年収1000万円の生活レベル
「年収1000万円」の生活レベルとは、一般的に所謂「高給取りの代名詞」と言っても良いでしょう。年収1000万円というのは、頑張れば学歴や家柄など関係なく到達できそうだと一般的には考えられているようです。しかし、独身で一人で1000万円以上稼ぐことと、共働きのような世帯レベルで1000万円稼ぐのでかなり違いがあります。
ここでは、年収1000万円の生活レベルを、世帯年収が1000万円の生活するケースと、独身で年収1000万円の生活をするケースにそれぞれ分けて、どの様な生活なのかを説明していきます。
世帯年収が1000万円の生活
平成29年度の厚生労働省の統計データでは世帯年収が1000万円以上の世帯は、人口の上位12.6%に属しているというものがあります。日本の約8世帯に1世帯は年収1000万円以上の生活をしているということになります。地域別に見ると、最も多いのが東京都、次に神奈川県、そして福井県、愛知県、富山県と続いています。
こうした統計上のデータを見ると、世帯年収が1000万円の生活というのはそれほど夢のような話ではないように思えると言って良いでしょう。
独身で年収1000万円の生活
逆に、独身で年収1000万円の生活のは全体の僅か4.5%、約22人に一人の独身者が、年収1000万円の生活をしている計算になります。やはり、一人で年収1000万円以上稼ぐのはかなり大変で稀なケースだと言えるでしょう。ただ独身で一人で年収1000万円稼ぐと、稼いだお金は全て自分のお判断で使うことができる大きなメリットがあります。
世帯年収1000万円の生活費の内訳
世帯年収1000万円の生活費の内訳はどのような内訳が一般的なのかを説明していきます。また、後述で詳しく説明しますが、この場合の年収1000万円というのはあくまで額面上の年収になります。実際は、ここから税金や社会保険料が控除され、実際の手取り年収は約720万円ほどになり、月の手取りに換算すると、手取りで約60万円前後になります。
ここで、一般的な世帯年収1000万円の生活のキャッシュフローを参考に見てみましょう。月の手取りが約52万円で、その他に年間で約105万円のボーナスの支給があるという設定にします。
食費に約9万円、住居費に約10.5万円、光熱・水道費に約2.5万円、家具・家事用品に約1.3万円、被服及び履物に約1.3万円、医療費に約1.5万円、交通・通信費に約5万円、養育費に1.3万円、教養娯楽・その他に約10万円、そして残りの約10万円を貯金に回します。この様な内訳が、一般的な世帯年収1000万円の生活費の一例として考えられます。
1人暮らしをする年収1000万円の生活費
先述、額面年収1000万円の単身者の手取り月給は60万円と記しました。この金額を多いか少ないかと感じるのは人それぞれですが、一般的に一人で月60万円を自由に使えるのは、かなり恵まれていると言って良いでしょう。この60万円から、家賃、水道光熱費や通信費、または貯金する為のお金を差し引いた金額を自由に使えるということになります。
1R~1LDKの間取りで家賃は10万円前後
1人暮らしの場合、家賃は10万前後の1R~1LDKの物件で十分と言えるでしょう。一般的に家賃は月の手取りの1/3以下が理想などと言われていますが、独身で家賃15万~20万円程のマンションに住むのは少し不経済だと言えるでしょう。家賃は抑えて、自分への投資や、将来を見据えて貯金などにお金を使った方がより効果的な使い方だと言えるでしょう。
節約を心掛けて、将来の為にできるだけ貯金をしたいと思うタイプの人であれば、家賃を抑え、家賃と水道・光熱費・通信費を合わせて15万円以内で十分生活して、且つ食費や交際費もそこそこに節約しながら生活していけば、毎月約30万円前後、貯金に回すことも可能です。仮に毎月30万円貯金できれば、年間で360万円貯金できることになります。
しかし皆が皆、月の手取り額の半分をに貯金に回せるものではありません。年収1000万円あれば、それなりに娯楽・交際費の為にお金を使いますし、自分への投資も惜しまない人も少なくないのが現状です。
ここで年収1000万円で独身者の一般的な生活費の振り分けを見てみましょう。月の手取り額は約52万円という設定です。まず、家賃に10万円、食費に8万円、水道・光熱費に約2万円、家具・家事用品・洋服などに約3万円、医療費に約1.5万円、交通・通信費に約4万円、教育・娯楽・その他に約11万円、そして残りの約13万円を貯金に回しています。
独身者での年収1000万円の生活に於いて、一か月のキャッシュフローとしてはこういった例が一般的だと言えるでしょう。
夫婦2人以上で暮らす年収1000万円の生活費
年収1000万円で、夫婦2人以上で生活するケースはどうでしょう。子供がいる場合は、場所にもよりますが、都心から少し離れれば、家賃10万円~13万円程でかなり良い条件の賃貸物件に住めると言えるでしょう。また、場合によってはローンを組んだりして、不動産を購入するのも選択肢の一つだと言えるでしょう。
子供の教育に投資する余裕がある
年収1000万円あれば、それほど気を遣って節約する必要もなくなり、必要な物にはそれなりにお金を掛けることができて、尚且つ、子供に好きな習い事をさせたり、場合によっては将来的に子供を私立の大学に通わせることも可能だと言えるでしょう。従って世帯年収が1000万円あれば、十分に子供の教育に投資することもできると言えるでしょう。
年収1000万円の家賃平均はいくら?
