革靴の紐の結び方を徹底解説!
今回は、革靴の紐の結び方について紹介をします。紐付きの革靴を履いているとすぐに紐がほどけてしまい不便な思いをしている方も多いのではないでしょうか。紐がほどけたまま歩いていると、紐が足に引っかかったりして危険です。
簡単にほどけないような結び方が実はたくさんあります。基本的な蝶々結び一つとっても、簡単な工夫をするだけですぐにほどけないようにすることができます。
また、オーソドックスな紐の通し方、結び方にシングルとパラレルという方法があることも意外に知られていません。基本的な結び方に加え、革靴に適した応用編の紐の結び方を合わせて紹介していきます。
革靴の紐の結び方を変える必要はある?
そもそも、革靴の紐の結び方を変える必要性はあるのでしょうか。革靴の紐の結び方は必ずしも変える必要はありませんが、普段ほどけやすいと感じていたり、履き心地に違和感を感じているなら、一度革靴の紐の結び方を変えてみるのも一案です。
紐の結び方一つで、革靴の履き心地は大きく変わることがあります。革靴の紐の結び方は、実は30種類以上あるといわれていますが、これをすべて覚える必要はもちろんありません。
基本的な結び方はシングルとパラレルの二種類とされています。まずは基本を押さえて自分に合った革靴の紐の結び方を探してみましょう。
締まりも見た目も変わる
革靴は、紐の結び方を変えるだけでずいぶんと履き心地や見た目を変えることができます。長時間歩行をする方にとっては、特に重要な要素といえます。革靴が合わないので買い替える判断をする前に、まずは紐の結び方を変えてみてはいかがでしょうか。
紐の結び方を変えるだけなら、費用も掛かりませんし簡単に実践することができます。普段の紐の結び方よりもほどけないと感じるようになり、ストレスを軽減させることにつながるかもしれません。
革靴の紐の結び方を変えるといっても極端に難しいことはありません。簡単な方法でもほどけないようにすることができます。まずは基本の結び方から挑戦してみましょう。
シングルとパラレルの結び方を押さえる
革靴の紐の結び方を覚えるうえで、まずは基本の結び方を押さえましょう。紐の基本的な結び方は二種類です。シングルとパラレルです。紐の結び方といっても、革靴への紐の通し方が異なるだけです。
最後に蝶々結びをするなど基本的には同じです。靴の穴にひもを通す順番が異なるだけです。シングルとパラレルで結び方を変えるだけでも随分と履き心地が変わることがあります。
普段どちらの基本結び方を利用していない方は、まずシングルとパラレルの二つの紐の結び方を覚えて実践してみましょう。
革靴の紐の簡単な結び方【シングル】
革靴の紐の基本的な結び方のうち、まずはシングルという結び方から紹介をします。前述のように、最後に蝶々結びをするなど基本的な点はシングルもパラレルもどちらも同じですが、シューホールにひもを通る際の順番が異なります。
シングルの結び方は、ビジネスシーンやドレスシューズなどフォーマルな場面に適した結び方です。内側の紐が見えにくく、おしゃれでシンプルな印象を与えてくれます。
ただ、締め付け感はあまりなく、緩みやすいという面があるので注意が必要です。たくさん歩行したり動き回るような場面にはあまり適さないので使い分けをしっかりとするように心がけましょう。
手順①
基本的で簡単なシングルの結び方を順を追って解説します。まず、一番つま先側(最前列)の左右二つのシューホールに外側から紐を通します。この時、どちらか片方の紐を少し長く出しておくことがポイントになります。
すべてのシューホールに紐を通した後では、左右の紐の長さを調節することは難しくなります。何度か試してみて、最後にバランスよく左右の紐の長さが残る紐の出し方を見つけましょう。
手順②
革靴の最前列のシューホールに紐を通したあと、内側から紐が出てきている状態になっています。左右の紐のうち、一方の紐の長さを長めに出している状態で、短い方の紐を持ち、反対側のシューホールに通します。
この時、左右反対側の最も手前の足首に近い側のシューホールに内側から紐を通します。こちら側の紐は、反対側の紐をすべてのシューホールに通し終えるまでこのまま置いておきます。
手前のシューホールに紐を通したとき、明らかに紐が長すぎる、あるいは短すぎるときは、左右の紐の長さをあらかじめ調節しましょう。
手順③
