ランチョンマットの作り方【初級編】
多くのキッチングッズの中で、最も簡単にハンドメイドで個性を出せるものの一つに、ランチョンマットがあります。
今回は、この日々の食卓に大活躍するハンドメイドのランチョンマットの作り方をご紹介し、簡単におしゃれに作ることが出来るものから、リバーシブルなど裏地にも工夫を施す作り方などを、余すことなくご紹介して行きます。
ランチョンマットは何回か使用しているとすぐ汚れてしまう恐れがあるため、何枚かストックしておき、食器などの色味にあわせて使えるようにするのがおすすめです。そんなに難しいステップは無いので、お気軽に作り方をチャレンジしてみましょう。
素材、デザインを選択する
ハンドメイドのランチョンマットを作るにあたって、先ずは素材やデザインを選択しましょう。デザインは、小さいお子様用の幼稚園などに持っていくなら、思いっきり可愛いものでも喜んでくれるでしょう。
デザインは決まった決まりなどは無いため、自分好みのもので大丈夫です。シンプルに無地のマットを敷くだけでも食卓の印象は違いますし、チェック柄や花柄なども、食卓を華やかに彩ることが出来、おすすめです。
又、ハンドメイドのランチョンマットにも様々な素材があります。ファブリック(布)はもちろん、ポリエステルなどに代表される化学繊維を使用したランチョンマットも存在します。極端な例を出すと、バナナや蓮の葉っぱもランチョンマットになり得ます。
仕上がりサイズに合わせて布を裁断する
今回はこの様な多くの素材の中でもコットンファブリック(布)を使用したランチョンマットの作り方をご紹介して行きます。
ランチョンマットの素材やデザインが決まれば、次は生地を細断しましょう。仕上がりサイズを決めて、縫い代を2cm確保する必要があるため、忘れずに採寸しましょう。
今回は縦30cm、横40cmのランチョンマットに作り方になりますので、上下左右の縫い代を2cm多めに取り、縦34cm、横44cmで裁断しましょう。
ランチョンマット用の裁断が完了したら、次に裏地を上にした状態で、縫い代のために多めにとっていた2cmを折り込みます。この際厚紙などであらかじめ2cm地点で線を引いておき、厚紙に合わせて生地を折り込むことで、簡単に2cmを測ることが出来ます。
折り目を付ける
上記の状態でランチョンマットのアイロンがけを行い、折り目がしっかりとつくようにしましょう。一通りアイロンがけが済めば、端をさらに半分に折り、仕上げが1cmになるように、二回折り込みます。
この状態でもう一度アイロンがけを行いましょう。そうすることで、ランチョンマットを広げると1cm幅と2cm幅の二つの折り目が確認出来るようになります。
ここまでが、ランチョンマットの作り方の下準備になります。続いては、見栄えを良くするために、布の角を落とす作り方に入ります。
布の角を落とす
ランチョンマットの布の角を落とすことで、作り方としても見栄えが非常に良くなり、ハンドメイドでもお店で販売しているランチョンマットにぐっと近づきます。少々面倒くさいですが、めげずに丁寧に進めていきましょう。
折り目が付いた記事の4隅には、2cm幅の正方形が出来ているはずです。この正方形の対角線上でハサミを入れ、角を落としていきましょう。
この1工程を加えるだけで、ランチョンマットの仕上がりが劇的に綺麗になります。長く、大切に使うためにも忘れないようにしておきましょう。
端を折り返す
4つの角を落とす工程が済んだら、次に初めにつけた折り目を参考にして、折り込んでいきます。
先ずは1辺の1cm幅の折り目に沿って生地を折り、もう一度1cm幅で生地を折りましょう。つまり、1cm幅の折り込みを2回繰り返します。
上記の工程が出来たら、落とした端の部分を2cmの幅に合わせて三角に折っておきます。この状態のまま、出来た三角形の反対側も1cm幅ずつ折り込んでいきます。
そうすると、折り込んだ角の部分が、対角線上に斜め線が入っているようになります。そうなっていればこの作り方は成功です。この状態で固定できるようしっかりとアイロンがけを行い、4隅が同様に斜め線が出来る様にランチョンマットを折り込み、アイロンがけを行います。
仕上げのステッチをかける
ここまでご紹介した作り方で出来ていれば、ほぼ完成です。ランチョンマットも見た目にもきれいなシルエットになっているのではないでしょうか。
