女性のさらしの巻き方を紹介!
お祭りや妊娠中に使うことがある「さらし」の巻き方をご存知ですか?お腹に巻いたり、胸に巻いたり、腰に巻いたりとさらしには、様々な巻き方があります。今回は、そんなさらしの巻き方をご紹介していきましょう。
さらしとはどんなものなのか、着物を着る・妊娠中の腹帯・胸を小さく見せるなどの女性がさらしを巻く時の目的や、さらしの様々な巻き方や、さらしを巻くことで引き起こるデメリットなどにも触れながら、ご紹介していきましょう。
「さらし」とは
まずは「さらし」とは、どんな素材のことを言うのでしょうか。不純物が取り除かれていて純白となった織物のことや、綿や麻の織物のことを「さらし」と言います。さらしの産地は日本各地に分散しているほど、日本の伝統的な産業の1つでもあります。
生木綿地を漂白したもの
さらしは、「晒木綿(さらしもめん」)」を意味する言葉と言われ、一般的にさらしの素材が木綿であることが多いでしょう。ちなみに、愛知県の知多半島亀先地方産の「知多ざらし」は晒木綿の中でも最も定評のあるさらしで、独特なさらし方でも有名となっています。
他にも、雪の上に広げて干す越後の小千谷縮さらし「雪晒」や、和晒釜という大きな釜で丸4時間かけてきれいにしていく「和晒」、河原や草原などで広げて水をかけ日にさらして漂白する原始的な「天日晒」などもさらしの主流となっています。
長い帯状のさらしも
約2~10mの長さがある白い布も「さらし」と呼びことがあります。このさらしは、帯状のまま腹部に巻く巻き方が一般的で、好みの長さにカットして、布巾や布おむつなどとしても使用可能となっています。
女性がさらしを巻く目的
次は、女性がさらしを巻く目的をご紹介していきましょう。布おむつや布巾としても用いられているさらしですが、古くから日本では、体の部位に巻く巻き方で利用する人も多いです。では、どんなシーンでさらしの巻き方が活躍するのか、詳しく検証してみましょう。
お祭りへの参加
さらしを巻く目的1つ目は、祭りへの参加です。地元で御神輿や祭りが開催され、女性が男性に混じって祭りに参加する場合にさらしを巻くことがあります。かつて祭りは、女人禁制の行事であったため、男装して行うことが主流となっており、現在でも用いられている巻き方の1つです。
着物を着る際の補正
さらしを巻く目的2つ目は、着物を着る時の補正のための巻き方です。さらしを巻いて胸を潰すことによって、着物を着た時に胸のラインやシルエットをきれいに見せることができます。江戸時代から続いてきた伝統とも言える習慣の巻き方となっています。
妊娠中の腹帯
さらしを巻く目的3つ目は、妊娠中の腹帯としての巻き方です。日本では古くから妊娠5ヶ月目の戌の日に、生まれてくる赤ちゃんと妊婦の無事を祈って腹帯を巻く習慣があります。冷えからお腹を守る、大きなお腹を支えるなどのメリットがあり、現在でもさらしを巻いている妊婦は多いです。
腰痛の改善
さらしを巻く目的4つ目は、腰痛の改善への巻き方です。ぎっくり腰や急性の腰痛などの腰に痛みが走った時は、さらしを使って骨盤に沿って固定する巻き方をすると、締め付け感がなくフィットして使えるので、腰痛が和らぐことがあります。
大きな胸を小さく見せる
さらしを巻く目的5つ目は、大きな胸を小さく見せる巻き方です。女性はそれぞれ自分の胸に対し、理想を持っているものです。大きな胸がコンプレックスで、小さく見せるようにしたいという人は、さらしを巻いて胸を小さく見せることで、胸が揺れたり太く見えることを防ぐことができます。
女性のさらしの巻き方
次は、女性のさらしの巻き方についてご紹介していきましょう。さらしを巻くことには、祭りに参加する、着物を着る、妊婦中、腰痛の改善、胸を小さく見せたいなど様々な理由があります。胸・お腹・腰などの部位別で、さらしの巻き方を詳しく確認していきましょう。
胸への巻き方
胸へのさらしの巻き方は、まず自分の巻きやすい方向で腰のまわりを1周巻いていきます。背中の部分で上下を逆にするよう手で押さえながら折り返し、前に持ってきた時にしっかりと締め付けていきましょう。
