子離れできない母親の心理や特徴とは?
では、子離れできないとはいったいどういう状況の事を指すのでしょうか。自分は子どもと離れていても寂しい気持ちはないから子離れできている、と自負している方も、もしかしたら自分に当てはまる項目があるかもしれません。
また、子離れで困難に直面するのは、子供が大学生になった、あるいは就職してしまったタイミングである、という方がとても多くいます。では、なぜ子離れできず、寂しい気持ちを募らせるようになったのでしょうか。
まずはじめに、子離れできない母親の心理や特徴について解説します。ぜひご自身の経験と照らし合わせ、今後うまく子離れをするための対処方法の一つとして、参考にしてみてください。
行動制限
子離れできていない特徴の一つ目は行動制限です。もちろん子供が幼いころは、心身の安全を確保するためにも、母親が子供の行動をコントロールすることは必要です。
しかし、子供が自立しようとしている時期に「あれをしてはいけない」「これもダメ」と多くの場面で母親が介入し、行動を制限しすぎてしまうのは考えものです。
子供が自分の意志で何かをしようとしている時で、どちらに転んでもそんなに変わらない、あまり影響がないような場合は、子どもに判断を委ねてみたり、子供の話をしっかりと聞き、その上でアドバイスをする程度にとどめたりすることも必要です。
もちろん、子供の年齢や特性、様々な背景があるとは思います。しかし、子供は信じてもらえている、温かく見守られている、困った時に手を差し伸べてもらえるという家庭の基盤を実感できた時、強く、たくましく成長していきます。
子供の事を何でもする
子離れできていない特徴の二つ目は、子供の事を何でもする、つまり、子供が何かをしようとしたとき、母親が率先して何でもやってしまうことです。それは、乳児期なら理解できますが、大学生になってからのことであれば、子離れできていないと言えます。
子供はもちろんのこと、大人であっても、初めての事やなれないことは、時間がかかったり、うまくできなかったりするものです。
どうしても時間に限りがある時や、失敗が許されない場合は母親が知恵や手を貸すことはやむを得ないでしょう。しかし「自分の事は自分でやる」ことが大切です。
ある程度の時期がきたら、段階を経ながら少しずつ子供の手に委ねましょう。子供の自立は親の自立、しいては子離れにつながります。
全てを把握しておきたい
子離れできていない親の特徴の三つ目は、母親が子供の全てを把握しておきたいというものです。子供の年齢に応じて、母親がある程度子供の状況を把握しておくことは、子供の安全を確保する上で必要です。
しかし、思春期以降に、子供のありとあらゆるプライベートに介入していくことは、子供の自尊心や自立の機会を奪い、自ら子離れのチャンスを失うことになります。
思春期は、様々なことを考え、悩み、自分で答えを見つけだそうとする、自立に深く関わる大切な時期です。また、とても繊細なので、親に介入されたくないこともたくさんあります。
そんな時期は、無理やり何でも聞きだして把握する「自己満足」に走るのではなく、親は「子離れできていて、でもいざとなったら力になる」という姿勢を示した方が、子供にとって何よりも頼もしく嬉しいものです。
大人になってもお小遣いを渡す
子離れができていない親の特徴の四つ目は、大人になってもお小遣いを渡すことです。お金を渡すことで、親は無意識のうちに子供を自分の支配下に置き、従順になるよう子供をコントロールしてしまおうとしているのです。
子離れできない母親が、大きくなった我が子に、困っていないのにお小遣いを渡すと、子供の金銭的な自立の機会を奪ってしまいます。
正しい金銭感覚を養い、自分の収支を把握しながら支出をコントロールして生きていくことは、人生においてとても重要です。
何もせずにお金をもらうことが続くと、子供自身が自分を甘やかすことにつながり、自立も努力もできない大人になってしまう危険性があります。子供に頼れられることで親はますます子離れできなくなり、子離れできない悪循環に陥ってしまいます。
子離れできない親の原因
では、子離れできない親の原因は何なのでしょうか。子供が甘えてくるから、また子供が頼りないため仕方なく子供に関わっていくうちに、子離れできないメカニズムが形成されていくものなのでしょうか。
それとも親が子供に尽くしているうちに、子供に精神的に依存してしまい、それが子離れを妨げているのでしょうか。続いて、子離れできない親の原因について説明します。
自分が自立できていない
母親が子離れできない一番の原因は、実は親自身が自立できていないことにあります。子供が幼い時のイメージのままでいてほしいと、無意識のうちに願ってしまい、それが子離れできない原因になっているのです。
自立ができていない親は、思春期と同時に訪れる反抗期、つまり子供に自我が芽生え、自立をする大切なチャンスを受け入れることができず、一方的に、威圧的に、または巧みに子供の心をコントロールし、自分の思うままに操ろうとします。
もし、ここで子供が完全に屈してしまった場合、子供だけでなく親自身の自立の機会、つまり子離れのチャンスを失ってしまいます。
親が子離れをする時期はいつ?
