ヨーグルトは常温で保存しても大丈夫?
スーパーでヨーグルトを購入してきたのを、冷蔵庫にいれるのを忘れてしまったり、常温で放置してしまったりしたことはありませんか?ヨーグルトを数時間、常温でそのままに放置していると、食べてもいいのか不安に思ってしまうことでしょう。
特に、暑い夏となるとヨーグルトが腐るのではないかと、廃棄した方がいいのか迷ってしまいます。今回は、ヨーグルトを常温で保存した場合、どれくらいであれば大丈夫なのかについて詳しく解説していきます。
さらに、ヨーグルトが腐る状態とは見た目や臭いなどは、どうなるのかについてもご説明していきましょう。最後には、ヨーグルトの栄養効果をより効果的に摂取する方法についても詳しくご紹介していくので、チェックしてみてください。
ヨーグルトとは
ヨーグルトに含まれる乳酸菌の健康効果として、整腸作用や美肌効果、免疫力強化があるとされます。さらに、花粉症の改善やインフルエンザの予防効果、アトピー性皮膚炎の緩和、潰瘍性大腸炎の改善、コレステロール値の低下といろいろな効果があります。
ヨーグルトとは、どういう効果・効能があるのか、ヨーグルトについて詳しく解説していきましょう。なんとなくヨーグルトは体にいいことは知っているという方は、チェックしてください。
ヨーグルトの効果・効能
ヨーグルトに含まれる乳酸菌によって、ヨーグルトにはさまざまな健康効果があるとされちます。しかし、ヨーグルトの健康効果は乳酸菌だけではありません。それは、ヨーグルトの主な栄養素である「たんぱく質」「脂質」「炭水化物」「カルシウム」「ビタミンB2」が関係しています。
この栄養素が、ヨーグルトには豊富に含まれていることから、健康食品だといわれる所以にもなっています。「たんぱく質」には、筋肉や血液をつくるのに、とても大切な栄養素でもあります。筋肉が落ちてしまうと、基礎代謝が下がってしまいます。
たんぱく質は、ダイエットをしている人にとって欠かすことができない栄養素でもあります。「脂質」は、体を動かすもとになる栄養素です。体温を保ってくれる働きがあります。「炭水化物」は、脳を働かせるために、必要な栄養素となるブドウ糖の原料でもあります。
「カルシウム」は、現代人に不足しがちな栄養素で、不足するとイライラしたり精神が落ち着かなくなってしまいます。「ビタミンB2」は。美容に必要なビタミンで、皮膚や髪の毛などの細胞の再生をして、脂肪の分解を行ってくれる栄養素です。
このようにヨーグルトには、たくさんの栄養素が含まれています。さらに、ヨーグルトとは、発酵乳の1つです。乳酸菌を使って乳を凝固させた発酵食品でもあります。日本では、ヨーグルトは牛乳に、乳酸菌や酵母を加えて発酵させて作るので一般的です。
ヨーグルトの中には、羊やヤギ、馬、水牛の乳を材料にしたものがあります。ヨーグルトの歴史は長く、紀元前3,000年にはありました。ヨーグルトの発祥は、東南に位置するブルガリアといわれています。
現在では、市販のヨーグルトのなかにも「ブルガリアヨーグルト」という名称のものもあります。日本では、今のヨーグルトの原型は飛鳥時代に伝わったとされています。最も古い医学書にも乳製品は体にいいことが記されています。
ヨーグルトは常温保存が可能?
