お打ち合わせの意味とは?
ビジネスシーンで用いられている事がある「お打ち合わせ」という言葉。ビジネスシーンでは、メールで用いられる事も多い敬語の一つです。近年ではビジネスシーンのみならず結婚式などのやりとりでも用いられる事が多くなりました。
基本ビジネスシーンや一部シーン以外ではあまり「お打ち合わせ」は馴染みのない表現です。あまり使わない言葉だからこそ「打ち合わせとお打ち合わせで何が違うの」と疑問に思っている人も中にはいるでしょう。
日本語で丁寧に表現する時は「御(お)」や「御(ご)」を付けて表現することが多いですが、今回の「お打ち合わせ」の場合も打ち合わせに「御(お)」を付ける事で丁寧な敬語に直した表現です。意味は「物事を話し合う、調整する」という意味です。
お打ち合わせは本当に正しい?
特別「御(お)」が付いたからといって意味が変わることはありません。「お打ち合わせ」という敬語は何だか違和感があって気持ち悪い、意味は変わらないのに何故「お(御)」を付ける必要があるの?と感じている人も少なくはありません。現にこの言葉は議論される事が多く賛否両論です。
そもそも日本語は接頭語として「御(お)」や「御(ご)」を付けている言葉があるのはご存知でしょう。この二つの接頭語が付く場合は、どちらか一方の行為の場合に使われています。
しかし今回の「お打ち合わせ」は双方が参加するものなので、日本語として間違った表現だという人もいれば間違っていない、正しい表現だという居るので曖昧なのです。
実際のところ本来であれば「打ち合わせ」という言葉は「お写真、お電話、お知らせ」等の言葉のように、わざわざ「御」を付ける必要はありません。丁寧な敬語として「お打ち合わせ」はよく使われています。
現に正しい敬語表現として浸透しているので、基本「お打ち合わせ」という言葉の使い方をしても問題はないようです。
「御(お)」を付ける言葉には条件がある!
皆さんは「御(お)」を付ける言葉にはきちんと条件がある事を知っていますか?知らない人も多いかもしれませんが、実は「御(お)」を付けられる単語には決まりがあります。基本的に相手の行いや相手持っている(所有)している物を表す言葉に「御(お)」を付ける事ができます。
例えば「こちらのお品物を拝見させていただきます」や「こちらの書類にお名前とご住所を記入していただけますか」といった相手が所有していると捉える事ができるもの、行いでは「お知らせいただきありがとうございます」といったように表現することができます。
このように所有する物は物理的に形のある物は勿論ですが、名前などもその人の所有する物のうちにカウントされています。また「御(お)」を使用する例外としては「改めてお知らせ致します」など、相手に影響を与える行動などの際に用いることができます。
今回の「打ち合わせ」の場合は本来付ける必要はあまりありません。しかし相手側に時間を割いてもらうという事もあり、より丁寧に伝えるという事で「お打ち合わせ」といった使い方をしています。
お打ち合わせの由来
「お打ち合わせ(打ち合わせ)」という言葉にはきちんとした由来がある事を皆さんは知っていますか?実は「お打ち合わせ(打ち合わせ)」という言葉にも他の言葉のように由来があるのです。
ここからは「お打ち合わせ(打ち合わせ)」の由来について紹介していくので、知恵の一つとして覚えておくと良いでしょう。
「打ち合わせ」という言葉は、元々中国や朝鮮半島から伝えられた音楽「雅楽」が由来となっています。雅楽の楽器のリズムに合わせるための笏拍子を使って拍子を取る、という行為が転じて「お打ち合わせ(打ち合わせ)」となったと言われています。
この事から「物事がうまく合うよう調整する」という意味をもち、現在浸透している「物事を話し合う、調整して合わせる」という意味合いで「お打ち合わせ(打ち合わせ)」という言葉が使われるようになりました。
お打ち合わせの言い換え表現
ここまでは「お打ち合わせ」の意味や由来について解説してきましたが、ここからは「お打ち合わせ」を言い換えた表現を紹介していきます。これから紹介していく言い換えた表現は、誰しもが一度は耳にした事がある言葉ばかりです。
言い換えた表現も合わせて覚えておくと「この文章にお打ち合わせはしっくりこない、お打ち合わせは正しいのか曖昧なので控えたい」という時でも「お打ち合わせ」を言い換えて表現することができます。
言い換え表現①ミーティング
