玉結びとは?
玉結びは、手縫いの基本です。手縫いをするときは、縫い始めに必ずやらなければいけません。慣れていない人が玉結びをすると、きれいな玉結びにならず、糸が絡まったようになってしまいます。しかし、やり方のコツをつかめば簡単にきれいな玉結びを作ることができます。
手縫いで縫った糸を抜けないようにするストッパー
玉結びは縫い始めに行いますが、玉結びをしないで縫うと布から糸が抜けてしまいます。ミシンを利用すれば玉結びは不要なのですが、ミシンでは出来ない細かいところを手縫いで縫ったり、ボタンを付けるときなどに玉結びが必要です。玉結びがきれいに出来ていないと、糸が緩んだり、抜けたりする原因になります。
玉結びのやり方は二種類ある
初めはなかなか上手くいかない玉結びですが、コツさえつかめば簡単にできます。玉結びのやり方は、指を使うやり方と、針を使うやり方の二種類ありますので、両方試してみて自分に合うやり方でやってみてください。きれいに手縫いを仕上げるためには、玉結びをきれいに作ることが大切です。
指を使う玉結び
指で玉結びを作るやり方は、小学校などの家庭科の時間で習った方も多いはずです。指で玉結びを作るのは難しく、糸が浮いてきれいな玉結びができなくて、絡まった状態になってしまうことがよくあります。しかし、これをマスターすればとてもきれいな玉結びを早く作れるようになります。
針を使う玉結び
針を使って玉結びを作るやり方は、覚えるまでは複雑そうに見えますが、覚えてしまうと指で作るよりも簡単に玉結びを作ることができます。指で作るのがどうしても苦手という人は、針を使って玉結びを作るのがおすすめです。ひとつひとつの動作を丁寧に行えば、糸が絡むことなく玉結びを作ることができます。
指を使った玉結びのやり方
指を使って玉結びをするやり方は、慣れが必要で初めのうちはなかなか上手くいかないかもしれません。何回かやっていくうちに出来るようになりますので、練習してみるといいでしょう。やり方のコツは、きちんと糸をより合わせることです。では、指を使って玉結びを作るやり方をご紹介します。
人差し指と親指を使う
糸の先端を人差し指に1回巻きます。巻いたら親指と人差し指を合わせ、親指と人差し指をずらしながら糸をより合わせます。より合わせたら糸の先端を強く引いて、固く結んでください。これで玉結びの出来上がりです。
動作はとても簡単なのですが、より合わせるところが上手くいかずに、糸の先端を引っ張ってしまい失敗することが多いです。
針を使った玉結びのやり方
針を使って玉結びを作るやり方は、指を使って作るよりも失敗する可能性は低いです。玉結びの大きさの調整も出来ますので、繊維の目が粗い布などを使うときは、針を使って玉結びを作ることをおすすめします。針を使って玉結びを上手く作るコツは、ひとつひとつの動作を丁寧に行うことです。では、やり方をご紹介します。
針に糸を巻きつける
まず、針に糸を通します。針先と糸の先端を合わせて、針先に2回ほど糸を巻きつけてください。糸を巻いたところを指で押さえ、針を引き抜いて結び目を作ります。これで玉結びの完成です。
針に糸を巻いた部分をしっかり指で押さえなければ、きれいな玉結びが出来ませんので、糸がずれないように気をつけてください。また、玉結びがほどけないように結び目は固くしましょう。
巻き付けた分玉が大きくなる
指で玉結びを作ると結び目の大きさの調整は難しいですが、針で玉結びを作ると大きさの調整ができます。やり方は簡単です。針に糸を巻きつけるときに、巻く回数を増やすだけです。糸を巻いた分だけ玉結びが大きくなります。
繊維の目が粗い布などを使って手縫いをするときは、玉結びが小さいと糸が布から抜けてしまいます。このようなときに、針で玉結びを作ると大きさの調整ができるので便利です。
玉結びを簡単にするコツ
玉結びのやり方を2種類ご紹介しましたが、簡単にきれいな玉結びを作るコツを2つご紹介します。今まで玉結びがなかなか上手く作れなかったという方は、これからご紹介する方法を試してみてください。慣れないうちは、ひとつひとつの動作を確認しながらやるのも失敗しないためのコツです。
糸に余裕をもたせる
