「感傷に浸る」の意味を徹底解説！浸る人の特徴や心理も詳しく紹介！

日本語には心理状態を表す言葉はたくさんあります。「感傷に浸る」という言葉は比較的多く使われる、心理状態を表す日本語です。「感傷に浸る」という言葉は自分自身に対して使われることより、「あの人は今感傷に浸ってるみたいだ」などという具合に、他人に対して使われることが多い表現です。

また「感傷に浸る」という言葉は、人間を客観的に描く小説などではよく使われる表現ですが、自分自身のことを「今感傷に浸ってる」という人は少ないです。そんな風にちょっと独特な使われ方をする「感傷に浸る」とはどんな言葉なのか、どのような意味を持っているのかを解説していきます。

まず「感傷に浸る」とはどのような時に使う言葉なのかを解説します。「感傷に浸る」という状態は、何か辛い状態にある時に主に使われます。仕事で失敗をしてそれを叱責されて落ち込んだ時などや、ひどい失恋をしてしまった時など、とにかく落ち込んだ状態の時によく使われます。

なので「感傷に浸る」とは、何かの物事に触れて心が傷つき痛んでいる状態に浸っているという意味になります。心が傷つき痛んでいる状態に浸るのはとても辛い状態ですので、「感傷に浸る」とは激しく落ち込んでいるような心理状態を意味すると言えます。

しかし、「感傷に浸る」とは辛い心理状態の時だけに使う言葉なのかというと必ずしもそういうわけではありません。故郷を離れて都会でひとり暮らしをしている人が、疲れた時や心傷ついた時にふと故郷を思い出すといった時にも「感傷に浸る」は使われます。

「感傷に浸る」の意味を先にご紹介しましたが、「感傷」とはどのような意味がある言葉なのかを解説します。「感傷」とは、人に何か辛いことを言われたりといった落ち込むようなことがあった時など、何かの物事に触れることによって心が傷つき痛むことを意味する言葉です。

心が傷つき痛んでいる「感傷」という状態に浸るので、「感傷に浸る」はとても落ち込んだ状態やとても辛い状態を意味する言葉だと言えます。

「感傷に浸る」には良く似たシチュエーションで使われる類義語もいくつかあります。「感傷に浸る」とは辛い時や落ち込んだ時などの心理状態の時に使われる表現なので、類義語と言われるものも同じような意味を持つものが多いです。「心」や「感情」といった単語が入るものが「感傷に浸る」の類義語として挙げられます。

「感傷に浸る」とはどのような意味なのかが説明できないという人でも、「この類義語なら意味が分かる」という人も多いです。そんな「感傷に浸る」の類義語をいくつかご紹介します。

「感傷に浸る」の類義語として「心を痛める」がまず挙げられます。「心を痛める」というのは自分自身が何か辛い思いをしたときにも使われる言葉ですが、他人が辛い思いをしているのを知った時などにも使われる言葉です。自分自身であろうと他人であろうと、辛い思いをした時に多く使われる言葉です。

自分自身が失恋をしたなどの時にも「手ひどい振られ方をして心を痛める」といった使い方をしますし、友達が何か辛い思いをしている時にその友達のことを思い遣って「心を痛める」という使い方をする時もあります。

また、自分とは全く関係のない他人が辛い思いをしていると知った時にも使われます。世界のどこかで辛い思いをしている子供達がいるというのをテレビで見たりした時にも「心を痛める」という言葉が使われることもあります。

他に「感傷に浸る」の類義語として「センチメンタルになる」という言葉が挙げられます。本来は英語なのに和製英語であるかのように日本語としてなじんでいる「センチメンタルになる」は「おセンチになる」などという略され方もするほど、日本語として普通に使われています。

「センチメンタル」は傷心、心傷ついた状態を表すので「センチメンタルになる」は「心傷ついた状態になる」という意味で「感傷に浸る」と似た意味を持ちます。

「センチメンタルジャーニー」という言葉を時折耳にしますがこれは「傷心旅行」の意味で、主に失恋した時などにする旅行を指します。別れた彼女や彼氏のことを想い、傷ついた心をいやすための旅行のことだというのは広く知られています。

「感傷に浸る」の類義語として他に「感情がもろくなる」という言葉もあります。「もろい」は「壊れやすい」という意味なので「感情がもろくなる」は「感情が壊れやすくなる」という意味になります。「感傷に浸る」はひどく落ち込んだ状態なので、「感情がもろくなる」も類義語と言うことができます。

