「口が悪い」の意味
「あの人は口が悪い」「口が悪い○○さん」などとよく言いますが、これにはどんな意味があるのでしょうか。何気なく使っている言葉でも、意味を十分理解していない場合もあるので、詳しく解説します。しかし、意味を見るまでもなく、悪い状態を表現することはおわかりでしょう。いい意味で、「口が悪い」という言葉を使う人はいません。
人の悪口を言う
「口が悪い」という言葉には、2つの意味がありますが、第一の意味は「人の悪口を言う」です。人をあしざまにののしって、自分が優位に立とうとする行為です。そんなことをしても何の得にもなりませんが、「口が悪い」人は悪口をやめられないのです。これは、なかなか直すのが難しい性格ですが、可能なら矯正したほうがいいでしょう。
言い方・言葉が汚い
「口が悪い」のもう一つの意味は、「言い方・言葉が汚い」です。この場合は、特に悪口を言っているのではありませんが、乱暴な言葉や汚い言葉を使い、顰蹙を買っている状態です。このような人は、自分で意識して汚い言葉を使っている場合もありますが、育った環境などによりそれが当たり前になってしまっているケースもあります。
「口が悪い」の類義語
「口が悪い」の類義語を類義語辞典で調べてみると、いくつか載っています。そこに並んだどの類義語も、「口が悪い」の意味をそのまま伝えています。「口が悪い」にしろ類義語にしろ、できればあまり使いたくない言葉ですが、使わざるを得ないこともあるので、意味を勉強しておく必要があります。
口さがない
「口さがない」には、「興味本位に噂をすること」「口うるさく批評すること」などの意味があります。そういう意味では、「口が悪い」の類義語と言えます。「口さがない人」と言えば、その人を褒めているのではなく、欠点を指摘していることになりますが、そのような言われ方はされたくないものです。
毒舌な
「毒舌」とは、「人を批判すること」ですが、単なる批判ではなく、辛らつな言葉を使い、相手の痛いところを攻撃することです。したがって、「口が悪い」の類義語ではありますが、ややニュアンスが違う部分もあります。たとえば、「毒舌家の○○さん」と言えば、悪い意味も含まれますが、少しだけいい意味もあります。
辛口な
「辛口な」とは「評価や批評が手厳しいこと」です。人の批判をする場合も、「辛口」である場合は、かなり遠慮のないものになります。これも「口が悪い」の類義語ですが、やはりニュアンスにおいては少しだけ異なっています。「辛口批評家」と言えば、手厳しい批評をする人ということですが、単に悪口を言う人とは違います。
口汚い
「口汚い」も「口が悪い」の類義語ですが、この場合は悪口を言うというよりは、その言葉遣いに問題がある時の表現になります。「口汚い」とは、「下品な言葉や乱暴な言葉を使う」と言う意味だからです。この「口汚い」人がそばにいると不愉快になりますが、そのような思いを周囲にさせるような言葉遣いをしているのです。
口うるさい
類義語としては、少し意味が離れますが、「口うるさい」を「口が悪い」の類義語にしてもいいでしょう。「口うるさい」や「口やかましい」は、「ちょっとしたことにも文句を言う様子」を示しています。悪口を言うというほどではありませんが、あれこれやかましく批判をしている様子がうかがえる類義語です。
口が悪い人の特徴
「口が悪い」の意味や類義語を勉強したので、今度はその特徴を見てみましょう。口が悪い人には、普通人と違った特徴があります。その特徴を一つ一つ見ていきますが、もし自分に当てはまる特徴があるようなら要注意です。人から「あの人は口が悪い」と言われているかもしれないからで、その場合は性格を直す必要があります。
ガサツ
口が悪い人の中には、ガサツという特徴を持った人がいます、ガサツな人は細かいことに対する気配りができないので、ついつい人の悪口を言ったり、乱暴な言葉遣いをしたりしてしまいます。しかし、腹を割って話し合ってみると、意外にいい人である場合も多く、外見と内面にギャップがあります。
ノリがいい
その場その場のノリで、人の悪口を言ったり、荒々し言葉を使ったりする人もいます。それも口が悪いということになりますが、ノリによるものだけについつい行き過ぎてしまうということでしょう。そういう人は、普段は意外に落ち着いて話をし、必ずしも口が悪いという状態にはなりません。
上から目線
上から目線で物を見るという特徴を持った人も、口が悪くなりやすいです。何事も自分のほうが上で、ほかの人がおろかに見える場合、悪口を言ったり、強い言葉で批判したりして、自分の優位さを示そうとします。しかし、そのような特徴を持った人こそ、批判されるべきであり、決して褒められる性格ではありません。