玉結びをほどけないようにするためには結び目を固くすることですが、玉結びを作る途中の過程では糸に余裕をもたせるといいです。玉結びが苦手な人は、途中で糸が絡んでしまうことが多いのですが、糸に余裕をもたせることで、途中で微調整をすることができます。もちろん、最後は糸を固くしっかりと結んでください。
慣れないうちは玉を大きめに作る
玉結びを小さく作れば結び目が目立たなくて仕上がりがきれいになるのですが、玉結びを小さく作ろうとすればするほど慣れが必要です。慣れないうちは玉結びを大きく作ったほうが失敗することが少ないです。慣れてきたら少しずつ玉結びを小さくしていくといいでしょう。
糸が絡まないようにする方法
手縫いをしているとよく糸が絡まることがあります。おもな原因は、糸がうねったままの状態で使用していることです。糸をまっすぐ伸ばして縫うことが大切です。また、糸は長い期間放置していると、劣化したり乾燥したりして絡まりやるくなるので、できるだけ新しい糸を使うことをおすすめします。
糸のうねりは指で弾いてとる
糸を切ったら、糸の端をそれぞれ持ってピンと張ります。糸が張っている状態で、指で2~3回糸を弾くとねじれをとることができます。指で弾くと糸が伸びて、絡みにくくなります。また、糸にアイロンをかけることでもねじれをとることができますので、うまく糸を弾くことができないという人はアイロンを試してみてください。
糸はできるだけ短めに切る
長い糸で縫っていると途中で絡んでしまい、縫い直さないといけなくなります。糸はできるだけ短めに切るようにしましょう。目安は30~50cmです。また、縫うときに縫い目だけ気にして、糸の動きを見ていないと絡んでいることに気づかないことが多いので、糸の動きをよく見て絡む前に直して縫うようにします。
針と糸の選び方
手芸用品店に行くと、たくさんの種類の針と糸がありますが、手縫いに適している針と糸を選ぶことが大切です。針の種類には太さと長さ、糸の種類にはミシン用と手縫い用や糸の太さ、色など、どれを購入すればいいのか迷うほどあります。針や糸の種類や選び方をご紹介しますので、自分が作るものに合わせて選んでみてください。
手縫い針の種類
手縫い針の種類は大きく分けると、「メリケン針」と「和針」に分けられます。メリケン針は洋裁をするときに使われ、和針は和裁のときに使われます。太さや長さにも種類があり、数字で表されます。
メリケン針は、1号~12号まであり、数字が小さいほど長く太い針になります。和針は、「四ノ三」や「四ノ五」などいう数字で表され、前の数字が針の太さ、後ろの数字が針の長さを表しています。
おすすめの手縫い針
厚い生地を縫うのにおすすめの針は、メリケン針なら6~7号の長い針、和針なら三ノ五や三ノ四の針がいいでしょう。薄めの生地を縫うのにおすすめの針は、メリケン針なら9号、和針なら四ノ一や四ノ二の短い針がおすすめです。
手の大きさも人それぞれ違いますので、いろいろな針を使ってみて、手に一番馴染む針を使うことが大切です。
糸の種類
糸にはミシン糸と手縫い糸がありますが、手縫いのときはもちろん手縫い糸を使います。太さも細口、太口、普通地用、厚地用などの種類があります。なかには、手縫い糸がないからとミシン糸を手縫いに使う人もいますが、ミシン糸で手縫いをすると糸が絡みやすく、非常に縫いにくいです。
糸の選び方
どの糸を購入したらいいのかわからないという人は、手縫い用の糸の細口や普通地用を購入するといいです。
色の選び方ですが、縫い目が目立たない色を選ぶのであれば、布の色が濃い場合は暗めの色の糸を、布の色が薄い場合は明るめの色の糸を選ぶといいと言われています。糸を選ぶときに生地を実際合わせてみて選ぶと失敗しにくいです。
生地の色と全く違う色の糸を使うと糸が目立ち、色の違いがポイントとなるので小物を作るときなどにおすすめです。たとえば、デニム生地に赤い糸を使って縫うと、赤色がポイントとなっておしゃれに見えます。このように糸の選び方にはとくに決まりはありませんので、どのように仕上げるかで糸を選びましょう。
玉結びをマスターして手縫いを始めよう
玉結びは手縫いをするうえで、必ず必要になってきます。すぐに出来なくても数回練習すれば出来るようになります。手縫いが出来るようになると、ボタンを付けたり、破けの補正などがさっと出来ます。手縫いの基本である玉結びをマスターして、さまざまなものを手作りしてみてはいかがでしょうか。