実際のところ、統計上での年収1000万円世帯の住む家賃の相場はいくら位なのでしょうか?冒頭にも記した通り、年収1000万円は「高給取りの代名詞」といってもいい位の稼ぎだと一般的には考えられていますが、意外にも年収1000万円世帯の平均家賃は皆が想像しているような家賃ではないのが現状です。
年収1000万円の家賃平均
年収1000万円の人が借りる物件はイメージとしては、都心のタワーマンションのようなイメージがあると思われがちですが、国民生活基礎調査が行った調査では、年収1000万円の人が借りる賃貸物件の平均価格は約10万円くらいだという調査結果があります。但し、年収1000万円ともなると会社から家賃手当のような手当が支給されるケースも多いようです。
家賃手当は5万円程度が相場なので、実際の家賃として7万円程払い、それに家賃手当をプラスし実際は12万円~13万円の物件に住むケース多いという調査結果があります
都心から離れた場所に住む場合が多い
年収1000万円の世帯で夫婦と子供二人などで住む場合も、平均の家賃は変わりませんが、但し、物件の大きさを重視する為、都心から少し離れた場所に住む場合が多いようです。また物件を購入する場合は、年収1000万円の場合、平均約5000万円程の別件を購入するケースが多いようです。
住宅ローンは手取り月収で賄える範囲で
支払い方の内訳は、2000万円を自己資金で賄い、残りの3000万円を住宅ローンな、支払うケースが最もよくあるパターンです。例えば、現在の住宅ローンは非常に金利が低いので、支払いに含まない前提で30000万円の住宅ローンを20年で返済すると考えると、月々の支払いは12万5千円になり、手取り月収の範囲内で十分賄えると言えるでしょう。
こうして様々な観点から世帯年収1000万円の生活を分析してみると、やはり年収が高額な分、税金や社会保険などの控除額も多くなり、実際の手取り額は意外と少ない為、物凄く裕福な生活をしているとは言い難く、また年収が高いが故に、児童手当などの手当ても貰えず、実際の生活は「一般的な生活より少し余裕がある」程度の生活だと言えるでしょう。
年収1000万円は税金をいくら支払う?
