「今後とも」の意味
メールで書かれる「今後とも、よろしくお願します」は、意味を考えずにとりあえず入れておく人も多く見かけます。
「今後とも」の意味は「これから先、将来も」・「今までと変わらずに」です。あまり意識せずに書いてしまう「今後とも」に関して、使用場面を具体的に解説します。又、使い方やその意味を例文を踏まえながら説明していきます。
意味①これから以後も
「今後とも」の意味は、「これから先の、将来も、以後も」です。今、良い状態の間柄を築いているのであれば「これから以後も、お互いに良い間柄をキープしましょう。」という意味を持ちます。使い方は「これから先の将来も、よろしくお願いいたします」といった意味を示す時に使えます。
ビジネスでは一度きりでは無く、将来的に何度かやり取りが発生する事が多くあります。「これから以後も」スムーズなコミュニケーションを取るために「今後とも」を記します。
意味②これまでと同じように
「今後とも」のふたつ目の意味として、「従来の間柄を崩さず、現状と同じ様に」といった意味を持ちます。例えば、プロジェクトの進捗が順調にきたのであれば、このまま順調に進めて行きたい為、よろしくお願いします。といった意味合いを示します。
使い方は、従来やり取りをして来た物事について大きなトラブルが無ければ「従来の状況を変えずに、トラブルを起こさず進めたい。」といった意味を含めて「今後とも」と記します。
「今後とも」を使用する時に注意するべき点は、メールを受け取る人との関係性です。「今後とも」が使えるのは、従来お互いの関係性が良好でトラブル等が無い時です。これまでぎくしゃくした間柄だったり、お互いの状況に改善が必要な時には「今後とも」は書けません。
例えば、商品のクレーム等に返信する様な謝罪の時は「今後とも」は避けるべきです。おわびや謝罪の時に、「今後ともよろしく」と伝えるにはあまりにも図々しい態度と捉えられてしまいます。
謝罪のメール等であれば、心象を悪くしないためにも、「何卒、ご容赦くださいます様お願い申し上げます。」等、「今後とも」は書かずに締めるのが無難です。
「今後とも」の類語
類語である「これから先も」・「将来的にも」を書く事も出来ます。これらは「今後とも」と同等の意味です。ビジネスのメールでは、フォーマルなシーンで「今後とも」を書きます。
少しカジュアルなメールでも構わないケースであれば、「これから先も」・「将来的にも」を冒頭に、ひとつのメールで詳細な内容に触れる事も出来ます。
似た文を毎回メールに書いていると、定型文で済ませていると思われるかもしれません。メールのコミニュケーションが頻繫である程、別の言い回しをしてバリエーションのあるメールにするべきです。
用件をより確実に伝えるためにも、「今後とも」以外の使い方や、その意味を把握しておくと便利です。次に「今後とも」の類義語や例文に関してお話します。
これから先も
「今後とも」と同等の意味を示す「これから先も」があります。仕事上の関係でも親しい間柄を構築出来たのであれば、「これから先も、」と書いても構いません。
既にその人との信頼関係が出来ていて、スムーズに物事を進めていきたい時に使えます。例文は、「これから先も、A社の○○の件はよろしく。」の様にする事で、より良好な間柄を保つメールに変わります。
又、「これから先の将来も、遅延の無い様によろしくお願いします。」の様に具体的な内容を盛り込む事で、本文の意味を一層その人に伝達出来るメールに変わります。
将来的にも
「今後とも」と同等の使い方をしながら、「将来的にも」に続けて具体的な内容を示すと、その人との親密度が変わってきます。「将来的にも」は「今後とも」と同じ意味ですが、本文の内容や意味を詳細に記す事で、メールの印象が変わります。
例えば、取引先との商談を増やす必要がある時、プロジェクトの改善策を提示する時等、将来に向けてあなたが思い描く展望を続けてみましょう。
日々のメールに将来の展望や予定を書いていると、いつの間にかその思いや願いが伝わるものです。毎回「今後ともよろしく」で終わらせてしまうのはもったいない事かもしれません。具体案の提示によって、一層その人との間柄を良くするきっかけになる可能性も出てきます。
「将来的にも」の使い方は、「将来的にも、○○は横展開出来ればと存じますのでよろしくお願いします。」の様に用件に追加する意味合いを含む事が可能です。
「将来的にも、30%の向上を目指していますので、よろしくお願いいたします。」・「将来的には、施策の適用を検討していますので、よろしく願いいたします。」の様に本文の意味を印象付ける様に端的にまとめるとメールの末尾に書く事が出来ます。