この状態で1周0.1〜0.2cmで仕上げステッチを施します。一周ステッチをかけると洗濯してもほどけない程しっかりとしたランチョンマットになりますが、0.1cm幅で二重にステッチがけを行うとより強度が増します。
このステッチがけが完了すると、初級の作り方は全て完了です。綺麗なハンドメイドランチョンマットに仕上がっているのではないでしょうか。
誰でも簡単にできるランチョンマットですが、角をしっかりと作ることで、見た目も強度もかなり良くなります。上記が一番オーソドックスな基本的な形となりますので、しっかりと身に付けておきましょう。
ランチョンマットの作り方【裏地付き】
次に、少し作り方を発展させて、裏地付きのランチョンマットの作り方をご紹介して行きます。基本は初めにご紹介したランチョンマットからの派生ですが、工程はやや発展したものになるため、手芸や裁縫に覚えがある方は是非チャレンジしてみましょう。
仕上がりサイズに合わせて布を裁断する
先ずは、同じように生地を仕上がりサイズに合わせて、裁断するところから始めます。今回は、ランチョンマットの表の生地にも上布と下布に分け、合計三枚使います。
上記の方法と同じように裁断の際は、折り込みの分をあらかじめ計算して裁断する必要があります。初級編では2cmずつ多めに取りましたが、今回は2回折り込む必要はないため、上下左右1cmずつで大丈夫です。つまり上下と左右で2cmずつ、大きいめに裁断するようにしましょう。
今回の場合は、45cm×35cmのサイズを想定してランチョンマットをハンドメイドするため、裏地は47cm×37cmでとり、一方ランチョンマットの表地は、上布と下布の比率に合わせてそれぞれ2cmずつ足すとよいでしょう。
上布と下布を中表になるようにしてから縫う
裁断が終わると、次は上布と下布を中表になるように合わせて、待ち針で仮止めをしておきましょう。その状態から、端から1cm話してステッチがけを行います。
この際、上下の絵柄が反対にならないように注意し、中表になる様にステッチがけを行うため、表面は裏地が見えている状態で合わせておきましょう。これにより、リバーシブルの様な使い方が出来ます。
ステッチがけが終わると、下布の上の端を1cm幅で折り込み、アイロンがけを行いましょう。お子様の幼稚園用のランチョンマットをハンドメイドする場合は、この時点でネームタグも一緒に縫い付けるのがおすすめです。
裏地を重ねて縫う
ここまでくると、あとは塗って生地を裏返すことでハンドメイドのランチョンマットが完成となるのですが、注意点がいくつかあるためそれらをご紹介しながら説明して行きます。
一つ目の注意点は、上記でも記した通り、「生地は中表で重ね、上下の絵柄をしっかりと合わせる。」という事です。
作り方の最後には生地を内側から引っ張り出し反対にするため、ランチョンマットを中表で合わせてステッチをかける必要があるのです。
間違いなく生地を合わせる事が出来れば、ステッチがけを行うのですが、ここでも大切な注意点が一つあります。
ステッチがけ
はじめにご紹介した作り方だと、ステッチがけは一周漏れなく縫い付けても問題ありませんでしたが、裏地を付ける場合では、生地の返し口を付ける必要があるため、5~6cm程残してステッチがけを行う必要があります。
ステッチは一周かけるだけで十分な強度はありますが、心配な人は内側にもう一周ステッチをかけるようにすると、より丈夫になりますが、特に必要は無いでしょう。
ステッチがけが完了したら、上記と同じように四隅の角を切り落とします。ここでステッチがけをしたところを一緒に切ってしまうと解けてしまうため、縫い目は決して切らないように注意しましょう。
このランチョンマットの作り方の最後に端に残っている縫い代をアイロンがけして、折っておきましょう。こうすると次の作業は大変楽なものになります。
返し口からひっくり返す
次にいよいよランチョンマットの生地をひっくり返す工程に入ります。ここで返し口が小さいと少し窮屈になるかもしれませんが、慌てず糸を切らないようにやさしくひっくり返すようにしましょう。
この際、マドラーの様な細くてある程度長さのあるものがあると、端の部分や四隅の部分にしっかりと生地を出すことが出来、簡単にひっくり返すことが出来ます。
生地をひっくり返すことが出来たら、絵柄の組み合わせが合っているかどうか、生地が端や角の方にもしっかりと出ているかを確認し、アイロンがけを行い、整った形を定着させます。
