始末書の書き方がわからず悩む人へ
いざ始末書を書こうと思ってもいったいどうやって書けばいいのか全く分からない。そもそも、始末書というものが何なのかそれすらもよく分からない。始末書はどういう存在で、どんな書式で、どういうことを書けばいいのでしょうか。
始末書の書き方について、様々な事例に応じて例文を交えながら具体的に説明します。何かが破損した時や何かを紛失した時、また何か事故に巻き込まれた時など、様々な状況に応じた始末書の書き方を、例文も踏まえながら順番に理解していきましょう。
始末書が必要な場合はいつ?
あなたが勤めている社内ルールにもよりますが、始末書が必要になるタイミングというのは、何か業務上でトラブルが発生したときに集中します。始末書に書かれる内容というのは、原則として発生したトラブルの詳しい内容についてから記載していきます。
そして、発生したトラブルの内容に応じた適切な処置や対策について、再発を防ぐための防止策を提示することが始末書の主な内容になります。どのようなトラブルが起きた時に、どういった始末書を書くべきなのか、そういったことを順番に紹介します。
損失やトラブルが生じた場合
始末書を必要とする場合は会社に対しての破損、紛失や損失、業務上の事故やトラブルが発生した場合に必要となります。その多くはトラブルに関する詳細な内容と、そうしたトラブルが発生した場合に今後どのように対応するべきかと言った対策に関して記載するという内容になります。
始末書と顛末書の違い
始末書と似たような書類に顛末書というものがあります。始末書は当事者の責任問題に関する追求が基本的な内容になり、顛末書は紛失、破損、事故に関する極めて細かい内容までしっかりと時系列で詳細に報告することを意図した書類となっています。
社内で書き方が決まっていることも
始末書の書き方は基本的にあなたが属している社内テンプレートなので予め決められている可能性があります。社内の書類ファイルなどから、始末書のテンプレートを探してみましょう。社内ルールに準じた方法で正しく始末書を記載する事が大切です。
始末書の書き方のポイント
始末書を上手に書くためにはいくつかのポイントが挙げられます。会社内のテンプレートに従うのはもちろんですが、紛失、事故、破損などのトラブルの内容を正確に把握し、どういったところに問題があったのか、どのように対策を施すべきなのかをしっかりと書き記す必要があります。
正式な書き方を確認する
最も大事なことは会社内に設定されているテンプレートをきっちりと守ることです。社内テンプレート以外の書類を使用したり、定められたルートや手続きを踏まずに始末書を記載してしまうのは、そもそもが反省の意図を確認するものなので、上長からの評価もよくありません。
正直に事実を書く
始末書に記載する内容には、紛失、破損、事故に関わりのない無関係で不要なことを書く必要はありません。正直でそして正確に起こった事実のみをしっかりと記載する必要があります。余計な内容の記載に関しては事実をより混乱させてしまうことにつながります。
封筒に入れて提出する
社内規定によってはメールに添付する形で報告を申請する場合もありますが、書面として提出する場合は白無地の封筒に入れて上長に提出しましょう。可能であれば二重になっている封筒の方が内容が露見する可能性が下がりますので良いでしょう。
始末書に必要な事項
始末書に書くべき内容には一体どのようなものが一般的なのでしょうか。あなたが所属している社内のテンプレートにもよりますが、基本的には以下のような内容にまとまります。それ以外に必要な内容があればあなたが所属している社内のテンプレートに従いましょう。
宛先
どこの誰に報告するべき内容なのかによって、宛先の記載先は変わります。例文として「○○株式会社代表取締役社長□□様」のように記載します。場合によっては報告先があなたの直属の上長や、所属している部署のトップになっている場合もあります。
日付
日付に関しては、例文として「令和○○年△△月□□日」のように、あなたが始末書を書いた日付を記載してください。紛失、破損、事故が発生した日付や時間の記載は、また別に行いますので、ここでは始末書を書き終えた日付を書く必要があります。
