CPUの適正な温度を知っておこう
普段パソコンを使っている方は感じることが多いと思われますが、なんとなく本体が熱くなっているということがありませんか?これはパソコンの中に内蔵されている「CPU」が高温になっている状態だからです。
CPUの温度が高温になった場合、CPUは冷却するため処理速度を抑えようろする仕組みになっています。それでも高温が続くと、電源が強制的に落ちることもあり熱暴走してしまいます。
今回は、パソコンの内部にあるCPUでの温度トラブル対処方法についての特集です。ぜひ参考にしてみてください。
CPUってそもそも何?
そもそもCPUとはどのようなものなのでしょうか?CPUの意味は「Central Processing Unit」の略称です。これを日本語に置き換えると、「中央処理装置」と呼ばれる部位のことを指します。
字面からも想像できるように、パソコンにとっての中核を担う役目といえます。パソコンに撮ったも重要なパーツともいえるCPUについて、さらにその機能や役割などを細かく追っていきましょう。
コンピューターの脳みそ
パソコンはあらゆる細かいパーツや部品から成り立っていることは、きっと多くの方々がご承知なはずです。その中で、CPUはまさに「頭脳」とも表現されているような場所にあります。
このCPUがどのような状態かによって、そのパソコン自体の性能が大きく変わっていくので、とても影響力がある部分です。
仮に、動画やゲームをする場合、そのパソコンの表面的なグラフィックボードの性能に注目しがちです。画面や画像の解明度などが高いかどうかです。それはもちろん正しいのですが、それだけではなくコンテンツの動作を司っているCPUの性能がどこまで高いのかにもよります。
CPUの役割とは
CPUとは具体的にどのような役目をはたしているのでしょうか?これは簡単にいえば、人が送り込む直接的な指令(たとえばキーボードやマウスの操作)に反応して情報を処理し、計算をして答えを導く役割です。CPUがなければパソコンは動作しないくらい重要な部位です。
またCPUは今までのコンピュータの歴史の中で世代交代し続けています。携帯電話やスマホが毎年のように新しい機種を登場させるのと同じように、CPUも性能が向上してパソコンに搭載されています。初めて販売されたものは第1世代で、2020年1月現在では第9世代と呼ばれています。
CPUが脳でマザーボードが心臓の役目
パソコン内部には「マザーボード」と呼ばれる連結部分があります。そこには、チップ状になっているCPUを差し込む「CPUソケット」という個所があります。
CPUのチップとCPUソケットがちゃんと繋がっていることによって、パソコンは安全に作動してくれます。人体で例えるとしたら、CPUチップは脳のような役目で、CPUソケットが神経経路、マザーボードは心臓のような役目だと思えばよいでしょう。
コア数とは
CPUの中には、「コア」と呼ばれている計算やデータ処理をする個所があります。コア数とは、CPUにそれがいくつあるのかを示します。もし何か4つの作業を行うとした場合で、コアを1つしか所持していないCPUだとしたら、1つ作業を終えてから、やっと次の作業を処理する必要があります。
そのため処理にその分だけの時間やインターバルを要します。それだけCPUの使用率も高まります。そこでコアを最初から4つ持っているCPUであれば、4つを同時に処理することができマルチで効率的です。
いちいち一つの作業を待つことなく処理速度も速くなります。コア数が多いほど、CPUの性能が高くて安全性もあると言えます。
クロック数とは
CPUの数値には「クロック数」と呼ばれるものがあります。このクロックとは、信号が1秒間にどれぐらい発生するのかを数値化させたもの(単位としてはHz)です。クロック数の値が高ければ高いほど、CPUの性能も高いという目安になります。
人体に例えれば、クロック数は脈拍数のようなものです。脈拍数が高いということは血液の流れる量も多いのと一緒です。CPUが処理できるデータ量も多くなるということです。
CPU使用率とは
CPU使用率とは、1秒間にてCPUがどれくらいの処理を実行できるのかを、分かりやすく数値で表したものです。CPUの使用率が高ければ高いほど、その分のエネルギーを使うので、当然熱量も帯びています。