巻き始めた指を押さえて、少しずつ下にずらしながら巻き、股のあたりまできたら徐々に胸の方向に向かって巻いていきましょう。胸をしっかり平らにつぶすような巻き方をし、胸元まで巻き終わったら、巻き終わり部分を折り返し巻いた部分に差し込みます。
巻き方のコツとしては、直接肌に巻くとずれやすいのできつく巻くことを意識し、下がってきやすいのでしっかり固定することです。胸の膨らみをつぶすように平らになる巻き方をしてみましょう。
自分でさらしを巻く時の簡単な巻き方としては、さらし全体を横幅半分に折りたたんで、棒状にして巻きつけていくと巻きやすくて手順としても簡単なのでおすすめです。
お腹への巻き方
お腹へのさらしの巻き方は、長いさらしを半分に折り、端からぐるぐる巻いていきます。折り目部分を下にして、下腹部から巻いていきましょう。1周巻いたら巻き始めを折り返し、2周目を巻いていきます。3周目から体の前方に持ち、上方向に折り曲げながら巻いていきます。
4周目からは少しずつ上にずらし巻き、巻き終わりまできたら半分にして折り込みましょう。最後の折り込み部分をお腹や背中側にすると着膨れすることが防げます。
妊婦や産後のお腹周りには、ぐるぐると巻くさらしの巻き方もあります。まずは横幅を半分にした5mのさらしを用意し、妊婦はさらしの輪を下に、産後はさらしの輪を上に巻きます。前から一周巻いて、前で折り返しを最後まで繰り返し、最後に巻いた部分を端に入れて完成です。
その時の体型に合わせたサイズ調整したさらしの巻き方をすることによって、妊婦は子宮を支え、産後は悪露の排出を促す役目もあります。
腰への巻き方
腰へのさらしの巻き方手順としては、まず20cm幅で5mのさらしを準備しましょう。さらしが準備できたら、寝転んで腰を上げていきます。さらしを股関節あたりにおいて、2回ほど巻いていきます。前で手を添えながら上下折り返して、2回巻いていきましょう。
2回巻いたら上下折り返して巻くを最後まで繰り返して、半分に折って腰部分に入れ込みます。寝転んだ状態での巻き方の方が、胃の周りがゆるむのできつくならずに巻くことができます。腰が痛む、内臓が冷えやすいという人には、このさらしの巻き方がおすすめです。
さらしを巻くことのデメリット
最後にさらしを巻くことで起こるデメリットについてご紹介していきましょう。さらしを巻くことで様々なメリットもありますが、デメリットになることもあります。デメリットになることも踏まえて、さらしの巻き方を楽しむ方がいいでしょう。
胸の形が崩れる
さらしを巻くことのデメリット1つ目は、胸の形が崩れることです。胸を小さく見せる目的でのさらしの巻き方は、胸を圧迫することになるので胸を潰し続ける状態になります。
必然的に、胸を支えているクーパー靭帯へ負担がかかり続けることになるため、クーパー靭帯が伸びきって元の状態には戻らない場合があります。胸を小さく見せるためにさらしを巻く時は、それなりのリスクもあることを知っておきましょう。
息苦しい
さらしを巻くことのデメリット2つ目は、息苦しいです。さらしの巻き方によって息苦しく感じてしまうことがあり、さらしを巻くことに躊躇してしまう人もいます。息苦しさを軽減するためには、正しいさらしの巻き方を知って、手順に乗っ取って行うことが大事でしょう。
巻くのに時間がかかる
さらしを巻くことのデメリット3つ目は、巻くのに時間がかかることです。さらしの巻き方の手順は、慣れるまでは時間を要することがあります。朝の忙しい時や時間がない時には、負担になるかもしれませんが、慣れると早く巻けるようになっていきます。
妊婦さんは力加減に注意
さらしを巻くことのデメリット4つ目は、妊婦さんの方が巻く時は力加減に注意することです。締め付け過ぎるとお腹に負担がかかり、返って逆効果になってしまうことがあります。さらしを巻く時はきつく締め付けない程度に力加減をして、巻くようにしましょう。
さらしの正しい巻き方を試してみよう!
古くから日本で伝わってきた「さらし」は、男装でお祭りの際に巻く、着物を着る時に巻く、妊娠中に巻く、胸を小さく見せるために巻くなど色んなさらしの巻き方があります。さらしを巻くことによるデメリットも含めて、正しいさらしの巻き方をするようにしましょう。