無神経
ただ単に無神経だから口が悪いと言う人もいます。そのような特徴を持った人は、細かいことへ神経が行き届かず、平気で人の悪口を言ったり、乱暴な言葉を使ったりします。ある意味鈍感なのですが、悪口を言われたり、乱暴な言葉を使われたりしたほうは気分がよくありません。このような特徴を持った人は、周囲に迷惑を掛けます。
自信がない
自分に自信がない人も、口が悪くなる場合があります。自分に自信がない人は、人を批判したり、荒っぽい言葉を使ったりして、虚勢を張りたがります。それで自分を強く見せようとするのですが、それは強がりにすぎないので、周りの人も本人の弱さに気づくこともあります。ただ、このような特徴を持った人の性格を直すのは簡単ではありません。
気が強い
口が悪い人の中には、かなり気が強い人がいます。その性格の特徴を表すように、激しく人を批判したり、乱暴な口調で話をしたりします。時にはけんか腰になる場合もあるので、このような人は扱いに苦労します。気が強くても、言葉は柔らかいという人もいますが、気が強くて言葉使いが荒い人は性格によるものなのか、矯正が難しいです。
人の欠点ばかりに目をやる
人の欠点は意外に目につくものですが、口が悪い人は、その欠点ばかりに目をやります。そして、厳しく批判をするのです。確かに人の欠点を見たら、批判をしたくなるものですが、人間誰しも欠点はあります。自分にもあります。それを考えたら、あまり批判ばかりするべきではありませんが、口が悪い人は、どうしてもそうなってしまうのです。
人の話を聞いていない人もいる
人の悪口を言いたがる口が悪い人は、自分の言い分ばかりを言い、人の話や意見を聞いていないことがあります。そのような特徴を持った人は、自分の不満や気に入らない点だけを主張できればいいと考えて、悪口を言い続けます。このような人と一緒にいると気分が悪いものですが、周りの気持ちなどにも無頓着です。
ひねくれている
人の悪口が好き、乱暴な言葉で話すと気持ちがいいという口が悪い人は、性格的に素直ではありません。ひねくれているということであり、他人を悪く見る傾向があります。これは性格の特徴によるものなので、直すのが難しいですが、そのような人相手だと周りの人も苦労するでしょう。
育ってきた環境がよくない
口が悪いことと育ってきた環境には大きな繋がりがあります。育ってきた環境や親のしつけが悪いと、口が悪い人間になってしまいます。人間はさまざまな影響のもとに生きていますが、環境が悪いと、自然に悪い言葉も覚え、言葉遣いも荒っぽくなります。それを大人になってから直すのは大変です。
職業柄やむを得ない
職業によっては、かなり乱暴な口のきき方をする場合があります。ガテン系の仕事などです。もちろん、すべてがすべてというわけではありません。しかし、きつい言い方をするのが当たり前になっている職業もあるのです。そのような職場で仕事をしていると、どうしても口が悪い人になってしまいますが、これはやむを得ない部分もあります。
口が悪い人の心理
口が悪い人の特徴がわかったので、今度は心理状態について検証してみましょう。口が悪い人は、心理状態においても通常とは違っています。普通の人なら、そんなに人の悪口を言ったり、汚い言葉遣いをしたりしません。しかし、口が悪い人はどうしてもそうなってしまうのですが、それがいかなる心理状態によるものか見てみましょう。
思ったことを話しているだけ
口が悪い人は、特に何も考えずに思ったことを話しているだけとも言えます。他人の欠点や非をあげつらうのですが、その場合に遠慮もなく、ただずけずけと指摘していきます。言われるほうとしては堪らないものがありますが、そんなことへの気遣いはありません。自分の心に浮かんだことをしゃべるだけという心理が働いているのです。
ストレスが溜まっている
ストレスが溜まっている時に、ついつい口が悪くなる人がいます。ストレスの発散方法として、人の悪口を言ったり、汚い言葉遣いをしているのですが、ストレスというものは一時的なものも多いので、そのような心理状態の人は、時間が経過すれば普通の言葉遣いになったり、悪口を言うのをやめたりします。
相手に心を開いている
自分の心を相手に開いているために、口が悪くなる人もいます。心を開くという心理状態は、自分のありのままの姿を示している状態とも言え、ストレートな物言いになってしまうのです。ただ、ありのままの姿でも言葉遣いが汚くならない人もいますが、口が悪い人はどうしても、悪口が口をついたり、乱暴な言葉遣いになったりしてしまうのです。
