退職金制度とは?
企業に勤務している方で、退職金のことを知らないという方はほとんどいないのではないでしょうか。退職金は、一定期間同じ企業に継続して勤務することで受領することができる報酬です。サラリーマンの家庭で一生涯のライフプランを考えるうえでとても重要な事項となります。
退職金について、企業を退職したらもらえるという程度の認識は誰でも持っているでしょうが、具体的にどんな計算をされているのか、税金との関連はどんなものがあるのかなど、細かい部分まで理解しているという方は少ないのではないでしょうか。
今回は、退職金について詳しく解説していきます。具体的な金額の計算方法や勤続年数との関連性、退職金を受領してからの運用方法、負荷される税金とそれを回避するための考え方、退職理由による退職金への影響及び計算方法の差異など、具体的に解説していきます。退職前にぜひ参考にしてみてください。
退職金制度のあらまし
退職金制度とは、長期間一企業の為に勤務したその功績を評価され支給される報酬になります。民間企業においては、特に法的に退職金を支給しないといけないといった決まりはありませんが、現実的に多くの企業が退職金を支給しています。逆に、退職金を支給しない会社というのは世間的な評価は非常に下がることになります。
直近の調査結果では、民間企業で退職金制度を導入している企業はおよそ92%となっており、大多数が退職金制度を活用しています。計算方法についてはいくつかの種類がありますが、これも法的な取り決めはないため、企業独自で取り決めた方式がとられています。
退職金制度の種類
退職金制度には、いくつかの種類があります。第一に、退職一時金制度です。これが最もポピュラーな形式です。勤続年数や基本給をベースに算出され、退職時に一括して受領することができる報酬となります。勤続年数が少ないと支給されないことになります。
第二に、確定給付企業年金(DB)が挙げられます。これは、退職金の一部を年金の形で分割して退職後に受領する形式です。一時金でもらうと所得税がかかるケースがありますが、これを回避する意義もあります。企業側で定めた計算で金額が決まります。
第三に、確定拠出型年金(DC)が挙げられます。これは、退職金原資の一部を掛け金として外部機関で運用する形式です。個人の運用成績により、受け取る金額に差が生じます。これ以外にも以前は厚生年金基金という、いわゆる三階部分といわれる年金制度がありましたが、現在は新規設立は禁止されています。
退職金を受け取るための勤続年数
退職金を受け取るためには、一定の期間で継続して同じ企業に勤務する必要があります。いわゆる勤続年数の規定が退職金制度には導入されていますが、どれくらいの期間の勤続年数を経過すれば退職金を受領することができるのでしょうか。
退職金制度は法的な取り決めはないため、最終的には企業独自の取り決めに従って支給されます。ここでは、一般的に多くの企業で摂られている計算方法、勤続年数の考え方について解説していきます。
企業の半数以上が3年以上
退職金を受領できる勤続年数として設定されている事例として、最も多いのが3年以上という規定です。半数以上の企業が、3年以上の勤続年数を経過すると一定の計算に基づいて退職金を支給するという規定を持っています。
ただし、これは自己都合で退職した場合の規定とされています。会社の都合で退職することになった場合は、2年未満の勤続年数機関でも退職金を一時金の形式で支給する企業が多くあります。2年未満の場合、所定の計算の上支給される退職金はそれほど多くはありませんが、やはり受領するべき報酬は手にしておきたいところです。
会社の就業規則を確認しよう
勤続年数の取り決めや基本給との関連など、退職金の支給要件及び計算方法は最終的には企業ごとに定めていいことになっています。したがって、一般的なことを知るよりも自分が勤務している企業の就業規則をチェックする方が話は早いです。
