「記 以上」の正しい使い方を知っておこう
「記 以上」という「記書き」という言葉。ビジネスシーンやフォーマルシーンでは欠かすことの出来ない言葉です。確実に間違いなく使いこなすことが必要不可欠となります。
この多くの情報を簡潔にまとめることが出来る「記・以上」という言葉について、正しい読み方や使い方、例文や英語での表現はあるのか?などを詳しく紹介します。ぜひ正しく使いこなしてください。
「記 以上」はいつ使えばいいの?
「記 以上」は「きがき」という読み方の公式な場で使われる文書です。文書はよく目にするものの読み方はあまり知らない、という人も多いです。
「記 以上」は伝達したい事柄を箇条書きにして分かり易く簡潔に伝える文書になります。伝達事項が文書一枚にまとまる内容であるとき、伝えたい情報をまとめるときに使う文書になります。
伝えたい情報をまとめるとき
「記 以上」は伝えたい情報をまとめて簡潔に伝えたいときに使う文書の形式になります。伝えたい事柄が一枚の紙におさまらないほどの情報量がある場合は適した形式にはなりません。
伝達事項のやりとりが多いビジネスシーンなどでは非常に便利な文書になります。正しい使い方を知って大いに活用してください。
文書一枚にまとまるとき
「記 以上」で書ける伝達事項はあくまでも文書一枚でまとまる量のときです。あまりに量的に多い事柄を文書に書く場合は「記 以上」には不向きな内容となります。あくまでも簡潔にまとめられる量が「記 以上」にむいた情報量になります。
あまりに多い情報を含むものは「記 以上」の文書には向きません。「記 以上」の文書に合う文書一枚程度の情報量が適切な内容となります。
公文書では積極的に使う
公文書では「記 以上」は積極的に使うと便利な書式になります。というのも「記」の下には必要事項や重要事項が書かれており、「以上」で内容が終わるため視覚で文章をとらえやすいからです。
忙しい場合でも「記」と「以上」の間だけを確認すれば、重要事項をシンプルにチェックすることが可能です。まわりくどい表現になりがちな日本の文章ですが、「記 以上」であれば簡潔に分かり易く重要事項が伝わります。
「記 以上」の正しい使い方って?
「記 以上」には読み方や文書の体裁としての正しい使い方があります。ビジネスシーンやフォーマルな場面で使われることが多い「記 以上」なので使い方を誤ることができません。正しい使い方を知って迷うことなく「記 以上」を使いこなしてください。
「記 以上」の読み方
「記 以上」という文書の体裁をさす言葉。この読み方はどう読むのだろう、と考えることも少なくないはずです。実際は「きがき」と読みます。どのような読み方なのかと質問が多い読み方になります。知っておくと便利な読み方の「記 以上」です。
文字のサイズは少し大きめ
「記 以上」の「記」の文字に関しては他の文字と比較してやや大きめの設定になります。件名、事項の挨拶などを記入。そして一段改めて、他の文字と比べてやや大きめに「記」を記載します。そして伝達事項を簡潔にまとめた上で箇条書きにします。
「記 以上」の正しい位置
「記 以上」では最初に挨拶文や文書の趣旨が書かれます。文書がいったんおわったら行間をあけます。それから「記」を少し大きめの文字にします。「記」の位置は文書の中央になるように配置します。
「記」の下の行間をあけ必要事項を箇条書きで書きます。必要事項が全て書けたら「以上」を最終行の末尾に書いて文章を結びます。
「以上」は必ず記載する
文末に「以上」とあると冷たい印象がある、キツイ印象がある、と言われる傾向が最近あります。しかし「以上」は文章の結びの言葉なので、必ず記載するようにします。
あまりよい印象ではない、と省くことで、伝達事項は何か残しがあるのでは、と相手を不安にさせます。また、先に紹介した通り、「記」と「以上」の間を読むことで、時間に余裕のない人でも簡潔に伝達事項を把握できる、という利点が失われてしまいます。
「記 以上」の中は箇条書き
「記 以上」の文書の目的は文書一枚にまとまる量が簡潔にまとめられていることです。伝達事項が2枚以上の文書になるときは「記 以上」は使いません。
そのため、「記」以下にはコンパクトに箇条書きにして伝達事項をまとめます。そして結びの言葉である「以上」で伝達事項を締めくくります。