自分が正しいと思っている
自分が正しいと思う心理状態では、人の悪口を言ったり、横柄な口のきき方をしたりする場合があります。そのような心理の人は、自分が正しいから人は間違っていると考えて、このような態度を取るのですが、それは独善的な考えによるものです。自分は正しいかもしれませんが、人も正しいということもあるのです。
虚勢を張りたい
人前でいいところを見せて威張りたいという心理の人がいます。虚勢を張りたがるということですが、そのような心理状態でも、口が悪くなる場合があります。人を批判したり、荒っぽい口のきき方をしたりして、空威張りするのです。しかし、そんなことをしても中身はないので、人の信用は得られません。
人気者になりたい
口が悪いの類義語は、「毒舌」ですが、この類義語には肯定的な意味も少し含まれています。したがって、毒舌キャラと言えば、毒舌を売り物にしているキャラクターを指し、いい意味もあります。このような毒舌キャラを演じて、人気者になりたいという心理が働いている人もいます。あえて人の批判をして、自分を売り込んでみようという心理です。
いつも通り話している
特別な心理状態ではなく、普段通り話しているだけで、口が悪い人もいます。本来の性格なのか、人の悪口を言ったり、汚い言葉遣いをしたりするのが当たり前になっている人です。このような人は、心理状態がどうであれそれが普通になっているので直すのが非常に難しいですが、努力して改善しないと、お付き合いしてくれる人がいなくなってしまいます。
後ろめたいことを隠している
後ろめたいことを隠している人は、口が悪くなる場合があります。乱暴な口のきき方をして、ごまかそうとしているのですが、このような人は普段はそれほど口が汚くありません。現在どうしても隠さなければいけないことがあって、それがバレるのが嫌だから、予防線を張っているのだと言えるでしょう。
相手に親しみを感じているから
相手に親しみを感じている場合、ついつい人の批判を連発したり、荒っぽい口のきき方をしたりすることがあります。そのような人は、フォーマルな場面では、礼儀正しい言葉遣いをするのですが、いったん気が緩むと羽目を外します。それが口が悪い状態となって表れるのですが、親しき仲にも礼儀ありという言葉を思い出す必要があります。
口が悪い人の印象
ここからは、口が悪い人が周囲にどのような印象を与えているかを考えてみましょう。口が悪い人は、すぐ人の悪口を言う、汚い言葉遣いをするという特徴がありますが、その印象は決していいものではありません。そのような人がそばにいれば、いい気持ちはしないし、できればお付き合いをしたくなと思う人も多いでしょう。
品がない
口が悪い人は、品がありません。むやみやたらと人の悪口を言い、汚い言葉遣いをする口が悪い人は、センスに欠け、上品さも感じられず、下劣です。他人から見ても、この印象はぬぐえず、悪い人だと見られてしまいます。したがって、口が悪い人は、品性を磨き、その性格を直すように努力しなければいけません。
TPOがわからない
口が悪い人は、TPOがわからない人だと思われています。人は、時と場所に応じた振る舞いや言動を求められますが、それがわからない口が悪い人は、どこでもいつでも人の悪口を言い、汚い言葉遣いをします。そのような人は、嫌われるようになり、だれからも付き合いをしてもらえなくなります。
知性が欠けているように見える
知性のある人は、人をむやみに批判したり、汚い言葉遣いをしたりはしません。したがって、その対極に位置する口が悪い人は、知性に欠けた人だと見られています。品性もなければ知性もないではどうしようもありませんが、そのように見られるのが嫌なら、少しでも自分の性格を直すようにしたほうがいいでしょう。
勘違いしている
口が悪いことを、格好がよいことのように思っている人がいます。乱暴な言葉遣いをすれば、男らしさが増すと考え、わざとそういう話し方をするのですが、それは勘違い以外の何物でもありません。乱暴な言葉遣いは、決してよい印象では受け取られず、品性が卑しい人だと思われます。このような勘違いを早く解消しないと、口が悪い状態が続きます。
口が悪い人が口の悪さを直す方法
口が悪いというのは、病気ではないので、お医者さんで治療するというわけにはいきませんが、自分の努力でどうにでもなります。そこで、具体的に口の悪いのを直す方法を見ていきましょう。その方法は決して難しくはないので、だれもが実践可能です。もし自分の口の悪さを気にしているのなら、早速これらの直す方法を試してください。