年収1000万円の場合、一体いくら位の税金を支払う必要があり、また税金を払った後の手取り額はいくら位になるのでしょうか?まずは額面年収1000万円の場合、基礎控除、給与所得控除、社会保険料の支払額が控除され、その金額から所得税と住民税といった税金を差し引いた金額が、額面年収1000万円の手取り額になります。
お給料から控除される、基礎控除や給与所得控除というものはどのようなものか、またそれらの金額を決める計算方法なども一緒に紹介します。
税金は課税所得と控除額を算出
前述のように、年収1000万円にかかる税金を正しく把握するには、額面年収から控除される金額を計算する必要があります。まず、給与所得控除ですが、これは年収によって計算方法が異なり、且つ計算方法も複雑です。そして次に基礎控除ですが、全ての納税者に適用される一定の金額の控除を指します。
社会保険料も控除の対象になります。社会保険料も年収が高くなればなるほど支払う金額も上がっていきます。その他にも、地震対策に備える為の「地震保険料控除」や寄附・募金活動を行った際に適用できる「寄付金控除など」控除される可能性があるものは色々とあるのですが、ここではより分かり易くするために割愛します。
給与所得控除
まず給与所得控除についてですが、給与所得控除が存在する意味は主に二つあり、一つは個人事業主と一般の会社員との公平性を保つために存在します。個人事業主は、単純に売上から経費を差し引くことによって所得を計算することができますが、一般の会社員は、例えば会社に来ていくスーツや靴、または会社で使用する筆記用具などの経費が掛かります。
しかし経理をする人間としては、それら一つ一つの経費を計算していくには膨大な時間を要する為に、従業員の給与所得控除の計算を簡易化する必要があり、そこでできたのが給与所得控除です。給与所得控除の額は年収ごとに異なりますが年収1000万円の場合は、額面年収×10%+120万円という計算方法で220万円ということが分かります。
因みに年収が1200万円を超えると給与所得控除は適用されません。また、来年の2020年からは法改正が実施され、年収850万円の控除額の上限が195万円となり、年収1000万円以上になると控除額の上限が220万円になるという変更があるので、年収850万円以上の方々は事前に給与所得控除がどれくらい軽減されるのか計算しておくと良いでしょう。
基礎控除
基礎控除とは、全ての納税者に対して全ての無条件で額面年収から差し引くことのできる一定の金額のことを指します。基礎控除の金額は、職種、年収の額などに関係なく、所得税の基礎控除として38万が控除され、また住民税の基礎控除として33万円が額面年収から控除されます。
この金額も来年の2020年からは、法改正の実施により住民税の所得税が10万円増額され、38万円から48万円に引き上げられます。
社会保険料
社会保険料の支払額も控除の対象となります。社会保険の種類にはいろいろありますが、ここでは最も一般的な国民年金保険料、厚生年金保険料、健康保険、雇用保険の4つを控除の対象にします。その他にも、被災労働者や遺族を守る「労災保険」や、65歳以上を対象にした高齢者向けの「介護保険」も社会保険の一つです。
社会保険料の金額の計算方法は、各社会保険の種類によって定められた本人負担の保険料率というものがあり、それらの支払い比率を全て足した数字×1000万が控除の対象となる金額になります。この場合、厚生年金の本人負担が9.15%、健康保険料の本人負担が4.95%、そして雇用保険料の本人負担が0.30%になりそれらを足した数字が14.40%です。
従って、年収1000万円の社会保険料に於ける控除額は1000万×0.144(14.40%)なので144万円となります。
税金の課税額から年収1000万円の手取りを計算
年収1000万円の手取り額を把握する為に、ポイントとなる税金に対しての控除の計算は前述の方法によって求めることができます。次に必要になるのが課税所得の計算です。課税所得とは「税金の対象になる所得」のことを指します。簡単に説明すると、総所得金額から所得控除を差し引いた金額が課税所得になります。
年収1000万円の税金(所得税)を計算
まず、1000万円の所得に対する所得税の計算方法を説明します。所得税を求める場合、その前に課税所得を計算する必要があります。課税所得の計算方法は、1000万から所得税控除額の合計(所得税に対する基礎控除+給与所得控除+社会保険料控除)を引いた金額になります。所得税控除額の合計は前述で既に計算した金額になります。
従って計算式は1000万円-(所得税に対する基礎控除38万円+給与所得控除220万円+社会保険料控除144万)なので、「1000万円-402万円=598万円」という計算式が成り立ち、所得税を計算する際の課税所得は598万円であることが分かりました。
所得税の税率は課税所得金額に応じて異なります。課税所得598万円は、課税所得金額が330万~695万円のカテゴリーにあてはまり、このカテゴリーの税率は20%で控除額は427,500円になります。従って、税所得598万円×0.2-控除額427,500円=76万8,500円という計算方法で所得税は「76万8,500万円」であることが分かりました。
