでおきましょう。それには、条件を盛り込みすぎない、かと言って条件を緩めすぎないことです。その目安は3つくらいで、このくらいの条件で職探しをすれば、自分に合った仕事が見つけやすくなります。
前向きな志願理由を用意しておく
面接の場などでは、志望理由などを聞かれることがあるでしょうが、その際には前向きな理由を用意しておきましょう。フリータの良くない点などは挙げずに、この会社に入ったら何をしたいというような夢と希望を語るのです。それだけでも印象が随分良くなります。
なぜフリーターだったのかも応えられるようにする
面接ではフリーターの良くない点は挙げる必要はありませんが、自分がなぜフリーターであったのかは答えられるようにしておきましょう。その際には、嘘をついてはいけません。正直に答えるのですが、ただ「やりたいことがなかったから」というのは良くないです。
もしそう答えるのなら、「今後はこんなことをやりたい」とか「過去の自分を反省して、目標を定めたいから」というように、積極的な理由を付け加えましょう。
起業する
フリーターから脱出する方法は正社員として雇用されることですが、もっと手っ取り早い方法もあります、起業してしまうのです。自分で会社を作れば、当然正社員ということになります。
ただ、起業するためには知っておくべきこと、覚えておくべきこと、準備するべきことがあるので、それらをしっかり頭に叩き込んだ上で始めてください。
ニート・フリーター・引きこもりの末路を変えるには小さな行動から!
ここまで、ニートやフリーター、引きこもりが抱える問題や悲惨な末路、そこから脱出する方法などを紹介しました。ニートやフリーター、引きこもりには悲惨な末路が待っていますが、小さな行動を積み重ねていけば、きっと脱出できます。