退職を検討している方は、まずは会社の就業規則をチェックして、どれくらいの退職金が支給されるのか、あるいはあとどれくらい勤続年数を重ねたら退職金が支給されるのか、といった確認をあらかじめしておいて、資金的に効率の良い退職ができるようにしてください。
退職金の計算方法
ここでは、退職金の中でも退職一時金に絞って解説します。退職金の計算方法には基本給がベースの方法など、いくつかの種類があります。計算方法をチェックしたい場合は、勤務先の就業規則などを調べると必ず明記されているので、あらかじめ確認しておき、自分がどれくらいの退職金をもらえるのか、試算しておきましょう。
退職金を計算する際の基本的な考え方としては、年功序列を重視したものであるか、業績や実績をベースにした計算方式であるか、あるいは単純に勤続年数だけが判断基準となるか、といったパターンに分類されます。企業ごとに考え方は異なりますので、事前に確認しておいた方がライフプランを考える上で便利です。
計算方法①退職時基本給
退職金の計算方法の一つ目として、退職時基本給というものがあります。これは、退職するときの基本給全額あるいは一部に、自己都合や会社都合等理由により定められた係数を乗じて計算する方式です。基本給は勤続年数が経過しているとある程度自動的に上がっていくので、退職時基本給の方式は年功序列の考え方に近い計算方法といえます。
この退職時基本給という計算方法は、中小企業など規模が比較的小さい企業で採用されているケースが多いです。計算がしやすく、普段の給料で目にしている基本給がベースであるため、ある程度従業員側にも納得してもらいやすい支給方式といえます。
計算方法②別テーブル方式
退職金の計算方法の二つ目として、別テーブル方式という計算方式が挙げられます。これは、役職など等級に対して基準額を定めておき、それに勤続年数ごとに定められた係数を乗じて算出する方式です。退職時基本給との大きな違いは、基本給など賃金とは別の基準をベースに計算されるという点にあります。
この計算方式の意義としては、年功序列よりも業績主義の考え方が色濃く反映されている点にあります。勤続年数が長くなったら一律に退職金が増えるというものではなく、実績の面で会社に貢献した従業員に対して手厚く支給される方式といえます。
計算方法③ポイント制
退職金の計算方法の三つ目として、ポイント制という計算方式が挙げられます。これは、退職金計算に当たり、ポイント当たりの退職金単価が定められており、基本給を含めた様々な要素により付与されるポイントにこの単価を乗じる形で計算される方式です。
このポイント制の意義としては、いろんな要素を退職金支給額に反映させることができるため、年功序列型と業績重視型の中間の性質を持っているといえます。役職や業績により付与されるポイントが多いほど、業績重視の考え方を持っている企業ということになり、企業ごとの特色が強く出てくる部分といえます。
企業規模により傾向がある
どの方式を選択するかは企業ごとの判断にゆだねられていますが、選び方には一定の傾向が見られます。大企業になればなるほどポイント制を利用する企業数の割合が多くなっていきます。逆に中小企業など規模の小さい企業は退職時基本給制度を採用するケースが多くなっています。
企業の規模が大きくなればなるほど年功序列よりも業績を重視する傾向が強くなるということです。どの方式を選択しているかで、基本的な企業としての考え方の一遍を図ることにもつながります。自分が勤務する企業がどの方式を選択しているかチェックしましょう。
計算方法④定額方式
退職金の計算方法の四つ目として、定額方式という計算方法があります。これは、勤続年数ごとに支給される退職金額が明確に定められています。もっとも単純な計算方式で、勤務した年数のみで支給額が左右されるという計算がしやすい方式といえます。
この方式のメリットとしては、計算方法がとても簡便で、楽に計算することができる点が挙げられますが、支給を受ける従業員側としては、モチベーションが上がるものではありません。現実的には、こちらの方式を利用している企業はかなり少なくなってきています。
退職金の計算にかかる月数の端数は?