「今後とも」のビジネスメールでの使い方
今後とも」は、「相手への敬意やこれまでの関わりを崩す事無く、このまま続けていきましょう」といった意味で使われます。宛先が変われば、その人に応じて書き方を変えるのがマナーです。ビジネスメールは自分とその人の立場をきちんと把握して書かなくてはなりません。
「今後とも」は「今まで通りに、従来と変わらずに」という意味合いですが、「今後とも」に続く文はメールの相手や用件の意味により変わります。相手が取引先の担当者なのか、目上の方や商談中の会社社長なのかによって、適切な言葉を選びましょう。
継続的なお付き合いをしたい際に使用
「今後とも」に続けて、「引き続き良好な間柄を保ちたいです。」といった意味の文にします。メールの内容や意味合いにより変わりますが、目上の方であったり、年長者へのメールの場合、「今後ともよろしくお願いいたします。」で締めると無礼になる事が多々あります。
あなたと宛先の方との間柄を今一度確認してください。「よろしく」と言える立場でしょうか?その人に「よろしく」を使える状況か考えてみましょう。用件とその意味を見直し、送信ボタンを押す前に宛先の確認を。
相手が取引先の担当者等であれば、「今後とも、お付き合いの程よろしくお願い申し上げます。」とします。
相手が目上の方になるのであれば、敬意を含める意味を込めて「今後とも、ご指導の程よろしくお願い申し上げます。」とするのがベストです。
「今後とも」の例文
「今後とも」を使用した例文に関してお話します。ビジネスのメールでは、「今後とも」を使っていろいろな言い回しが存在します。定型文で済ませずに、宛先や用件によって変化のあるメールを送りましょう。何度もやり取りのある人程、あなたの丁寧さに気づくはずです。
「今後とも」の意味は、「従来と変わらず、同じ様に」です。「今後とも」の後は最適な文を書き、本文の末尾に付け足します。
よろしくお願いいたします
「今後ともよろしくお願いいたします」は人を選ばずに書けますが、より具体的な内容を盛り込むに事によって用件の伝わるメールに変わります。
本文に用件の詳細を、文末に改めて何を依頼したいのかを明記する事で、その人に自分の用件を印象付ける事が出来ます。ビジネスメールを受け取る側は、何通ものメールに目を通しています。記憶に残らないメールは読み飛ばされる可能性も高くなってしまいます。
使い方の例文は、現状良い間柄であれば「今後とも、お付きあいの程よろしくお願いいたします。」と書き、「引き続き今の状態・関係を続けたい」といった意味を込める事が出来ます。
宛先が、ビジネスパートナーの様な間柄の時は、「これからも、協力関係を継続しましょう。」といった意味合いで、「今後とも、サポートをよろしくお願いいたします。」と記す事が出来ます。
ご指導
宛先が目上の方の場合、「今後とも、ご指導の程よろしくお願いいたします」といった使い方をします。目上の方からは、教えてもらう事も多く、ビジネスは何もかも一人で出来るわけではありません。失礼に当たらない様に「よろしく」を使わずに「ご指導下さい」とすべきです。
例えば、商談相手の社長へ送るメールであれば、敬意を払う意味も含めて「今後とも、ご指導の程よろしくお願いします。」・「今後ともご指導賜りますよう、お願いいたします。」と記します。
変わらぬ
その人と良い間柄を築けてきたのであれば「今後とも変わらぬ」と記すと、従来の感謝の気持ちを込める事が出来ます。
使い方の例文は「今後とも、変わらぬお付き合いの程よろしくお願いします。」・「今後とも、変わらぬご支援の程よろしくおねがい申し上げます。」等が挙げられます。
「従来通りに、将来も良い間柄をそのまま続けていきましょう。」とその人に伝える意味合いで、「今後とも変わらぬ」とする事が出来ます。
お引き立て
メールの送信先が優良顧客であったり、取引がコンスタントにある人の場合は「今後ともお引き立て」とする事も出来ます。メールの宛先が社外の場合に使われる事が多く、お得意様・常連客へのメールの時に活用出来ます。
例文は、「今後とも、お引き立てくださいます様おねがい申し上げます。」・「今後とも、倍旧のお引き立てをおねがいいたします。」等とし、従来の取引に感謝を示し「将来の取引についても、スムーズに進めていきたい。」といった意味合いとなります。
ご愛顧
ひいきにしてもらっている顧客や取引先が相手であれば、「ご愛顧」と書く事が出来ます。日頃から目をかけてもらっている事に感謝の気持ちを伝えるフレーズです。
「お引き立て」と似た意味を持ちますが、違いは相手とお金のやり取りが発生する時によく使われる点になります。商売上の相手や売買の関係であれば「ご愛顧」を活用しましょう。