最後に、端から2,3mm程のところを1周、ないし2周縫いつければ、裏地付きのハンドメイドランチョンマットがようやく完成となります。
ランチョンマットの作り方【リバーシブル】
上記の様に、生地の柄が二種類以上になると、もちろん工程が多く、少し複雑になってしまいますが、順番や注意点を間違えなければ、簡単にハンドメイドのランチョンマットを作ることが可能になるのです。
今度は、先ほどの裏地付きのランチョンマットをもう少しシンプルにした、簡単に出来るリバーシブル仕立てのランチョンマットの作り方をご紹介します。
仕上がりサイズに合わせて布を裁断する
早速、上記の2通りの作り方と同じように、生地を裁断しましょう。今回も縫い代を1cmずつ残した、合計2cmの縫い代を余分にとり、裁断しておきましょう。
例えば、30cm×45cmのランチョンマットを想定した場合だと、裁断サイズは縦30(プラス2cm)、横45(プラス2cm)cmになるため、32cm×47cmで裁断を行います。
2枚の布を縫い合わせる
次にこの2枚の布を縫い合わせますが、今回も生地をひっくり返す必要があるため、必ず、「中表」になる様に生地を合わせる、という事に注意しましょう。
生地を合わせる事が出来たら、あとは返し口を5〜6cm程残し、端から1cm程度のところにステッチがけを行います。
縫い付けが完了したら、生地を裏返す前に四隅の端を端から3mm程度残すようにして、カットして角を落とします。
返し口を作る
御覧の通り、作り方は裏地付きのものとほぼほぼ同じであることがわかります。もちろん、生地を返す前に、縫い代をアイロンがけして、折り目を作っておきましょう。
又、返し口をしっかりと作っておくことも忘れてはいけません。記事をひっくり返すことが出来ないと、両面が裏側を向いたランチョンマットが完成してしまいます。
表に返して仕上げる
ここまで完了すると、生地を返し口からひっくり返し、アイロンがけで形を整えます。生地をひっくり返す際には、細く長いものがあれば、角もきれいに出しやすいですが、「目打ち」という専用の道具が存在するため、一つ用意しておくと、この作業は非常に簡単になります。
又、空いている返し口にタグを挟むことで、自分だけのオリジナルのタグをつける事が簡単に出来ます。余裕がある方は是非チャレンジしてみましょう。
タグを挟み、周りを再びステッチがけする事で、ハンドメイドのリバーシブルランチョンマットは無事完成となります。
ランチョンマットの作り方【バイアステープで作る】
この様に、一口にランチョンマットと言っても、生地の組み合わせ方などで、すごくおしゃれなものが簡単に出来てしまいます。また生地の柄をうまく組み合わせる事で立体感も出来、ハンドメイドとは思えないようなおしゃれなリバーシブルのランチョンマットも簡単に出来るのです。
ハンドメイドのおしゃれなランチョンマットも、生地の組み合わせ次第で幅もすごく広がるのです。例えば、バイアステープを端で囲う事もおしゃれなランチョンマットを作る方法の一つなのです。今度は、そのバイアステープでの作り方をご紹介します。
仕上がりサイズに合わせて布を裁断する
どのランチョンマットも、はじめの作り方は全て同じです。サイズに合わせた生地を裁断する事からおしゃれなハンドメイドのランチョンマットの作り方が始まります。
生地が一枚では少し心許ない為、生地を二枚重ねにすることをお勧めします。上記同様、リバーシブルで作ってもおしゃれになります。
バイアステープを作る
ここまでは、リバーシブルのランチョンマットの作り方とほぼほぼ同じですが、バイアステープで回りを囲うため、バイアステープもご用意しておきましょう。
「バイアステープ」とは簡単に言うと、生地を斜めに裁断したものです。時間がない方が手芸店などでバイアステープを購入しても良いですが、オリジナルのバイアルテープを作る際には、斜め45度を裁断した生地を縫ってつなぎ合わせて作っていきましょう。
ポイントとしては、「生地を斜めにしてつなぎ合わせる事」と、ズレを考慮して「あらかじめ1cm程ずらして」縫い付けを行う事です。これらを注意して繋げるだけで簡単にバイアステープが完成します。
バイアステープを縫い付ける
バイアステープがご用意できれば、いよいよランチョンマットにバイアステープを縫いつけていきます。