ここまで、退職金の計算方法などについて説明してきましたが、いずれの計算方法においても必ず必要になるのが勤続年数です。勤続年数を決める際に、例えば年度の途中で退職した場合、退職した最後の年度の月数の端数はどのようにカウントすればいいのでしょうか。
退職金に関する公的な規定がないことからも想像に難くないですが、年度の月の端数の取り扱いは企業によって異なります。端数の扱いによって勤続年数が一年増えるかどうかという瀬戸際ですから、あらかじめ会社の就業規則などを確認しておき、端数月数の扱いがどうなるのか知っておいて損はありません。
たいていの会社は切り上げ計算
退職金の金属年数を計算する際に、年度途中の端数については、多くの企業で切り上げの対応を取っているという調査結果があります。たとえば、4月入社の社員の場合は5月に退職しようが翌2月に退職しようが、退職金にかかる勤続年数は同じという結果になる企業が多いとみられています。
とはいえ、端数処理の切り上げ以外の処理が悪いということはもちろんありません。半年以上勤続した場合にのみ切り上げるという企業も結構あります。企業ごとの特色が出てくる部分ですので、勤務中の企業が端数処理をするのか知っておくべきだと思います。
端数の考え方で大きく支給額が変動する
退職金を考えるうえで、月数の端数のことをあまり気にしないという方も多いかもしれませんが、端数の取扱によって退職金の金額は変動するので、端数の取扱についてないがしろにしない方がいいです。端数の考えた如何で、勤続年数が1年増えるかどうかに影響します。
退職金の計算方法にもよりますが、勤続年数が1年増加するだけで、数十万程度の金額が増える計算にあります。端数が切り上げなのか、切捨てなのか、あるいは一定の月数を超えた端数は切り上げるのか、など企業によって端数の考え方は異なります。
退職する日程を決める前に、ぜひ端数の月数の扱いをチェックしておくことをおすすめします。切り上げの場合なら、新年度を1カ月だけ勤務するだけで端数切り上げ措置を受け、1年分勤続年数が増えることになり、退職金が数十万増加しますので、端数の計算法を考慮することは意外に影響が大きいです。
やめ方で退職金が変わる
退職金の計算を考えるうえで気をつけるべきこととして、退職する理由により金額に影響が及ぶ可能性があることです。会社都合でやめる場合と、自己都合でやめる場合では、会社の規定にもよりますが、一般的には前者の方が金額が大きくなる傾向にあります。
退職金の計算をあらかじめする際には、退職する理由によって金額が変わることがあるのか、会社の就業規則などを確認してチェックしておきましょう。基本給や勤続年数が同じ条件でも、辞める理由により金額が大きく変動する可能性もあります。
自己都合と会社都合
退職金の金額は、退職する理由により変動するように計算される規定を持っている会社がほとんどです。たとえば基本給をベースに計算される企業では、基本給に勤続年数を乗じて退職金を算出しますが、これに自己都合の場合は一定の割引率を乗じて最終的な金額とするケースが多くなっています。
定年退職で得られる退職金は、自己都合で退職する場合に比べて格段に高くなるケースが多いです。また、定年退職の場合は勤続年数が20年を超えているケースが多いので、税金面での優遇措置が受けられる場合が多く、実質的な受取金額が大きくなる傾向にあります。
退職金の相場はどれくらいか
一般的な退職金の相場とはどれくらいなのでしょうか。各種機関が調査した、勤続年数30年を前提とした平均支給金額の結果が公表されているので紹介します。中小企業の場合は会社都合では約769万円、定年による場合は約1016万円です。
大企業の場合は、会社都合による場合は約1804万円、定年による場合は約2358万円という結果になっています。民間企業の場合は、定年退職に対する評価が高いことがうかがえます。加えて、国家公務員の場合、応募認定退職(民間の会社都合に相当)による場合は約3076万円、定年による場合は約2408万円という結果になっています。
退職金にかかる税金
退職金は、一生涯で得られる収入のなかでも大きなウエイトを占めるので、ライフプランを考えるうえで重要な要素となりますが、高額となることで同時に考えないといけないのが税金の負担です。一時金として受領する場合、一定の計算に基づいて所得税が課せられることになっています。
しかしながら、退職金に限定して適用される大きな優遇制度もあります。金額の上限などが定められているので、退職金を受け取る前、あるいは受け取る形式を考える前に、税金の計算方法について理解をしておきましょう。
退職所得控除とは?