よく皆さんが普段から耳にしているであろう「ミーティング」という言葉。これは「お打ち合わせ(打ち合わせ)」を英語にした言葉なのです。お打ち合わせよりもミーティングと言っている人やしっくり来るという人も多いのではないでしょうか。
ミーティングのお願いや日程調整をする事で「お打ち合わせ」の「物事を話し合う、合わせる」と同じ意味になるので言い換えることができます。
お打ち合わせだと日本語として正しいのか曖昧なので控えたい、という人はミーティングを使ってやりとりしても良いかもしれません。ミーティングは英語なので「お打ち合わせ」とは違い、それ程丁寧にする必要もありません。
言い換え表現②話し合い
「お打ち合わせ」を言い換えた表現2つ目は「話し合い」です。そもそもお打ち合わせの意味は、話し合いの事でもあります。ミーティング同様、あまりお打ち合わせを使いたくない、もっと分かりやすく先方に伝えたいという人は話し合いに言い換えてみては如何でしょう。
「お打ち合わせ」の代わりに「今回の××プロジェクトについて話し合いの場を設けたいのですが」や「先日の話し合いの件についてご連絡させていただきました」といった使い方が出来るので、簡潔により分かりやすく相手に伝えたい時におすすめです。
言い換え表現③意見調整
「お打ち合わせ」は「意見調整」という言い方に言い換えることができます。「意見調整」は、実際打ち合わせでしている意見をすり合わせの意味が含まれている言葉なので、お打ち合わせに抵抗がある方は意見調整に言い換えて使ってみても良いです。
「意見調整の場を設けたいので検討していただきたく存じます」といった意見調整のお願いをする時や、逆にこちら側からお礼を伝える場合は「本日は意見調整の場を設けていただき有り難く存じます」といったような使い方もできます。
言い換え表現④「お時間をいただきました」
「お時間をいただきました」は「お打ち合わせ」と組み合わせなくても単体で使う事ができ「お打ち合わせ」を言い換えた表現としても成り立ちます。例えば「本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき誠にありがとうございます」といった使い方が出来ます。
また「いただき」ではなく「頂戴し」に直すとより、丁寧な表現になるので目上の人や初めて商談する相手などに使ってみても良いかもしれません。
お打ち合わせを丁寧語と合わせる時は?
お打ち合わせの意味や由来、言い換えた表現を知ってもらったところで、ここからはお打ち合わせを丁寧語と組み合わせた時の表現のしかたを解説していきます。基本「お打ち合わせ」が用いられるのは、顧客相手とのやりとりで用いられる事が殆どです。
「お打ち合わせ」は、どのように丁寧語と組み合わせたら良いのかを今回しっかり押さえておきましょう。
お打ち合わせを用いて使う時は「この日時にお打ち合わせをお願いします」という使い方より「この日時にお打ち合わせをお願いいたします」という表現のしかたがおすすめです。どうしても語尾が「します」だとお打ち合わせに対して軽く感じてしまいます。
そのこともあり「お打ち合わせ」を用いる時の語尾は「致します」などの謙譲語と合わせることが多いのです。特に取引先や目上の立場の人への対応の時は謙譲語と合わせた使い方をしましょう。
逆にそこそこ親しい人や別部署にいる同僚に宛てたものであれば~しますという表現のしかたでも問題ないです。
お打ち合わせを丁寧語と合わせた表現例
「4月△日の○時に××プロジェクトについてのお打ち合わせをお願いしたく存じます」や「お打ち合わせの時間をいただきたく存じます」といった丁寧語を合わせた表現のしかたができるので、覚えておきましょう。
他にも「お打ち合わせ+お時間をいただきました」を組み合わせた表現もでき、次のような表現をする事ができます。例文「お世話になっております。本日は××の件についてのお打ち合わせのお時間をいただきたく、ご連絡差し上げました」
このように「お打ち合わせ」と「お時間をいただきました」を合わせた使い方もできる他、この例文の後に日程の案内や打診する内容を加えて送ると良いでしょう。また「次回△月△日に××の件でご報告があるのでお時間をいただきたく存じます」といった使い方も可能です。
「お打ち合わせ」を用いるのはビジネスシーンだけじゃない