年収1000万円の税金(住民税)を計算
続いて、年収1000万円に対する住民税の計算方法ですが、住民税の計算方法は先程の所得税のものとは全く異なります。住民税の金額を求めるには「所得割」と「均等割」の数字を初めに求める必要があります。「所得割」とは住民税の計算の基本となる税率で、基本的に全国一律で10%前後ですが、地域によって若干異なります。
また「均等割」とは全ての住民一律に、一定額の税金を課すという制度で、こちらは年収には関係なくその地域に住む全ての住民に支払い義務があります。「均等割」の金額は基本的に5,000円前後ですが、こちらも「所得割」と同じく地域によって若干差があります。
ここでは、一つの例として明確な数字を出すために「東京都新宿区」に住んでいる年収1000万円の会社員と仮定して、実際の住民税の額を計算してみます。東京都新宿区の均等割額は特別区民税と都民税の二つに分かれていて特別区民税は3,500円で都民税が1,500円で合計5,000円が均等割額になります。
そして、東京都新宿区の「所得割」は一般の会社員の場合、特別区民税が5.4%、そして都民税が3.6%に設定されており、合計で所得割は9%だということが分かります。これらの数字は基本的に各自治体のホームページなどに必ず記載されているものなので、興味のある方は自分の住んでいる地域の「所得割」と「均等割」の数字を調べてみるのもいいでしょう。
これで、東京都新宿区の所得割は9%で、均等割額が5,000円だということが分かりました。次に「調整控除」の数字を求める必要があります。「調整控除」とは、「国から地方へ税源が移譲したことによって生じる個人市民税、県民税、また所得税の人的控除の差額によって発生する負担の増加を調整する為の控除」を指します。
計算方法は年収・地域ごとに異なり非常に複雑なものになる上、大抵のケースが2,500円未満で2500円未満の場合は、仮に2,000円でも1,500円でも2,500円として計算されますので、正確な計算方法は割愛させていただきます。これで東京都新宿区の住民税の計算に必要な「課税所得」「所得割」「均等割」そして「調整控除」が全て分かりました。
住民税の計算式は、課税所得603万円×0.09+均等割5000円-調整控除2500円によって答えが導かれ、この計算式を解くと545,200円になり、年収1000万円で、住まいが東京都新宿区の場合住民税は545,200円だということが分かります。
税金から手取り額の算出
それでは最後に年収1000万円の税引き後の実際の手取り金額を計算してみましょう。計算方法は、「額面年収-所得税-住民税-社会保険料」となります。今回の例で計算すると「額面年収1000万円-所得税768,500円-住民税545,200円-社会保険料1,440,000円」となり手取りの年収は「7,246,300円」であるということが分かります。
税金の金額は年収によってかなり変わる
額面年収に対し、実際の手取り年収が約725万円ということは、約27.5%が税金と社会保険料として、支払われているという事になります。更に詳しく分析すると、所得税に関しては約7.6%、そして住民税が約5.4%、そして社会保険料が約14.4%の割合になります。この中で実際に税金と言えるのは所得税と住民税で、社会保険料は税金ではありません。
従って、所謂「高給取り」と言われる、年収1000万円の人達が税金として納めているのは所得税と住民税を合計した約130万円で割合にすると約13%になります。この数字を高いと捉えるか、低いと捉えるかは人それぞれです。しかしこれはあくまで年収1000万円のケースです。
例として、年収が仮に5000万円だと、所得税だけでも約2000万円、つまり額面年収の40%支払う必要があります。年収1000万円でも、社会保険料は実質強制加入の為、ほぼ税金のようなものと捉えている人も少なくないので、やはり「手取り額の30%近くが税金で持っていかれる」という感覚の人は少なくないと言えるでしょう。
年収1000万円の貯金額や手取りについて
先述で年収1000万円の手取り年収は約725万円であるという説明をしました。この数字を12で割ると約60万円になります。つまり毎月の手取りの収入が60万円ということになります。そのような人たちの貯金事情はどうなっているのでしょうか?毎月の収入の60万円をどのように使っているケースが多いのかを説明します。
年収1000万円のボーナスと平均貯金額
年収1000万円の人々のボーナスはどれくらいのものなのでしょうか?30代から50代の年収が1000万円以上1100万円未満の会社員の男女400人を対象に行った最新のアンケートでは、昨年(2018年)の夏のボーナスの平均金額は約130万円でした。そしてそのボーナスの使い道に関して1位は「貯金」でした。