退職金にかかる税金を計算する際に、大きな優遇措置となるのが、退職所得控除です。これは、長年同じ会社に貢献した報酬である退職金に高い税金負担を強いるのは趣旨に反しているとの判断から適用される控除制度で、影響の大きな措置といえます。
通常、会社担当者から案内がありますが、所定の書式で申告をする必要があります。これを漏らしてしまうと退職所得控除が受けられないことになるので、必ず提出しましょう。会社の担当者に提出することで、手続きをしてくれます。
控除額の計算方法
退職所得控除の計算方法は、大きく分けて勤続年数が20年以下か、20年を超えているかによって異なってきます。もちろん、勤続年数が長くなればなるほど控除額も大きくなります。具体的な計算方法は後述しますが、80万円という最低保証もあるため、幅広く優遇が受けられる制度になっています。
あらかじめ退職金として得られる金額を計算する際に、税金負担は大きな要素となるため、もれなく計算に加えて正しい受取額を試算できるようにしておきましょう。
退職所得の受給に関する申告書の重要性
退職金を受給した際に必ず行っておきたいのが、「退職所得の受給に関する申告書」です。これを提出することで、退職所得控除という税金面での優遇措置を受けることができるようになります。もしこれを提出しないと、相当大きな税金金額負担を強いられることになります。原則は提出することになっていますが、漏れの無いよう必ず提出しましょう。
提出が原則となっているため、通常は支給側である企業の担当者から案内がありますが、万一担当者の方が忘れていることも考えられるので、「退職所得の受給に関する申告書」は必ず提出しないといけないと認識しておくことは重要です。
退職金の「所得控除」の計算方法
退職所得控除を算出する方法は、国税庁が公式の方式を提供してくれていますので参考にしてみてください。勤続年数が20年以下か超過しているかで大きく計算方法が区分されます。
勤続年数20年以下の場合は、80万円×勤続年数(80万円に満たない場合は80万円が適用)となります。20年を超過している場合は、800万円+70万円×(勤続年数−20年)となります。
上記以外の例外措置が存在します。第一に、退職の原因が障害者になった場合です。第二に、複数の勤務先から同年度に退職金を受給した場合です。個別の対応を求められる可能性があるので、勤務先や国税庁に確認するなど、誤りのない対応を心がけましょう。
退職金の「所得税」の計算方法
退職金にかかる税金である所得税を計算する際には、支給額から前述の退職所得控除で算出した金額を控除し、それを二分の一した金額が課税対象になります。退職金の税金は、他の所得とは分離して独自で計算することになります。また、「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出すると企業側で源泉税の扱いで処理してくれます。
具体的な税金金額の算出の際は、速算表を利用します。課税対象金額により計算式が異なります。たとえば、課税対象額が350万円の場合は、(350万円×20%−427,500円)×102.1%=278,222.5円→278,222円(1円未満の端数は切り捨て)となります。
退職所得の受給に関する申告の手続き
退職金を受給し、税金の申告をする際に必ず行っておきたい手続きとして、「退職所得の受給に関する申告書」の提出が挙げられます。従業員は、勤務先に提出すればよく、難しい書面でもないので必ず提出するようにしましょう。
受け取った企業側は、税務署などに提出の義務はなく、基本的に保管しておくことになります。税務署などから問い合わせを受けたときに出せるようにしておけば問題ありません。
退職所得の受給に関する申告書はなぜ重要か?
繰り返しになりますが、「退職所得の受給に関する申告書」は必ず提出するようにしましょう。なぜこの書類の提出が重要かというと、所得税の税金額負担が大幅に変わってくるからです。提出をしないと、支給額に一律20.42%の源泉徴収を受けることになります。
後で確定申告をして還付を受けることもできますが、一時的とはいえ相当大きな税金負担となりますし、還付手続きの申告処理も面倒です。必ず勤務先に提出するようにしましょう。
退職金はすぐにもらえる?
