残った梅シロップの梅にはどんな使い道がある?
梅が出回る季節に青梅を砂糖と一緒に漬け込んで、梅酒や梅シロップを作る方も多いことでしょう。特に梅シロップはアルコールを使っていないので、子供でも安心して飲むことができます。
梅シロップには梅のエキスがたっぷりと溶け込んでいて、夏バテ予防や疲労回復など、夏の健康維持に役立ちます。
ところで梅シロップを作ると、梅が大量に残ります。捨てるにはもったいないのですが、量が多くて持て余してしまうことがよくあります。そこで今回は、残った梅の使い道や、簡単なリメイクレシピを紹介します。シロップで残った梅を上手に再利用しましょう。
梅シロップの梅の保存方法
梅シロップの梅は長く漬け込んでおくと傷んでしまい、せっかく作った梅シロップが飲めなくなってしまいます。梅シロップができあがったタイミングで、梅を取り出し、再利用するのがおすすめです。
取り出した梅は様々な使い道があります。すぐに使わないなら、冷蔵保存や冷凍保存がおすすめです。ここでは、梅シロップから梅を取り出すタイミングと、取り出した梅の保存方法についてみてみましょう。
梅を取り出すタイミング
梅シロップは梅酒と異なり、青梅を氷砂糖に浸けてから1週間から2週間でできあがります。梅酒の場合は長く漬け込んでおくことができますが、梅シロップの場合はそのままにしておくと、梅にカビが生えたり傷んだりしてしまいます。
梅シロップができあがったら、長く浸けておかずになるべく早く取り出すようにしましょう。梅を取り出すタイミングは、氷砂糖が完全に溶けて、梅がしわしわになった頃です。
梅を付け始めて2週間から3週間後には取り出すことができます。長くても1カ月半以上漬けておかないようにするのがおすすめです。
冷蔵保存方法
梅シロップから取り出した梅は、そのまま食べたり惣菜や甘露煮、お菓子作りのレシピに使ったりと、様々な使い道があります。使い道については、後で詳しく紹介しましょう。
梅シロップから取り出した梅は大量にあるので、すぐに全部を使切ることはできません。そんな時は清潔な容器や密封できるガラス瓶などに入れ、冷蔵保存するといいでしょう。
冷蔵庫で保存できる期間は2カ月から3カ月が目安です。耐熱のガラス瓶を熱湯消毒していから梅を入れると、菌の繁殖を防ぐことができるので、安心して保存することができます。
冷凍保存方法
冷蔵庫で保存した梅は3カ月くらいは持ちますが、使い道を考えてできるだけ早く使い切ってしまうのがおすすめです。大量の梅の使い道がないという場合は、冷凍保存をしておくといいでしょう。
冷凍保存する場合は、梅の種を取り除きます。フリーザーバックに小分けして入れておくと、後で使い道ができたときに取り出しやすくなります。冷凍保存した梅は、5カ月くらいを目安に使い切るようにしましょう。
梅シロップに漬け込んだ梅は砂糖がたっぷりと染み込んでいるため、カチカチに凍ることはありません。冷凍庫から取り出して、半解凍した頃に食べると、甘くて冷たいデザートになります。
梅シロップの梅の使い道
砂糖の中にしっかりと漬け込んだ梅は甘くて美味しく、そのまま捨ててしまうにはもったいないので、使い道を考えて再利用しましょう。
梅シロップの梅は、そのまま食べる他、ジャムやソース、甘露煮などにしたり、料理の隠し味やお菓子作りにつかたりと様々な使い道があります。そのまま食べてもいいのですが、ひと手間かけるとより美味しくいただけます。
そのまま食べる
梅シロップから取り出した梅は、色が茶色でしわしわになっているので、そのまま食べられるのかどうか不安になる方もいるかもしれません。
梅にはわずかながら、酸配糖体という毒素が含まれているのですが、梅シロップの梅は高濃度の糖に漬け込まれていたため、毒性が分解されているので安心して食べることができます。たとえ含まれていたとしても、一度に大量に食べなければ問題がない量です。
出来上がった梅シロップはそのまま食べても美味しいのですが、炭酸や氷水で割って、梅を一粒入れるとおしゃれなドリンクができあがります。
ジャムやソースに
梅シロップに残された梅はそのまま食べることができますが、量が多いので毎日食べていると飽きてしまうこともあります。そんな時は、別の使い道を考えるといいでしょう。
