初心者向けのフィルムカメラの簡単な使い方が知りたい!
フィルムカメラの使い方をご存知ですか?フィルムカメラというとデジタルカメラが普及される前に使われていた、古いカメラというイメージがありますが、最近ではあえてフィルムカメラで写真を撮る人が増えてきています。
フィルムカメラの使い方①パーツを知る
フィルムカメラの使い方として、まず初心者の方のためにフィルムカメラのパーツの名前を紹介します。フィルムカメラのパーツは、フィルムカメラを操作する上で、重要になってきます。フィルムカメラの各パーツを知り、上手に操作できるようにしましょう。
レンズ周りのパーツと役割
まず最初に紹介するフィルムカメラのパーツは、フィルムカメラのレンズ周りのパーツです。フィルムカメラの前面に取り付けるレンズには、「距離リング」と「絞りリング」が付いています。
「距離リング」はピントを調整でき、「絞りリング」は絞りを調節する役割があります。どちらも回すことで調節できるようになっています。更にフィルムカメラの表面には「絞り込みレバー」と「セルフタイマーレバー」が付いています。
「絞り込みレバー」は絞り具合を確認でき、操作することでピントの合う範囲を事前に確認することができます。「セルフタイマーレバー」は他のカメラと同じく、操作することでセルフタイマー機能が使えます。
カメラ裏面のパーツと役割
続いて紹介するのは、フィルムカメラの裏面にあるパーツです。フィルムカメラの裏面には「巻き戻しノブ」、「ファインダー」、「裏ぶた」が付いています。
「巻き戻しノブ」はフィルムカメラのフイルムをセットするときに使います。フィルムカメラによって違いますが、「巻き戻しノブ」を持ち上げることで、裏ぶたが開く構造になっています。
「ファインダー」はのぞき込むことで写り具合を確認できます。「裏ぶた」はフィルムを、取り付けたり外すときに開け閉めする部分になります。
カメラ上面のパーツと役割
続いてはフィルムカメラの上面のパーツと役割を紹介します。フィルムカメラは、基本的に右利きの方用に作られているので、フィルムカメラの上面のパーツは、カメラを手で持って右側が操作パーツ、左側はフィルムの出し入れに使うパーツが付いています。
まず、フィルムカメラの右側には「シャッターボタン」、「フィルムカウンター」、「巻き上げレバー」、「シャッタースピードダイヤル」、「フィルム感度目盛り」が付いています。
フィルムカメラの左側は「巻き戻しクランク」、「裏ぶたロックレバー」が付いています。フィルムカメラの右側と左側に分けて、パーツとパーツの役割を初心者の方でも分かるように紹介します。
フィルムカメラの上面の右側
まず、フィルムカメラの右側に付いているパーツ部分から説明します。「シャッターボタン」は押すことで、写真が撮影できます。
「フィルムカウンター」はフィルムの残量を数字で表示してくれるパーツです。「巻き上げレバー」は操作することで、1枚ずつフィルムを巻くことができ、次の写真を撮影することができます。
「シャッタースピードダイヤル」は、シャッターが開いている時間を調節するパーツです。シャッタースピードを速く設定すると、動いている被写体をブラさずに撮影できます。逆にシャッタースピードを遅くすることで、被写体の動きを撮影することができます。
「フィルム感度目盛り」はフィルムの感度に合わせてを目盛りで調節することができます。感度は高いほど写真の画質は悪くなります。しかし、感度が低いフィルムは光を受け取る能力が低いので、暗い場所の撮影には向きません。
暗い場所には、感度の高いフィルムを使いましょう。感度が高いフィルム、低いフィルムそれぞれに良い点があります。撮影するシーンによって、感度の違うフィルムを使い分けて、感度を「フィルム感度目盛り」で調節しましょう。
フィルムカメラの上面の左側
続いては、フィルムカメラの上面の左側にあるパーツを紹介します。左側は、基本的に撮影するときには操作しにくい場所であるため、フィルムを使い終えた後、フィルム交換の際に操作するパーツが付いています。
「巻き戻しクランク」はフィルムを使い終えた後、フィルムを巻き戻す際に操作するパーツです。そして、「裏ぶたロックレバー」は裏ぶたを開けるときに操作するパーツです。
フィルム交換の詳しい方法は、後ほど紹介します。フィルムカメラのパーツとパーツの役割を理解して、写真を撮影してみましょう。