ヨーグルトを長時間常温で放置してしまった場合、それから食べてもいいのもか迷ったことはありませんか?ヨーグルトは常温でそもそも放置してもいいものなのか、ここでご説明していきましょう。実は、ヨーグルトは、常温で放置すると「乳酸菌が増える」「酸っぱくなる」という変化があります。
常温でヨーグルトを放置した場合は、この2つしか変化はありません。これはヨーグルトが腐るということとは違うのです。食品を食べる時に酸っぱい味がする場合は、食べるのをやめておいた方がいいというのが常識でもあります。
ヨーグルトの場合は、酸っぱくなるのは腐るとは違っているのです。それでは、ヨーグルトの起源からご紹介していきましょう。
まず知りたいヨーグルトの起源
ヨーグルトの期限は、紀元前数千年とされています。人間の祖先が牧畜を始めた頃といわれています。牛の乳を木桶や皮袋に入れていた時に、偶然に入り込んだ乳酸菌の影響で乳が固まったことから、ヨーグルトができたとされています。
そこから牧民たちによって、羊や山羊、馬、牛といった乳を使って長時間保存が利く動物たんぱく質、ビタミン、ミネラルを含む保存食としてヨーグルトが生まれたとされています。
昔の遊牧民たちには、今のような冷蔵保存できる技術はありません。それでも、ヨーグルトにすることによって長時間の常温保存を可能にしたのです。これは乳酸菌のお陰とされています。
1850年代に、フランス人の発酵微生物学の「パスツール」によって、酸っぱくなった乳に含まれる微生物が発見され「乳酸菌」と呼ばれるようになったとされています。そして、1900年代にブルガリアで乳酸菌を含むヨーグルトが健康長寿に繋がることが研究され今にいたります。
ヨーグルトの起源と考えても、ヨーグルトは必ず冷蔵で保存する必要はなく、常温で保存されていたことがわかります。常温で保存されたヨーグルトと食べていたブルガリア人も長寿であることからみても、ヨーグルトは常温保存ができることになります。
ヨーグルトは保存食
腐る原因となる腐敗菌は、酸性の環境では増えにくいという特徴があります。冷蔵保存の技術がなかった昔に、常温での保存食として作られたのがヨーグルトでもあります。ですので、ヨーグルトは、常温で長時間放置しても雑菌は増えにくい食品ということになります。
腐敗菌が増えにくい
腐敗菌は、酸性の環境では増えにくいという特徴があります。ですので、ヨーグルトを常温に放置しておいても、さらに発酵が進んだ状態になります。常温で放置したヨーグルトの味は、より酸っぱくなります。
これはどういうことかというと、ヨーグルトを常温で長時間放置しておいたことから、酸性度が高くなって腐敗菌は、増えにくい環境になっているということになります。こうしたことから、ヨーグルトを長時間常温で放置していても、ほとんど問題ないということになります。
ヨーグルトを常温保存・放置するとどうなる?
ヨーグルトは、もともと常温で作られた保存食でもあることが分かりました。ですので、ヨーグルトを長時間常温で保存していたとしても腐ることはありません。ヨーグルトは、長時間常温で放置していた場合や保存していた場合は、酸っぱくなるという特徴があります。
さらには、常温では乳酸菌がより増えるという特徴もあります。それぞれについて詳しく解説していきましょう。
乳酸菌が増える
ヨーグルトのなかには、たくさんの乳酸菌が含まれています。ヨーグルトは、牛乳が乳酸菌の働きで発酵されることからできている食品でもあります。乳酸菌は活発に活動できる温度は、乳酸菌の種類によって違うのですが、35度から45度くらいと常温から結構高温です。
けれども、乳酸菌は35度以下の常温でも、活動がなくなることはありません。ですので、ヨーグルトを常温で放置していても、ゆっくりではありますが発酵が進み乳酸菌が増えるというわけです。
酸っぱく感じる
ヨーグルトを常温で長時間放置した場合、味はどうなるのでしょうか?ヨーグルトを買ってきて、冷蔵庫に入れるのを忘れていて常温で1日放置してしまった場合、食べるのをためらる人も少なくないでしょう。しかし、ヨーグルトは長時間常温で放置していても食べることができます。
ただ、ヨーグルトを常温で放置したものを食べると、冷蔵庫保存していたヨーグルトよりも酸っぱく感じる場合があります。酸味があると腐っているのではないかと思ってしまいますが、この酸味はヨーグルトが腐るということではなく、乳酸菌の働きが影響しています。
常温でも乳酸菌の発酵は進みます。乳酸菌の名前の由来になっている、乳酸の量が増えると酸性度が高くなります。そのため酸っぱいヨーグルトになるのです。一晩くらい常温で放置しているだけでも、酸っぱいヨーグルトになります。
真夏に一晩ではなく、丸一日常温で放置した人が、食べてみたところとても酸っぱいヨーグルトになっていたという人もいます。乳酸菌が増えると雑菌が増えて腐るのではないのかと思う方もいるでしょう。常温で放置しておいたヨーグルトは腐るわけではありません。
ヨーグルトが酸っぱくなるのは、乳酸菌が増えたためで昔からヨーグルトを手作りした人は冷蔵や冷凍でなく常温か少し温かい環境にヨーグルトを放置することで、乳酸菌を増やしていくことをご存じでしょう。
ヨーグルトは、常温よりも高い温度でもある35度から45度くらいが活発に乳酸菌が活動するとされています。ですので、購入してきたヨーグルトを冷蔵庫にいれるのを忘れて常温で、放置した場合でも乳酸菌が増えて酸っぱくなっている状態ということになります。
食品は、腐ると酸っぱい臭いがしますが、ヨーグルトは常温保存したのであれば、腐敗菌は増えにくいので食べても問題ありません。ですので、ヨーグルトは常温保存したものであって開けてみて「酸っぱいな」と感じても大丈夫ということになります。
ヨーグルトが常温保存できる時間は?