題名
タイトルに関してはあなたが所属している社内規定のテンプレートによって様々ですが、基本的には例文として「始末書」とだけ記載する場合や「○○に関する始末書」のように記載します。社内規定のテンプレートに書かれてる内容に従って記載してください。
本文
本文に書く内容は、簡単な顛末と、紛失、事故、破損を発生させたことに対する謝辞についてや、そうした事実が発生したことに対してどのような対策を講じるつもりでいるのか、などといった内容を書きます。さらに加えて、最後にもう一度、謝辞の言葉を加えるのが原則です。
署名
署名に記載するべきはあなたの所属、役職、氏名を記載します。どの部署に所属しているどういった役職のどういう人がどういった事件を起こしてこのような始末書を報告としてあげているということをはっきりと明記するために署名を書きます。
シーン別始末書の書き方・例文
続いては、それぞれの代表的なトラブルが発生した時の始末書の基本的な書き方の例文をご紹介します。紹介する例文は、先ほどの項目の中で「本文」にあたる内容となります。いずれの内容も「いつ、どこで、だれが、どのようにして、なにを、どうしたのか」を明確にすることが大切です。
物の紛失
「この度、会社より貸与されておりました”備品”を”日付と場所”にて紛失してしまいました。事実の発覚とともに”その時行った対策”を実施しておりますが、未だ発見には至っておりません。
今後このような事態を再発させないよう、”対策”を行うなどを徹底してまいります。この度の不徳を深くお詫びするとともに、再発防止に真摯に取り組み、同様の事態の発生が無いよう尽力致します。」
物の破損
「この度、会社の備品である”物品など”を”日付”に破損させてしまいました。」のように書き出し、破損状況の記載とその後の対応、さらに今後はどのように再発防止に取り組むのかまでを記載し、最後に謝辞を述べる形式は「紛失」と同じ内容になります。
こちらの場合も「どういう状況で、どうしたからこのような結果につながってしまった」だから「今後はこのような対策を講じますので、再発は絶対にさせません」といった内容を記載します。
最後はどの始末書も同様ですが、謝辞の言葉で締めくくります。場合によっては謝辞を間に挟むこともありますが、シンプルなものはそこまでは記載しません。
事故
「この度、”日付と場所”にて、”事故状況”によって事故を起こしてしまいました。先方様より急な連絡をうけ、完全に停車せずにながら運転を行ったことが原因となっております(原因)。現在は”その後の対策”となっております。」
自動車事故のような場合は、例文のように事故状況やその原因から書き出した方が分かりやすくなります。その後の対策~謝辞までの流れは変わりません。ですが、迷惑を掛けた対象が会社だけには留まらないという記載内容になります。
遅刻・欠勤
遅刻や欠勤による「始末書」の提出を要請される場合というのは、大体が再三の忠告にもかかわらず改善要請に応じなかった場合となります。
そのため例文として「この度、○○年△△月~○○年△△月の期間において、遅刻を○回、欠勤を○回してしまいました。」のような、度重なる怠慢を謝辞するような内容となります。それ以外の理由で始末書を記載するような時は、その時の状況によって変わってきます。
例えば「この度、”会社にとって非常に重要なイベント”に際し、遅刻し、重大な損失をもたらしてしまいました。」のような事態が、始末書による報告を申し付けられるような状況と言えるのではないでしょうか。
始末書の書き方を知っておこう
始末書の書き方について最も大切なポイントとして考えておくべきことというのは、あなたが記載する「始末書に求められることはなにか」という部分をしっかりと理解しておくことが大切だということです。
始末書とはあなたが発生させた事件や事故や何かしらのトラブルに対して、あなたがどのように反省の気持ちを持っているのか、そして今後どのようにそうしたトラブルも含めて様々な問題を回避するために対策を講じていくのかと言う姿勢です。
そうした姿勢がどのように示されているのか、というところにあなたが記載する「始末書」の本当の意味があるという所をしっかりと理解しておきましょう。