フィルムカメラの使い方②撮影方法
フィルムカメラの各パーツの名称と役割を理解したところで、続いてはフィルムカメラを使っての撮影方法を紹介します。フィルムカメラは絞りなどパーツが多く、操作が難しそうに感じますが、慣れれば簡単です。初心者の方でもマスターできるように簡単に説明していきます。
①フィルムをセットする
フィルムカメラを使って撮影する際は、始めにフィルムをセットしましょう。フィルムカメラによって使い方は多少違うので、細かい操作方法はフィルムカメラの取り扱い説明書を読みましょう。
フィルムカメラのフィルムをセットするには、裏ぶたロックレバーと巻き戻しノブを操作して、カメラの裏ぶたを開けます。そしてフィルム本体を入れて、巻き戻しノブで固定します。
フィルムを少し引き出し、フィルムの先端を巻き取りスプールの溝に差し込みます。このとき、フィルムの穴にツメがかかるようにしましょう。
②巻き上げる
フィルムカメラにフィルムがセットできたら、カメラの裏ぶたを閉めて、一度シャッターを切ります。そして、巻き戻しノブを操作して、フィルムを巻きます。
更にシャッターを切り、フィルムを巻き上げ、フィルムカウンターが0になるまで繰り返します。フィルムカメラによっては、自動で巻き上げるカメラもあります。
③撮影する
フィルムの準備ができたら、「フィルムの感度目盛り」を操作して、フィルムと同じ感度に合わせます。そして被写体にフィルムカメラを向けて、ピントを合わせていきます。ピントを合わせるときは、ファインダーをのぞきながら行いましょう。
ピントを合わせるコツ
続いては、フィルムカメラでピントを合わせる方法を紹介します。まずはフィルムカメラのファインダーをのぞき被写体を見ると、最初はぼんやりしています。
そこで、レンズの距離リングを回して調節します。距離リングは自分から見て、左方向に回すと、近い位置にピントが合うようになります。逆に距離リングを右方向に回すと、遠くの位置にピントが合います。
距離リングを回してもピントが合わない場合は、被写体から離れてみましょう。レンズと被写体が近すぎるとピントが合わないことがあります。初心者の方はピントを合わせるのに時間がかかりますが、慣れると上手に合わせることができるようになります。
ピントが合えば、次は写真の明るさを調節します。写真の明るさのことを「露出」と呼びますが、露出を調節するには絞りリングを回します。
絞りとピントが調節できたら、後はシャッターを押すだけで写真が撮影できます。シャッターを押したら、フィルムを巻くことを忘れないようにしましょう。
レンズ交換の仕方
フィルムカメラはレンズ交換が可能なものが多いです。レンズを交換をすることで、撮影者からより遠くの被写体が撮影できたり、逆により近くの被写体を撮影することができます。
フィルムカメラによってレンズの交換方法が違いますが、基本的にはネジ式になっています。レンズを取り外すには、レンズとカメラ本体の間にある、レンズ着脱用リングを回すことで、レンズを取り外すことができます。正しくレンズ交換を行い、フィルムカメラで撮影を楽しみましょう。
フィルムカメラの使い方③現像方法
続てはフィルムカメラの使い方として、現像方法について紹介します。フィルムを使い終えたからといって、いきなり裏ぶたを開けてはいけません。初心者の方でも分かるように、フィルムカメラからフィルムを取り出すところから丁寧に紹介します。
フィルムの取り出し方
まず、現像を行うためにフィルムを取り出しましょう。フィルムを全て使い終わったら、巻き戻しレバーを操作して、フィルムを巻く準備をします。そして、巻き戻しクランクを回しフィルムを巻いていきます。
回し続けると巻き戻しクランクが急に軽くなります。軽くなったら巻き戻しが完了です。念のため、巻き戻しクランクが軽くなっても、すぐに回すのを止めず、多めに回しておきましょう。
そうすることで、フィルムが完全に巻けてフィルムが焼けるのを防ぐことができます。フィルムが完全に巻けたら、フィルムを入れたときと同じ要領で裏ぶたを開けて、フィルムを取り出してください。
フィルムを扱う上での注意
フィルムを取り出した後は、出来るだけ早く現像しましょう。フィルムは強い光に弱いのはもちろん、暑さや湿気にも弱く繊細な素材です。撮った写真を綺麗に現像させるためにも、現像は早めに行いましょう。
