「メールにて失礼いたします」の使い方を覚えよう!
ビジネスの場面でよく使われる、「メールにて失礼いたします」という文言を、正しい使い方で使えていますか。この記事では、「メールにて失礼いたします」という言葉の正しい使い方や、使う際の注意点等について紹介します。正しい使い方を覚えて、ビジネスの場で役に立ててください。
「メールにて失礼いたします」の意味とは
ではまずは、「メールにて失礼いたします」という言葉はどのような意味で使われる言葉なのかについて、見ていきましょう。どのような言葉も、その言葉がどのような意味で使われている言葉なのかを知らなければ、正しい使い方はできません。正しい使い方の前に、正しい意味を知りましょう。
本来メールですべきではない内容
まず、「メールにて失礼いたします」に込められた一つの意味は、本来であればメールで連絡すべきことではないのですが、という意味が込められています。
本来であれば直接先方と会って話さなければならないことや、直接しっかり話さなければならないような重要な内容をメールする際に、本来であればメールではなく直接会う等してお話ししなければならない所なのですが、といった意味を含ませてメール本文に記す言葉です。
ですがお互いの都合等によっては、中々直接会う時間を作れなかったりすることが、ビジネスの場面では往々にしてあります。ビジネスシーンに於いてそういった状況にあった時に、メールの中に「メールにて失礼いたします」という文言を入れて用件を伝えるようにします。
申し訳ないという意味が込められている
もう一つ「メールにて失礼いたします」という言葉には、「申し訳ない」というお詫びの気持ちも込められています。先程紹介した意味を踏まえると、本来であれば直接お話ししなければいけないのに、やむおえずメールという手段をとって連絡をしているということになります。
本来直接話さなければならないことをメールで伝えるということは、ビジネスシーンに於いては失礼に当たります。そうしたことから、「メールにて失礼いたします」という言葉には、直接話さなければならないことをメールで送ってしまい申し訳ありません、という意味が込められています。
「メールにて失礼いたします」の使い方
「メールにて失礼いたします」という言葉に込められた意味を学んだ所で、「メールにて失礼いたします」という言葉の具体的な使い方を紹介します。どのような時に「メールにて失礼いたします」という言葉は使われるのか、正しい使い方となる場面を知っておきましょう。
お礼を伝えたい場合
「メールにて失礼いたします」を使う一つ目の場面は、お礼を伝えたい時です。お礼はできれば直接伝える方が良いですが、中々すぐに直接あう段取りがつかないこともあります。
そのような場合に、この「メールにて失礼いたします」という言葉を使ってお礼の連絡をしましょう。お礼を伝える時に大事なことは、スピード感です。すぐに直接会えないことを理由にお礼を言わないままでいると、それこそ失礼に当たりる為、注意しなければいけません。
直接すぐに会えない時でも、まずはお礼の言葉、どのような理由で感謝を感じているのかをしっかり記した上で、メールで連絡をしましょう。お礼の際に「メールにて失礼いたします」を使う場合は、本文の一番最後の締めに記します。そして直接会えた時には、改めてお礼の言葉を述べましょう。
挨拶をしたい場合
「メールにて失礼いたします」を使う二つ目の場面は、挨拶をする時です。ただ「こんにちは」と挨拶するだけの為に、メールをすることはありません。
しかし、ビジネスシーンでは様々な挨拶をする場面があります。例えば、新入社員としての初めましての挨拶、担当が変わった時の初めましての挨拶、その他にも時候の挨拶として新年の挨拶等があります。もちろん挨拶もお礼と同じく、本来は直接会って挨拶するのが1番です。
しかし様々な事情が生じ、次に直接会えるまでに期間が開いてしまう場合等は、やむおえずメールにて挨拶しなければならない時もあります。そうした時に、「メールにて失礼いたします」という言葉を付けて、直接会う前にメールで挨拶をしておくことも時には必要です。
ビジネスの場合、時には直接会う前に何かしらのやり取りを既にしなければならないこともあります。その際に挨拶もなしにやり取りを開始してしまうと、お互いに混乱を招いてしまい、うまく話が付かない可能性もあります。そうしたことを防ぐ為にも、まずは挨拶しておくことが必要です。
