メンタルコントロールとは
昨今時々目にしたり耳にしたりするようになった「メンタルコントロール」という言葉がありますが、メンタルコントロールの意味はどういう意味なのか尋ねられてもちゃんと答えられない人の方が多いでしょう。
メンタルコントロールという字面を見て何となく意味が分かるような気がしていても、実はメンタルコントロールの正しい意味は理解できない人の方が多いと言えます。
メンタルコントロールというのは具体的にはいったいどういうことを指すのか、まずはメンタルコントロールとは何かについてご紹介しましょう。
ネガティブな気持ちを切り替えるためのトレーニング
メンタルコントロールとは何かというと、簡単に言えばネガティブな気持ちを切り替えるためのトレーニングということです。
例えばアスリートが普段のトレーニングの成果を競技会で充分に発揮できないといった場合、過去の競技会での自分の失態などを拭い去ることができずネガティブな気持ちに支配されていることが多いです。
また会社で仕事をしている人の中にも、過去に何らかの失敗をしたせいでそれがトラウマになり、新たな仕事でもまた失敗するのではないかとネガティブな気持ちになって失敗を繰り返すことがあります。
メンタルコントロールはこのような負の連鎖を防ぎたいと思う人が、ネガティブな気持ちを切り替えるためのトレーニングです。
メンタルコントロールができる人・できない人
メンタルコントロールとは何かについてご紹介しましたので、次はメンタルコントロールができる人とできない人についてご紹介します。メンタルコントロールは誰にでもできるかというと、そういうわけではありません。
ネガティブな気持ちを切り替えるためにメンタルコントロールをしようと頑張ってもできないという人も少なくないと言えます。
メンタルコントロールができる人とできない人とではどのような違いがあるのか、メンタルコントロールができる人とできない人の特徴についてご紹介しましょう。
メンタルコントロールができる人の特徴
メンタルコントロールができる人とできない人の特徴の一つ目は、メンタルコントロールができる人の特徴です。メンタルコントロールができる人には、過去に何らかの成功経験があるという特徴があります。
仕事にしろスポーツなどにしろ、過去に成功した経験がある人は自信をもっているため、多少ネガティブな気持ちになった時であっても比較的簡単に気持ちをコントロールでき、気持ちを立て直すのが早いと言えます。
長距離ランナーがコースの途中で転んでも最後には一着で走り終えるということもありますが、これは過去の成功経験によって「転んでも優勝できる」という強い自信をもっているためです。
メンタルコントロールができない人の特徴
メンタルコントロールができる人とできない人の特徴の二つ目は、メンタルコントロールができない人の特徴です。メンタルコントロールができない人の多くは、過去の失敗やトラウマなどを引きずっているというのが特徴です。
過去に何か失敗をしたり、誰かに何かを言われたなどでトラウマがある人は、メンタルコントロールをすることが難しいと言えますが、こういった人は元々自己否定するタイプの人が多いです。
「どうせ自分なんて」という考え方の人が失敗を一度経験すると気持ちを切り替えることができず、結果として失敗に失敗を重ね続けてメンタルコントロールができなくなるということです。
メンタルコントロールのトレーニング方法と効果【行動編】
メンタルコントロールができる人とできない人の特徴についてご紹介しましたので、次は行動におけるメンタルコントロールのトレーニング方法と効果についてご紹介します。
メンタルコントロールができないと思い込んでいる人であっても、日常のほんのちょっとしたことを改善するだけでメンタルコントロールができるようになる可能性はかなり高いです。
メンタルコントロールのトレーニングをするにはどのような行動をすれば良いのか、またそれによってどのような効果が得られるのか、行動におけるメンタルコントロールのトレーニング方法と効果についてご紹介しましょう。
規則正しい生活を送る
行動におけるメンタルコントロールのトレーニング方法と効果の一つ目は、規則正しい生活を送ることです。メンタルコントロールができない人の中には、毎朝早起きしようと思っても自力では起きられないという人も多いです。
こういった人はまず夜は早めに就寝し、朝早めに起きるという規則正しい生活習慣を確立することが重要です。夜早めに寝ると人間は不思議と朝早く目覚めますが、これはごく当たり前のことです。