「遠く離れた故郷を思い出させるような曲を聞くと、感情がもろくなってつい涙が出てしまう」といった使い方をするため「感傷に浸る」に近い使い方ができる言葉と言えます。

「感傷に浸る」の類義語として他には「感情に溺れる」が挙げられます。この「感情に溺れる」の「感情」は主に、辛いことや悲しいことによる感情を意味しますので、「感傷に浸る」と似た意味を持つ言葉です。

「深い悲しみに包まれ、感情に溺れる」といった具合に、とても辛いことがあった時や悲しいことがあった時などに使われます。「感傷に浸る」はとても辛い時や悲しい時、その辛さや悲しさに浸って落ち込んだ状態を表しますので、「感情に溺れる」は「感傷に浸る」の類義語と言えます。

少し違うのは「感情に溺れる」の方がやや激しい表現である点です。「感傷に浸る」の「浸る」は自分をコントロールできている感じがしますが「溺れる」は自分ではどうにもできない状態を表しますので「感情に溺れる」の方が激しい表現です。

「感傷に浸る」とはどのような意味なのか、類義語にはどのようなものなのかを解説してきましたが、実際に「感傷に浸る」を文章の中でどのように使えば良いのかをご紹介します。先にもご紹介したように「感傷に浸る」というのは様々な辛いことや悲しいことに対して使う言葉です。

辛いと思うことや悲しいと思うことは人それぞれで違いますが、一般的によく使われるシチュエーションや使われ方というものがあります。一般的によく使われる「感傷に浸る」の使い方をした文章をいくつかご紹介していきます。

「感傷に浸る」を使った例文の一つ目は「夕焼けの中感傷に浸る」という文章です。夕焼けを見ていると何となくもの悲しい気分になるという人は結構多く、辛いことや悲しいことがあった時に夕焼けを見ながらその辛さや悲しみに浸るというのはよくあるシチュエーションと言えます。

なぜ夕焼けを見ると人はもの悲しい気分になるのかというと、夕焼けは「日が沈む」時だからです。日本では「日が昇る」というと良いイメージで「日が沈む」というと寂しいイメージを持つ人が多く、そのため夕焼けを見ると寂しいような悲しいような気分になります。

そんな寂しさを感じさせる「夕焼けの中感傷に浸る」というのは本当に寂しそうで悲しそうなのが伝わってくる文章です。「感傷に浸る」とはシチュエーションも大切な言葉です。

「感傷に浸る」を使った例文二つ目は「亡き父を思い出し感傷に浸る」です。父親を早くに亡くした人が今は亡き父を思う時にこういった使い方をします。もう二度と戻らない人を思い出すというのはとても辛く悲しい、救いようのないことですので「感傷に浸る」という言葉がぴったりと当てはまります。

もちろん「父」限定ではなく「母」でも「祖母」でも良いですが、血のつながった相手ばかりに使う訳でもありません。夫を先に亡くしたという場合にも使えますし、仲の良かった友人を亡くしたといった場合にも使えます。

誰か大切な存在を亡くし、その人を思い出すときに感傷に浸るといった使い方をすればまず、使い方としては間違いありません。

「感傷に浸る」を使った例文三つ目は「感傷に浸っている場合ではない」です。「感傷に浸る」とは、辛いことや悲しいことがあった時、とても落ち込んでしまうことなどを指しますが、仕事が忙しい時などにはそんな暇はありません。そういった時には「感傷に浸っている場合ではない」などといった使い方をします。

漫画などで「仲間を亡くしてしまってもまだ闘いは続く」といったシチュエーションでも「まだまだ闘いは続くので、仲間を失ったからといって感傷に浸っている場合ではない」というような言い回しをします。

とても落ち込むような辛いことや悲しいことがあったとしてもそれに浸っていられる状況ではない時に、このような使い方ができます。

「感傷に浸る」を使った例文四つ目は「帰国できた安堵で感傷に浸る」です。海外旅行は楽しいものですが、旅先でトラブルに巻き込まれることもあります。そんな時に「帰国できた安堵で感傷に浸る」というような使い方ができます。

旅先で事件や災害などに巻き込まれたけれど何とか助かって帰国することができた場合、誰しも安堵します。そんな気持ちを表す時に「帰国できた安堵で感傷に浸る」という使い方ができます。

「感傷に浸る」の本来の意味や使い方とは多少異なりますが、旅行という近い過去を思い出していることにも「感傷に浸る」を使うこともできるということを覚えておきましょう。