ヨーグルトを常温で放置して、酸っぱくなっていたとしても腐ることはないとお話してきました。では、ヨーグルトが常温で保存できる時間はどれくらいなのでしょうか。ここでは、どれくらいの時間常温保存可能なのか、詳しく解説していきましょう。
未開封なら賞味期限までOK
ヨーグルトは、10度から15度くらいの涼しい場所で、常温保存の場合は、未開封なら、表示されている賞味期限であれば問題なく食べることができます。
ただ、ヨーグルトを常温保存で賞味期限内でも開封したのであれば、腐るような臭いがしたり、色が変色している場合は食べないようにしましょう。市販のヨーグルトや乳酸菌を牛乳と混ぜて自家製のヨーグルトを作ることがあるでしょう。
その場合は、常温保存ができるものであっても、2日くらいで食べ切るのがいいでしょう。自家製のヨーグルトは、ヨーグルトになったら冷蔵庫で保存するようにしてください。ヨーグルトを扱うスプーンも清潔なものを使い、容器も清潔なものをつかいましょう。
いくら清潔なものを使ったとしても、空気に触れてしまうといろいろな菌が入り込むので常温保存が長時間になってくると、腐ることがあります。1度フタをあけてしまったヨーグルトであるのであれば、早めに食べ切るようにしておきましょう。
開封したものは冷蔵庫で保存
ヨーグルトは、開封したものでも、フタをして冷蔵庫に保存しておけば賞味期限を2日から3日過ぎた場合でも腐ることはなく、食べることができます。
ただ、開封したヨーグルトでフタとしていない場合や常温に放置していた場合濃い黄色や茶色になっていたり、酸っぱさがきついのであれば食べるのは中止しましょう。
正しい保存状態であったヨーグルトで白いヨーグルトが少々黄色になって、透明な液体が増えている状態で、酸味を感じるという程度なら腐るとまではいっていません。食べることができるでしょう。
ヨーグルトは賞味期限が切れても食べれる?
ヨーグルトを開封したら冷蔵庫で保存するのが基本です。例えば、賞味期限が昨日までで賞味期限が3日過ぎているのであれば、食べてもいいか迷ってしまうでしょう。賞味期限はもともと美味しく食べられる期間でもあります。それを少し過ぎたからといって食品が腐るというわけではないのです。
冷蔵保存をするヨーグルトを、開封しないまま冷蔵庫で保存していたのであれば、賞味期限から5日から7日であれば、食べても問題ないでしょう。これくらいを目安にヨーグルトと賞味期限との関係を覚えておいてください。
ヨーグルトを常温保存して腐るとどうなる?
ヨーグルトを常温保存をしていて、腐るとどうなるのかヨーグルトの変化を知っておくことはとても大切です。食品が腐ると臭いがしたり、見た目でも変化しています。ヨーグルトが腐るとどうなるのか把握しておき、常温で保存した場合の目安にしていきましょう。
腐った時の変化
ヨーグルトが腐ると、ツーンとした臭いが発生します。そして、食べると苦味がありますし、酸味がなくなっています。さらに、ヨーグルトの色が、黄色や茶色に変色してカビが生える場合があります。ヨーグルトがこうなっていたら腐る状態なります。
ヨーグルトが腐っているか確認するには、「臭い」と「味」と「色」をみるようにしましょう。ヨーグルトには、上澄みとして乳性(ホエー)という水分があります。この量が多い場合もヨーグルトが腐るサインでもあります。
中身の3分の1がホエーに分離しているのであれば、ヨーグルトが腐るサインでもあるので食べない方がいいでしょう。夏場など温度が高くなるとヨーグルトが腐るのが早くなります。腐ったヨーグルトを間違って食べてしまうと、おなかを壊すことがあるのでご注意ください。
ヨーグルトは腐ると酸味がなくなる
一般的に食べ物は酸っぱいと腐っていると、判断することがありますが、ヨーグルトの場合は酸っぱくないと腐っていることになります。酸味のもとの乳酸菌ではなく、雑菌が繁殖すると、酸っぱくなくなるのです。
もちろんヨーグルトでも酸っぱすぎる場合は、食べられないこともあります。酸っぱくない場合の方が危険です。ヨーグルトが酸っぱくないのであれば、腐っている場合も考えられるので食べるのを中止した方がいいでしょう。
ヨーグルトの効果的な食べ方