早めに寝て早めに起きると睡眠時間は充分ですし、何より朝気持ちよく目覚めることができます。メンタルコントロールができない人はまず、規則正しい生活を送るように心がけることをおすすめします。
運動・睡眠を大切にする
行動におけるメンタルコントロールのトレーニング方法と効果の二つ目は、運動と睡眠を大切にすることです。朝起きられないという人は夜遅くまで起きているのが原因ですが、眠れないのは運動が足りていないせいである場合が多いです。
人間の体は適度な運動をすることによって疲労して睡眠を欲しますが、運動不足だと疲れているようでも実際体は疲れていないため、なかなか眠くなりません。
毎日適度な運動をして夜早めに就寝するとぐっすりと眠ることができるだけでなく、質の高い睡眠によって翌朝気分良く目覚めることができますので、適度な運動と早めの就寝を心掛けるようにしましょう。
肯定的な言葉を自分に言う
行動におけるメンタルコントロールのトレーニング方法と効果の三つ目は、肯定的な言葉を自分に言うということです。メンタルコントロールができない人の多くは自己否定的なことを考えている人が多いですが、これではいけません。
「大丈夫、自分にはできる」と自分自身を肯定する言葉を自分自身に対して言い聞かせると、だんだんネガティブな気持ちが薄れていきます。
心の中で言っても良いですが、口に出して言った方がより効果が上がります。言霊(ことだま)という言葉がありますが、言霊とは口に出したことは現実になるというもので、メンタルコントロールでも言霊はとても重要です。
少年漫画などで主人公がピンチの時に「大丈夫だ、俺ならやれる」と口に出して言ったりしますが、これも自己肯定によって力を引き出していると言えます。
成功者のマネをする
行動におけるメンタルコントロールのトレーニング方法と効果の四つ目は、成功者のマネをすることです。青年実業家などの中には若くして成功した先達のマネをして自分も成功できたという人もいます。
会社を興したりするわけではなくても、身近な人のマネをすれば、それがとても良いトレーニング方法になる場合もあります。
親や兄弟などの出来が良いためコンプレックスを持っている人なら、親や兄弟がどのような行動をしているのかなどをつぶさに観察し、マネをすることによって成功するための秘訣やコツを知ることができます。
瞑想をする
行動におけるメンタルコントロールのトレーニング方法と効果の五つ目は、瞑想をすることです。瞑想は昨今では誰もが手軽に行える精神のトレーニング方法として一般的ですが、メンタルコントロールができない人は瞑想をしていない人が多いです。
「瞑想って意識高い系の人がすることっぽい」などと瞑想を敬遠する人もいますが、瞑想はただ座って目を閉じて何も考えないようにするだけのとても簡単なことです。
ネガティブな考えの人はついつい色々暗いことや悪いことを考えてしまいがちですが、座禅を組んで両手をお腹の前で組み、目を閉じて何も考えずぼーっとしましょう。何も考えないことも重要なトレーニング方法だと言えます。
メンタルコントロールのトレーニング方法と効果【呼吸編】
行動におけるメンタルコントロールのトレーニング方法と効果についてご紹介しましたので、次は呼吸によるメンタルコントロールのトレーニング方法と効果についてご紹介します。メンタルコントロールには実は呼吸もとても重要です。
「呼吸なんて生きてれば誰でもするじゃない」と言う人もいるでしょう。ですがメンタルコントロールのトレーニング方法としての呼吸は、自然に呼吸するのではなく意識的に呼吸することを意味します。
メンタルコントロールのトレーニング方法としての呼吸とはいったいどのようにすれば良いのか、呼吸によるメンタルコントロールのトレーニング方法と効果についてご紹介しましょう。
習慣として深呼吸をする
呼吸によるメンタルコントロールのトレーニング方法と効果の一つ目は、習慣として深呼吸をするということです。普段の浅い呼吸と深呼吸とでは酸素の吸入量が断然違いますので、時々深呼吸をする習慣をつけることをおすすめします。
自律神経の失調によりうつ病などの病気になる人もいますが、実は深呼吸を繰り返すことによって自律神経のバランスを整えることができ、うつ病などの病気の予防に役立てることができます。
人間は普通に日常生活を送っている中で深呼吸をすることはほぼありませんが、時々深呼吸をすることを習慣づけると心にも体にもとても良い影響がありますので、深呼吸を習慣づけることを心掛けましょう。
呼吸を整える
呼吸によるメンタルコントロールのトレーニング方法と効果の二つ目は、呼吸を整えることです。昨今ではストレスによる過呼吸などに苦しむ人もいますが、これも深呼吸で呼吸を整えるような習慣をつけることで改善の可能性があります。