この文書の体裁をとることで簡潔に分かり易く伝達事項を相手に伝えることができます。体裁のルールを守り簡潔にまとめることが「記 以上」の文書の効果を最大限に発揮させるコツになります。
メールでは使わない
メールでは「記 以上」の体裁の文書は使いません。というのもメールは元々簡略化された分かり易い体裁で書かれるのが一般的で箇条書きもよく使われています。
ですからメールでは「記 以上」が使われることはありません。文書自体はパソコンで作成されることはもちろんですが、メールで使われる文書ではありません。
追記はNG
「記 以上」の文書は簡潔さを目的として作成される文書です。ですから「追記」は書かないルールになっています。特に公文書においては絶対に追記はしないというルールがはっきりしていますので注意が必要です。
「記 以上」の使い方を例文とともに確認しよう
では実際の場面では「記 以上」の文書はどのように作成されているのでしょうか。ビジネス文書における例文、書類送付文書における例文、英語の文書における例文の順に「記 以上」の例文を紹介します。
ビジネス文書
ビジネス場面で「記 以上」の文書は会議のお知らせ等の社内での連絡事項で使うことが大半です。 日時や場所等はミスがないか必ず確認するようにします。
実際に作成する場合、まず最初に「記」を記載します。 この時、フォントは他の文章と見分けがつくように大きめに設定し、位置は中央揃えになるようにします。
次に本文となる項目を箇条書きで記載します。 例としては「内容」「日時」「場所」といったように一目でわかる項目に分けて内容を簡潔に記載します。注意すべき点は「記」と「内容」などの各項目は間隔を空けるということです。
全ての項目を記入したら、しめくくりに「以上」を入力します。 必ず右揃えになるように配置するのがルールです。
書類送付文書
書類送付文書もビジネスシーンでよく使われる文書です。間違いなく文書を作成します。この送付文書に添付する「記 以上」の文書は次の通りになります。
まず発送年月日の位置は右寄せした位置になります。次に送付先の会社名、団体名と個人宛てなら氏名を左寄せした位置に記入します。その後、書類送付した会社名、団体名、住所、電話番号・ファックス番号、氏名の順に右寄せした位置に記入します。
次に書類送付のご案内などタイトルを見やすいよう中央に記入し、少し行をあけて頭語を書きスペースをあけ挨拶文を記入します。その後、結語を改行して記入。記を中央に置き、行をあけて送付文書を箇条書きで記入。そして以上を右寄せして記入して完了です。
英語の文書
英語で「記 以上」という文書は存在するのでしょうか。英文もメール同様で簡潔な文章のイメージですが、英語で「記 以上」の文書が存在するのであれば、ビジネスでも役立つので例文も含めて知りたいところです。さっそく紹介します。
英語には該当表現がないので使わないのがベター
実は英語には「記 以上」にあたる形式も訳語もありません。ですから、英語で「記 以上」の文書を作成することは出来ません。
しかし英語で同様の文書を作成することはできます。記にあたるような英語としてはNotice(注意・通知・お知らせ)Details(詳細)やSummary(まとめ・要約・概要)などがあげられます。
まず「This years meeting schedule notice(今年の会議予定のお知らせ)」と題名を書き、続けてDate:、Time:、Place:、など一文づつ改行しながら書きます。
最期にIf you have any questions, please contact to (質問などありましたらto以下へ)という文章を続けます。
「記 以上」を正しく便利に使おう
以上、「記 以上」の読み方や正しい使い方、例文など紹介しました。伝達事項が一枚でまとまる情報量の時に使われ、「きがき」と呼ばれる文書。公文書では必要な情報が簡潔にまとめられているため忙しい中でも効率よく必要事項が把握できます。
また決まった体裁があり、間違いなく作成することが必要です。英文では「記 以上」の文書はありません。
「記 以上」を正しく便利に使うことで必要な情報伝達の効率が上がります。ぜひ正しく便利に「記 以上」をビジネスシーンで利用してください。