次に、長めに残していた側の紐を持ち、シューホールに紐を通していくことになります。シューホールの最前列(つま先側)の外側から内側に紐が出ている状態になっていることを確認し、続いて左右反対側のシューホールにもっていきます。
一段手前(足首寄り)のシューホールに内側から紐を通します。あまり強く締めすぎないよう、適度な締め付け具合を確認しながらシューホールに紐を通していきましょう。
手順④
次に、内側から外側に向かって出ている紐を、左右反対側の同じ段のシューホールに持っていきます。この時、紐の外側から内側に向かってシューホールに紐を通しましょう。
シングルの紐の結び方を実践する際に間違えやすいのが、内側から紐を通すのか、外側から紐を通すのか、という点です。どちらから紐を通しても、紐がほどけることはありませんが、見た目はちぐはぐになり非常に格好悪くなってしまいます。
必ず内側から紐を通すのか外側から紐を通すのかを確認しながら作業を進めていくように心がけましょう。
手順⑤
続いて、手順③と手順④の作業を、最初に一番手前に紐を落としたシューホールの一つ上のシューホールに到達するまで継続して実施します。靴によってシューホールの数は異なりますので、回数は靴によって変わってきます。
靴によってはかなりの回数を左右行ったり来たりしてシューホールに紐を通すことになることもあるので、靴の大きさやシューホールの数に応じて紐の長さを変えることが必要になるケースもあります。
自分に合った一番しっくりくる靴紐の長さを選択するできるように、何度か試行錯誤してみましょう。結び方自体は難しくないので、試してみてください。
手順⑥
基本的な革靴の靴紐の結び方であるシングルの方法ももうすぐ完了します。最初に通した一番手前のシューホールの一つ奥にまで紐が達した後は、左右反対側の最も足首側、手前側のシューホールに紐を持ってきて、内側から通します。
特に、最後の紐通しを内側と外側で間違えると、シングルの仕上がりが非常に悪くなってしまうので、内側からなのか外側からなのか、間違えないように気を付けましょう。
ここまでくると、足の甲の部分がしっかりと締められ、フィット感を感じることができるようになります。逆に、フィット感を感じられないと締め付けが緩い可能性があります。シングルといえどもしっかりした仕上がりになります。
手順⑦
最後に、最も手前側、足首側に残った二本の紐を、長さをそろえて蝶々結びをすることで、シングルの結び方は完成します。シングルの結び方は、他の結び方と比較して紐の長さを調整しやすいというメリットもあります。
特にシングルの結び方は、フォーマルな場面で利用されることが多いです。紐の長さがぴったりと合っていると、さらに清潔感や大人の雰囲気を印象付けることができます。
ビジネスシーンやパーティなどのフォーマルな場面では迷わずシングルの結び方を試してみましょう。
革靴の紐の簡単な結び方【パラレル】
基本的な革靴の紐の結び方であるシングルの方法を紹介してきました。続いては、もう一つの基本的な革靴の紐の結び方であるパラレルの方法を紹介します。シングルと同様、極端に難しいことはありません。
シングルと同様、シューホールへの紐の通す順序を変えるだけでパラレルの結び方に変わります。紐の長さの調節の仕方がシングルとパラレルでは違いがあるので、何度か挑戦してみて自分の靴紐や靴の大きさに合ったパラレルの結び方を見つけましょう。
シングルの時と同様、パラレルにおいても一つ一つ紐の通し方や結び方の順序を細かく紹介していきますので参考にしてみてください。
手順①
パラレルの紐の結び方の第一は、シングルの時と同様、最も先端側(つま先側)の左右二つのシューホールに外側から内側に向かって紐を通します。パラレルの場合は、シングルの時と違って左右の紐の長さを均等にしておくことがポイントになります。
後で左右の紐の長さを調節するのは難しいので、あらかじめ左右の長さを調節して合わせるようにしておきましょう。
また、シングルの時と同様、パラレルの場合でも内側から紐を通すのか、外側から通すのか、間違えないように気を付けましょう。
手順②
続いて、左右一方のシューホールの内側から出ている紐を、左右反対側の一段手前側(足首側)のシューホールに内側から通して外側に出します。