「今後ともご愛顧の程よろしくお願い申し上げます。」・「今後とも変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。」等と記す事で商品を買ってくれた方へ、お礼の気持ちを表現出来ます。そして、「これからも、その商品を使い続けて欲しい」といった意味を含みます。
「今後とも」と「引き続き」の違い
「今後とも」と「引き続き」はふたつ共、共通の意味になります。しかし、ビジネスメールで使う場合はニュアンスの違いがあります。
意味の違いは大差ありませんが、ビジネスメールでは「今後とも」と「引き続き」を書き分ける事によって、本文の用件がより相手に伝わるメールになります。ニュアンスの違いを使い分けると、あなたの気持ちがより一層相手に伝わるメールに変わってくるでしょう。
引き続きの意味とは
メールの末尾に「引き続きよろしくお願いいたします。」と記すケースは、メールの送信時点ではまだやり取りが途中の時です。例えば、プロジェクトの渦中である場合や、メールで進捗の報告や連絡を受けた場合に「引き続き」と書きます。
例文は、「引き続き○○プロジェクトをよろしくお願いいたします。」・「引き続き、オンスケで完遂出来る様によろしくお願いいたします。」の様にする事が出来ます。
「今後とも」と「引き続き」の違いは、メールを送る時点で用件が完了しているか否かにより変わるものです。用件が完了していないのであれば「引き続き」を書き、用件が完了している状態であれば「今後とも」を書きます。
意味:物事が途切れることなく続くこと
物事が途切れずに、続く事を「引き続き」と言います。「引き続き」は今と先の将来を合わせて指し、現在進行形で使用します。
「引き続き」を使うのであれば、仕事の途中報告のタイミングや、商談の最中など用件の途中である時に使うのが適切です。「このやり取りはまだ継続するから、これからも続けてよろしくお願いいたします。」といった意味を含みます。
「引き続き」を使った例文は、「プロジェクトの進捗は現在予定通りとの事、ご連絡ありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします。」の様にメールを締めます。
また、「この度のお取引にあたってはご尽力いただきありがとうございます。引き続き○○社についても、よろしくお願いいたします。」の様に記す事も出来ます。
言葉の持つニュアンスの違い
「引き続き」は、「今後とも」と共通の意味ですが、使用する場面に違いがあり、ニュアンスも微妙に違います。
「今後とも」は、一度やり取りが完了した後、又別の機会もよろしくお願いいたします。といった意味で使います。一方、「引き続き」は、今取り込み中の用件はまだ続くため、このままよろしくお願いします。といった意味で使います。
メールを送る時点で用件が一段落している状況なのか、途中なのかの違いにより「今後とも」と「引き続き」のニュアンスに差が出てきます。
例えば、相手との取引が完了状態で、お礼のメールを送る時であれば、「今後ともよろしくお願い申し上げます。」と記します。
一方、相手との取引がまだ真最中の状況であり、近日中に又メールを送る様であれば、「引き続きよろしくお願いいたします。」と記します。
「今後とも」の例文は、「○○の件、いろいろとお力添えいただきありがとうございました。おかげさまで無事に完了する事が出来ました。今後ともよろしくお願いいたします。」の様に書きます。
「引き続き」の例文は、「○○の件、ご連絡ありがとうございます。プロジェクトの完遂まで後一歩の段階まで来ています。引き続きよろしくお願いいたします。」の様に書きます。
「今後とも」と「引き続き」の意味の差は本文の内容で出てきます。少しの違いではありますが、ビジネスメールでは気を付けて書きたい点です。
「今後とも」はこれまでと同じを意味する言葉
「今後とも」はこれまでと変わらずにという意味になります。本文を書いた後、締めのフレーズに「今後ともよろしくお願いいたします。」と書く事により相手との良好な関係を保つ事が出来ます。
「今後とも」と「引き続き」の意味は同等ですが、使用する場面に違いがあります。用件が一段落しているか、それとも真最中であるかによりニュアンスが変わるため、状況に応じて書き分けるとメールの伝わり方が変わってきます。
ビジネスメールでは「今後ともよろしくお願いいたします。」を多用しがちになりますが、目上の方へは「今後とも、ご指導の程よろしくお願いします。」とする事によって、より丁寧な印象を受けるでしょう。ビジネスマナーのあるメールは、あなたの印象も変わります。