どうしても、すぐに現像できないときは、涼しくて湿度の高くない暗い場所で保存しましょう。具体的には、20度以下の低温で50%以下の湿度の場所が良いでしょう。
現像できる場所
フィルムカメラで撮影したフィルムの現像は、家電量販店に持っていくと現像してくれます。お店によっては、1時間ほどで現像が完了するので、お店の中で待ちその日のうちに写真を持って帰ることができます。
家電量販店の中には、フィルム現像を行っていない店舗もあるため、念のためフィルムの現像を行っているか調べてから行きましょう。最近では、ネットで現像を頼むこともでき、お店にフィルムを持っていく手間が省けて便利です。
フィルムカメラの使い方④上級テクニック
フィルムカメラの使い方を初心者の方向けに紹介しましたが、ここからは初心者の方でもマネできる、フィルムカメラの上級テクニックを紹介します。初心者の方もフィルムカメラの撮影に慣れてきたら、上級テクニックを試してみましょう。
被写体との距離を考える
フィルムカメラで撮影を行うときは、まず被写体との距離を考えましょう。被写体との撮影距離が決まったら、絞りを調節してみましょう。
絞りは「F値」で表されます。F値の数値が小さいほど、絞りが開き多くの光を取り込むことができ、逆にF値が大きいほど、絞りが閉じ光を取り込まない仕組みになっています。
絞りを調節することで、ピントの合う範囲を調節することができます。絞りが開いている状態にすることで、ピントが狭い範囲に合い、背景がボケて撮影することが可能になります。
逆に絞りを狭くするすると広い範囲にピントを合わせることができます。絞りを調節して、被写体の大きさによって背景をボケさせるだけで、写真の雰囲気が変わり、カメラ上級者が撮影した写真のように撮影できます。
この他にもシャッター速度を変えて動くものを撮影したりと、絞りやシャッター速度、感度を少し変えるだけで、同じシーンの撮影でも全く表情の違う写真を撮影できます。
デジタルカメラのように自動補正と違い、フィルムカメラを使うことで自分好みの自分にしか撮れない写真を撮影することができます。
人物を綺麗に撮るコツ
続いてはフィルムカメラで人物を撮影する方法を紹介します。人物を被写体にする際は、基本的に人物の表情が写るように人物の顔にピントを合わせます。特に人物の目にピントを合わせると綺麗に撮影できます。
人物をより綺麗に際立出せるために背景をぼかしてみましょう。先ほど紹介したように、背景をぼかすためには絞りのF値の数値を小さくしましょう。
背景と被写体の距離をなるべく遠くすることで、更に綺麗にぼかしを入れることができます。屋内より広い緑の多い公園などで撮影することで、人物を綺麗に撮影することができます。
多重露光について知る
続いて紹介する上級テクニックは多重露光です。多重露光とは、同じ1枚の写真に違う風景や表情を1コマに写し込む撮影方法です。多重露光を行うことで、現像的でアート作品のような写真が出来上がります。
では早速、上手に多重露光を撮影する方法を紹介します。まず、露出の基本設定は-0.5から-1に設定しましょう。そして、フィルムは高感度過ぎないIOS100から400がおすすめです。
次に撮影するときのポイントを紹介します。人物とお花を重ねた多重露光の撮影を例に解説します。まず、1コマ目の人物を撮影するときは、人物と背景の明るさに注意しましょう。
人物を明るく撮影したいなら背景を暗めに、人物を暗く撮影したいなら背景は明るめになるようにしましょう。人物と背景の明るさに差を付けることで、写真に立体感が出て、綺麗な多重露光を作り出すことができます。
更に多重露光のコマを撮影する場合は、明るすぎない場所で撮影しましょう。明るい場所で撮影してしまうと、ギラギラしてしまい綺麗にコマが重なり合いません。幻想的な雰囲気を壊さないためにも、多重露光を撮影するときは暗めの場所で撮影を行いましょう。
フィルムカメラの使い方を知ってレベルアップしよう
フィルムカメラは、操作が難しく感じられますが、慣れれば操作が簡単に感じます。フィルムカメラの一通りの操作に慣れたら、好きな景色や動物など撮影しましょう。フィルムカメラを使いこなして素敵な写真をたくさん撮影しましょう。