ネクタイピンの正しい付け方は見落としがち
おしゃれの一環として使用するネクタイピン。しかし、ネクタイピンの正しい付け方までは気にしない方も多いのではないでしょうか。ただネクタイに挟むだけと考えがちですが、実は正しいネクタイピンの付け方をするとよりおしゃれに見えます。今回はそんなネクタイピンについて紹介します。
サブアイテムだからこそ使いこなそう!
たかがネクタイピンと思って使わない方もいるかもしれませんが、ネクタイピン一つあるだけでおしゃれに見せることができます。しかも、おしゃれに見せるだけではなく、日常生活においてとても便利な機能を果たしてくれます。
取引先に訪問した際に挨拶でお辞儀とした時や、物を取ろうと前かがみになった時、ネクタイが垂れてくるので手で押さえるようにしている経験はありませんか。ネクタイピンがあれば正しい付け方をするだけで前に垂れてくることもなくなるので、いちいち手で押さえる必要性がなくなり、見た目もピシッと決めることができます。
ネクタイピンの付け方
ネクタイピンの付け方にもシーンや目的で変わることをご存知でしょうか。ビジネスでのスーツの着こなしと結婚式での着こなしが違うようにネクタイピンにもシーンに合わせた付け方があります。今回は基本的な付け方をマスターした後に、様々なシーンにおいても正しい付け方が出来るよう紹介します。
スタンダードな付け方
まずはスタンダードなネクタイピンの付け方です。位置はアウターを着用している時は第一ボタンの少し上、アウターからちらっと見えるくらいがベストです。次に挟み方ですが、シャツとネクタイ(大剣・小剣)の全てを挟みます。そして、肝心の付ける方向ですが「右から左へ」が正しい方向です。
ネクタイの大剣・小剣とは
先程スタンダードな付け方を紹介した際に大剣・小剣という言葉が出てきました。知らない方の為に少しネクタイ自体の名称について紹介しましょう。
「大剣(またはブレード)」とはネクタイを付けた時に前にくる幅の太い方のことを指します。また、「小剣(またはスモールチップ)」とはネクタイを付けた時に後ろにくる幅の細い方を指します。その間の一番細い幅の部分を「中つぎ」と呼び、ネクタイの先のことを「剣先」と呼びます。
Yシャツのみで使用するネクタイピンの付け方
次はYシャツのみで使用するネクタイピンの付け方です。位置としてはアウターがない分少し下、Yシャツの第4、5ボタンの間が良いでしょう。この位置にネクタイピンをつけることで、前かがみの姿勢になった時やしゃがんだ時に留まっていない剣先の部分もしっかりと固定されとてもスマートに見えます。
結婚式などのお祝い事での付け方
結婚式やお祝い事での付け方はちょっと特殊です。位置は第1ボタンと首元の間くらいとわざと上の部分にネクタイピンを付けるのが最近のトレンドとなっています。日本ではまだあまり馴染んでいませんが、海外ではこのスタイルが多いです。
また、結婚式の二次会や結婚パーティーでしたらちょっと遊び心のある可愛いデザインのネクタイピンを付けてみるのもオススメです。動物の形をしたものや、食器や文房具の形をしたネクタイピンなど今ではたくさん販売されているので自分の好きな形を探してみると面白いかもしれません。
より華やかにするなら明るめのベストを合わせて
スーツは黒や紺など暗めの色が多いので、ネクタイとネクタイピンだけでは少し物足りないと感じるかもしれません。そんな時は明るめのベストを合わせることによってアクセントカラーになり、華やかさをプラスすることができるので結婚式ではおすすめです。ベストは必須ではないので、その時の気分やネクタイの色によって合わせてみると良いでしょう。
ベストを着ている時の付け方
ベストを着用時のネクタイピンの付け方ですが、基本的にはネクタイピンは付けません。どうしてかというと、ベストを着用しているのでネクタイがブラブラと動くことがないからです。
しかし、ベストを脱ぐといった可能性を想定し、外見からは見えない位置に付けておくと良いでしょう。その場合、ベストの下に付けるのがポイントです。あるいは、シャツのポケットに付けておいても構いません。
ネクタイピンを買う際のポイント
さて、ネクタイピンの正しい付け方について紹介してきました。では実際にネクタイピンを購入する際、店舗に行って直接見たり、通販サイトで検索したりしますが、いろいろなタイプや形があってどれを購入したら良いか迷ってしまうことがあるかもしれません。
ネクタイピンを購入する際はまず、どのシーンで使用したいかを想像しましょう。ビジネス用で使うのであれば主張し過ぎないシンプルなネクタイピン。結婚式やデートなどプライベートで使うのであればちょっと変わった形のネクタイピンを選ぶのが良いでしょう。
ただ、変わった形のネクタイピンは使う場所が限られてしまうので、まずはシンプルなネクタイピンを購入するのをおすすめします。
修理ができるネクタイピンだと更にGood
せっかく購入したネクタイピンがたった数ヶ月で壊れて使えなくなる。高いブランド品だったり、お気に入りのネクタイピンだったりすると捨てなければならないのはとても悲しいものです。そこで大事なのは修理ができるかどうかです。
ネクタイピンは「挟む」ことで役割を果たすことができるので、挟むためのバネが弱くなってしまうと一旦挟めたとしてもずれ落ちてしまいます。そのバネを修理する為にはワニ口を大きく開く必要があります。真鍮製や粗悪な金属製だと割れてしまい、そして元に戻すことが出来ないので修理を受けないパターンも少なくありません。
一生使うつもりで購入するネクタイピンであれば、アフターケアが整っている店舗で購入したり、どんな素材で出来ているかを確認したりして購入すると良いでしょう。
