「引き続きよろしくお願いします」の意味とは?
様々な場面での挨拶で使われる「引き続きよろしくお願いします」という言葉ですが、この言葉、何度も使ったことがあるという方は多くいらっしゃるでしょう。
日常的に使っている方もいる「引き続きよろしくお願いします」という言葉の意味や使い方を自分は、しっかりと理解していると自身を持って言える人はどのくらいいらっしゃるでしょうか。
「引き続きよろしくお願いします」の「引き続き」とは、「現在と同じ関係、状況、条件などを継続して続ける」という意味があります。
「よろしくお願いします」という言葉には、依頼の意味がありますので、「現在と同じ関係、状況条件などを継続することを依頼している」意味の言葉になります。
「引き続きよろしくお願いします」の類義語
類義語とは、その言葉の代わりに使っても、さほど意味に違いがない別の言葉のことです。「引き続きよろしくお願いします」という言葉は、「引き続き」と「よろしくお願いします」という2つの言葉が合わさってできている言葉です。
この2つの言葉にも類義語が存在します。様々な場面に合わせて使い分けるためにも知っておくと便利なので、ぜひ頭の片隅に入れておくことをおすすめします。
引き続きの類義語①「今後とも」
「引き続き」の類語1つ目は、「今後とも」という表現です。「今後とも」という言葉は、「現在からその後も」という意味があります。
「今後ともお願いします」という言葉がありますが、この言葉は「現在からその後もお願いします」と継続を依頼している言葉の表現です。その為、「引き続きよろしくお願いします」という言葉の意味に近く、類義語に当たる言葉です。
引き続きの類義語②「今まで同様」
「引き続き」の類義語2つ目は、「今まで同様」です。「今まで同様」という言葉も「引き続き」と同じように「今まで行ってきた状況と同じように」という意味があります。
「引き続きよろしくお願いします」の言い換えとして「今まで同様よろしくお願いします」と使うことができる表現です。
引き続きの類義語③「変わらずに」
引き続きの類義語3つ目は「変わらずに」です。「変わらずに」は現在の状況、関係と変わらないことを意味しており、引き続きと似ている意味であるため、類義後といえるでしょう。
「引き続きよろしくお願いします」の言い換えとして「今後も変わらずよろしくお願いします」と使うことができます。
「よろしくお願いします」の類義語①「よろしくお願い申し上げます」
「よろしくお願いします」の類義語2つ目は、「よろしくお願い申し上げます」という表現です。「申す」は、「言う」の謙譲語であり、「申し上げる」は「上げる」の敬意を表す補助動詞と「ます」の丁寧語の組み合わせた言葉です。
目上の方などにより敬意を含んだ伝え方をすることができる表現になっています。謙譲語であるため、同僚や後輩などには一般的には使用せず、目上の方向けの使い方をします。
「引き続きよろしくお願いします」の言い換えとして「引き続きよろしくお願い申し上げます」とすることもできます。
「よろしくお願いします」の類義語②「お願いしたく存じます」
「よろしくお願いします」の類義語3つ目は「よろしくお願いしたく存じます」という表現です。「存じます」は「思う」の謙譲語です。「よろしくお願いします」より、丁寧な表現の印象であるため、取引先の顧客あてに使用しても、不快な思いをさせることがない言い方です。
「お願いしたく存じます」は、「よろしくお願い申し上げます」と同様、謙譲語であるため、同僚や後輩には一般的には使いません。引き続きよろしくお願いしますの言い換えとして「引き続きお願いしたく存じます」としても間違いではありません。
「引き続きよろしくお願いします」の敬語
ビジネスシーンでの言葉遣いでは、敬語を使うが基本です。正しい敬語を使うことができず、目上の人や取引先の方に失礼があってはなりません。敬語を使うことで目上の人を敬っているという気持ちを表す意味にもなります。
そのため、正しい敬語を使うのということはビジネスにおいて必要なことです。正しい敬語を使えるように敬語について学びましょう。では、「引き続きよろしくお願いします」とは、敬語をお使った表現として正しいのでしょうか。
答えは敬語としては、間違いではないです。その理由は、「よろしくお願いします」の「お願い」は「願い」の敬語の中の丁寧語であり、「します」は「する」の敬語の中の丁寧語であるためです。
