モデムとルーターって何?
スマホやパソコンを家の中で使う場合、特にパソコンはインターネットを使うには必要な環境を作らなければなりません。そこで重要になってくる機器がモデムとルーターです。
モデムやルーターという単語は何度も耳にしたことがあるでしょう。でも、モデムやルーターというのが何か、インターネットをするのにどんな機能を持っているのかなどはよくわからないという人が多いはずです。
インターネットの契約をすると、設置までしてくれるところもありますが、一旦トラブルが発生したときにはその都度サービスを呼ぶのには時間がかかります。さらに回復を依頼する際の説明にも、モデムやルーターについての知識があればスムーズに進みます。
簡単なトラブルであれば自分でも回復することができて、使えない時間も少しで済むので、モデムやルーターに関する知識は持っておくにこしたことはありません。
モデムとルーターとは
モデムとルーターについては、「名前は聞いたことあるけど、一体何なのかわからない」という人が多いでしょう。
通常は知らなくてもインターネットは使うことができるので、困ることはありませんが、何かトラブルが発生した場合、それを回復しようとしたとき、モデムとルーターの機能がどのようなものかを知らなければ何もできません。
そんなことにならないように、ここでモデムとルーターとは何かについて解説します。これを読んでモデムとルーターについての正しい知識を持てば、トラブルも自分で解決できるようになるでしょう。
どちらもWi-Fiでよく聞く言葉
"Wi-Fi"(「ワイファイ」と呼びます)という言葉もインターネットにおいてよく聞きます。"Wi-Fi"とは"Wireless Fidelity"(「ワイヤレス フィデリティ」と呼びます)の略で、"Wireless"は無線LANの意味です。無線LANについてはこのあと出てきますので、そちらを参照してください。
ちなみに"Wi-Fi"のことを"wifi"などと誤った表記する人がいますが、正しくは"Wi-Fi"なので、正確に覚えておいてください。
モデムやルーターという単語はWi-Fi環境下でもよく聞く言葉です。それだけWi-Fiとモデム・ルーターはインターネットを構成するのに大切な役目を持っているということです。
モデムの役割
モデムというのは簡単に言うと、「アナログ信号とデジタル信号を相互に変換する機能を持った機器」のことです。といってもこれだけでは具体的にはどのような機能で、インターネットをするにあたってどのような役割をはたしているのかよく分かりません。
モデムはデータの受け渡しをする機能を持った機器
上でモデムのことを「アナログ信号とデジタル信号を相互に変換する機能を持った機器」と言いましたが、この中の「相互に変換する」とはどのようなことでしょうか。
信号にはデジタル信号とアナログ信号というのがあります。ADSLなどの電話回線で使う信号はアナログ信号で、インターネット初期の頃はこのADSLは高速通信方式として主流になっていました。一方、パソコンやスマホなどが処理するのはデジタル信号です。
電話回線を通ってきたアナログ信号はパソコンなどでは認識できません。逆にパソコンなどから送り出される信号はデジタル信号なので、アナログ信号処理の電話回線では外部へデータを送出できません。
この両者の間でお互いが認識できる信号に変換する機能を持つ機器がモデムです。つまり電話回線からのアナログ信号をデジタル信号に変換してパソコンに送り、パソコンから受け取ったデジタル信号はアナログ信号に変換して電話回線に送り出すのです。
ルーターの役割
モデムはアナログ信号とデジタル信号を相互に変換する機能を持つ機器ですが、モデムとパソコンなどの機器とを接続できる台数は1台のみです。
しかし今ではパソコンやスマホを1人1台持つ時代になり、パソコンだけでなくスマホも家庭内で"Wi-Fi"に接続するため、モデム1台すなわち1対1の接続では足りません。
この問題を解決してくれるのがルーターです。ルーターはモデムと複数のパソコンなどの機器を接続して、インターネットができるようにする機器です。
家庭内のパソコンやスマホ、ゲーム機など複数の機器が同時にインターネットをすることができるのはルーターのおかげなのです。
インターネットを使用台数を増やすにはハブを使う