この記事で何度か言っていますが「お打ち合わせ」は使えるところが限られている言葉なので、ほとんど営業などのビジネスシーンで使われている事が多いです。取引先や他の部署、場合によっては重役への打ち合わせの依頼メール・電話や日程調整、お礼などの連絡の際に使われています。
しかし「お問い合わせ」はビジネスシーン以外にも使われている場合があります。最近「お打ち合わせ」を使う事がある数少ないシーンですが、ウェディング分野でも使われる事があるのです。主にウェディングプランナーから依頼主(顧客)に対して使われる事が多くなりました。
ただし、結婚式のウェディングプランナーの場合依頼主(顧客)に対して「お打ち合わせ」を使わなくとも打ち合わせは~でも失礼にはあたらないので好きな方の表現のしかたを選ぶと良いしょう。
ここからはそんな「お打ち合わせ」を使った例文を紹介していくので「お打ち合わせ」を使った文章が思いつかない、どんな場面でどんな内容で送ったらいいのかを知りたい、失礼のないようにしたいという人は是非参考にしてみて下さい。
お打ち合わせの使い方
ここまでは「お打ち合わせ」の意味や言い換えた表現などを紹介してきました。ここからは「お打ち合わせ」の使い方や例文を紹介していきます。
まず「お打ち合わせ」の使い方から解説していきます。この「お打ち合わせ」は主に打ち合わせの依頼や調整、打ち合わせの後のお礼の時などに用いられる事が多いです。メールだけでなくとも口頭でも用いても問題はないので「今回のお打ち合わせの件でご連絡したのですが」などの使い方が出来ます。
「お打ち合わせ」は「お打ち合わせの件についてですが」というように敬語の一部として使いましょう。また、使い方を間違っていると恥ずかしいだけでなく、失礼にあたってしまう事もあるのでこれを機会にしっかり覚えておきましょう。
例文①日程調整をする場合
まず一つ目の例文の日程調整をする時に「お打ち合わせ」を用いるパターンの例文を紹介していきます。例文「この間の××プロジェクトのお打ち合わせをしたいのですがご都合の良い日取りを教えていただきたく存じます」
「お打ち合わせ」を用いる機会が多いのはメール、という人も多いのではないでしょうか?特に営業職の人は頻繁に取引先との日程調整やお礼など「お打ち合わせ」を使う事は多いでしょう。これから営業職に就く予定の人や異動の予定がある人は、日程調整の際はこの例文を是非参考にしてみて下さい。
「お打ち合わせ」は文章や口頭だけでなく、メールの件名にする使い方もできます。「相手方に分かりやすく連絡を入れたい」という人は、打ち合わせの日程調整の連絡の際は「お打ち合わせ」を件名に入れて案内してみましょう。
ビジネスメールでは件名に何に関する連絡なのかをはっきり分かるようにした方が良いです。件名に「お打ち合わせの日程についてのご案内」や「プロジェクトのお打ち合わせについて」など、このように「お打ち合わせ」は件名に入れて使う事もできます。
例文②依頼メールの場合
二つ目の例文は「お打ち合わせ」の依頼および案内をする事を前提とした例文です。例文「7月から始まるプロジェクトについてのお打ち合わせの場を数回設けたいと考えております。詳しい日時などの詳細は後日案内させていただきます。各社担当者様にはお打ち合わせへの参加お願い致します」
このように「お打ち合わせ」への参加依頼を出す場合は「致します」などの謙遜語と「お打ち合わせ」を組み合わせるのがポイントです。語尾が~します。や~です。より謙遜語を使う事でより丁寧になるので、依頼メールなどはなるべく「お打ち合わせ」と謙遜語を組み合わせて使うと良いでしょう。
例文③電話でのやりとりの場合
三つ目の例文は、電話で「お打ち合わせ」を用いる場合を前提として紹介していきます。例文「プロジェクトの件について一度お打ち合わせをしたいと思っているのですが、ご都合の良い時間帯はございますでしょうか」
この場合は電話でのやりとりとなるので、担当者以外が出た場合には必ず「いつもお世話になっております。株式会社(有限会社)の○○ですが△△さんはいらっしゃいますでしょうか」と名乗りを入れてから担当者へ取り次いでもらいましょう。
また、最初から本人が電話を受け取った場合または本人に取次された場合は「お世話になっております○○です。お忙しい中申し訳ありません」などの言葉も付け加えてみましょう。電話なのでメールよりも分かりやすく、かつ手短に話すことを意識する事がポイントです。
例文④お礼する場合
