浴室乾燥機の電気代は高いのか?
梅雨時だけでなく、雨の日などに洗濯物を乾かすために、浴室乾燥機を使用する人も多いでしょう。浴室乾燥機は天気を気にせずに洗濯物を干すことができます。洗濯物の干し方の選択肢として、浴室乾燥機は重要です。しかし浴室乾燥機を使うと電気代がかかると心配していませんか?浴室乾燥機を使った洗濯物の干し方について考えてみましょう。
浴室乾燥機の消費電力はドライヤーに相当
浴室乾燥機で洗濯物を干すと電気代はどのぐらいかかるのでしょうか?電気代によっては干し方を考え直さなければいけません。浴室乾燥機はガス式と電気式がありますが、賃貸物件では電気式が多いです。
理由はガス式の場合、設置に出費がかかるからです。賃貸物件では特に電気式の浴室乾燥機を設置するほうが家主としては楽なのです。では電気式の浴室乾燥機はどのぐらい電気代がかかるのでしょう?
浴室乾燥機を使用すると1200ワットから1400ワットもの電気を消費します。これはドライヤーで熱風を髪に当てる時の電気使用量に相当してしまいます。
ドライヤーで髪を乾かす場合は、せいぜい10分から長くても20分程度でしょう。しかし浴室乾燥機はその状態で何時間もかけないと乾かないのです。電気代を節約しながら浴室乾燥機を使うには、どう工夫したらいいのでしょう?
浴室乾燥機の使い方は2種類ある
電気代を節約するためには、使い方を工夫する必要があります。浴室乾燥機の使い方には「換気」と「乾燥」というものがあります。浴室乾燥機は換気モードと乾燥モードで大きく電気代は変わります。
浴室乾燥機で浴室を乾燥させるには、乾いた風を吹かせて、温度を上げます。これが意外に電気代がかかるのです。いっぽうで換気モードにすると、温度を上げる必要がなく、浴室内の空気を入れ替えるだけで済むので電気代がかかりません。
しかしだからといって換気だけで洗濯物が乾くわけではありません。浴室内のカビを予防するためには換気より乾燥モードのほうが力を発揮します。洗濯物の干し方を考える場合、この2種類のモードの使い分けが大事になってきます。
浴室乾燥機の電気代を計算
では、浴室乾燥機の使用でかかる電気代はどのぐらいの金額になるのでしょうか?浴室乾燥機の電気代がドライヤーと同じであるのなら、気軽に使うことはできません。浴室の中で乾燥が終わるまで、3時間から6時間かかります。ドライヤーで熱風を6時間もかけていることを考えたら、洗濯乾燥機のほうがいいと考えるでしょう。
浴室乾燥機と洗濯乾燥機の電気代を比較!
新築の家の多くに標準装備されている浴室乾燥機ですが、どうしても電気代が気になるところです。しかし乾燥機といえば、浴室乾燥機だけではありません。ドラム式洗濯機にはたいてい、乾燥機能がついています。
浴室乾燥機と洗濯乾燥機の両方がある場合、どちらの乾燥機を使用したほうが電気代は抑えられるのでしょうか?これは誰もが気になるところでしょう。
洗濯乾燥機の電気代が断然安い
洗濯乾燥機の乾燥機能は電気代がかかるというイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。そうした理由から洗濯機の乾燥機能を使わず、浴室乾燥機を使っている人はちょっと待ってください。
実は洗濯乾燥機と浴室乾燥機でかかる電力を比べた場合、洗濯乾燥機のほうが、電気代はかからないのです。
洗濯乾燥機は狭い空間で洗濯物を攪拌しながら乾燥させるので、電気代の節約になるのです。しかし浴室乾燥機の場合、広い浴室全体を温めて乾かすため、どうしても洗濯物を乾かすのに電気代がかかってしまいます。
浴室乾燥機と洗濯機乾燥機の電気代
洗濯乾燥機と浴室乾燥機を合わせると、現在50パーセント以上の家に設備があります。洗濯物の干し方として、乾燥機の利用はポピュラーなものになってきています。両方の乾燥機がある家庭も多いことでしょう。雨の日などに積極的に利用したいものです。そこで双方の電気代を具体的に見ていきましょう。
浴室乾燥機の電気代
浴室乾燥機でかかる電気代は、1回3時間使用したとして101.25円になります。これをひと月当たりの電気代に換算すると、毎日3時間、30日使用したとして、3037.25円になります。1年に換算すると、毎日3時間、365日間使用したとして、36956円になります。天日に干す場合お金はかかりませんから、随分な出費になります。
洗濯機乾燥機の電気代
ドラム式洗濯機の乾燥機能にはヒートポンプ式とヒーター式の2種類があります。一般にヒートポンプ式乾燥がヒーター式より省エネだと言われています。ヒーター式の場合、1日当たり48.92円、ひと月当たり1467.6円、1年になると17856円になります。
ヒートポンプ式の場合、1日当たり14.31円になります。ひと月では429.3円、1年になると5223円になります。こうして見ると浴室乾燥機にかかる金額が高いことがわかります。ヒートポンプ式の洗濯乾燥機の7倍、光熱費が高いとされてきたヒーター式の2倍に及びます。
