小松菜の育て方・栽培は初心者でも簡単!
小松菜栽培は、難易度の低く、家庭菜園の中でも人気の野菜です。小松菜の生育期間は短く、土質をあまり選ばず、暑さや寒さにも強く、年間と通して栽培できます。害虫や病気などの注意点に気をつければ、初心者でも失敗せずに育てやすい野菜です。
小松菜の育て方・栽培の前準備
難易度が低いといっても、小松菜栽培に前準備は必要です。育て方の前に、先ずは小松菜づくりのキーポイントになる栽培に適した土作りの方法、そして、栽培中に栄養補給としての追肥をいつしたら良いのか、そのタイミングの2点を説明いたします。
土作り
上手な野菜の育て方で欠かせないのは、土作りです。土作りはタネまき2週間以上前から始めます。 小松菜栽培に適したph値の土にするために、土全体に苦土石灰を1㎡当たり100g~150gまき、そして完熟たい肥を1㎡当たり3kgをまき、よく耕します。
そのまま1週間置い後、小松菜のタネを蒔く1週間前に元肥として、1㎡当たり堆肥200gと化成肥料100gを土に混ぜます。元肥を混ぜたあとは、土の表面を平らにしておきましょう。 畑の場合は畝を立てます。畝幅は75~150cm、高さは10~15cmにします。
肥料
追肥は、2回目、3回目の間引きをした後に株にかからないように与えます。小松菜栽培では、基本的に葉が青々としているならば特に追肥する必要がありません。葉色が悪く元気がなさそうだったり、生育が遅れているように感じた場合、追肥をし様子をみましょう。
ただ、小松菜の場合、肥料を与えすぎるとえぐみが出て美味しくなくなるので注意しましょう。チッソ、リン酸やカリなどがバランスよく配合された肥料がおすすめです。
小松菜の育て方・栽培方法
いよいよここから、小松菜の育て方、栽培方法をご紹介します。小松菜の育て方は、畑での地植えだけでなく、ベランダなどでプランター栽培あります。種からの栽培、苗からの栽培を、それぞれ、地植えの場合とプランター栽培に分けてご紹介します。
プランターで種から栽培する方法
小松菜をプランターで栽培する場合、プランターのサイズは40cm以上の大きさ、または、ベジタブルプランターを使うとよいでしょう。プランターに限らず発泡スチロール箱などを水はけがきちんとできるようにすれば、どんな容器でも構いません。
小松菜の栽培の土は、肥料入りの市販の培養土を使うと簡単です。自分で栽培用土を作るには、赤玉土7:腐葉土2:バーミキュライト1の割合で混ぜ、そこに石灰を用土10リットルにつき10~20gと化学肥料を用土10~20gを混ぜあわせて使います。
プランターの底に鉢底石を敷き、栽培用土を容器の8分目まで入れます。 プランター栽培の土作りも種まき前の、約2週間前までに済ませておきます。
種まき方法
土の表面をレーキを使って平らにならします。棒や枝などで土に深さ1cmのまき溝を作ります。複数溝を作る場合は、10~15㎝ほど間隔を空けます。 まき溝に種同士が重なりあわないよう1cm間隔でタネを蒔いたら、うっすらと土を被せ、たっぷり水やりをします。
地植えで種から栽培する方法
畑に小松菜のタネを直播する場合は、プランタ栽培同様、まき溝を作ります。畝の表面を平らにし、まき溝は深さ1cm、間隔は15~20cmで作ります。 11月以降の種まきの場合、発芽するまでの時期に防寒対策として種を蒔いた上から寒冷紗や不織布をかけます。
種まき方法
地植えの場合の種まきは、土が若干湿っていた方が良いので、前日に少し雨などが降った日が適していますが、もし土が乾燥している場合は少し水を撒いてから行いましょう。
小松菜栽培は、間引きとしながら育てる野菜なので、直線状に列を作る「すじまき(条まき)」が適しています。タネが重ならないように1cm間隔で蒔きましょう。
苗を買って栽培する方法
小松菜栽培は、タネから育てるのが一般的ですが、購入した育苗を植え付けの育て方もあります。 苗を選ぶときは葉っぱが濃い緑色、そして、葉に穴が開いていたり、病気等被害を受けていないか確かめて選びましょう。
苗の植え方
苗を植えるときは、苗を入れられるように土にあらかじめ穴を開けておきます。株の根元を手で押さえ、入れられているポットを逆さにして苗を取り出します。土がついたまま、苗を崩さずにそのまま植え付けます。
苗の根元と被せた土の高さが同じになるように土をならします。植え付けが終わったらタネまきの時と同様にたっぷりと水を与えます。
小松菜の栽培時期とは?
