結婚式での腕時計の着用がマナー違反である理由
結婚式に招待されるのは喜ばしいことですが、結婚式ならではのマナーや準備に悩まされることもあります。「結婚式では白は花嫁さんの色なので白い衣装は避ける」などは聞いたことがある人も多いことでしょう。
しかし、結婚式にはそれ以外にも意外なマナーがあります。結婚式に腕時計をしていくのも実はマナー違反となってしまいます。
結婚式は時間を忘れてお祝いするのがマナー
結婚式での腕時計着用がマナー違反と聞いてもピンとこない。という声も聞きます。ビジネスシーンでは必須アイテムな腕時計ですが結婚式ではマナー違反となってしまいます。何故でしょうか。
結婚式は新郎新婦、その家族が結婚のお披露目として、また神聖な誓いを皆様の前で行うために開きます。
主催者としては「私たちの結婚の披露にお越しいただきありがとうございます。時間を忘れて楽しんでいただけるよう精いっぱいおもてなしさせていただきます。」という気持ちで開くものです。
そんな式に腕時計を身に着けていくことは「時間が気になる」「早く帰りたい」という気持ちを表してしまうとされてしまいます。これは主催者の気持ちを踏みにじる行為に当たりマナー違反となってしまいます。
腕時計は外しておくのがマナー
結婚式だけでなくフォーマルな場所での腕時計の着用はマナー違反とされていました。常に腕に着用している腕時計はどうしても時間を気にするように見えてしまうようです。昔はフォーマルな集まりでは懐中時計を利用するのがマナーでした。
見えるように身に着けていないことが重要だったといえるでしょう。今でも正式には腕時計着用はマナー違反ですが腕時計を外してスーツのポケットに入れて置いたりカバンに入れておくのは良いようです。
結婚式で腕時計の着用したい場合
腕時計がマナー違反という習慣は時代とともに薄くなっています。式場へ行く際などに交通機関を使うことを考えると腕時計は必需品でもあります。
腕時計もファッションの一部とされるようになったことからも現代では時代に合わせて結婚式での腕時計着用に関するマナーも緩いマナーとなってきています。大きくとがめられることはないでしょう。
全体的に腕時計着用マナーが緩くなっているとはいえ本来マナー違反な腕時計。結婚式で着用していても失礼とならないデザインを選びたいものです。男性の場合、女性の場合に分けてまとめてみました。
男性の場合のデザイン
一番気にしておきたいのは、派手なデザインでないことです。結婚式の主役は新郎新婦の二人です。その二人より目立ってしまうことは控えなければなりません。
また、腕時計を着用するマナーが緩くなっているとはいえ、本来はしない方が望ましい腕時計なのでその観点からも派手で目立つデザインは控えましょう。
また、結婚式は新郎新婦にとって大切なセレモニーです。カジュアルすぎる腕時計はフォーマルな場所にはふさわしくありませんので避けたいところです。ダイバーズウオッチなどはおすすめできません。
結婚式で腕時計を付けるとき、男性ならばシャツの下に目立たないよう着用するのもスマートな所作でおすすめです。
女性の場合のデザイン
女性も男性と同じように派手で目立つ腕時計は避けましょう。特に女性の場合はアクセサリーとしての意味も強いので文字盤が小さく線の細い華奢なデザインの腕時計ならブレスレットのように着用することができます。
着用の際には文字盤を手首の内側(手のひら側)にすることによって、より目立たなく着用することができるのでおすすめです。
また、スワロフスキーなどでキラキラと輝きの多い時計はゴージャスですが腕時計を目立たせたくない結婚式には不向きです。石やクリスタルがついていないものがおすすめです。
シンプルかつエレガントな時計
文字盤の文字がシンプルかつ同系色で針などに統一性がある時計の方がエレガントでシックに見えます。文字盤のインデクスも数字よりもバータイプの方がよりおすすめです。
逆に文字盤に文字が多く書き込まれていたり色遣いが派手なものはおしゃれですがシックに見えにくい傾向にあります。
いくつかの腕時計の中から選ぶ場合は色も文字も少ないものの方が結婚式に着用するにふさわしいシックな時計と言えるでしょう。