ネクタイピンの種類・付け方
ネクタイピンには様々な種類があり、その種類によって付け方が変わるものがあります。ここからはネクタイピンの種類として「わに口式」、「クリップ」、「タイタック」、「ショートクリップ」、「タイチェーン」、「スティック・ピン」の6つのネクタイピンを付け方を含めて詳しく紹介しましょう。
わに口式
ワニ口式はネクタイピンで一番の基本と言えるタイプです。タイピンの中にバネが内蔵されていますので、スムーズに装着することができます。値段がピンからキリまでありブランドも様々です。少々高めのものであっても、気に入ったものであれば長く使えるので一つ持っておくと良いネクタイピンです。
わに口式にチェーンが付いたネクタイピン
わに口式にはチェーンがついているネクタイピンも多く存在します。チェーンの先にはボタン掛けと呼ばれる部品がついているので、それをYシャツのボタンに掛けることによってネクタイピンの落下を防ぐことができます。ただ、無理に引っ張るとチェーンが切れることがあるので扱いには注意が必要です。
クリップ
クリップ式のネクタイピンはバネを使用せず、金属の力で挟む付け方をします。ワニ口式と同じようにポピュラーなネクタイピンでバネを使用していないので早々壊れることがないと思いきや、長時間使用していると挟む力が弱くなっていきます。また、ニット地など厚めのネクタイを挟もうとすると力が弱くなるのが早まるので、避ける必要があります。
タイタック
タイタックとは一般的な挟むタイプではなく、ピンを挿してとめる付け方のネクタイピンです。タイタックはネクタイを固定するという目的よりはネクタイをよりおしゃれに見せる目的の為に使用されます。
装飾品としてデザイン性においては一番幅が広いと言えるタイタックですが、他のネクタイピンと違いデメリットがあります。先程紹介した通り、タイタックはピンを挿してとめる付け方なので必ずネクタイやYシャツに小さな穴が開いてしまいます。服やネクタイに穴を開けたくないという方には遠慮しておくのが吉です。
タイタックと似たようなアクセサリーで「ラペルピン」というものがあります。こちらはネクタイにとめるのではなく、ジャケットの襟などに装飾品として付けます。華やかなパーティーなどではこちらもおすすめです。
ショートクリップ
ショートクリップとはその名の通り、通常のワニ口式やクリップ式のネクタイピンより小さいサイズになります。付け方は通常サイズのものと変わりないので省きますが、ナロータイと呼ばれる幅の狭いネクタイに使用するとちょうど良いです。
ナロータイに通常サイズのネクタイピン付けようとするとピンの部分が余ってしまいます。ナロータイを愛用している方は是非ショートクリップを合わせてみてください。
タイチェーン
「タイチェーン」という名のネクタイピンはビジネス向きではなく、結婚式やパーティー等のドレッシーなスーツに合わせることが多い、装飾性の高いネクタイピンです。付け方はネクタイピンにチェーンがついているので、それをチェーンをネクタイの表側を通し、クリップ部分をYシャツのボタンネクタイの裏側を止めます。
タイチェーンはネックレスのように飾りとして取り入れるやや上級者向けのネクタイピンになります。余談ですが、タイチェーンは日本で付けられた商品名になります。
スティック・ピン
スティック・ピンは先ほど紹介したタイタックと同じ針状のピンでネクタイをとめるネクタイピンです。パーティー等で礼装をする際に使用し、頭とピンの部分に装飾がされているのが特徴です。また、タイタックの時に紹介したラペルピンの様にジャケットの襟部分にも付けることができるという一つで二通りに付け方が出来るネクタイピンと言えます。
おすすめ!おしゃれネクタイピン
様々なネクタイピンの種類と付け方が分かったところで、今回はビジネスでもパーティーでも使えるおすすめのファッションブランドを3つ紹介します。有名な高級ブランドなんて高すぎて買えないと思いがちですが、ネクタイピンであればそんなに高い金額でもないのでここでお気に入りのブランドを押さえておくのも良いかもしれません。
ミラショーンのネクタイピン
ミラショーンはイタリアでうまれたブランドであり、メンズ・レディース共にファッションアイテムが展開されています。ネクタイピンはいたってシンプルなので、ビジネス用にピッタリです。値段も5千円から1万円前後という手が出せないほど高額ではないのもおすすめポイントです。
バーバリーのネクタイピン
バーバリーはイギリスでうまれたファッションブランドです。何もデザインされていないシンプルなネクタイピンから、柄が入ったおしゃれなネクタイピンまで様々な種類があります。値段は一番安くて1万5千円前後といったところで少し高級なブランドになります。デザイン性を求める方におすすめです。
ポールスミスのネクタイピン
ポールスミスはイギリスの伝統とモダンを融合させたデザインが特徴のファッションブランドです。ネクタイピンの形はシンプルなワニ口式ですが、ワンポイントでカラフルな色が入っていたり、文字が入っていたりするので、さりげないおしゃれを楽しむことが出来ます。値段は1万から1万5千円前後になります。
ネクタイピンを上手につけてスーツをおしゃれに着こなそう!
いかがでしたか。ネクタイピンの正しい付け方はもちろん、利便性や種類についてもお分かりいただけたら何よりです。ビジネスでの付け方と結婚式等のお祝いの際の付け方とでは印象が全く違ってきますので、自分自身に最も合ったネクタイピンを見つけ一目おかれるようなおしゃれで素敵な男性を目指しましょう。