ルーターは複数の端末を同時に接続できますが、インターネットに対応した機器の種類が増加するにつれて、ルータについている端子の数だけでは足りなくなります。
そこで登場するのがハブです。ルーターの1つの端子からハブに接続し、そのハブに複数の端末を接続すればインターネットにつながります。
ただし、ハブはルーターと違いルーターの1つの端子を複数に分岐するためだけのものです。すなわち1つの端子を分割するだけなので、そこに接続した端末は同時にインターネットを使用することはできません。
例えて言えば、コンセントの数が足りないときにテーブルタップを使って複数の電気機器を接続できるようにしたものです。なお、無線LANが一般的になった現在では有線で接続する機器があまりないので、特殊な環境以外の一般的な家庭ではハブは必要なくなってきました。
モデムとルーターの違い
モデムとルーターのそれぞれの役割について解説し、それぞれの役割の違いについて理解していただけたでしょう。この2つは外観が似ているのですが、どうやって違いを見分けるのでしょうか。
まず、モデムの機能は電話回線から入ってきたアナログ信号とパソコンなどで使うためのデジタル信号との相互変換をすることで、電話回線からモデムに引き込むので、これを電話機とつなぐためにモジュラージャック端子があります。
これに対してルーターの機能は複数の端末をネットワークにつなぐための認証をかけ、その順路を振り分けることです。そのため、PPPoEというランプとLANポート入力端子と複数の出力端子があります。
つまり、大きく区別すると電話回線のモジュールジャックがあるものがモデムPPPoEランプとLANケーブル端子が複数あるものがルーターです。
役割・機能の違い
外見での違いについて解説しましたが、役割・機能についても2つの違いがあることは解説済みです。その後、モデムとルーターを2つ設置するのは場所を取ったり配線が複雑になるため、この2つを一体型にしたタイプのものが一般的になっています。
ただし、最近ではADSLの電話回線ではなく、データ転送速度の大きい光信号を利用した方式が一般的になってきました。これにはモデムではなくONU(Optical Netowork Unit:光回線終端装置)といって、従来のモデムのような信号を変換する働きをします。
モデムと光回線終端装置の違い
ここで解説したモデムと同じような役割をするものに、先ほど紹介したONUというのがあります。これは従来のADSLの電話回線のようなアナログ信号に代わって光回線が主流になってきて、これをデジタル信号に変換する機器です。
光信号の特徴は何といっても高速であることです。よくデータ速度が1GB(ギガバイト)などというのを聞きますが、これは光回線の導入によって実現した、アナログ信号に代わる新方式です。
ルーターの接続方法の種類
ルーターの接続方法には有線と無線とがあります。Wi-Fiがなかったインターネット初期の頃はルーターとパソコンとの接続はすべて有線でした。
その後ノートパソコンの普及によって、パソコンの持ち運びが自由になったこともあって、Wi-Fiもそれにつれて発達し、無線LANが普及してきました。また、有線では接続できない、オンラインゲーム機の登場によって、無線LANはさらに発展・普及してきました。
有線
有線すなわちLANケーブルを使った接続方法です。今では無線LANが主流になっていますが、かつてADSLをはじめとするインターネットの環境は、すべてLANケーブルでパソコンなどの機器とルーターを接続していました。
当時はこの方式しかなかったので仕方がなかったのですが、LANケーブルとルーターを接続しなければならなかったので、LANケーブルがとどく範囲でしかインターネットは使えませんでした。あるいは長さの長いLANケーブルを床に這わせて端末に接続していました。
もっともパソコンも今のようにノートパソコンではなく、デスクトップパソコンが一般的だったのと、スマホやゲーム機などの無線接続しかできないものもなかったので、パソコンとルーターが有線接続できれば問題はありませんでした。
オフィスではインターネットのためにLANケーブルを張り巡らせていた
