トイレの寸法ってどうすれば快適?
トイレは、一日に何度も入る場所で、快適な空間であることが大切です。そのため、家をリフォームする際や、家を建てる際にトイレのサイズに悩むことがあるでしょう。そこで今回は、トイレをより快適な空間にするための、トイレに関しての基礎知識を詳しく紹介します。
トイレの間取りや幅と寸法
トイレには、一般的に3種類のサイズがあります。そこで続いては、トイレの一般的な3種類のサイズの寸法と幅、間取りについて紹介します。今の住んでいる家にあるトイレのサイズは、どれくらいなのか、自分が快適だと思うトイレの大きさはどれなのかを確認してみましょう。
0.4坪トイレ
トイレの一般的な間取りの一つ目は、0.4坪タイプのトイレです。0.4坪タイプのトイレは、基本的に分譲マンションなどに設置されていることが多いです。0.4坪の部屋全体の寸法は、幅が78cm、奥行きが123.5cmとなっています。
0.4坪の実際の寸法を知ると、狭く感じるかもしれませんが、トイレにも種類があり、コンパクトなトイレもあるので、0.4坪でも十分に快適な空間を作ることが可能です。一軒家以外にお住まいの方は、トイレの間取りが0.4坪タイプが多いでしょう。
特に、タンクレスのタイプのトイレは、見た目も実際の寸法も小さめなので、0.4坪のトイレでも快適に感じられるでしょう。タンクレスのトイレの実際の寸法などは、後ほど詳しく紹介します。
0.5坪トイレ
トイレの一般的な間取りの2つ目は、0.5坪タイプのトイレです。基本的に一戸建てのトイレは、間取りが0.5坪になっています。0.5坪では、幅が78cm、奥行きが169cmとなっています。幅は0.4坪タイプのトイレと同じですが、奥行きが45.5cmも長くなっています。
奥行きがある間取りなので、タンクありのトイレでも十分広く快適な空間を作ることができます。タンクありのトイレの詳しいサイズは、タンクレスのトイレのサイズと合わせて、後ほど詳しく紹介します。
0.75坪トイレ
続いて紹介するトイレの一般的な間取りの3つ目は、0.75坪タイプのトイレです。広めの住宅で、トイレのサイズを大きくしても、間取りに余裕があるような家では、0.75坪サイズのトイレを設置する場合もあります。
0.75坪タイプのトイレは、幅が123.5cm、奥行きが169cmとなっています。一般的な一戸建てにある0.5坪タイプのトイレと奥行きが同じですが、幅が0.5坪タイプのトイレと比べても、45.5cmも長いので、開放的で広々としたトイレのサイズになります。
3種類のサイズのトイレを紹介しましたが、注文住宅やリフォームによっては、その他のサイズのトイレも作ることができます。紹介した3種類のサイズを元に、自分の好みのサイズのトイレを確認してみましょう。
トイレの便器の寸法
トイレの間取りの幅や奥行きを詳しく紹介しましたが、続いてはトイレの便器のサイズを紹介します。トイレの便器は、大きく分けて2種類あり、タンク付きトイレとタンクレストイレがあります。そこで、2種類のトイレの便器のサイズを詳しく紹介します。
タンク付きトイレの場合
まずは、タンク付きトイレの便器のサイズを紹介します。タンク付きのトイレの一般的な寸法は、床からタンクの上までの高さが100cm、便器の幅が45cm、便器の奥行きが80cmとなっています。一般的なサイズなので、トイレの間取りに合わせて、もう少しコンパクトなタンク付きトイレも存在します。
タンク付きトイレは、タンクがある分、便器なども含めたトイレ自体の大きさが大きくなるため、狭い間取りのトイレには少し不向きです。しかし、タンク付きトイレは、タンクレストイレと比べると安価であるため、家を建てる際やリフォームの際は、コストを減らすことが可能になります。
トイレの間取りや、全体的なコストを考慮しつつ、タンク付きのトイレかタンクレスのトイレかを慎重に選ぶことが大切です。
タンクレストイレの場合
続いては、タンクレストイレの寸法を紹介します。タンクレストイレの一般的な寸法は、便器の高さが55cm、便器の幅が40cm、便器の奥行きが70cmとなっています。