時折、瞬時だけですが、CPU使用率が100%にまで達する場合があります。その場合の使用率は一時的なので特に問題ありません。ところが長時間にわたったままCPU使用率が100%を示したままの場合、パソコンの動作が重くなるなどの不具合な症状に陥っていくので、かなり安全性にも問題が生じます。
CPUの適正温度とは
パソコンはもちろん機械でもあります。自動車や洗濯機、冷蔵庫と同じように電力を使って作動をすることにより、多くのエネルギーを使います。そのため使用すればするほど熱を帯びていくというのは、ごく当然な成り行きではあります。
しかし、ある一定の温度までの上昇はあっても、それ以上を越えてしまうと、本体そのものへのダメージも増えていくので熱暴走をします。常に適切な温度を保てるるようにしなくてはなりません。ここでは、CPUは健全に動くための適正温度についてご紹介します。
CPUに負荷がかかると温度が上がる
先述しているように、エネルギーが掛かるということは、それだけ熱量も帯びていくので自然な摂理です。自動車にしろ飛行機にしろ、もちろんパソコンにも言えることなので、熱を持つこと自体は不思議ではありません。
そこで必ずどのような機械でも、温度を冷却する動作を行なえる仕組みも作り装着しているはずです。自動車にはラジエターがあるのもそのためです。
もし冷却が出来ないと発熱したままの状態で、PC自体に負荷が掛かって熱暴走し寿命が短くなってしまいます。一時的にCPU使用率が100%になる際は、瞬時にエネルギーも浪費している証拠です。できればCPUの温度を計測確認して、80度以上が続くようなら一旦作業を止めることが無難です。
CPUの適正温度は80度以下
できるだけCPUの適正温度を保ちながら、健全な状態で使用していくことが望ましいと言えます。その確認の目安として知っておきたいのは「80度」という温度です。一時的に高温へ上昇することはあっても、常に80度以上の熱を感じるようであれば、そのパソコンは異常な状態です。
ちなみに40度以下だとしたら、電源が入ってなくて停止してるか、もしくは低負荷で問題のない状態で、40度から80度の間であれば、それなりに負荷が掛かっていながら使用している状態なので、それも普通にあり得る許容範囲なので、問題なく安全だとされています。
適正温度を超えると熱暴走の危険がある
CPUが適正温度を越えたままでいる状態が続いていると、熱暴走を起こしやすくなります。熱暴走とは、パソコンの処理結果が正しい判断をしなくなってしまい、エラーが増えてしまうような状態です。
例えば、パソコンそのものの動作が停止してしまう、あるいは再起動を繰り返したり、メモリーのデータ値が崩れ始めてファイルが壊れること、画面表示が崩れるといったトラブルが起こると、熱暴走をしているのが原因かもしれません。
CPUが適正温度で動いているか調べる方法
CPUの使用率も100%を下回り、適正温度の範囲内をほぼ保っているようなら正常に動作しています。概ねでは低負荷時で40度から50度の間、中負荷時でなら50度から60度の間、高負荷時になると60度から70度です。ここまでの範囲内での適正温度の確認と維持ができていれば安全です。
しかし80度を超える高温により熱暴走やトラブルを防ぐためには、普段より適正温度かどうかを測定するように心がけることが望ましいでしょう。そのためのソフトウェアもあり、フリーでダウンロードができます。
フリーソフトを活用する
CPUの適正温度を測るといっても、パソコンに温度計や体温計を押しつけて測定することはできません。やはりそのためには、熱量を測定し確認できるソフトに頼るという方法が良いでしょう。
現在、フリーソフトとして、CPUの適正温度を測ってくれて確認もできる機能も充実していますので、ぜひダウンロードをしておいて、定期的に活用してみましょう。
フリーソフトはあくまでも確認用
CPUの状態を確認できるフリーソフトがいくつか存在するのですが、よく勘違いをされるケースとして、そのフリーソフトをダウンロードしておけば、自動的にCPUを最新で安全な状態にクリアしてくれるのでは?と思いこんでしまうことです。