普段深呼吸をしない人は意外に多く、パソコンに向かって仕事をしている時に息を詰めるようにしている人なども少なくありません。
このような生活をしている人は呼吸が乱れていると言えますので、時々深呼吸をすることによって呼吸を正しく整え、しっかりと体中に酸素をめぐらせるようにすることをおすすめします。
特定のタイミングで深呼吸する
呼吸によるメンタルコントロールのトレーニング方法と効果の三つ目は、特定のタイミングで深呼吸するということです。特定のタイミングといっても難しいものではなく、例えば緊張をしている時などです。
プレゼン前で緊張している時などにゆっくりと深呼吸を繰り返すと緊張がほぐれてきます。また悩みなどを抱えていてそれがストレスになっている時などにも、ゆっくりと深呼吸を繰り返すと落ち着いてきます。
他に仕事が立て込んでいて忙しい時などには呼吸を正しく行っていない状態が続きますので、そういう時こそ深呼吸をして脳に酸素をしっかり送って仕事の効率を上げましょう。
メンタルコントロールのトレーニング方法と効果【考え方】
呼吸によるメンタルコントロールのトレーニング方法と効果についてご紹介しましたので、次は考え方によるメンタルコントロールのトレーニング方法と効果についてご紹介します。
先にご紹介した行動や呼吸によるトレーニング方法は簡単にできるようになりますが、考え方を変えるというのはかなり難しい場合もあります。
メンタルコントロールのトレーニングをするにはどのように考え方を変えれば良いのか、考え方によるメンタルコントロールのトレーニング方法と効果についてもご紹介しましょう。
それまでの自分のパフォーマンスを振り返る
考え方によるメンタルコントロールのトレーニング方法と効果の一つ目は、それまでの自分のパフォーマンスを振り返ることです。仕事やスポーツなどでネガティブになりやすい人は、過去の自分のパフォーマンスを振り返りましょう。
人間は失敗するばかりではなく多少の成功もありますので、自分の過去の成功例を振り返りましょう。成功がない場合には、自分が頑張ってきたことを振り返るのも重要です。
自己否定的な考えの人にとっては自分の頑張りを振り返ることは難しいですが、少しでも過去の自分をほめることができればそれはメンタルコントロールにおいて重要なポイントになります。
思い込みを失くす
考え方によるメンタルコントロールのトレーニング方法と効果の二つ目は、思い込みをなくすことです。自己否定的な考えの人は「どうせ自分にはできない」と思い込んでいる場合が多いですが、そんな思い込みは捨てることが重要です。
人間の脳は誰しも大差ないため、人間の可能性は誰でも無限大です。「自分はダメだ」などという妙な思い込みをしている人は、それだけで損をしています。
「自分はダメだ」という思い込みを捨てて「自分には出来る」と思うようにすることによって、新たな自分に出会うことができるようになります。
理想の自分をイメージする
考え方によるメンタルコントロールのトレーニング方法と効果の三つ目は、理想の自分をイメージすることです。「どうせ自分なんて」と思っている人でも、「あの人みたいになれたらいいな」という気持ちを持っている人も多いでしょう。
理想の自分をイメージするには、自分が理想だと思っている人を頭の中で自分自身に置き換えることが重要になります。
周囲の「デキる人」に自分を重ねて想像し、理想の自分をしっかりとイメージすることにより、理想の自分になるために何をすれば良いのかが分かるようになってきます。
目標を設定する
考え方によるメンタルコントロールのトレーニング方法と効果の四つ目は、目標を設定することです。「自分はダメだ」と考えている人の多くは、何に対しても目標を持っていない場合が多いと言えます。
こういった人にとっては目標を設定することはとても重要で、目標を設定することによって自分が今何をしなければならないのかが明確になってきます。
いきなり大きな目標を設定してもなかなか達成できないので、ほんの小さな目標を設定することから始めることをおすすめします。
小さな目標を設定し、それを達成することができれば成功体験ができます。メンタルコントロールには成功体験を重ねることが重要なので、小さな目標を設定してそれを達成することから始めましょう。
マイナスのことを考えるのを止める
考え方によるメンタルコントロールのトレーニング方法と効果の五つ目は、マイナスのことを考えるのをやめることです。マイナスのことを考えるのを止めるのはメンタルコントロールのトレーニングとしてとても重要です。