上記でご紹介している縫い代をアイロンがけして折り目を付けたり、と言った作り方が、バイアステープの場合は省略できるので、非常にシンプルながら、簡単な作り方でおしゃれなランチョンマットが出来ます。
ポイントとしては、角から縫い付けてしまうと、縫い終わりがややこしくなってしまうため、辺の途中から縫い始めるようにしましょう。アイロンがけの工程が減る分、縫い付けの工程が増えてしまうため、そもそも縫い付けが苦手な方には、注意が必要です。
あとは、縫い付けるだけで完成してしまうため、上記でご紹介したリバーシブルの作り方よりもシンプルに簡単に見えます。
最後は手縫いで仕上げる
バイアステープのつなぎ目をきれいに縫い合わせるには、ひと手間必要になるのです。この最後の工程で、非常におしゃれなハンドメイドとは思えないくらいのクオリティのランチョンマットが完成となるのです。
具体的には、縫い込みが一周して、縫いはじめと縫い終わりが小重なる直前で、針を刺したままミシンを一旦止めます。
この状態から、一度バイアステープの絵柄を合わせて、斜めに折り目を付けます。ミシン上でアイロンがけは出来ない為、爪等で折り目を付けるようにしましょう。
折り目が付いたら、ミシンを再開し最後まで縫い付けたあと、最後は手縫いでなみ縫いを施すことで完成となります。
ランチョンマットの作り方【布用両面テープを使う】
この様に、裏地との組み合わせやバイアステープとの組み合わせで、おしゃれなランチョンマットが作れるのですが、バイアステープを使うと縫い込みの工程が少し面倒に感じてしまう方もいるでしょう。
そこで、作り方をもっと簡単する為に、布用の両面テープを使用する、という手段もあります。ここからは、そのようなより簡単な作り方でおしゃれなランチョンマットが作れる工程をご紹介します。
仕上がりサイズに合わせて布を裁断する
これはもうおなじみとなっています。裁断サイズがほぼ仕上がりサイズとなる為、ご自身の作ってみたいサイズで生地を裁断して行きましょう。
この場合も、縫い代、もとい張り代を2cmずつ残して裁断して行きます。これはランチョンマットを作る際には絶対に必要になる工程のため、くれぐれも忘れないようにしましょう。
布用両面テープで貼り付ける
いまでは、「布用両面テープ」というものが存在します。かつては洋裁を行うにあたっては針を使い縫い付けを行わないと丈夫なものが出来ませんでしたが、今ではこの様な両面テープでも十分に使用に耐えうるランチョンマットが作れるのです。
アイロンをかけて仕上げる
もちろん縫い付けの工程は必要ありません。そこで必要となるのが、アイロンがけです。作り方としては最もシンプルになります。
しかし、やっぱり強度は問題になるため、例えばブロードなどの薄い生地には接着が向かないことが多い為、綿素材のものを使用したり、横方向の力には弱い為、正直洗濯にもあまり向かないため、注意しましょう。
ランチョンマットの作り方【クリアファイルを使う】
最後にクリアファイルを使用した、少し素材感の違うランチョンマットの作り方をご紹介します。クリアファイルで挟み込み、両面テープで張り合わせる為、リバーシブルも簡単に出来、掃除もさっと1拭きで完了します。
ファイルの大きさに合わせて材料を裁断する
この作り方の場合でも、初めの作り方はやはり裁断です。クリアファイルで挟み込むだけなので、生地の種類は幅広く使えます。
そのため、汎用性が高く、作り方としてはもっともシンプルな作り方になります。リバーシブルで作る場合は初めから外表で大丈夫です。
クリアファイル内に両面テープを貼る
ランチョンマットのサイズ感では、B4サイズくらいが丁度よいでしょう。クリアファイルがご用意出来たら、決めた柄のシートをクリアファイルに挟み込むだけで完了です。
固定するために、両面テープで蓋をし、より固定させるために、クラフト金具を取り付けると強度も増します。
上の両側に金具を取り付ける
クラフト金具の取り付け方としては、先ず錐などで穴をあけ、クラフト金具をはめ込み、金槌などで叩いて固定しても良いですが、難しそうであれば、ボンドなどの接着剤などを使用しても良いでしょう。
おしゃれなランチョンマットをハンドメイドするのは簡単!
これまで様々な方法でハンドメイドのおしゃれなランチョンマットの作り方をご紹介してきました。裏地を利用してリバーシブルにしてみたり、工夫の数は数知れず多く、非常にシンプルなものばかりですので、この機会に是非チャレンジしてみましょう。