四つ目の例文はお礼する時に「お打ち合わせ」を用いた場合を前提として紹介していきます。営業職などは特にお礼をメールで送らなければいけない場合が多いので、参考にしてみて下さい。例文「この度はお打ち合わせにご参加いただき、誠にありがとうございます。今後ともよろしくお願い致します」
「お打ち合わせ」のお礼メールを送る時は例文のような文章が無難でしょう。お礼メールの内容で迷ったのなら例文のような無難な内容でも良いです。
「無難すぎるのはちょっと…もう少しお礼の他にも何か内容が欲しい」という人は、この度は~と今後とも~の文章の間に、可能であれば確認も兼ねて打ち合わせの際に話した事や現状報告も交えてお礼メールを送るのも良いでしょう。また、件名に「お打ち合わせのお礼」と書いておくと分かりやすいです。
お打ち合わせを用いる時の注意点
ここまで「お打ち合わせ」の使い方や例文を紹介してきましたが、参考になりましたでしょうか?ここからは「お打ち合わせ」を使う際の注意点をいくつか紹介していきます。お打ち合わせを用いる時に気を付けておいた方が良い点がいくつかあります。
これから紹介していく「お打ち合わせ」を使う時の注意点をきちんと押さえて「お打ち合わせ」という敬語を正しく使いましょう。
「お打ち合わせ」をビジネスシーンで使う時の注意点
「お打ち合わせ」をビジネスシーンで使う時は、使う相手によって言い換えた表現をするようにしましょう。近年「お打ち合わせ」は徐々に正しい敬語として浸透してきてはいるものの、やはり「お打ち合わせは間違った日本語、敬語だ」と年配の方などは特に気にしている事があります。
なので、年配の人やある程度相手の性格などを知っているのであれば「お打ち合わせ」ではなく今回紹介した「ミーティング」や「話し合い」などの表現で使い分けた方が良いでしょう。
会議とお打ち合わせは違う!
また、会議の場合は「お打ち合わせ」を使わないようにしましょう。理由としては「お打ち合わせ」と「会議」というのは意味が違うのです。会議は議題に沿って参加者全員が意見を出し合い、結論をまとめていくものです。
しかし打ち合わせの場合は、会議とは違い一方が意見を出しもう一方がそれを聞いた上で具体的進め方などを話し合い、決定していくというものなので「お打ち合わせ」を使う際は十分気を付けましょう。
「お打ち合わせ」のメールへの返信
お打ち合わせのお礼メールは送る側だけでなく、メールをもらい返信する側になる事も当然あります。社会人であれば、どちらの立場でもお礼メールは送るべきものです。先ほど紹介した例文はお礼メールを送る側でしたが、送られてくる側で返信する場合の例文を紹介します。
例文「お世話になっております。本日は貴重なお時間誠にありがとうございました。本来はこちらからお礼のご連絡を差し上げるべきところを△△様より頂戴し大変恐縮です。お打ち合わせの件につきましては、弊社会議にかけ後日ご連絡させていただきます」
お礼のメールに対して返信する時は必ず「取り急ぎお打ち合わせのお礼申し上げます」というようにお礼のメールでは結びの挨拶にも感謝の言葉で締めるようにしましょう。
「お打ち合わせ」を使う時は正しい使い方で!
「お打ち合わせ」という言葉は日常生活ではなかなか使う事が少ないので、メール等の内容で同じ意味の言葉を使って重複させてしまったりしては「この人は正しい敬語が使えないんだな」と判断されて依頼が上手く通らなくなってしまったり、相手側が不快になってしまう可能性もあります。
目上の人やそれ程親しくない相手との依頼やお礼などをする時は特に「お打ち合わせ」に限らず、きちんと正しい敬語を使いましょう。
お打ち合わせは「物事を話し合う」という意味
ここまで「お打ち合わせ」の意味や使い方、例文などを解説、紹介してきましたが如何だったでしょうか?営業職など取引があるような職業でない限り、あまり馴染みのある言葉ではありません。そのため、本当に正しい敬語なのかと使うのを躊躇してしまう人も居るでしょう。
中には「お打ち合わせという敬語はおかしい、正しい表現じゃない」という人も居るので相手や状況によって「お打ち合わせ」ではなく、今回紹介した言い換えた表現で対応してみても良いでしょう。
「お打ち合わせ」を使う時は「ついてですが」など敬語として自然になるように用いるのがポイントとなります。また普段使う頻度が少ないからこそ、正しい使い方をしっかり覚えて失礼のないよう「お打ち合わせ」を使いこなしましょう。