「どうせ自分なんて」という考えの人にはマイナス思考の人が多いため、なかなかプラス思考にはなれない場合もありますが、出来る限りマイナス思考にならないようプラスのことを考えましょう。
前向き過ぎるのは逆効果
メンタルコントロールのトレーニング方法としてマイナスなことを考えないようにするのはとても重要ですが、あまりにも前向き過ぎるのは逆効果になることもあります。
「自分にもできる」という程度の前向きさなら良いですが、「自分なら何をしても許される」といった間違った方向への前向きさは嫌われる原因になりますので注意しましょう。
自分の長所を考える
考え方によるメンタルコントロールのトレーニング方法と効果の六つ目は、自分の長所を考えることです。自己否定的な人にとってはこれはかなり難しいですが、こちらも重要なトレーニング方法です。
自分の長所を思いつけない場合には、「自分は何なら少し出来るか」を考えてみましょう。人より優れていることがないなら、少しでも出来ることを考えてそれを自分の長所だと思うことをおすすめします。
人より大幅に優れていることがなくても少しでも出来ることがあるならそれは自信につながりますので、少しでも出来るということを探しましょう。
メンタルコントロールにおすすめの本
考え方によるメンタルコントロールのトレーニング方法と効果についてご紹介しましたので、次はメンタルコントロールにおすすめの本をご紹介します。メンタルコントロールは話題になっていますので、役立つ本も結構出版されています。
メンタルコントロールをしたい場合にはどのような本を読めば良いのか、メンタルコントロールにおすすめの本をいくつかご紹介しましょう。
嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え
メンタルコントロールにおすすめの本の一つ目は、「嫌われる勇気 自己啓発の源流アドラーの教え」という本です。この本では自分が自分らしく生きられるようにするためには、嫌われる勇気を持つことも重要だと述べられています。
周囲の人達にどう思われるのかばかりを気にしていると、自分の言いたいことも言えなくなってしまいます。この本では自己承認欲求の強い人はどうすれば良いのかについて詳しく紹介されていますので、自己承認欲求の強い人におすすめです。
神メンタル 「心が強い人」の人生は思い通り
メンタルコントロールにおすすめの本の二つ目は、「神メンタル「心が強い人」の人生は思い通り」という本です。この本ではメンタルコントロールをして強い心を手に入れることを目的としたトレーニング方法を紹介しています。
メンタルコントロールにおいては心を強くすることがとても重要ですが、この本は自己啓発本を読んでも心を強くすることができなかったという人にも分かりやすく実行しやすいため、自己啓発本が役に立たなかったという人におすすめです。
1日10分で自分を浄化する方法~マインドフルネス瞑想入門
メンタルコントロールにおすすめの本の三つ目は、「1日10分で自分を浄化する方法~マインドフルネス瞑想入門」という本です。メンタルコントロールには瞑想をすることも重要ですが、この本では瞑想のやり方などを優しく紹介しています。
瞑想というものを難しく考えている人でも、この本を読めば「瞑想ってこんなに簡単なんだ」と納得して実行に移すことができますので、瞑想をしようと思っていてもできなかったという人におすすめです。
道は開ける
メンタルコントロールにおすすめの本の四つ目は、「道は開ける」という本です。自己啓発本というのはかなり昔から出版されてきましたが、この本はかなり昔に出版された名作と言えるほどの自己啓発本です。
この本は会社経営者などになりたいという夢を持つ人達に読まれてきた自己啓発本なので、ただ単にネガティブな考えの人にとっては実行が難しい場合もありますが、何か目標があって心を強くしたいという人におすすめです。
反応しない練習
メンタルコントロールにおすすめの本の五つ目は、「反応しない練習」という本です。この本は仏教の教えを元にしているためやや宗教的な感じもしますが、宗教の本ではなく単に「簡単に揺れない心」を持つための考え方を紹介した本です。
周囲の人の一言がいちいち気になってしまう人などが、周囲の言うことに反応せずにいられる強い心を持てば一気に自分を変えることができますので、周囲の人に振り回されがちな人におすすめです。
メンタルコントロールでは自分を把握することが重要!
メンタルコントロールのトレーニング方法などについて色々とご紹介してきましたが、如何だったでしょうか。メンタルコントロールでは自分を把握することが重要なので、自分自身の心と向き合って自分という人間を改めて見直しましょう。