しかし、「引き続きよろしくお願いいたします」の方が相手に敬意を持った意味の言葉です。「引き続きよろしくお願いいたします」の「いたします」は、敬語の中の謙譲語が使われた言葉になります。
そのため、「します」より「いたします」の方が、相手を敬う意味での敬語と言えるでしょう。意味はどちらも同じですし、「引き続きよろしくお願いします」が敬語として間違いではないので、上司など目上の人にも使うことができます。
相手との関係性なども考え、より丁寧な敬語を使う必要のある場面では、「引き続きよろしくお願いいたします」を使うことがおすすめです。
「引き続きよろしくお願いします」以外の結びに使える表現
「引き続きよろしくお願いします」は、メールの結びに使うことが一般的であることは前にお伝えした通りです。しかし、できるビジネスマンは、「引き続きよろしくお願いします」以外にもたくさんの締めの表現を持っています。
締めの表現をたくさん持っている人はできる印象を相手に与えることができます。締めの表現をたくさん持ち、できる人を目指しましょう。それでは、「引き続きよろしくお願いします」以外のビジネス場面などで使うことができるメールなどの結び表現をご紹介します。
返信が欲しい場合
メールの結びに使える表現1つ目は、「ご返信お待ちしております」は、メールの内容に対して、返信が欲しい場合に使うことができる結び表現です。
丁寧に相手の失礼のないよう、敬語を含んだ言葉遣いです。返信を相手に要求する結びの表現では「お返事いただければ幸いです」などの表現もあります。
返信が不要の場合
メールの結びに使える表現2つ目は「確認上、問題がなければ、返信不要です」という表現です。こちらは、送信メールの内容に対して、返信が必要ない場合に使うことができます。
相手の忙しさを理解して、手間のかからないよう、返信不要であることを伝えると、相手への配慮が伝わる表現になります。また、返信が不要な場合には「なお、ご返信は不要です」や「何か不都合がありまっしたら、お知らせください」などの表現も使うことができます。
確認を依頼する場合
メールの結びに使える表現3つ目は「確認いただければ幸いです」という表現です。最後に「よろしくお願いいたします」と付け加えることで、より、丁寧な表現にすることができます。
こちらの文章は、確認を依頼する際に、相手に深いな思いをさせることがない丁寧な表現になります。また、確認を依頼する表現では、「ご確認のほど、よろしくお願い申し上げます」などの表現を使うこともできます。
このように、メールの結びの一文であっても、状況によって、使える結びの挨拶は変わっていきます。柔軟に対応できるよう、たくさんの結び挨拶の表現を頭に入れておくことが大切です。
検討を依頼する場合
メールの結びに使える表現4つ目は「ご検討のほどよろしくお願いします」という表現です。こちらの表現は、メール内容に対して、相手に検討を依頼する締めの挨拶文になります。
相手に深いな思いをさせず、検討を依頼する表現としては「ご意見、ご感想をいただければ幸いです」などと伝えることもできます。
お礼を伝える場合
メールの結びで使える表現5つ目は、「まずは、マールにてお礼申し上げます」という表現です。この表現は、忙しい中でも遅れてはいけないお礼をとりあえず文章で先に伝える際に使うことができます。
「取り急ぎお礼まで」という言葉もありますが、こちらの表現は、かなり忙しく「とりあえず間に合わせ」という意味にとらえられてしまう可能性があるので、使用は避けましょう。
「引き続きよろしくお願いします」の使い方
ビジネスシーンなどでは、よく飛び交う言葉である「引き続きよろしくお願いいたします」は、「関係性を引き続き保っていきたい」という気持ちを表す表現ですから、目上の方や取引先の方、顧客などに対しても使うことができる文章です。
そのような「引き続きよろしくお願いします」という言葉はどのような使い方が望ましいのでしょうか。メールでの使い方や口頭挨拶での使い方など「引き続きよろしくお願いいたします」の使い方をご紹介していきます。
例文①
「引き続きよろしくお願いいたします」を使った例文まずは、メールでの送信文章で使用する際の例文をいくつかご紹介します。「引き続きよろしくお願いいたします」は、基本的にメールでの結びの挨拶として使われます。
この結びの挨拶として使う際の「引き続きよろしくお願いいたします」の使い方の例文をご紹介します。ビジネスシーンで使う際の参考にしてください。