フリーソフトでは、CPUそのものを修繕や最新にはしてくれません。その際は、また別の方法を試みなくてはならないのです。あくまでもソフトは、CPUの確認用と思っておきましょう。
おすすめのフリーソフト
中でもおすすめなフリーソフトとして、現在利用しているパソコン情報を簡単に調べることができる「Speccy」というソフトがあります。このフリーソフトなら、CPUの使用率や温度も簡単に調べることができます。
CPUの適正温度を確認できる類似したフリーソフトはいくつもある中で、Speccyはとても人気が高いと言えます。Speccyは「CCleaner」という有名ソフトを手掛けた作者によるもので、とても安全に取り扱えるツールです。
情報もきれいに整理されて見やすいのが特徴です。英語バージョンになってますが、オプションから日本語に変更もできるのでおすすめです。
CPUが適正温度でない場合の対応
まだ新品で買ったばかりのパソコンや、修繕したばかりのパソコンなら、機能やパーツも最新の状態で、健全かつ安全な動作をしてくれますが、それなりに毎日使用していくようになれば、自然と劣化していくのは言うまでもありません。
年代やトレンドの流れもあって、新しいものへと買い換えということもあります。その前に、まだそこまでいかなくともCPUを最適な状態にしておきたいという場合、または、熱暴走をして適正温度ではないCPUへの対処としての方法をご紹介します。
CPUクーラーを取り換える
CPUが熱暴走しているようなら、新しいCPUクーラーを購入して取り換えれば、また適正温度を保ってくれます。CPUクーラーには空冷、簡易水冷、水冷の3種類のタイプがあります。
特に多くの方々はパソコンの構造自体に慣れていないのが普通です。そのような方へは取り付けが簡単な空冷タイプがおすすめです。パソコンを自作できたり分解することに自信がある方は、最もよく冷える簡易水冷タイプをおすすめします。
グリスを塗る
CPUにグリスを塗ってみると冷却効果が期待できます。グリスとは、CPUを冷ましやすくするために塗る油です。もしCPUクーラーを交換して取り付ける場合も、必ずグリスを塗っておきます。
グリスは1000円程度で購入が可能です。塗り方としては、CPUの中心に小指の第一関節分の量のグリスを出し、CPUクーラーをそのまま着けたり、CPU全面に均等に塗り込むといった方法です。
CPU クーラー交換をしたらグリスも塗り直す
注意点として、CPUクーラーを掃除したり交換することによって安全な適正温度に回復すると言いましたが、一度分解してマザーボードから取り外さなければなりません。そのためCPUへグリスを塗り直す作業を忘れないよう、十分に作業の確認をしましょう。
もしCPUへグリスを塗り直さないままクーラーを設置すると、CPUは壊れてしまうリスクが高まります。必ずグリスはを塗り直すと覚えておいてください。
ホコリを取り除く
CPUの使用率や温度を安全委保つ一番手っ取り早い方法は、ホコリをエアーダスターなどで取り除くことです。パソコンを使用する環境によりけりですが、CPUクーラー部分にホコリが溜まりだします。そのため本体内部にこもった熱が排出できないことが原因となります。
また、CPUクーラーだけではなく、PC全体のホコリを取り除くことで、本体そのものの温度が低くなります。どのような機械でもホコリは各種パーツの動作に影響が出てしまうものです。定期的に掃除することをおすすめします。
CPUの適正温度を確認して安全に使用しよう
CPUも機械の部品なので、常に安全で正常な状態を保てる工夫をする必要性があります。そのためにパソコンを作動している時の温度が適正かどうかは大きなポイントとなります。
もし適正温度を越えている状態が続いていると異常が発生しています。CPUクーラーの掃除や交換、グリスの塗り直しをするだけで解消できる可能性があります。
そのままCPUの熱暴走を放置したままでは、使用率が常に100%なり動作が鈍ってクーラーから異音がするといったトラブルが想定されます。いずれ遅かれ早かれ故障をする原因となります。時折、CPUの温度をチェックしてみましょう。