ヨーグルトは、美容効果や整腸効果、便秘改善効果などたくさんの効果があります。ここでは、ヨーグルトの健康効果をより効果的に享受する方法について詳しく解説していきます。ヨーグルトを効果的に摂取したい方は必見です。
常温や温めて食べる
ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、25度から40度で活発に働くとされています。冷蔵庫から出して冷やして食べるよりも温めて食べる方が乳酸菌のパワーが強くなるとされています。健康効果を意識してヨーグルトを摂取するのであれば、ヨーグルトを常温の温めて食べるようにしてみましょう。
ヨーグルトを、60度以上に温めてしまうと、乳酸菌が死滅してしまいます。温めすぎると逆効果になってしまうので、ヨーグルトの温めすぎには十分ご注意ください。さらに、温めたヨーグルトを長時間常温で放置してしまうと、発酵が進んでしまいます。
いつもよりも酸っぱくなってしまうので、できれば早く食べ切るようにしてください。ヨーグルトは、温かい状態で食べたことがない方は、ぜひためしてみましょう。
食後に食べる
朝食にヨーグルトをプラスしているという方は少なくないでしょう。ここでよりヨーグルトの健康効果を摂取するのであれば、空腹時に食べるのはおすすめできません。
どうしてかというと、空腹時にヨーグルトを食べてしまうと、おなかのなかの胃酸強く場ってしまうので、せっかくヨーグルトを食べても乳酸菌が死滅してしまうことになります。ヨーグルトを食べるのであれば、何かおなかに入れてから、ヨーグルトを食べるようにしてください。
毎日食べ続ける
ヨーグルトの効果は、食べてすぐに効果が現れるものではありません。ですので、毎日続けて食べることが大切です。どのヨーグルトを食べてもいいので、体質にあうか合わないかは確認するようにしましょう。
2週間くらい同じヨーグルトを食べて、体調に変化がないのであれば別のヨーグルトにためしてみるのもいいでしょう。2週間食べてみて、効果が高いヨーグルトを見つけたのであれば、毎日食べ続けるようにしてみてください。
ヨーグルトの栄養成分
ヨーグルトの含まれる栄養素には、「たんぱく質」「脂質」「炭水化物」「無機質」「ビタミン」「エネルギー」があります。ヨーグルトの含まれる「たんぱく質」は、すでに一部のアミノ酸に分解されたたんぱく質になっているのでとても消化がいいのが特徴です。
お肉などでたんぱく質をとるのがしんどい、お年寄りや小さなお子さんにもおすすめの食品でもあります。ヨーグルトが便秘解消に効果的なのは、ヨーグルトに含まれている「炭水化物」の「乳糖」が要因でもあります。
乳糖には、腸内環境を整えたり、マグネシウムといった吸収を助ける効果があるとされています。日本人は、乳糖を分解する酵素「ラクターゼ」が少ない人が多く、牛乳を飲むとおなかが痛くなる方もいます。これを「乳糖不耐症」といいます。
その点でいうとヨーグルトは、乳糖の一部が乳酸に変化しているので、乳糖不耐症の人でもおなかが痛くなりにくいとされています。さらに、ヨーグルトに含まれる「乳酸菌」の効果として「免疫力の向上」「花粉症の抑制」「便秘の改善」「ピロリ菌の抑制」があります。
ヨーグルトには、ホエーという水分が貯まっていることがあります。このホエーにも栄養が詰っているので捨てずに食べるようにしましょう。このようにヨーグルトはたくさんの栄養素が含まれている健康食品でもあります。
上でご説明したように正しい食べ方をして、栄養素を効果的に摂取していきましょう。毎日食べて健康的な毎日にプラスしてください。
ヨーグルトは常温保存しても腐りにくい
ヨーグルトは、常温保存をしていても大丈夫ということをご説明してきました。ヨーグルトの起源を探ってみると、冷蔵技術が発達していなかった時代から常温保存で、食べられていたのです。そこからヨーグルトは常温保存が利く食品でもあるのです。
ヨーグルトを常温保存をしていると酸っぱくなることがありますが、これは乳酸菌の活動が活発になっている証拠でもあります。さらに、ヨーグルトは健康食品でもあって、効果的に摂取するためには何かおなかに入れてから食べるのも大切です。ヨーグルトに健康を手に入れましょう。