シングルの時と、ここからすでに紐の通し方が違っています。間違えないように気を付けて対処しましょう。最初に左右反対側のシューホールに通す際の左右の選択は、どちらでも構いません。左右を変えることで仕上がりの見た目が若干変わります。
比較的簡単に実践できるので、左右両方とも試してみて、履き心地がしっくりくる、あるいは見た目がおしゃれだと感じる方を選択するようにしましょう。
手順③
続いて、内側から外側に通した紐を、続けて左右反対側の最もつま先側から一段手前のシューホールに外側から内側に向かって紐を通します。内側と外側を間違えやすいポイントとなっているので気を付けて紐を通していきましょう。
内側から紐を通すか、外側から通すかを間違えると仕上がりにかなり差が出てきます。見た目だけでなく締め付け具合や履き心地にもかなり違いが生じるので、間違えないように慎重に対応しましょう。順序を覚えれば簡単に紐を通していくことができます。
手順④
続く手順が、シングルの時とは大きく違います。最初に通したもう一方の紐の方を使います。一番先端側のシューホールの内側から出ている紐を左右反対側の二段下にあるシューホールに内側から通します。
一見すると見つけにくいですが、内側で紐が大きくクロスしている状態が見えます。パラレルの結び方のポイント及び特徴の一つになっています。
比較的ほどけない結びを生み出すポイントにもなっています。間違えないように通すシューホールをチェックしながら対処していきましょう。
手順⑤
手順④の時に内側から外側に出した紐を今度は左右逆の方の一段下のシューホールに紐を通します。強すぎず、緩すぎず、自分の足に合った対処法、締め付け具合を見つけてみてください。
ひもの締める強さによっても仕上がりがかなり変わってきます。紐を通している途中の締め方によってほどけない形にしたり安定感のある履き心地を実現することができます。
手順⑥
続いて、手順②と手順③と同じ要領で、左右反対側の二段下のシューホールに内側から外側に向かって紐を通します。そのあと、左右反対側の同じ段のシューホールに今度は外側から内側に向かって紐を通します。
左右どちらも二段下のシューホールに紐が通っているため、靴の上部から見ると二本長くクロスしている箇所が見受けられます。パラレルはシンプルな結び方ですがおしゃれでカジュアルな印象を与えてくれる結び方で広く利用されています。
手順⑦
最後に、最も手前側(足首側)の一段先のシューホールから、外側から内側に向かって左右両方とも紐が出ていることを確認し、左右逆の最も手前側のシューホールに内側から外側に向かって、左右それぞれ紐を通します。
左右残った紐を蝶々結びにすれば、パラレルの結び方が完成します。足にフィットする感覚があり、動きやすく紐がほどけないしっかりとした仕上がりになります。
シングルもパラレルも非常にオーソドックスな革靴の紐の結び方で一般的に利用されている方法です。普段からも利用できますし、フォーマルな場面でも十分に活躍してくれる簡単な紐の結び方です。
革靴の紐の簡単な結び方【その他】
革靴の紐の基本的な結び方であるシングルとパラレルを紹介しましたが、他にも簡単な結び方はいくつかあります。オーソドックスで一般的な簡単結び方に、オーバーラップとアンダーラップという方法があります。
シングルやパラレルと比べると、オーバーラップもアンダーラップも見た目としては紐がクロスしている印象をより強く受けます。ほどけない紐の結び方でもあり、様々なシーンで活用することができる一般的な結び方になります。
シングルやパラレルを試した後は、オーバーラップやアンダーラップのような応用の結び方にもチャレンジしてみましょう。
アンダーラップ
革靴の基本的な紐の結び方の一つ、アンダーラップの方法を紹介します。アンダーラップでは、足への圧迫感が少なく、負担感が少ないことが特徴として挙げられます。
まず、左右均等になるように一番奥側(つま先側)のシューホールに内側から外側に向かって紐を通します。その後、左右それぞれ交互に内側から外側に向かって、一段下のシューホールに紐を通していきます。
これを最後まで繰り返し、最後に残った左右の紐を蝶々結びすることで完成です。とてもシンプルで、結び方を知らない方でも知らず知らずのうちに行っている方法かもしれません。
オーバーラップ
革靴の基本的な紐の結び方、続いてはオーバーラップの方法を紹介します。オーバーラップはアンダーラップに比べて足の締め付け感が強く、よくフィットします。動きやすいことが特徴です。