また、日本人は季節によって様々な挨拶の言葉を使います。例えば、先程紹介したような新年の挨拶、その他暑中見舞いや寒中見舞い等、挨拶を述べる言葉はたくさんあります。
その中でも誰もが最もよく挨拶をするのが、新年です。新年の挨拶は年賀状でする企業も多いですが、取引企業が多い会社は年賀状を送るとキリがない為、メールで挨拶を送ってしまう企業も多くあります。もちろん新年の挨拶も直接できると良いですが、日本は年賀状での挨拶が基本です。
その日本の風習でもある年賀状を使用せず、メールで新年の挨拶をする場合は、新年の挨拶や諸々の文章を記した最後の締めに、「メールにて失礼いたします」という言葉で締めます。そうすることで、本来は年賀状で挨拶する所ですが、メールで失礼しますという丁寧な思いで締められます。
相手が不在の場合
「メールにて失礼いたします」を使う三つ目の場面は、連絡をとりたい相手が不在だった場合です。直接会いに行ったけれど、何度か電話をしたけれど相手がずっと不在だった場合に使います。
何度も直接足を運んだり、電話をすることは相手の会社に迷惑になることもあります。そうした場合に、メールで直接連絡したい相手に連絡を入れておけば、基本的には送った相手にしかその連絡はいかない為、相手企業の他の方に迷惑をかけてしまうことは少なくともありません。
ですが、その際に注意しなければならないのは、会社に行ったのですがや、何度も電話したのですが、という言葉は使ってはいけないということです。これらは相手に非があるように捉えられる為、例えそうだとしてもそのことは述べず、「メールにて失礼いたします」という言葉だけ付けましょう。
ですが、こちらが何度も電話をしていたことを相手が知らない場合、急にメールが届くと、いきなりメールで連絡してきて失礼だな、と少し不快感を感じる方も中にはいます。そうした方には、相手に非を感じさせない形で、やんわりと何度か連絡をしていたことを伝えられる文章があります。
それが次のような文章です。「何度かお電話を差し上げたのですが、繋がらないようですので、大変失礼とは存じますが、メールにて失礼いたします」という文章を使って、こちらから何度か電話で連絡はしていたことをやんわりと伝えましょう。相手にも自分にも非を感じさせない便利な文章です。
お詫びをする場合
「メールにて失礼いたします」を使った四つ目の場面は、お詫びをしたい時です。何かしらのミスや不都合があり、相手にお詫びをしなければならないけれど、すぐにお詫びに伺えないという時には「メールにて失礼いたします」という言葉を付けてメールでお詫びの連絡をしましょう。
何かミス等をした時にお詫びをする上で一番大事なのが、お礼と同じくスピード感です。お礼以上にお詫びの言葉はスピード感を持って対応しなければ、次のビジネスにも影響を及ぼします。
もちろん、お詫びの言葉も直接述べるにこしたことはありません。しかし、すぐに直接会えない場合は、とにかくすぐにスピード感を持ってお詫びの気持ちを伝えることが第一です。まずはメールでお詫びの連絡を入れ、後日直接会う機会を必ず設けて直接お詫びするようにしましょう。
メールでまずお詫びを伝える場合は、メール本文にお詫びの言葉やお詫びの内容を記した締めに、「メールにて失礼いたします」という言葉を付けます。これでお詫びの内容共に、本来は直接お詫びに伺わなければならない所、メールでのお詫びで申し訳ありませんという気持ちを伝えられます。
「メールにて失礼いたします」の文末・文頭での使い方
先程の「メールにて失礼いたします」を使う場面の中でも、メール文のどの部分に「メールにて失礼いたします」を入れるのかを記しました。ここからは「メールにて失礼いたします」を、メール本文の文頭や文末の締めとして入れる際の、使い方について注意点と共に紹介します。
文末・結びでの使い方
まずは、「メールにて失礼いたします」の文末や結びでの使い方です。「メールにて失礼いたします」という言葉は、基本的には文末や結びで使われる言葉です。
文末や結びといったメールの締めで「メールにて失礼いたします」という言葉を使う場合は、メールの本文で本来直接伝えなければならないことがどういった内容なのかを明確に伝えなければいけません。しっかりその内容について、メールを書く本人も理解をしておく必要があります。
もしこの言葉をなくして、直接会って話した方が良い内容をメールだけで連絡した場合、メールでの連絡が当たり前な失礼な人という印象を抱く方も中にはいる危険がある為、注意が必要です。社会人の常識として、メールで何か連絡する時は、本文の締めに加えるのが無難と言えます。