梅シロップの梅の使い道として真っ先に思い浮かぶのが梅ジャムや梅ソースです。簡単に作ることができ、加熱することで量が減るので大量消費することができます。
梅ジャムはヨーグルトやパンに添えたり、お菓子作りにも役立ちます。また梅ソースはドレッシングや調味料としての使い道もあります。
隠し味に
梅シロップのその他の使い道としては、隠し味に使う方法があります。梅シロップの梅は、和洋中とどんな料理にもよく合います。みじん切りにしてカレーやスープ、和のおかずに加えると、さっぱりとした味になります。
梅シロップの梅は、お肉や魚を柔らかくする働きがあります。お肉や魚料理に使うと、臭みを取りとても美味しく仕上がります。
またひと手間かけて梅味噌や梅ペーストにしておくと、おかずを作っている途中に簡単に使うことができるので便利です。梅味噌も梅ペーストも簡単に作ることができます。レシピは後ほど、詳しく紹介しましょう。
干し梅にする
梅シロップで使った梅は、乾燥させて干し梅(ドライフルーツ)にすることができます。干し梅は瓶に入れて冷蔵庫で、長期保存ができます。好きな時に取り出して、おやつに食べたりお菓子作りに使うことができるので便利です。
干し梅はとても簡単なレシピです。梅を取り出したら、鍋に梅とひたひたの水を入れ、梅が柔らかくなるまで弱火で煮ます。柔らかくなったら梅を取り出し、キッチンペーパーで水分を拭き取ります。
次に梅から種を取り出したら、クッキングシートに梅を並べ、150度のオーブンで20分焼きます。かりっとなったら出来上がりです。そのまま冷まして、瓶に入れて冷蔵庫で保存します。
梅シロップの梅の簡単リメイクレシピ
ここからは梅シロップから取り出した梅の簡単リメイクレシピを紹介しましょう。梅のリメイクレシピで、最も人気があるのが梅の甘露煮です。甘露煮は難しそうに見えますが、意外と簡単に作ることができます。
その他、ジャムや佃煮、サラダのトッピング、スイーツなどのリメイクレシピも人気があります。ここではジャムや甘露煮などそれぞれのレシピを詳しく紹介します。ぜひいろいろ作って楽しんでください。
甘露煮
梅シロップの梅はそのまま食べてもいいのですが、梅の甘露煮にすると飽きずに最後まで美味しくいただけます。梅の甘露煮やお茶請けや子供のおやつにぴったりです。
甘露煮のレシピはとても簡単です。梅シロップから梅を取り出したら、同量の水を加え、弱火でことことと煮ます。漬けこんでしわしわになった梅も、ふっくらと元に戻ります。10分くらい煮込んだら、砂糖を250gから300g加えます。甘さはお好みで調整してください。
鍋を優しくゆすって砂糖を溶かし、5分から6分煮込みます。この時、甘露煮を箸で触りすぎると皮が破けてしまうので気を付けてください。火を止めて、甘露煮が冷めたら清潔な瓶に入れます。甘露煮は冷蔵庫で保存し、2週間くらいで食べ切るようにしましょう。
梅ジャム
梅シロップの梅を使ったレシピで、甘露煮の次に人気があるのが梅ジャムです。ジャムはパンに付けたりヨーグルトに添えたり、また隠し味に使ったりといろいろな使い方ができます。
梅ジャムの作り方も簡単です。梅シロップの梅1kgを取り出し、鍋に入れたら、水をひたひたになるくらい入れます。三温糖100gとはちみつ50gを加えたら、弱火でことことと煮込みます。
あくを取り、梅が柔らかくなったら種を取り除きます。15分くらい煮込んで、ジャムがお好みの柔らかさになったらできあがりです。
そのまま冷まして、熱湯消毒した瓶に詰めます。梅ジャムはクリームチーズとの相性もよく、パンやベーグルなどに塗っていただきます。
梅の佃煮
梅シロップを作った梅で、美味しい佃煮を作ることができます。簡単に作れるレシピで、ご飯のお供にぴったりです。お弁当に入れたり、そうめんに添えたりしても美味しくいただけます。
梅の佃煮のレシピは、梅シロップから取り出した梅16個をひたひたの水に入れて柔らかくなるまで煮ます。種を取り、酢大さじ4、醤油大さじ2を加えて、汁が無くなるまで煮詰めます。
水分が少なくなってくると焦げやすいので注意しましょう。最後にお好みで松の実を加えると、食感と風味がよくなります。
サラダのトッピング