アンダーラップの紐の通し方と順序は同じですが、シューホールへの紐の通し方が異なります。外側から内側に向かって通していきます。一番手前のシューホールのみ、内側から外側に向かって通し、蝶々結びをして完成です。
オーソドックスな仕上がりで、しっかりと締めつけられた完食が楽しめます。好みに応じてアンダーラップとオーバーラップを使い分けましょう。
応用の結び方にチャレンジ
ここまで、基本的で簡単な革靴の紐の結び方を紹介してきましたが、他にも様々な紐の結び方があります。なかなかほどけない結び方や見た目がおしゃれで個性的な結び方など、様々あります。
オーソドックスな結び方に比べると簡単にできない部分もありますが、ぜひチャレンジしてみましょう。革靴の紐の結び方を変えておしゃれ感を楽しんだり、周囲を驚かせてみましょう。
オーソドックスな結び方に加えて応用の結び方もマスターしておけば、その日の気分に合わせて使い分けなどができて、楽しめます。
ファスナー結び
革靴の紐の応用の結び方の一つに、ファスナー結びがあります。ファスナー結びとは、文字通りファスナーのような仕上がりになる個性的な結び方になります。
左右の紐を交差させながらシューホールに紐を通していきます。頑丈でほどけない仕上がりになり、足へのフィット感を強く感じられます。
革靴だけでなく、スニーカーなどにも適したおしゃれな結び方です。見た目の複雑さの割には簡単に実施できるので試してみましょう。
ブッシュウォーク結び
革靴の紐の結び方の応用編として、ブッシュウォークという方法もあります。ブッシュウォーク結びの特徴は、最後の紐の結び目が本来なら靴の中央に来る手法が一般的ですが、紐の横に来ます。スニーカーをおしゃれに掃きたい方に適した結び方で人気があります。
左右反対側のシューホールに紐を通すとき、二段下のシューホールに通すことを繰り返します。一番手前側まで来たとき、横に残りの紐が出てくるので、そのまま横側で紐を蝶々結びにして完成です。
革靴の紐のほどけない結び方
最後に、革靴の紐のほどけない結び方について紹介します。革靴の紐は、どうしても歩行中にほどけることがあります。ただ、結び方を工夫すれば、比較的ほどけないようにすることができます。
最後に蝶々結びをするのが基本的な最後の結び方になりますが、少し工夫をするだけで非常に固くなりほどけにくくすることができます。
特に難しいことはなく、簡単に行えるので試してみてください。また、蝶々結び以外の仕上げの結び方についても紹介するので挑戦してみてください。
蝶々結びの時に工夫しよう!
靴ひもの最後の結び方といえば、やはり蝶々結びが一般的です。蝶々結びといえば、左右の紐の一方でわっかを作り、これをもう一方の紐で巻き、結ぶ方法になります。
一方の紐でもう一方の紐をまく際に、通常は一周させますが、ここで二周することで頑丈でほどけない結び方になります。
少し長めの紐の方が安定して結ぶことができるかもしれません。何度か試してみて、しっくりとくる紐の長さや結び方を自分なりに見つけてみましょう。
イアンノットをマスターしよう
蝶々結び以外にも、最後に紐を結ぶ方法はあります。その一つであるイアンノットを紹介します。蝶々結びでは片方の紐でわっかを作りますが、イアンノットの場合は左右両方ともわっかを作り、それぞれわっか同士を通していきます。
右側からスタートすることが大事です。また、わっかを作る際も右回りに作ることがコツになります。とても頑丈に結ぶことができ、ほどけない仕上がりになります。
蝶々結びやイアンノット以外にも様々な結び方がありますので、ぜひ他の方法にもチャンレジしてみてください。
革靴の紐の結び方1つで印象が変わる!
以上、革靴の紐の結び方について紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。オーソドックスなシングルやパラレル及びオーバーラップやアンダーラップの結び方、応用の結び方があること、ほどけない結び方などについて紹介してきました。
靴ひもの結び方一つで見た目の印象ががらりと変わります。また、履き心地もかなり違うので、靴に違和感を感じた場合は、買い替えを検討する前に、まずは紐の結び方を変えてみてはいかがでしょうか。
それまでの感覚とは異なる雰囲気を楽しめるかもしれません。靴を履く日の気分に合わせて結び方を変えるのも楽しいです。