このように浴室乾燥機の使い方をよく考えないと、電気代が家計に大きく影響してきます。しかし電気代だけを考えて、浴室乾燥機を使わない干し方をするのも、あまり賢いやり方ではありません。せっかく浴室乾燥機が設置されている家なら、便利に利用したいものです。
浴室乾燥機おすすめの使い方
浴室乾燥機があると、天候を気にせず洗濯物を乾かすことができます。室内干しでありがちの生乾きの臭いなども気にしないで済みます。部屋が洗濯物だらけになって、こだわったインテリアを壊す心配もありません。その上、浴室乾燥機には、ただ洗濯物を乾かすだけではない便利な使い方があります。
雨の日の来客時での使い方
雨の日に来客があった時、お客様の上着は濡れてしまっています。そんな時、浴室に上着を吊るし、乾燥機をかけて乾かしてあげましょう。帰る頃にはカラッと乾いていて、お客様も喜びます。
また、持ってきた傘が折り畳み傘なら、浴室乾燥機で乾かしてあげましょう。立てかけることもできずついつい濡れたままカバーに入れてしまうことが多いので、乾燥させてあげると喜ばれます。
陰干しにおすすめ
セーターやジーンズなど、陰干しが必要な洗濯物があります。しかし陰干しというのはなかなか乾かないものです。ジーンズは厚地なので1日干しても乾かない場合があります。そんな時は洗濯物をお風呂の蓋の上に載せて、浴室乾燥機を回しましょう。日の光で退色することなく、型崩れもせずカラリと乾きます。
浴室乾燥機で効率よく乾かす方法
浴室乾燥機を使うとき、使い方も考えずにスイッチを押していませんか?浴室乾燥機にも効率的な使い方があります。電気代を節約して洗濯物を乾かすため、どういったことに注意をしたらいいのでしょう?浴室乾燥機にある換気モードと乾燥モードを使い分ける干し方で、上手に節電していきましょう。
乾燥と換気の違いとは?
浴室乾燥機に乾燥モードと換気モードがあることはわかりました。ではそもそも乾燥と換気はどう違うのでしょう?そこを理解しなければ効率的な使い方をすることはできません。
乾燥モードと換気モードをうまく切り替える使い方で、電気代を節約しながら、カラっと乾かすことができます。乾燥モードとは、浴室内に乾いた温風を送り込む仕組みです。温かい風を入れたことで浴室内の温度が上がり、洗濯物の水分を奪います。
洗濯物自体も温められるので、水分が蒸発する時間も早くなります。こうして湿り気を持った空気を外に排出します。このような仕組みで洗濯物が乾燥します。
湿った空気を外へ出す機能が、換気です。換気モードにすると、空気の入れ替えをしますが、浴室内の温度が上がらないので、洗濯物がなかなか乾きません。洗濯物を効果的に乾かす干し方は、乾燥モードと換気モードを上手に組み合わせるのがポイントです。
はじめに換気モードで湿気を無くす
浴室乾燥機の上手な使い方として、まず洗濯物を干す前に浴室内の空気を換気しましょう。浴室内の空気は湿っています。湿った空気の中ではどんな干し方をしても、乾くのに時間がかかってしまいます。換気をして湿った空気を除去しましょう。
換気モードにして浴室内の湿気がなくなったら、洗濯物を干して、乾燥モードにしましょう。そうした干し方をすると、効率的に短時間に洗濯物を乾かすことができます。
均一に乾かすために洗濯物の干し方を変える
電気代を節約するためにも、なるべく短時間で洗濯物を乾かしたいものです。これは干し方にコツがあります。厚地のスウェットシャツなどはどうしても乾きにくく、薄手のハンカチなどは早く乾きます。
ハンカチとスウェットシャツを並べてしまうと、ハンカチに湿気が移り、なかなか乾きません。厚地の洗濯物を温風が送り込まれる送風口の近くに干し、薄手の洗濯物を厚地のものから離す使い方をしましょう。
浴室乾燥機の電気代を節約する方法
このように浴室乾燥機は便利ですが、電気代がかかります。しかし、電気代の節約をするため、ちょっとした工夫をする使い方があります。電気代を節約する使い方をして、家にある浴室乾燥機を効果的に利用していきましょう。ちょっとした手間をかけるだけで、電気代を節約できてカラッと乾かすことができます。
洗濯物をある程度干して乾燥時間を短くする
洗濯機から出したばかりの洗濯物を、すぐに浴室乾燥機で乾かそうとすると、どうしても時間がかかってしまいます。電気代の節約をするため、まず少しの間、部屋干しして、ある程度湿気が取れたら浴室乾燥機を利用しましょう。こうすることで短時間にカラッと乾かすことができるので、こうした使い方はおすすめです。
浴室乾燥機のフィルター掃除をする