やはり年収1000万円稼ぐ人は、将来やいざという時の為に、稼いだお金の大半を貯金に回すという、堅実で無茶な投資などを行わない傾向にあるようです。ただ、一方で政府統計の家計調査によると貯金額には非常にバラツキがあり、4000万円以上から100万円以下まで分布しています。やはり人によっては貯金が苦手な人もいるようです。
貯金額の目安として、自分の年収の2年分から1年分が適切だと考えている人が多く見られ、平均貯金額で最も多く回答されたのが2000万円から2500万円で、その次が1000万円から1500万円でした。しかしその一方で年収が1000万円あるにも関わらず貯金がゼロと回答した人が2割もいました。
このような人たちは、貯金する習慣がなく、年収が上がるにつれて、自らの生活レベルもどんどん上げてしまい、稀なケースですが、中には借金までして、高い水準の生活レベルを求めている人もいるのも事実です。
年収1000万円の手取りや貯金額を業界別に調査
年収1000万円を実現しやすい業界と言ったらどのような業界が一番可能性があると言えるでしょう。当然その会社の規模などにもよりますが、考えられる職種として、パイロット、医者、国会議員、弁護士、外資系コンサルタントなどといった専門的な技術が求められる業界が多いと言えるでしょう。
ここでは実際に年収1000万円稼いでいる、二つの違った業界で働いている社員を例として、実際の手取り額や、貯金額または仕事に対しての満足感などを参考にしていろいろと考えてみましょう。
手取り・貯金額①企業規模が5000人以上(金融)
1人目の例として企業規模が5000人以上の銀行で営業職として働いている、36歳の男性を例に挙げてみましょう。実際に給与明細を見て見ると、基本給約24万円の他に職務手当として約23万円、時間外手当として約20万円支給されています。実際の残業時間は45時間なので、残業時間を時給換算すると約4,500円になります。
反対に支給額から控除されているものとして、やはり所得税・住民税・社会保険などで約20万円程控除されており、実質の月の手取り額は約47万円となっています。しかしボーナスとして、年間を通して約254万円ほど支給されています。貯金や投資などにも積極的で約5000万円の住宅や不動産を保有しており、貯金額も500万円程あります。
週休二日制が守られており、仕事への不満も特にない様子です。正に理想の年収1000万円稼ぐ社員といっていいでしょう。
手取り・貯金額②企業規模が500~999人(流通)
次に、流通業界で店長を務めている46歳の年収1000万円の女性の例を見てみましょう。この女性の給与明細は非常にシンプルで基本給が約64万円で交通費が約15,000円支給されています。但しこの基本給にはみなし残業としての20時間分の残業代が織り込まれています。しかし実際は自分の裁量で帰れるので、仕事への満足度は非常に高いようです。
給与の控除額も先程の男性と内容はほぼ同じですが、控除されている金額は約18万円で先程の男性より2万円程安くなっています。給与の支給額から税金と社会保険が引かれて月の手取りは約48万円ですが、やはりボーナスが年間で約192万円支給されています。
また預貯金や投資などもしっかりとしていて、700万円分の不動産と投資に加え、350万円程の貯金があります。
年収1000万円に対し日本人の平均年収はどのくらい?
ここまで年収1000万円の生活レベルや、支払うべき税金、または家賃などの説明をしてきましたが、実際に日本で2019年の最新のデータでは、日本人の平均年収は432万円と発表されています。そして、最も稼いでいる年齢層は男性・女性ともに50代前半で平均年収は男性の場合677万円、女性の場合519万円です。
因みに年収677万円の手取り年収は約520万円前後で、手取り月収は約43万円です。女性の場合では、額面年収が519万円の場合、手取り年収は約385万円ほどで、月の月収にすると約32万円になります。
年収1000万円の手取りは税金額が多い
ここまで年収1000万円の生活について、様々な観点から説明してきましたが、如何でしたでしょうか?やはり、年収が1000万円ともなると、支払うべき税金が高くなり、実際の手取り年収は約725万円になり、そこまで裕福な生活ができる訳ではなく、その為、毎月少しずつでも良いので貯金する習慣を身に着けた方が良いと言えるでしょう。
日本経済は今後、消費税の増税や、少子高齢化により、益々額面年収から控除される税金の金額が増え、その結果手取り年収も減っていく傾向にあり、それに加え諸外国の移民も増えることも予想されます。そのような未来が、比較的高い確率で待っていることが考えられる上で、一番頼りになるのはやはり日々の堅実な節約や貯金だと言えるでしょう。
普段から常に節約や貯金を心掛けながら生活をしていると、その内、節約や貯金が苦にならなく、当たり前のことのように感じるようになると言えるでしょう。
普段から、常にいざというときのリスクマネジメントを考えながら生活するのは、特に家族がいる世帯には大切なことだと言えるでしょう。深刻な有事の際に、本当の助けになるのは、今まで自分自身が預貯金・投資してきた財産と、家族そのもの、であることを意識して認識することが、とても重要だと言えるでしょう。