タンクレストイレは、タンク付きトイレに比べて、高さと幅、奥行き全てが小さく、コンパクトであることが分かります。特にタンクレストイレは、タンクが無いため、高さがタンク付きトイレと比べて、45cmも低く、トイレの空間に圧迫感を与えません。
そのため、最近の住宅では、リフォームや家を建てる際にタンクレストイレを選ぶ家庭も増えてきています。しかし、先ほども少し触れましたが、タンク付きトイレと比べると、タンクレストイレの方が1万円から5万円ほど価格が高いというデメリットもあります。
トイレの寸法のバランス感
トイレの一般的なサイズと便器の寸法を紹介しましたが、トイレの便器は、メーカーや種類によってサイズ感が多少異なる場合があります。そこで、様々な寸法のトイレでも対応できるように、トイレの間取りとトイレの便器の寸法の快適なバランスを紹介します。
トイレには必要最低寸法がある
家を建てたり、リフォームする際、部屋を大きくしたいので、トイレのサイズは出来るだけ小さくしたいという方もいるでしょう。そこで、トイレの必要最低限の寸法を紹介します。
まず、トイレの奥行きですが、トイレの便器の先から、出入り口になるドアまでは、最低40cmが必要であると考えられています。更に、便器の左右は、15cmあくような間取りにしましょう。紹介した寸法は、あくまでも必要最低限のトイレの間取りのサイズです。
体格の良い方や、背の高い方は、便器に座った際、横幅が狭く身動きがとり辛かったり、足がドアにぶつかったりと不便な場合もあります。トイレの必要最低限の寸法は、参考程度に留め、実際にトイレを使う方の体格などを考慮して、トイレの寸法を考えましょう。
トイレの必要最低限の寸法を紹介しましたが、トイレを使う家族の中に高齢者や車椅子の方が居る場合は、最低でも幅120cm、奥行き160cmが必要になってきます。
更にトイレの介助が必要な家族がいる場合は、幅160cm、奥行き180cmほどの広さが必要になってきます。今、高齢者やトイレの介助が必要な方が家族にいない場合でも、将来的に自分自身が高齢者になり、必要最低限の寸法のトイレでは、不便になる可能性もあります。
トイレをリフォームする際は、将来のことも考慮して、トイレのサイズを決めることも大切です。リフォームは、トイレのサイズを見直す、良い機会になるでしょう。
必要最低寸法より大きめのサイズが快適
先ほど紹介した、必要最低限のトイレの間取りの寸法だと、やはり一般的な体格の方でも狭く圧迫感を感じるトイレの空間になります。必要最低限のトイレの寸法より、少し広めの寸法をトイレの間取りに使うことで、快適なトイレの空間を作ることができます。
家の間取り上、トイレのスペースを広げられない場合は、タンクレストイレを選ぶなど、出来るだけトイレの便器のサイズがコンパクトな物を選ぶようにしましょう。
もっと快適に過ごすためのレイアウト例
トイレの間取りに必要な最低限の寸法より、少し広めが快適だと紹介しましたが、トイレの空間をもっと圧迫感が無く、快適に過ごしたいと感じる方も多いでしょう。そこで圧迫感を感じないトイレの寸法の目安を、先ほど紹介した3種類の一般的なトイレのサイズを例に紹介します。
まず、0.4坪サイズのトイレの場合は、便器のサイズが奥行き75cm、幅48cmまでの寸法がおすすめです。このサイズ感の便器を選ぶことで、0.4坪でも圧迫感を感じない快適なトイレにすることができます。
続いて0.5坪サイズのトイレの場合、便器のサイズは奥行き80cm、幅48cmまでの寸法がおすすめです。0.5坪の場合、0.4坪より奥行きがあるため、タンク付きのトイレでも十分に快適な空間を作ることができます。
0.75坪サイズのトイレの場合、便器のサイズは奥行き80cm、幅50cmまでが理想です。この寸法ならば、横に30cmほどのカウンターを置くことも可能になってきます。この寸法の便器ならば、どのメーカーのサイズの便器でも置くことができます。
このように、トイレの間取りによって、快適に感じる最適なサイズの便器が変わってきます。目安としては、便器の先からドアまでの距離が45cmから50cm、便器から左右が15cmから20cmほどあいていれば、圧迫感を感じない快適な空間を作ることができるでしょう。