次に、暑さ寒さに強く、ほぼ一年中栽培することができることは前述しましたが、小松菜の栽培に最適な時期というものがあるのか、その種まきの時期や収穫時期、時期による育て方のポイントについて注目してみました。
種まきや収穫の最適な時期
小松菜は年間を通して栽培可能ですが、生育適温は20℃と涼しい気候を好むので、秋の種まきが最適です。夏場は防虫と遮光、冬場は防寒してあげましょう。植え付けから収穫までの期間は1ヶ月〜1.5ヶ月です。7~10日おきにずらして撒くと長期収穫が楽しめます。
小松菜の育て方のポイントとしては、種まき後数回に渡って間引きする必要があります。 1回目の間引きは種まきから5〜7日ほどたった頃に 生育の良すぎるものや悪いものを見つけて、株同士の間隔が3~5cmほどになる株元をハサミで切り取ります。
本葉が2、3枚になった時には、株同士が5~10cmの間隔になるように生育の悪いものを引き抜きます。 間引きを繰り返し、株の間隔が8cm位になった時に間引きをやめます。 間引きした株は、 サラダの付け合わせや、お味噌汁などにアレンジして食べられます。
小松菜の栽培中の病気や害虫に注意!
次に育て方で注意するべき点、小松菜の病気や害虫のリストとその対策をお伝えします。小松菜は栽培期間が短いので、病気に関してはあまり心配ありません。しかし、連作が続いたり、長雨が続く天候、肥料を過多によって病気が発生しやすい環境になります。
害虫
小松菜は特に害虫による葉の食害に注意する必要があります。 害虫発生しやすい時期は初夏から秋にかけてです。この時期は、タネ蒔き後すぐに防虫ネットを張り、裾をしっかりと埋めて害虫の侵入を防ぐようにしましょう。次に代表的な3種類の害虫を挙げます。
アオムシ
アブラナ科の害虫の代表のアオムシ。このアオムシはコナガやモンシロチョウの幼虫で葉を食べて小松菜の葉を穴だらけにしてしまいます。あっという間に成虫になって産卵をし、どんどん増殖して葉を食い荒らします。見つけ次第駆除する必要があります。
幼虫は葉裏から食害をはじめ、葉に小さな穴があきます。幼虫が大きくなると葉の裏・表関係なく食害し葉に大きな穴をあけます。葉の裏を確認し、見つけしだい駆除します。葉に卵を産んでいる可能性もあるので、葉の表裏をよく確認して取り除いておきましょう。
対策としては、種まき直後に防虫ネットをかけ、産卵を防ぎましょう。其の他、基本的に早期発見、早期防除が大切です。小松菜の葉の裏表よくチェックし、もし幼虫がいた場合は箸で取り除きます。農薬を散布して防除します。
カブラハバチ
カブラハバチは、アブラナ科を食害する蜂の仲間です。成虫の蜂が葉肉の中に卵を産みつけ、孵化した黒藍色~黒色をした幼虫が寄生して、太い葉脈だけを残して葉を食べ尽くします。
幼虫が土中に入って土まゆをつくり春を待ち、 4月下旬ごろから蛹化し、 5月には成虫になるので、特に春5~6月と秋10~11月に多く発生します。葉に幼虫を見つけたら捕まえて駆除するか、葉自体を切って処分します。
葉をめくるなどのちょとした刺激でもポロリと地面に落ち、丸くなって動か無くなり、黒色のため見つけにくいので注意が必要です。一方、薬剤には弱いので防除のしやすい害虫ではあります。