デジタルの時計よりもアナログ時計の方がフォーマルな場所には向いています。細かいところですが文字盤の文字はバータイプ>ローマ数字>アラビア数字とも言われています。
黒革・白文字盤・三針
男性の場合も女性の場合も結婚式で腕時計を着用する場合文字盤のデザインはシンプルなものの方がエレガントで良いでしょう。黒い皮ベルトに文字盤の色は白、三針(時計の針が三本のもの)の腕時計がフォーマルな場所では最強と言われています。
昔は二針がよいとされていましたが、さすがに最近は二針のものは少なく三針のものが良いとされています。冠婚葬祭用に一つ持っておくといざというとき迷わなくてすんで便利です。
最近はあまり聞かなくなりましたが、一部の地域ではお葬式などには皮素材のものは殺生を連想させるとして良くないとされています。男性のベルトや腕時計のベルトについてはあまり耳にしません。気になる場合は結婚式同様式場では外しておくとよいでしょう。
結婚式で腕時計の着用してもOKな時計の色
腕時計を目立たせないためにはデザインだけでなく色も重要になります。白い衣装のように「この色は絶対ダメ!」というNG色はありません。
大枠では派手で目立たない色であればOKです。腕時計でよくある黒・青・金色・白・シルバー・茶色の6色について細かく見ていきましょう。
黒色
黒はどんな色とも相性が良く、フォーマルにも対応できる万能色です。特に男性はスーツの色が濃色のことが多いので腕時計が見えても目立ちにくいのもメリットの一つです。
女性の場合は袖の短い服を着用すると肌色とのコントラストで目立ってしまうこともありますので着用する洋服に合わせることも必要です。男性・女性ともに長そで・濃色の服の場合は黒い腕時計はおすすめです。
青色
青色には明るい色目のものから落ち着いた色目のものまであります。落ち着いた青や紺でしたらフォーマルな印象が強く結婚式にしていっても違和感がないでしょう。
明るい青色の場合には目立ちやすいだけでなくカジュアルな印象も与えてしまうので結婚式には向きません。
メタルバンドに多い青の文字盤はちょっと派手な感じを与えてしまいがちです。出来れば文字盤は黒か白のものを着けたいところです。
金色
金色はお祝いの場にふさわしいゴージャスな色で、結婚式場でも良く利用されています。しかし、豪華で美しい色なので人目を惹きやすい色でもあります。
結婚式に金色はNGではありませんが、腕時計が目立ってしまう心配も。腕時計のデザインと併せて目立ってしまうようであればおすすめできません。
時計の一部に金色が入っているという場合などは面積が少なく目立たなければOKです。派手で目立ってしまうかどうかで判断しましょう。
白色
白は清楚で格式の高い色なので結婚式には向いている色です。シンプルなデザインで白の時計であれば着用しても問題ないでしょう。
ただ、ベルトが白で濃色のスーツなどを着てしまうと黒の場合と反対で目立ってしまう可能性があります。スーツの色に注意して利用しましょう。
シルバー
金色よりも落ち着いて見えるシルバーの時計は男性・女性ともにおすすめできる腕時計の色となります。適度なエレガントさも持ち合わせていながら派手さが少ないので結婚式に安心してつけていける色の一つです。
男性のスーツから見えても落ち着いた色なので目立ちすぎることはありません。女性のドレス着用の場合もシルバーならばファッションの一部のように取り入れることもできます。
女性用のものにはファッション性の高いシルバーの腕時計も多くあり、選びやすいでしょう。着用しても目立ちすぎず適度なエレガントさを醸し出せるのでおすすめです。
茶色
腕時計に多い茶色も落ち着いた色味であれば結婚式にはおすすめできます。できればダークブラウンなど濃いめの茶色の方がフォーマルには相応しくおすすめできます。
青色と同様で明るい色だとカジュアルな印象を与えやすいのでデザインと色目で総合的に判断しましょう。
結婚式でNGな腕時計の色
前述したとおり、結婚式でNGな腕時計の色はありません。ただ、目立ちにくいことを考えるとスーツの色やドレスの色にあったものの方が目立ちにくく、おすすめです。
男性の場合はスーツの袖から見えても目立たないこと、女性の場合は長そでの場合袖から見えて目立たないこと、袖が短い場合はドレスの色に合わせた色や清楚な色がおすすめです。