「メールにて失礼いたします」という言葉は、これまでに述べてきた通り、本来であれば直接会って伝えなければならないにも拘らず、メールでのご連絡となり申し訳ありませんといった意味合いの言葉です。文末や結びといったメールの締めで、この言葉があるかないかで随分印象が変わります。
もし急いで連絡しなければならない状況の場合、「メールにて失礼いたします」の前に「取り急ぎ」という言葉を付けましょう。「取り急ぎ」という言葉を付けると、相手の急いでいる状況にこちらも合わせてスピード感を持って対応している、という姿勢を表すことができます。
文頭での使い方
では次に、「メールにて失礼いたします」を文頭で使う場合の使い方です。文頭での使い方は、主に相手に初めてメールを送る等、挨拶をする際に文頭にこの言葉を置きます。
例えば、「初めまして」や「突然」等という言葉を前に付けて、「メールにて失礼いたします」と文章を続けていきます。その後、自分の名前を名乗ったり、伝えたい内容を述べて文章を締めます。先述したように、挨拶自体も本来であれば直接会ってするのがベストです。
しかし様々な事情によって、直接すぐに会うことが叶わない場合、このようにして挨拶を始めます。「メールにて失礼いたします」という言葉を文頭で付けることにより、メールを送る相手への配慮や、相手への親近感を感じさせることができます。ビジネスマナーとして覚えておきましょう。
使い方の注意点
「メールにて失礼いたします」と加えてメールを送る際には、ある注意が必要です。その注意点とは、普段直接会ったり、電話で話したりする時よりも丁寧に文章を書くということです。
メール等、文字の情報だけでこちらの思いを伝える場合は、少しの言葉の違いだけでこちらの本意とは違った意味で捉えられることもあります。又、「メールにて失礼いたします」という表現は、ビジネスメール独特の丁寧な言葉ということもあり、それ以外の文章にも丁寧さが求められます。
「メールにて失礼いたします」という言葉だけが浮いて見えてしまうような、まるでビジネスマナーがなっていないような文章になってはいないか、注意が必要です。メール連絡の際は、文章がおかしくないか、伝えたい内容は伝えられているか、そして何より丁寧かという点に注意しましょう。
「メールにて失礼いたします」の例文
「メールにて失礼いたします」の使い方や、使う際の注意点が分かった所で、ここからは「メールにて失礼いたします」を使った例文を紹介します。例文を元に、更に「メールにて失礼いたします」という言葉の使い方や、注意しなければならない部分の理解を深めましょう。
文の締めで使う場合の例文
まずは、メール文の締めで「メールにて失礼いたします」という言葉を使う際の例文です。この言葉は締めで使うことが最も多い為、ビジネスシーンで活かせるよう覚えておきましょう。
例文を紹介すると、「こちらのデザインの詳細な内容につきましては、来週のプレゼンテーションの際にお伝えできたらと考えております。何かご不明な点等ございましたら、遠慮なくご連絡ください。それでは、メールにて失礼いたします」といったような使い方をして、締めに持ってきます。
伝えたい内容を一通り記した締めとして、大事な用件をメールで連絡してしまい申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします、といったニュアンスで締めることで、相手に丁寧な印象を与えることができます。ビジネスシーンではこの丁寧さが大事な為、是非締めを忘れないようにしましょう。
文頭で使う場合の例文
では次に、メールの文頭で「メールにて失礼いたします」を使う際の、使い方を表した例文を紹介します。先程紹介した通り、文頭で使う場合は挨拶の場合が多いです。
その為例文で表すと、「初めまして。◯◯カンパニーの〜と申します。メールでのご連絡で大変失礼いたします」といった形で挨拶文の中に、「メールにて失礼いたします」を表す言葉を入れます。「メールにて失礼いたします」と言葉は変わっていますが、使い方等は同じです。
このように、文頭で「メールにて失礼いたします」を使う際は言葉に多少の変化が生まれます。それは、変化をさせなければ文章がおかしくなる為です。正しい文章の為に、多少の変化を付けなければならないという所も、文頭で「メールにて失礼いたします」を使う際の注意点と言えます。
ビジネスメールで「拝啓」使う場合の例文
次に、メールの文頭に「拝啓」を付けた際の「メールにて失礼いたします」の使い方を見ていきます。手紙の文章でよく見られる「拝啓」は、基本的にメールでは使いません。