浴室乾燥機はフィルターがついていて、空気を吹き込んだり換気したりしています。フィルターは使っているうちにホコリがたまっていきます。放置したまま浴室乾燥機を使うと、効率が悪くなり、乾くまでに時間がかかって電気代が余計にかかってしまいます。フィルターをこまめに掃除することで乾燥の効率は上がります。
扇風機やエアコンを併用して節約
部屋干しをしている間に、あらかた乾いてしまえば、浴室乾燥機を使う時間が短くなります。クーラーや扇風機を使う夏なら、部屋干しの洗濯物に風を送り、乾燥を早めてやりましょう。普通に部屋干しして浴室乾燥機を使うより、さらに時間が短縮できます。扇風機は冬でも部屋の空気を攪拌して温度を均一にする役目もできるので大いに利用しましょう。
コインランドリーを利用
浴室乾燥機は2kg程度の洗濯物を乾燥させるのに適しています。しかし数日、洗濯物をため込んだ場合、浴室乾燥機で乾かすと、電気代がかさんでしまいます。たとえば6kgの洗濯物を浴室乾燥機で乾かす場合、170円の3倍ですから、500円程度かかってしまいます。
洗濯物が大量にある場合。浴室乾燥機を使わず、近所にあるコインランドリーへ行ってみましょう。コインランドリーもお金はかかりますが、10分で100円です。6㎏の洗濯物は、14㎏用の機械で30分から40分程度で乾きます。つまり300円から400円で乾燥させられます。
アンペア数の再検討
電気代を節約するために、契約しているアンペア数の見直しを考えてみましょう。30Aで契約している場合、20Aの契約より基本料金が高くなります。独り暮らしの人など20Aで充分な場合が多いですから、これを機会に検討してみましょう。
さらには近年、電力は自由化され、消費者の選択肢も増えました。各電力会社を比較して、自分のライフスタイルにぴったり合う料金を提示している会社を選びましょう。
ただし賃貸物件の場合は、勝手に電力会社を変えてはいけないときもあります。大家さんに電力会社を変更していいか尋ねてから、手続きを開始しましょう。
浴室乾燥機は後付けできる?
ここまで見てきて「うちには浴室乾燥機がないけど、後付けできるのだろうか」と考える人もいるでしょう。浴室に換気扇がついている場合、浴室乾燥機を後付けすることは可能です。今までついていた換気扇を浴室乾燥機に取り換えるだけで済みます。電気配線も入っており、外に換気もできるので、大きな工事の必要はありません。
浴室乾燥機が後付けできないケース
残念ながら浴室乾燥機を後付けできない場合もあります。まず換気扇のついていない古いタイプの浴室にはつけられません。換気扇がついている場合でも、点検口や窓と近すぎる場合も設置は難しいでしょう。
浴室乾燥機を付けるには40㎝各のスペースがひつようです。さらに照明と換気扇の距離が近い場合、温風が照明に当たって悪影響を与えてしまいます。
浴室乾燥機を後付けする時の費用
浴室乾燥機を後付けする場合の費用ですが、乾燥機本体込みで6万円から10万円ぐらいかかります。安いものであれば、乾燥機本体が3万円、設置費用に3万円ほどで済みます。
換気扇がない場合は壁に穴を空けるために1万円から2万円、電気工事を追加しなければならない時は更に1万円から2万円ほどかかります。さらに浴室内に洗濯物をかけるポールを設置するのに1万円程度追加でかかります。
全体にリフォームすることを考えたら、浴室乾燥機を後付けする上でかかる費用は、だいたい10万円から15万円程度用意しておけばいいでしょう。
費用のかかるポイント
浴室の他に、トイレや洗面所に換気口がある場合、換気扇が共同であるケースが多いです。この場合、換気口の数に合う浴室乾燥機を取り付ける必要があります。2室連動型、3室連動型というものです。換気口の数が多いだけ費用はかかります。
浴室乾燥機は分電盤から電気を引いてきます。換気扇がついている浴室の場合、換気扇に引いている分電盤を流用できます。
しかし他の回路と換気扇が共有している場合は、分電盤に空きが必要です。空きがない場合は、増設工事をし、アンペア数の見直しをすることになります。
賃貸物件で後付けする時の注意点
賃貸の家で浴室乾燥機を設置する場合、退去する時に原状回復をする必要があります。どんなに便利なものであっても、他の部屋とグレードが違ってしまい家賃が不公平になってしまうなど問題が起きてしまいます。
壁に大きな穴を空けて設置した場合、退去の時にもとの換気扇をもう1度取り付けなければなりません。まず家主にリフォームの許可を取りましょう。工事ができない場合は壁掛け式の浴室乾燥機を設置しましょう。原状回復が楽になります。
浴室乾燥機の電気代は高い!節約術を活かそう
メリットもデメリットもある浴室乾燥機ですが、電気代がかかることが一番の難点です。乾燥機として使う他、入浴前に浴室内を温風で温めることでヒートショックを予防することもできます。様々な工夫を施して、電気代を抑えることを考えましょう。上手に使えば非常に便利なのが浴室乾燥機です。賢く利用していきましょう。