梅シロップを作った梅は、サラダのトッピングにもおすすめです。薄く刻んでお好みの野菜に加えるだけで、いつもとは一味違ったサラダになります。
梅シロップに醤油、オリーブオイル、酢を加え梅ドレッシングを作って、サラダにかけて食べるとより美味しくいただけます。
刻んだ梅はサラダの他、ヨーグルトのトッピングや炒め物などに加えてもいいでしょう。また手作りケーキに加えるのもおすすめです。
梅ゼリー
梅シロップの梅を使って、美味しい梅ゼリーを作ることができます。梅酒の梅でも作れますが、梅シロップはアルコールが入っていないので、お酒に弱い人や子供でも食べることができます。
レシピはとても簡単です。梅シロップから梅を10個取り出します。鍋に梅と水600ccと砂糖60gを入れ、沸騰したら弱火で約3分煮ます。
次に梅を取り出し、液体の温度を少し下げます。インスタントゼラチンを振りいれてよく溶かしたら、容器に梅と液を入れて冷蔵庫で冷やし固めます。
梅入りカップケーキ
梅シロップの残った梅を使って美味しいおやつを作ることができます。子供にもおすすめの梅のカップケーキのレシピを紹介しましょう。
まず梅シロップの梅2個を細かく刻んでおきます。室温に戻したバター80gを泡だて器で白っぽくなるまでよく混ぜます。砂糖60gを加え、ふんわりとするまでよく混ぜます。
次にアーモンドプードル大さじ3、卵1個、卵黄1個を順に入れ、その都度、よく混ぜます。梅シロップ大さじ2、刻んだ梅を加えて混ぜます。
小麦粉80gとベーキングパウダー大さじ1を合わせたせたものを加えて混ぜます。カップケーキの型に生地を流し込み、170度のオーブンで約20分焼いてできあがりです。
梅シロップの梅を調味料として保存する方法
梅シロップに使った梅は、そのまま食べたり、刻んでサラダのトッピングにしたりする他、ジャムや甘露煮にもおすすめです。また少しアレンジして調味料にすると、ご飯の味付けに活用できます。
ここでは、梅シロップの梅で作る梅味噌や梅ペースト、梅醤油の作り方を紹介します。どの調味料も簡単に作ることができるので作り置きをしておくといいでしょう。
梅醤油
梅シロップを作った梅を醤油に浸けておくと、香り豊かな美味しい調味料になります。普通の醤油の代わりに使う他、お刺身や煮つけなどにもよく合います。また煮物にもおすすめです。
梅醤油のレシピは簡単な作り方です。梅シロップで使った梅5個から10個を用意します。煮沸消毒した瓶に梅を入れ、梅が隠れるくらい醤油を注ぎます。
そのまま漬け込み、2、3日ほどすると美味しく仕上がります。冷蔵庫に入れて保存し、3週間から1カ月以内に使い切るようにしましょう。
梅味噌
梅シロップで残った梅で梅味噌を作っておくと重宝します。ご飯のお供やお茶漬け、おにぎりの具、お弁当などに使えます。さっぱりとしていて、食欲がない時にもおすすめです。
梅味噌のレシピはとても簡単です。梅シロップの中から梅を取り出したら種を取り除いたものを100gくらい用意します。梅を細かく刻んだら、赤みそ100g、豆板醤小さじ1、すりおろしにんにく1かけを加えます。
よく混ぜてそのまま冷蔵庫で保存します。すぐに食べることができますが、数日置いておくと味がなじんで美味しくなります。にんにくと豆板醤の量は、お好みで調整してください。
梅ペースト
梅ペーストは、作っておくと様々な料理に活用できる便利な調味料です。梅ドレッシングを作る時に加えたり、焼肉のたれやそうめんのつゆに入れたりしても美味しくいただけます。また、炭酸やジュースで割って飲むこともできます。
作り方は簡単です。梅シロップから梅を取り出したら、フードプロセッサーなどでペースト状にするだけです。そのままフリーザーバッグに入れて薄く伸ばしておけば、使いたい量だけ割って使うことができます。
梅ペーストはケーキ作りにも重宝します。梅ゼリーや梅アイスなどを作りたい時にも梅ペーストがあれば、簡単に作ることができます。
残った梅シロップの梅を美味しく活用しよう!
梅シロップを作ると大量に残ってしまう梅も、様々な使い道があります。甘露煮やジャムにしたり、干し梅や梅ペーストにしておかず作りに役立てたりするのもおすすめです。今回は梅シロップの梅を使ったリメイクレシピも紹介しました。梅は捨てずにリメイクして楽しみましょう。