しかし、突然に子離れすることは、親も子も精神的なダメージがあまりにも大きいのも事実です。うまく子離れをする大事なポイントは、子どものイベントがあるタイミングをうまく使って、少しずつ子供の自立を促す努力をすることです。
では、子供のどのイベントが、子離れをする上でよりよいタイミングなのか、また子供の自立を促す方法や子離れをステップアップしていくコツについて説明します。
小学生になったら子離れ準備
一つ目の子離れのチャンスは、子供が小学校に入学した時に訪れます。小学校に入学すると、親が介入できない時間や把握しきれないことが自ずと増えます。
例えば、次の日の持ち物の準備です。時間割に示されているものはもちろんのことですが、図工や生活科など、必須のアイテムの他に、自分で必要なものをイメージして、プラスアルファで準備しなくてはならないものもあります。
その他にも、家庭学習に取り組むタイミングや家庭学習の内容を自分で決めたりと、自分で考え行動することが増えます。しかし、いきなり子供だけでさせるのではなく、少しずつ段階を踏み、できた喜びと自信を持たせながら進め、自分でできることを増やしていきましょう。
小学生の頃から子供の自立を促すと、子どもと達成感や喜びを分かち合う幸せを感じながら、親自身も少しづつ自立し、子離れする心の準備ができてきます。
思春期は子離れを始める
子離れの第二のチャンスは子どもが思春期に差し掛かった時にあります。子供が小学生の時、ある程度自立の下地が出来たら、子供が思春期を迎えた時、あえて親自身から、子供への介入を減らしていくようにしましょう。
思春期の子供は、勉強に、部活に、恋愛に、進路に、悩みは尽きません。しかし、子供自身が悩み、悩みに向き合い、解決策を考え、選び、実行することは、大人になるプロセスとして非常に重要です。
親だからこそ、心配で色々言いたくなるとは思いますが、自分や他人の生命や心身に大きなダメージが残らない内容のものであれば、なるべく自己解決させましょう。
ただし、必ず学校の文章には必ず目を通す、気になることがあれば周囲から情報を集める、子供の表情や態度の変化に注意するなど、子供の状況を客観的に把握する努力を惜しまないことは大切です。つまり、放置ではなく、温かく見守るのです。
大学生になったら子離れ
子供が大学生になったら、いよいよ本格的に子離れしましょう。一人暮らしを始めるお子さんが多く、自宅生であってもアルバイトや自分の学びのため、そして友達との付き合いなどのために、長時間家を離れることが増えます。つまり物理的に子離れできるチャンスです。
大学生になると、一気に子供との関わりが減るため、不安や寂しい気持ちはいっそう募ることでしょう。しかし、良く考えてみてください。大学生になると、20歳が目前、間もなく成人になります。つまり、自分の言動に自分で責任を取らなくてはいけなくなります。
始めは少しくらいの失敗もあるでしょう。しかし、大人はそれも見越して行動しなくてはならないし、失敗から学びぶことも多くあります。大学生の時期に、自力で問題を解決することは、今後の人生を豊かにしていく上で、とても大切です。
子離れが寂しい時の対処方法
子供と親の両方が、自立することの大切さは理解できても、子供の成長と同時に、寂しいと思う気持ちを持ってしまうことはあります。愛する子供と物理的に離れなくてはならないなら、寂しい気持ちがより深いものになってしまうのは当然とも言えます。
しかし、子供が大学生になり、あるいは就職し、せっかく親自身も自分の時間を手に入れたのですから、これからは自分の人生を輝かせることに力を注ぎましょう。では次に、子離れしきれず寂しいと思う気持ちを紛らせ、人生を豊かにする方法をいくつか紹介します。
好きだった趣味をもう一度やる
対処方法の一つ目は、好きだった趣味をもう一度やることです。純粋に好きで始め、続けてきた趣味は、ただ思い出すだけでも心が弾むことすらあります。
趣味をやっていた頃に思いを馳せながら、趣味に没頭して過ごす時間は、子離れをして寂しい気持ちだったことを忘れさせ、ポジティブな感情を呼び覚ましてくれます。
絵画、音楽、陶芸、スポーツ…なんでもいいです。自分がやっていて心地が良い、また楽しいと思える、夢中になれる何かに取り組んでみましょう。
仕事を頑張る
対処方法の二つ目は、仕事を頑張ることです。仕事を頑張ることは、家庭以外のコミュニティに参加することができるため、それだけで気持ちが切り替わります。
また、仕事は達成感や自己有用感をなど、自分が必要とされている気持ちを満たすことができます。子離れできずに空いてしまった心の隙間を埋めるにはぴったりの方法と言えます。
仕事を頑張ることで、資金面でのゆとりも生まれ、自己投資や自分へのごほうびができるようになると、相乗効果であっという間に寂しさから立ち直れるでしょう。
資格の為に勉強
子離れの寂しい気持ちを癒す三つ目の対処方法は、資格の為に勉強する事です。自分の仕事のスキルアップができる資格はもちろんのことですが、人生を豊かにしてくれる資格でもいいと思います。
何かに没頭して、隙間の時間を資格のための勉強のために使うことができれば、子離れできず寂しいと感じる時間が物理的になくなります。また、自分のために頑張れる自分を愛おしく感じ、自分のために何かをしようとする気持ちが芽生えてきます。
子離れできない親は考え方を変えてみよう!
我が子を愛し、一生懸命育ててきた人ほど、子供と離れてしまう現実を受け止められず、うまく子離れができずに、寂しさに打ちひしがれてしまうのは当然のことです。
しかし、うまく子離れする方法はあります。可能であれば、子供が小学生になった時から段階的に親と子の両方の自立を進め、少しずつ子離れの準備していくことです。
また、もうすでに子供が大学生以降の段階であるなら、仕事や資格勉強、昔好きだった趣味に没頭することも、とても有効です。
あなたの人生は、あなた自身で決められます。一度きりの人生、そして今しかないひと時を、ぜひ有意義に過ごしてくださいね。