「感傷に浸る」の意味や使い方を解説してきましたが、そういった状態になりやすい人の特徴もご紹介します。「感傷に浸る」というのはややネガティブなイメージを持った表現なので、好き好んでそんな状態になりたい人はいないはずですが、好きで「感傷に浸る」ということをする人もいます。

もちろん、好きで「感傷に浸る」ことをする人ばかりではありません。「感傷に浸る」などということは好きではない、そんな状態にはなりたくないと思っていても「感傷に浸る」状態になってしまうという人もいます。

感傷に浸る人とはいったいどのような特徴を持っているのか、感傷に浸る人の特徴をいくつかご紹介していきます。

「感傷に浸る」人の特徴の一つ目は「自分のことが大好き」という特徴です。「自分のことが大好きなら落ち込んだりしないはずだ」と言う人が多いですが、この場合の「自分のことが大好き」は少々意味合いが違います。何か辛いことや悲しいことがあって感傷に浸っている自分を「悲劇のヒロイン」のように思うことで自己陶酔するタイプの人もいます。

こういう人は「苦しんでいる自分も美しい」というナルシストのような心理なので、感傷に浸っている物憂げな自分をヒロイン仕立てにして楽しむ傾向があります。本当に辛いことがあったとしても自分を楽しむことができるのですから余程自分が好きなのだと言えます。

ナルシストの心理が理解できないという人から見れば理解しがたい特徴ですが、世の中には色々な人がいて、どのように感傷に浸るのかもさまざまだということです。

「感傷に浸る」人の特徴の二つ目は「感受性が豊か」という特徴です。感受性が豊かな人は感情の起伏も激しく、辛いことや悲しいことがあれば思い切り落ち込んだりします。こういった人は何か辛いことなどがあると、思う存分感傷に浸ったりしますので、一般的な人より落ち込みやすく感傷に浸りやすいと言えます。

感受性が豊かな人は、先にご紹介した「悲劇のヒロインのような自分に酔うタイプ」とは違い、本当に落ち込みます。落ち込んでいる自分自身にうっとりしたりすることはなく、ひたすら落ち込んでしまいます。

「感傷に浸る」人の特徴の三つ目は「時間に追われていない」という特徴です。仕事や家事や育児など日々の暮らしに追われ、落ち込んでいる暇などないという人は感傷に浸っている時間などありません。そういう人は一日が終われば考え事をする暇もなく、すぐに眠りに落ちてまた朝を迎えて忙しい一日を過ごします。

感傷に浸るためにはある程度の暇と言える時間が必要です。暇な時間などなく毎日忙しく立ち働いている人には、のんびりと感傷に浸っている時間はありません。

忙しく働いているはずの時間の中で感傷に浸っているという人も時には例外として存在します。急ぎの仕事を抱えているのにふとぼーっと考え事をして、時間などないのに感傷に浸っているなどという人もたまにはいますので、そういう人は例外と言えます。

「感傷に浸る」人の特徴の四つ目は「映画やドラマが好き」という特徴です。映画やドラマが好きだという人は感受性が豊かな人が多いため、感傷に浸りやすい人と言えます。映画やドラマで悲しい物語などを見て、その後で映画の余韻を楽しむように感傷に浸ることを楽しみにする人もいます。

自分自身に辛いことがあったわけではなくても、映画やドラマの主人公などに共感して感傷に浸るという行為を純粋に楽しむということです。現実に自分にはあまり辛いことなどがない人が疑似的に「感傷に浸る」を体験しているようなものだと言えます。

「感傷に浸る」人の特徴の五つ目は「ロマンチスト」だという特徴です。ロマンチストと言われる人は想像力がたくましく、また感受性も豊かです。日々の生活の中の天気ひとつ取っても、ちょっとしたポエムをひねり出すことができるようなロマンチストの人は、感傷に浸るのもある種の楽しみの一つと言えます。

自分の目に映るすべての物事をロマンティックに受け取って感じ入ることができるタイプの人ですので、こういう人が感傷に浸っている時は、特に悩みがあるといったことではなくむしろ楽しんでいるのだということを覚えておきましょう。

次に感傷に浸る人の心理について解説していきます。感傷に浸る人の特徴は様々で、そう心配もいらないタイプの人もいるとご紹介しましたが、感傷に浸る自分を楽しむタイプではない人が感傷に浸っている時の心理はポジティブなものではありません。