しかし、相手が自分よりもどれだけ上の立場の人かによって、メールでも状況によって「拝啓」を付けることがあります。「拝啓」を入れた後に、文頭の文章の中に「メールにて失礼いたします」という文言を入れます。「拝啓」を付け加えての、表現方法は次のような形です。
まず頭に「拝啓」を付け、その後「貴社ますますご盛栄のこととお喜び申し上げます。突然のメールでのご連絡、誠に失礼いたします」と文章を続けます。この時の「メールにて失礼いたします」も、挨拶的要素がある為、このように拝啓の後に続く文章の中に含みます。
「メールにて失礼いたします」と同じ意味の言葉
では最後に、「メールにて失礼いたします」と同じ意味で使われる言葉を紹介します。挨拶の場面でも文章に合わせて様々に変化しますが、それ以外にも同じ意味の言葉、文章として使われている言葉があります。それぞれの言葉を知っておき、ビジネスシーンで自由に使えるようにしましょう。
メールにてご挨拶
「メールにて失礼いたします」と同じ意味で使われる一つ目の言葉は、「メールにてご挨拶」です。ご挨拶の後には、「失礼いたします」や「ご容赦ください」等という言葉が続きます。
後にそうした言葉を付けて、「メールにてご挨拶、失礼いたします」や「メールにてのご挨拶となることをご容赦ください」とすることで、本来であれば直接会って挨拶しなければならない所、メールでの挨拶となって申し訳ございませんという、申し訳ない気持ちを伝えることができます。
これは、「メールにて失礼いたします」と全く同じ意味合いです。そのことから、「メールにて失礼いたします」と同じ意味合いの言葉として使うことができます。「挨拶」という言葉が付くことから、メールで挨拶の連絡をする際に、「メールにて失礼いたします」の代わりに使うと良いでしょう。
取り急ぎご連絡まで
「メールにて失礼いたします」と同じ意味で使われる二つ目の言葉は、文末での使い方を紹介した時にも紹介した、「取り急ぎご連絡まで」という言葉です。
先述したように、お礼やお詫びを述べなければならない時は、スピード感が必要です。そうした時に「取り急ぎご連絡まで」という言葉を使うことで、急いでその思いを伝えようとする意思表示をすることができます。その意思表示こそが、ビジネスシーンに於いて最も大切な部分です。
本来であればそうした思いは直接会って伝えなければいけませんが、すぐに直接会うことが叶わない場合、まずはメールにてそのように連絡することで、随分と印象が変わります。スピード感を持ってメールすることで、相手に自分の誠意と、相手への気遣いを感じさせることができます。
「取り急ぎご連絡まで」の使い方は、お礼の言葉やお詫びの言葉等の内容を述べた最後に、「取り急ぎご連絡まで」と述べます。お礼を伝える際は、「取り急ぎお礼まで」としても構いません。こうしてメールをしておき、次に直接会った際にはしっかりと直接お礼やお詫びをすることが鉄則です。
本来は直接伺い挨拶
「メールにて失礼いたします」と同じ意味で使われる三つ目の言葉は、この言葉に含まれる意味がそのまま表現された、「本来は直接伺い挨拶」という言葉です。
「メールにて失礼いたします」という言葉は、これまでに紹介してきた通り、本来であれば直接会ってお話しなければならない所を、メールでの連絡となり申し訳ないという思いが込められた言葉です。その思いがそのまま述べられたこの言葉は、言葉に含まれた思いをそのまま伝えてくれます。
言葉の意味を噛み砕いて丁寧に表現された言葉の為、大変便利です。ただ使う際には、「メールにて失礼いたします」という言葉も一緒にして、「本来であれば直接伺ってご挨拶させていただく所、メールにて失礼いたします」といった形で使います。よく使われる場面は次の通りです。
この表現がよく使われるのは、入社をした時や退職をする際です。こうした挨拶は社内はもちろん、これからお世話になる、これまでお世話になった担当者の方等に直接会って挨拶することが基本です。しかし、様々な事情により直接会えない場合は、このように挨拶メールを送りましょう。
「メールにて失礼いたします」の使い方をきちんとマスターしよう!
「メールにて失礼いたします」は、ビジネスシーンに於いてとてもよく使われる言葉です。メール連絡が増えている現代に於いて、このような気遣いができるかできないかは、その人自身はもちろん、会社の信頼をも揺るがします。使い方や注意点を理解し、しっかり使えるようにマスターしましょう。