快適に感じる空間の広さは、人それぞれです。トイレの場合、狭いスペースを好む方もいる一方、広々とした空間を好む方もいます。紹介したサイズを参考に、自分が快適だと思えるトイレの広さを見つけてみましょう。
トイレの便器の寸法と代表メーカー
トイレの便器を作っているメーカーによって、それぞれ特徴があります。今回は、便器を作っている代用的なメーカーと、そのメーカーが作っている便器の特徴を紹介します。メーカーによって、様々な便器があるため、トイレのサイズ感を考慮しつつ、自分好みのメーカーを見つけてみましょう。
小さめの便器
まず、0.4坪でも快適なトイレ空間を作ることができる、小さめの便器を作っているメーカーと、その商品名を紹介します。まず、トイレのメーカーというイメージが強い「TOTO」から発売されている、「ネオレストAH」と「ネオレストRH」です。どちらもタンクレスなので、コンパクトです。
値段は、「ネオレストAH」が20万円から25万円、「ネオレストRH」が22万円から26万円となっています。「ネオレストAH」は人気が高く、直線的なフォルムがカッコ良いトイレになっています。フタが大きく、迫力があるデザインですが、全体的なサイズは、一般的なトイレより小さめです。
一方、「ネオレストRH」のデザインは可愛らしく、丸みを帯びていて、女性に人気の高いデザインになっています。他にも、大手メーカーである「LIXIL」から販売されている「サティスG」と「サティスS」も小さめなトイレでタンクレスになっています。
お値段は、「サティスG」が24万円から30万円、「サティスS」が16万円から20万円になっています。特に「サティスS」はトイレのサイズが小さく、奥行きが65cmと世界最小のタンクレストイレになっています。
タンク付きトイレでサイズが小さめでおすすめなのが、「LIXIL」から発売されている「プレアスHS」です。「プレアスHS」の一番のおすすめポイントは値段です。13万円から17万円で購入することができるため、コストが抑えられます。
値段だけを考えると、やはりタンク付きのトイレの方が、コストが抑えられるため、とにかく低コストでという方にはおすすめです。どの商品もサイズが小さめで、おしゃれなデザインになっているため、0.4坪のトイレでも、おしゃれで素敵な空間を作ることができます。
やや大きめの便器
続いては、0.5坪以上のトイレにおすすめのやや大きめ便器を紹介します。先ほども紹介したメーカーである「TOTO」から発売されている「GG」と、「LIXIL」から発売されている「プレアスLS」です。
どちらもタンク付きトイレなので、低コストになっており、「GG」が10万円から14万円、「プレアスLS」が12万円から16万円となっています。更に大手メーカーである「Panasonic」から販売されている「新型アラウーノ」、「アラウーノS2」、「Newアラウーノ」もおすすめです。
アラウーノシリーズは、タンクレスにも関わらず、お値段が15万円から22万円と低価格になっています。しかし、タンクレスのトイレの中では、少し奥行きがあるタイプであるため、0.5坪以上のトイレにおすすめのサイズと言えるでしょう。
大きめの便器
最後に体格の良い方でも、安心して使えるトイレである大きめの便器を紹介します。「TOTO」の「ピュアレストEX」や「ピュアレストQR」は、タンク付きのトイレなので、お値段が5万円から8万円ほどで購入することができ、おすすめです。
更に、「LIXIL」の「アステオ」、「アメージュZ」もタンク付きでおすすめの大きめなトイレになります。「アステオ」は15万円から18万円で、「アメージュZ」は3万円から5万円で購入することができます。
どの便器もお値段がお安くなっていますが、全てタンク付きトイレで、大きめのサイズなので、0.75坪以上のトイレに設置することをおすすめします。
トイレは寸法を意識して設計しよう!
トイレの基本的なサイズや便器のサイズなど、トイレをリフォームしたり、家を建てる際に役立つ基礎知識を紹介しました。トイレは将来を見据えて、サイズを考える必要があります。失敗しないためにも、トイレについての基礎知識を頭に入れてから、サイズを慎重に決めていきましょう。