退職金は、勤務先を退職したらすぐに受給されるものでしょうか。これは、一概にいうことはできません。退職日に合わせて支払いをすると定めている企業もあれば、退職から一週間以内に支払う、等といった規定を持っている企業もあります。
法的に退職金の規定はありませんので、企業ごとに取り決めて支給しているというのが現実的な結論です。退職する前に、あらかじめ社内規定をチェックしてどれくらいのタイミングで支給されるのか確認しておきましょう。
会社によって異なる
退職金の支給のタイミングは、会社ごとに規定を設けて対応しているため、一概にいうことはできません。中には退職後1カ月から6カ月といった規定に基づいて支給するというケースもあります。
退職金の支給のタイミングは、あらかじめつかんでおきましょう。ライフプランを考えるうえでとても重要な項目になります。退職したらすぐに受領できると考え、あてにしていたらなかなか支給されなかったとなると困ってしまうケースも出てきてしまいます。
退職金受領後のおすすめ利用方法
サラリーマンにとっての退職金支給は、大きな資金源となります。これを元手にして資産運用をするという方もいれば、手堅く貯蓄をしておこうと考える方もいるかもしれません。貴重な資金となることは間違いないので、誤った利用をしないよう、あらかじめどのように活用するか決めておくことをおすすめします。
ここでは、一般的に広く採用されている退職金の活用方法について解説します。それぞれの目的を明確にして、有効な活用ができるようにあらかじめ計画をしておくことをおすすめします。
住宅ローン返済
退職金の利用方法の一つ目は、住宅ローンをまとめて返済する原資とすることです。賃貸住宅に住んでいる方は当てはまりませんが、分譲マンションや一戸建て住宅を購入した方で、住宅ローンがまだ残っている場合は、退職金を利用して一気に借入額を減らすという活用をする方が多くなっています。
確かに有効な使用方法であることに間違いはありませんが、退職金の全額を使い切ってしまうことはお勧めできません。また、最近は借入金利がかなり低くなっているので、それを上回る運用ができるならそちらの方がお得です。
生命保険の一括払い
退職金の利用方法の二つ目は、生命保険やその他保険商品の一括払いを行なうことが挙げられます。生命保険など民間保険は、通常毎月一定期日に保険料の支払いをしますが、これを契約と同時に一括払いにて対応する方法があります。
終身保険など長期間の保険商品を利用する方に特におすすめです。一生涯にわたる一定の保障を継続しつつ、保険料の支払いはなくなるという効率の良い活用法だといえます。また、相続税対策に利用する方も多いです。
手堅く定期預金
退職金の利用方法の三つ目は、手堅く定期預金に預け入れる方法です。現在、定期預金の金利は相当低く設定されています。そのため、資産運用という面からは望ましくありませんが、リスクを背負いたくないという方には最もおすすめの方法かもしれません。元本が保証されているので、当面利用しない資金であれば迷わず定期預金口座に入金しましょう。
資産運用の原資とする
退職金の利用方法の四つ目は、資産運用の原資とすることです。現在、個人でも利用できる投資手法はたいへん増えてきています。株式投資はもちろんのこと、外国為替相場を利用した取引も利用者が急増中です。これらはリスクが高いため、利用するなら十分に準備をしてから臨むことをおすすめします。
運用したいけれど、できるだけリスクは抑えたいという方には、保険会社が提供する一時金払いの養老保険や外貨建て投資保険等を利用することを検討してみてください。比較的安定的に運用ができて、ほぼ確実な利回りを確保することができます。
退職金の運用を人任せにしない
退職金を受領する頃になると、どこから情報をかぎつけてきたかわかりませんが、いろんなところから連絡が来て、投資商品の紹介や不動産投資のあっせんが多くなります。あってはならないことですが、中には詐欺に近い勧誘などをうけることもあります。甘い口車に乗ることなく、十分に自分で理解したうえで運用をすることを心がけましょう。
銀行マンや証券マンが狙っているかも
退職するころになると、銀行や証券会社の営業担当者を名乗る人から電話がかかってきたり自宅に訪問されたりして、退職金の資産運用にオススメだとしていろんな投資商品を紹介してくることがあります。これを利用することは、一概に悪いということは言えませんが、先方担当者のいうことをうのみにして、自分で理解をしたうえで利用するようにしましょう。
必ず自分で理解したうえで運用を考える
退職金をどのように活用するかは、必ず自分で責任をもって判断しましょう。いろんな甘言に惑わされることなく、自分でリスクとメリットを十分に把握して、納得のいく運用を心がけましょう。退職金は長期間努力したことが評価されて支給される大事な資金です。判断を安易にせず十分に検討して最適な活用ができるようにしたいところです。
退職金の計算は勤続年数や基本給で変わる
ここまで、退職金の一般的な性格、支給の計算方法、税金との関連、申告書の重要性、運用方法などについて解説してきました。退職金の金額は、いろんなケースがありますが、基本給や勤続年数などの要件で計算されることが通例になっています。
公的な取り決めが退職金については定められていないので、正確な情報を知りたい場合は、勤務先の規則を確認したり、勤務先担当者に聞いてみるなどすることが重要になります。基本給ベースなのか、職階をベースにしているのかなど、細かい計算方法もこれで知ることができます。ぜひ後悔の無い退職金の活用をしましょう。