ゆっくり話す
口が悪い人は、早口になりがちです。人を批判するのでも、汚い言葉を使うのでも、時間をかけてかみ砕きながら話すということはありません。そこで、おすすめの口が悪いのを直す方法が、ゆっくり話すです。ゆっくり話せば、人の悪口を言うのも面倒くさくなるし、言葉遣いも丁寧になりやすいです。
話す前にワンテンポおく
話す前にワンテンポ置くというのも、効果的な口の悪いのを直す方法です。ワンテンポ置くことによって、ふと我に返り、人の悪口を言いたくもなくなるし、汚い言葉遣いも使いたくなくなります。ほんの一瞬のことですが、ワンテンポがあることで、考え直す時間が生まれるのです。口が悪い人は、ぜひ一度試してみてください。
自分を客観的に見る
口が悪い人は、一度自分を客観的に見る練習をしてみましょう。冷静になって自分を振り返ってみれば、人の悪口を言ったり、汚い言葉遣いをしていたりすることに気づくはずです。この気づくということが、口が悪い状態を直す第一歩なのです。いったん気づけば、意外に早く直すことができるでしょう。
会話から離れる
会話が進行し、イライラが募ってきた場合は、つい人の悪口を言ったり、汚い言葉を使ったりします。そこで、そのような状態に陥りそうになったら、会話から離れてみるのもいい方法です。少し冷静になって、自分の暴走を止めるのです。そうなれば、口の悪い人と思われず、自分の欠点をうまく直すことができます。
丁寧な言葉遣いを身に付ける
口が悪いという性格は、持って生まれたものだとあきらめている人がいるかもしれませんが、地道な努力をすれば直すことができます。その地道な努力とは、日ごろから意識して、丁寧な言葉を使うようにすることです。と言っても、時にはうまく行かず、言葉を荒げてしまう場合もあるでしょうが、気を落とさずに努力を続ければ、うまく直すことができます。
口が悪い人との付き合い方
口が悪い人とどのような付き合い方をすればいいのかは、難しい問題です。付き合い方によっては、口が悪い人の影響もろに被り、嫌な気分にもなります。したがって、上手な付き合い方をする必要がありますが、そのコツをお教えしましょう。それがわかれば、口が悪い人との付き合いでも、少しは気が楽になるでしょう。
聞き流す
まず、最初の口が悪い人との付き合い方でおすすめなのは、口が悪い人が悪口を言ったり、汚い言葉を使ったりしたときに聞き流すことです。適当に相槌を打ちながら、あまり真剣には聞き入れず、相手に話すだけ話をさせてみましょう。そのような付き合い方をすれば、相手も傷つけず、自分も嫌な思いをあまりせずに済みます。
会話しないようにする
口が悪い人とは会話を避けるという付き合い方もあります。少し冷たいようですが、口が悪い人と付き合いを重ねていくと、自分が参ってしまう場合もあるので、接触をしないようにするのです。ただ、この付き合い方がうまく行くとは限りません。いくら相手を避けようとしても、寄ってくる場合もあるからです。
ひどすぎる場合は周りに相談
口が悪い人と言っても、程度の問題があります。それほどひどくなければ、聞き流すということもできるでしょうが、度を超えている場合は、そのような付き合い方では済まないケースもあります。そのような場合は、上司(上司が相手ならその上の上司)、パワハラの専門家などに相談するのも一つの手です。
言い負かされないようにする
口が悪い人の言いなりになっているのもよくありません。人の悪口や汚い言葉が嫌なら、言い負かされないようにきっぱりと自己主張をしてみるのもいい方法です。そのような態度に出ると、相手も気が引けてしまい、口が悪い状態を直すように努力するかもしれません。そうならなくても、その人の前では遠慮するようになるでしょう。
口が悪いかどうかの診断方法
自分が口が悪いかどうかの簡単な診断方法があるので、見ておきましょう。「人の悪口が好き」「思ったことをついストレートに言ってしまう」「汚い言葉を使いがち」「人を見下すような言葉遣いをしてしまう」「品のない奴だと言われる」「ガサツな性格だと思われている」などのうち一つでも当てはまる人は、注意しましょう。
口が悪い人の汚い言葉は周りを不快にさせる!
ここまで、「口が悪い」の意味や類義語、口が悪い人の特徴や心理、印象、直す方法などについて解説しました。口が悪い人には特有の特徴と心理がありますが、決して人からよく思われることはなく、他人を不快にさせます。したがって、もし自分に口が悪いという自覚がある人は、直すように全力で努力しましょう。