カブラハバチは、成虫になると体長7〜8mmで、頭部と翅が黒く、胴体がオレンジ色に変化します。成虫が侵入して産卵を防ぐには防虫ネットが有効です。小松菜を植え付け後すぐに防虫ネットをかけておきましょう。
キスジノミハムシ
キスジノミハムシは、小松菜のようなアブラナ科野菜のみを食害する害虫です。成虫は葉を食害し、幼虫は根を食害します。成虫は平均気温13℃以上になると活動を始めるので、春まき小松菜の葉が食害を受けないように気をつけましょう。
キスジノミハムシの特徴は、成虫の体長2〜3mmほどの小ささで、背中に黄色い模様が入っている黒い甲虫で、ノミのように高く飛び跳ねます。食害は1mm以下の針のような穴を葉に表面に作ります。
卵を土の中の浅く、作物の根の近くに産み、幼虫によって根まで食害を受けるのを防ぐためにも、産卵を避ける方法として、種まき直後に目の細かい防虫ネットで覆いましょう。度々、発生する場合は、土壌に農薬を散布してから、タネを蒔きをしましょう。
病気
害虫の次に気になるのが病気です。小松菜は栽培期間が短いため病気に関してはあまり心配はありませんと言いましたが、小松菜についた害虫や栽培中の環境によって、病気にかかる場合があります。代表的な病気例と其の対策法をお伝えします。
病気になった小松菜は感染源となって他の小松菜へ病気を移してしまうので、見つけ次第すぐに抜き取り、必ず外に持ち出して処分しましょう。畑の中で処理すると菌が畑に残ってしまい、栽培中の他の小松菜が病気にかかってしまう危険があります。
白さび病
小松菜に発生する白さび病とはカビの糸状菌による病気です。初めは葉の裏面に淡緑色から淡黄色の小斑が多数生じ、その後、その小斑が乳白に盛り上がり、病斑の表皮が破れ、胞子のうの白い粉末飛び散り、葉の裏面が真っ白になります。
発病が激しい場合は、小松菜の葉が肥厚収縮して奇形になります。白さび病の症状の特徴はポツポツと白い立体的な斑点があることです。斑点を発見したら、その小松菜の葉を抜き、ビニール袋などに入れて畑の外で処分します。
病気の拡大を抑える対策としては、病原菌のカビの菌はアルカリ性が苦手なので、発生した畑に石灰をまくことで広がりを抑えられます。病気が出やすくなる原因には株が弱っている場合もあります。水はけを良くし、多肥や肥料不足に注意しましょう。
炭疽病
炭疽病もカビが原因で発症する病気で種子や雨滴で伝染します。葉にはじめ淡緑色~淡灰緑色、水浸状の小斑点を多数できて、やがて葉枯れ状となるのが炭疽病です。葉だけでなく、葉柄にも発生します。
葉に発生した斑点の上にできた黒い粒が胞子となって雨や風等で飛んで伝染するので、発生した葉を取り除き、畑の外で処分します。降雨で湿気が多く、気温が高い時期に発生しやすいので風通しや日当たりの良い環境を作るようにしましょう。
育て方・栽培方法を参考に美味しい小松菜を育てよう!
小松菜栽培の手軽さが伝わったでしょうか。小松菜は栄養がとても豊富な上、スムージーから炒め物までバラエティに富んだメニューへ変身させることができて重宝な野菜です。
小松菜の育て方も様々、プランターや植木鉢で時期を少しずつずらして栽培すれば、1年中欲しい時にいつでも新鮮な小松菜を食することができます。これから、キッチン菜園として美味しい小松菜を育ててみませんか。