結婚式で腕時計の着用してもOKな時計の素材
色については大まかですがまとめましたので今度は結婚式にしていくのにふさわしい素材についてまとめていきたいと思います。
腕時計のベルトに圧倒的に多い皮ベルト、メタルベルトについてまとめていきます。またNGとされているベルトの素材についてご紹介していきます。
皮ベルト
フォーマルな印象がある皮ベルトの時計は結婚式に着用してもOKな素材です。黒や紺、茶などの皮ベルトであればフォーマルな席にも向いています。特に黒い皮ベルトのシンプルな腕時計を持っていれば冠婚葬祭の時に迷うことがありません。
女性の場合で袖が短い服の場合は腕時計が目立ちやすいです。皮ベルトが細目の腕時計を選んでおくと華奢でエレガントに見えるのでおすすめです。
メタルベルト
特に男性の腕時計に多いメタルベルトの腕時計ですが、結婚式で着用する際は金属の色により大きく違うといったところです。金属製のベルトが倦厭される理由としては目立つというのが大きな理由です。
確かに金色のメタルバンドの時計は派手で目立ってしまい結婚式にはあまり向かないとされています。
しかし落ち着いたシルバーのメタルベルトのものであればむしろエレガントでシックとされる場合も。光沢の強い金色の腕時計は避け、落ち着いたシルバーの腕時計を選びましょう。
結婚式にNGな腕時計の素材
結婚式で腕時計をする際は目立ちすぎないことと、カジュアルにならないことが重要です。ですので、カジュアルな印象を与えるナイロン素材のものやスポーツウォッチなどに多いラバー素材のものはNGです。
素材ではありませんが男性・女性ともにダイヤ宝石などが散りばめてある時計もNGです。華やかで美しいのですが新郎新婦が主役の結婚式にはおすすめできません。
ベルトの素材
腕時計のベルトの素材については皮ベルト>メタルベルトがOK。ラバー、ナイロン、布がカジュアルな印象を与えるのでNGと言ったところです。
これは結婚式だけでなく他のフォーマルな場所でも共通です。そのほかの素材については、1.目立ちすぎない2.カジュアルにみえないことを目安にしましょう。
結婚式で腕時計の着用したいときの注意点
腕時計の着用は本来マナー違反でした。現在は容認されているとはいえ、大切な結婚式に水を差さないようにも着用する際もいくつか気を付けておきたいことがあります。
どれも結婚式でだけではなく、フォーマルな集まりの際には社会人として気を付けるべきことなので押さえておきたいところです。
時計を見すぎない
「時間を忘れて楽しんでほしい」という主催者の気持ちを無にする行為となってしまうので式の間や披露宴の際に何度も時計をみたり、あからさまに時計を見るのはマナー違反です。
せっかくのお祝いの際、主催者に「つまらないのかな?」と思わせてしまってはいけません。どうしても時間を知りたい場合はさりげなく目立たないように確認するのが最低限のマナーとなります。
場合によってはトイレに立った際などに時計を確認するなどの方法をとるほうがよいでしょう。
時計のひび割れ・汚れに気をつける
結婚式のようにお祝いの場ではひび割れた時計や汚れた時計を身に着けることはマナー違反です。特にひび割れた時計は結婚式では禁忌な「別れ」を連想させてしまうので特に注意が必要です。
これは腕時計に限ったことではありません。結婚式のお祝いには割り切れない奇数の金額を包むなどという形でも有名です。
出かける際には腕時計にひびが入っていないか汚れていないか確認してから着用しましょう。もちろんきちんとした格好は社会人の基本です。時計以外の身の回りのものにも汚れやないように身だしなみを整えていきましょう。
結婚式に腕時計の着用はマナー面ではおすすめしない
結婚式での腕時計の着用はマナー違反ですが、最近は腕時計のファッション性や機能性から容認されています。とはいえ本来はしない方が良いものです。
特に男性には腕時計に対するこだわりの強い方のいらっしゃいますが、マナーに反さないよう結婚式では腕時計はひっそりと目立たないように気を配っておきましょう。
結婚式ではゲストも主催者もお互いを思いやり気持ちよく楽しい一日を過ごせるように気を配っておきたいものです。