個人で家庭内でインターネットをするのであれば、デスクトップパソコンを1台あるいは2台接続するだけで良かったのですが、オフィスでは社員が1台ずつパソコンを使用するためには、その台数分のLANポートが必要でした。
この当時のインターネット環境を知っている人はお分かりでしょうが、ルーターから引いたLANケーブルに口数の多いハブを接続し、そこから各パソコンにLANケーブルを接続していたので、たくさんのLANケーブルを床に這わせたりして、オフィスは煩雑になっていました。
無線
やがて持ち運びのできるノートパソコンの普及や、インターネットに接続できる機器の種類が増えてくると、LANケーブルで直接接続する方法では不便になってきました。
そこで開発されたのがLANケーブルで接続しなくてもインターネットができる"Wi-Fi"(無線LAN)です。"Wi-Fi"だとルーターとパソコンなどの機器とをケーブルでつなぐ必要がないので、自由に持ち運べるようになりました。
オフィスにおいてもノートパソコンはLANケーブルで接続しなくてよくなったので、かつてのようにLANケーブルが煩雑になることもなくなりました。
直接LANケーブルでは接続できない機器が増加
スマホにおいてはLANケーブルでは接続できないため、"Wi-Fi"とつながることによって、"Wi-Fi"の使える範囲であれば、契約しているパケットを使わなくて済み、経済的というメリットも生まれました。
また、Wi-Fi環境があればオンラインゲームもインターネットを通じていろいろなことができるようになります。無線LANは今後も速度や便利さが向上し、ますます使いやすくなることでしょう。
モデムとルーターを手に入れるには
インターネットをするには回線業者と契約することが必要です。一般的に回線業者との契約にはモデムやONUが付加しています。ただし、現在では光回線が主流のため、ONUは無料なのですが、ADSL用のモデムは有料の場合が普通になってきています。
ルーターはモデムやONUがルーター機能一体型であれば別途必要ありません。また、有線で接続するための端子には限りがありますが、無線LAN機能がついているのが普通なので、対応する機器であれば端子は必要ありません。
ルーター一体型でなかったり、高性能ルーターを使いたい場合には別途自分で購入する必要があります。あるいは回線業者との契約でオプションとして有料でレンタルすることもできます。それぞれの回線業者の違いを調べ、自分に合ったところを選びましょう。
レンタルが基本
モデムやONUは回線業者との契約の中で無料でレンタルされるのが一般的です。また、最新のモデムやONUはルーター一体型が一般的になってきているので、特に条件がない限りこれらはレンタルするのが普通です。契約時にこれらのレンタル条件を確認してください。
業者を探そう
回線業者はたくさんあるので、どれを選ぶか迷ってしまいます。選択の第一条件はやはり回線速度と安定感です。しかし、毎月の利用料やモデムやルーターのレンタル料金が無料でなかったりするのは何年も利用する上で出費がかさみます。
最近は機能的には回線業者による違いもなくなってきていますので、料金で選ぶかキャンペーンなどの特典付きに目をつけるかなども選ぶ条件としてはあるかもしれません。
シェアや実績で選べばドコモ光
一番多く耳にするのはやはり「ドコモ光」ではないでしょうか。NTTの技術を活かした通信スピードと安定感は他の回線業者と比較すると群を抜いています。もちろん高性能のIPoE対応のルーターは契約中ずっと無料でレンタルできます。
携帯電話の業者とのコラボもお得!
その他にも携帯をセットで契約すると、携帯の料金が割引になったりするものもありますが、最近では携帯料金も以前に比べて低くなったり、格安SIMによって携帯電話そのものの負担が下がっているので、料金面では総合的に判断する方が賢明です。
さらには電気とインターネットのセットのような、ちょっと前にはなかった特典もあるので、幅広く調べて契約することをおすすめします。
モデムとルーターの違いを知っておこう
モデムとルーターの違いについて解説しましたが、理解していただけたでしょうか。いわゆるモデムは光回線の普及によってONUに代わってきてますが、考え方は同じなので、モデムとルーターの違いは覚えておくと、いざインターネットでトラブルがあった時に役立つでしょう。