メール例文、「それでは、○○の件、引き続きよろしくお願いします。」です取引相手や仕事を共にしている相手、などに使える表現です。
相手との打ち合わせ用のメールなどにも使うことができる上、結びに「引き続きよろしくお願いいたします」と入れることで、丁寧にメールを締めることができます。
メール例文、「ご検討のほど、引き続きよろしくお願いします。」です。「引き続きよろしくお願いします」の前に「のほど」を使った文章です。「のほど」という言葉は、依頼の意味を弱める表現で、文章全体を柔らかい表現にすることができます。
「ご検討のほど、引き続きよろしくお願いいたします」は、以前から検討していていただいている事柄について、引き続きの検討してもらえることが分かっている方に使える表現です。
メールの例文、「これからも、引き続きご協力のほどよろしくお願いします。」です。ビジネスシーンでは、いつも同じ「引き続きよろしくお願いいたします」という言葉で締めているマニュアル的なメールでは、あまり良い印象ではありません。
自然に言葉を付けたし、ニュアンスを変える必要があります。「引き続き」と「よろしくお願いします」の間に「協力のほど」を挟むことで、同じ挨拶の締めの文章でも、違った印象を出すことができ、マニュアル感を軽減することができます。
引き続きよろしくお願いしますの表記
「引き続きよろしくお願いします」を表記する際は、「引き続き宜しくお願いします」と漢字で表記する方が丁寧であるように見えるかもしれません。
「宜しく」の「宜」には、「便宜」が由来であるため、相手の便宜を図ってもらいたいという期待が込められていると思われてしまう可能性があります。さらに「宜しく」という漢字は常用漢字表にはない読み方であるため、公文書では使用することができないのです。
そのため、「引き続きよろしくお願いします」と「よろしく」を漢字で書かない表記が正しい表記になります。
例文②
「引き続きよろしくお願いします」という挨拶言葉で締められているメールを相手から受け取った場合は、どのような返信をすることがよいのでしょうか。
ビジネスシーンでよく使われる言葉なので、当然、自分にも「引き続きよろしくお願いします」という言葉が使われたメールが届きます。「引き続きよろしくお願いいたします」と締められたメールの返信を受け取った場合の返信の仕方をご紹介します。
返信例文、「こちらこそ、至らぬ点はあるかもしれませんが、何卒よろしくお願いします。」です。「こちらこそ」を付けることで、相手の気持ちを受け止め、かつ同じ気持ちであることを表現することができます。
また、こちらの例文では、一般的な丁寧な返答なので、「引き続きよろしくお願いたします」というメールの返信としては使える返答文です。
例文③
口調での挨拶でもメールの使い方同様、基本的には、結びの挨拶という使い方をされます。メールでの例文でもご紹介しましたが、口頭挨拶としての使い方も「○○の件、引き続きよろしくお願いします」
「ご検討のほど、引き続きよろしくお願いいたします。」などといった文章を使うことができます。また、口頭での挨拶では、「引き続き」を少し軽い印象である「これまで通り」や「これからも」「変わらず」などとに言い換える使い方をしても問題ありません。
これらを踏まえて使うと「これからもよろしくお願いします。」「変わらずよろしくお願いします」となります。
「引き続きよろしくお願いします」の注意点
ビジネスシーンでよく使われる「引き続きよろしくお願いします」という言葉ですが、「引き続きよろしくお願いします」を使用する時に注意する必要がある場面があります。
使用する場面を間違えると、ビジネスマナーがない人、できない人などと思われてしまいがちなので、「引き続きよろしくお願いします」を使用する時に注意すべき場面を確認しておきましょう。
継続可能性のない相手には使わない
「引き続きよろしくお願いします」を使用してはいけない場面1つ目は、今後も関係が継続する可能性のない相手に挨拶する場面です。具体的には、一緒にする仕事が今回のみである場合などや、自分や相手が会社を退職するなどの場面です。
このような場面では、これから、この相手とは、関係が継続する可能性がないことが分かっているので、その相手に対して、「引き続きよろしくお願いします」という言葉を使うことは間違いです。
このような相手の場合は「この度は誠にありがとうございました」「この度は本当にお世話になりました」などの言葉を使用すると良いでしょう。