本来「感傷に浸る」というのは辛いことや悲しいことがあった時にとても落ち込むという状態を指すので、感傷に浸る人の心理はむしろネガティブだと言えます。人は誰でも辛いことや悲しいことがあれば落ち込んだり悩んだりしますが、感傷に浸っている人の心理はもう少し細かく分類することができます。

感傷に浸る人の心理の一つ目は「寂しがり屋」です。人それぞれ性格や考え方が違うため、一人でいても全然平気で寂しいなどと思わないという人もいれば、一人でいるなど耐えられない寂しがり屋だという人もいます。感傷に浸る人や感傷に浸りやすい人は、寂しがり屋の人が多いと言えます。

寂しがり屋の人は一人でいるとどうしてもネガティブなことを考えてしまい、ついつい感傷に浸ってしまうことになりがちです。人が一緒にいればそうでもないのですが、一人になると感傷に浸ってしまうというのは本人にとっても悩めるところです。

感傷に浸る人の心理の二つ目は「不安を感じている」ということです。自分自身が大好きで、好きで感傷に浸っている人などとは違い、何かに対して不安を感じているため感傷に浸ります。その不安が強ければ強いほど感傷に浸る回数や時間は長くなり、その悩みは深くなります。

今現在に不安はなくても将来のことに不安を感じているという場合にも、感傷に浸るということがあります。本来「感傷に浸る」というのは過去を思い出す行為ですが、過去にあった不安のせいで将来に不安を抱いて感傷に浸るということもあります。

感傷に浸る人の心理の三つ目は「悲しみを抱いている」ということです。好きな人と上手くいっていないなどといった恋愛関係や人付き合いその他、悲しみを抱くようなことは多々あります。抱いている悲しみが深い場合、感傷に浸る回数が多くなったり時間が長くなったりすることがあります。

悲しみというのはとてもネガティブな心理なので、その感情にひきずられて感傷に浸ってしまうということがあると言えます。

感傷に浸る人の心理の四つ目は「懐かしさを感じている」ということです。「感傷に浸る」というのは辛いことや苦しいことで落ち込むだけではありません。故郷を離れて就職した人などが故郷のことをふと思い出して、故郷の風景や家族など旧知の人々のことを考えて感傷に浸るということもあります。

こういう場合は、故郷に対して懐かしさを感じているという心理での「感傷に浸る」ですので、落ち込むばかりではありません。都会での暮らしに疲れた時などに故郷を思い出して懐かしむ心理状態です。

とても複雑で繊細なため、英語で表現しようとしても対応する英語が見当たらない場合もある日本語ですが、「感傷に浸る」という言葉に対応する英語はちゃんと存在します。しかも、これまでにご紹介してきた中に、「感傷に浸る」に対応する英語に近い言葉もあります。そんな「感傷に浸る」の英語をご紹介します。

「感傷に浸る」の英語は｢be sentimental｣です。英語で表記すると違う言葉のようですが、先に「センチメンタル」です。「be」がつくので英語を直訳すると「センチメンタルになる」ですので、「感傷に浸る」に英語としてまさにぴったりの言葉です。英語の｢sentimental｣の意味は「感情的な」「涙もろい」といった意味です。

「be」をつけて「感傷に浸る」という意味の英語になりますが、センチメンタルというのは英語ではなく日本語としてすでに受け入れられていますので、とてもわかりやすい英語と言えます。

「感傷に浸る」というのは辛いことや苦しいこと、悲しいことがあった時にとても落ち込むことですが、それは決して悪いことではありません。「感傷に浸る」という行為は苦しみに身をゆだねて、自分自身に「存分に苦しむこと」を解放することができるため、一種のリフレッシュとしてとらえることもできます。

「感傷に浸る」という行為を「悪いこと」だと思う人もいます。確かに悩み苦しみ落ち込むというのは精神衛生上良くないですが、辛いことや苦しいことを我慢することもストレスがたまります。時には思い切り感傷に浸って思い切り泣いたりすると、それはリフレッシュになります。

ただ単に「感傷に浸る」のではなく、涙まで流してみましょう。涙を流すと心が軽くなるということもありますので、感傷に浸りながら子供の頃のように泣いてみることも悪くありません。

「感傷に浸る」の意味や使い方や類義語の他、感傷に浸りやすい人の特徴や英語で何というかなどを解説してきましたが如何でしたか？ニュアンスはわかっていても正確な意味はわかっている人がそう多くない「感傷に浸る」の意味を理解して正しく使い、美しい日本語を使いこなしましょう。