謝罪時は使わない
「引き続きよろしくお願いします」を使用してはいけない場面2つ目は、相手に対して謝罪をする場面です。こちら側のミスでトラブルを発生させてしまい、相手に謝罪をする立場です。
挨拶の際に「引き続きよろしくお願いします」と謝罪しているにも関わらず、今後の関係継続を相手に依頼する意味になってしまうので、厚かましい人などという悪い印象を与えてしまう可能性があります。
謝罪をする側の立場である場合は、「この度は誠に申し訳ございませんでした」と謝罪に徹する必要があるでしょう。
結びの言葉は重ねて使わない
結びの言葉を重ねることで、無駄な言葉を並べているような冗長な文章になってしまうので、避けるようにしましょう。結び表現を重ねた例文「引き続きよろしくお願いします。
今回の要件は以上となります。」のような文章です。結びの言葉を長々と文字を並べても、意味がありません。締めの挨拶文は、短く、分かりやすく表現できる文章でまとめるよう心がけましょう。
「引き続き」と「今後とも」の違い
「引き続きよろしくお願いします」の類義語でお伝えしましたが、「今後ともよろしくお願いします」は類義語に当たります。しかし、厳密にお伝えすると、「引き続きよろしくお願いします」と「今後ともよろしくお願いします」の2つの言葉の意味は少し違いがあります。
細かな意味ですが、「引き続き」には、「絶え間なく現在の関係が続く」を意味します。「今後とも」は、「現在の仕事が終わっても、また別の仕事でもやり取りすること」を意味します。
2つの言葉には、「これからも同じ関係でやりとりを継続する」ことを表現するんですが、「今後とも」は、条件が変わっても継続する関係を指し、未来の意味合いが「引き続き」とは少し異なるのです。
「引き続きよろしくお願いします」の英語表記
日本でよく使われる「引き続きよろしくお願いします」という表現は、日本語独特の言い回し表現であるようで、英語での表現はあまり一般的ではなく、英語のメールでは省略されることもあります。
しかし、英語でも、「引き続きよろしくお願いします」という締めの文章を表現することはできます。英語のメールで使える「引き続きよろしくお願いします」の英語表現や使い方をご紹介します。
まず、英語での「引き続きよろしくお願いします」は「Please continue」と表現することができます。その他の使い方、英語表記も見てみましょう。
英語表現の例文、「I would appreciate your continued support」です。日本語では、「引き続き、ご支援のほどよろしくお願いいたします。」という意味になります。会社の取引先や目上の方にも使うことができる英語表現です。
英語表現の例文、「I appreciate your continued support and encouragement」です、日本語では「引き続き、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願いします。」という意味になります。こちらの英語の例文は、日本語独特の言い回しに合わせた英語表現です。
英語表現の例文、「Thank you for your continuous support」です。日本語では「ご協力に感謝します」という意味になります。先ほどお伝えしたように、「引き続きよろしくお願いします」という表現は、日本語独特の言い回しで、英語圏では一般的ではありません。
英語では、「引き続きよろしくお願いします」という終わったことに対して継続依頼をする表現より、例文のように「協力に感謝します」など終わったことには感謝を表すことが一般的のようです。
「引き続きよろしくお願いします」は関係継続の意味
今回は、「引き続きよろしくお願いします」という言葉の意味や使い方、例文についてご紹介してきました。「引き続きよろしくお願いします」の使い方は、ご理解いただけましたでしょうか?
目上の方や取引先の方など幅広く使うことができる「引き続きよろしくお願いします」という言葉は、ビジネスシーンで最後の結びとして使うことができる言葉です。
現在の関係、状況、条件などを継続したいという思いが伝わる日本語独特の言い回しですが、日本人らしさの出ている素敵な言葉です。使ってはいけない場面などは注意して避けて、ビジネス相手との良好な関係継続のためにも使っていきたい言葉です。