ノンバーバルコミュニケーションの意味
ノンバーバルコミュニケーションという言葉は、英語で「nonverbal communication」とつづります。この言葉を分解すると、「non」「verbal」「communication」で成り立っていますが、「non」は「非」「不」「無」などを表す接頭語で、「verbal」は「言語に関する」という意味です。「communication」は説明の必要がないでしょう。
非言語コミュニケーション
英語の「nonverbal communication」の意味を見ればわかるように、ノンバーバルコミュニケーションとは、非言語コミュニケーションのことです。言葉という手段を用いずに意思疎通を図る方法です。そういうと、言葉を用いずにそんなことができるのかと思われるかもしれませんが、表情や声、行動などからコミュニケーションを取るのです。
人間の五感を多用する
人間には、五感が備わっています。五感とは、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚ですが、ノンバーバルコミュニケーションでは、この五感をフル活用します。言語を用いないノンバーバルコミュニケーションでは、人間の持てる能力を最大限利用していくということです。それで初めて意思疎通が可能となります。
ノンバーバルコミュニケーションの重要性①言語の補完
言葉だけでも、自分の考えていることは相手に伝わるでしょうが、五感を使うノンバーバルコミュニケーションを駆使することで、言葉の補完ができます。人間、人と会話している時でも、声のトーン、表情、しぐさなどにも注意を向けていますが、これらのノンバーバルな動きから言葉では伝わっていない面までわかるようになるのです。
ノンバーバルコミュニケーションの重要性②信頼関係を築く
ノンバーバルコミュニケーションで信頼関係を築くこともできます。どういうことかというと、笑顔や柔らかい言葉のトーン、暖かい表情などで、相手への信頼の気持ちが十分にあることを示すことができるのです。相手もそのような人を信頼するようになります。したがって、互いにとって利益となる関係を構築できます。
ノンバーバルコミュニケーションの重要性③相手の状況を理解できる
ノンバーバルコミュニケーションによって、相手の状況をより深く理解できるようになります。たとえば、言葉では「大丈夫。なんでもない」と言っていても、顔色や声のトーン、しぐさなどで、相手が何らかの悩みを抱えていることに気づく場合がありますが、これもノンバーバルコミュニケーションの効用です。
ノンバーバルコミュニケーションの種類
ノンバーバルコミュニケーションでは、五感を使うという説明をしましたが、その使い方においていくつかの種類があります。どの五感を使うかで、種類も異なってくるのです。そのノンバーバルコミュニケーションの種類をこれから解説しますが、その種類をうまく駆使して、相手とより深いコミュニケーションを取るといいです。
視覚情報
まず、五感のうち目に入ってくる視覚情報を中心としたノンバーバルコミュニケーションの種類があります。どのようなものかと言うと、顔の表情や顔色、しわのより方、口の動き、目の動き、瞬きの回数、視線の先などによって伝わってくる情報がありますが、これらが視覚情報という種類に属します。
聴覚情報
耳に入ってくる聴覚情報も、ノンバーバルコミュニケーションの種類の一つです。耳に入ってくる情報とは、相手の声のトーン、声の高さや低さ、話をするテンポや速さ、リズム感、声の質、感情の入れ具合、口癖などのことです。これらの情報をうまく分析できれば、言葉で聞く以上に相手への理解が得られる場合があります。
言語情報
言語情報は、正確に言うと、ノンバーバルコミュニケーションの種類ではなく、バーバルコミュニケーションに属するものですが、言語の使い方を見たり、聞いたりすることで、ノンバーバルコミュニケーションの種類にもできます。たとえば、相手が使う言い回しやその頻度、しゃべる時の様子などからわかることもたくさんあります。
メラビアンの法則
ご存知の方はあまりいないでしょうが、メラビアンの法則というものがあります。これは、話し手と聞き手の関係を示した法則で、視覚や聴覚などのノンバーバル情報が、言語によるバーバル情報よりも影響が大きいことを取り上げています。具体的には、視覚や聴覚情報が93%の影響を与え、言語情報が7%しか相手を左右していないという結果となっています。
嗅覚情報
他人から感じられる臭いで、何らかの情報が読み取れる場合があります。このノンバーバルコミュニケーションの種類では、鼻を特に研ぎ澄まさなくても、自然に漂ってくる臭いや香りがヒントになります。たとえば、いい香りがしている人の場合は、清潔好きで、香水などで周りに気を配る人なのだと推測できます。
味覚情報
味覚情報もノンバーバルコミュニケーションの種類に含めることができます。たとえば、相手がどんな食べ物を好きなのかがわかれば、その人の趣向、好き嫌い、考え方などが伝わってくるからです。味覚というのは意外に大切なコミュニケーション手段で、好きなものが共有できれば、友好関係が深まることもあります。
身体感覚的情報
これは、ノンバーバルコミュニケーションの種類のうち、視覚情報に含めてもいいのですが、身体感覚的情報というものがあります。どういうことかというと、相手の何気ないジェスチャーから相手の気持ちや考えなどを読み取るのです。人間は何をするにも全くジェスチャーを示さないということはないので、この情報からいろいろなことがわかります。
ノンバーバルコミュニケーション【使い方①】
ノンバーバルコミュニケーションの意味や種類がわかったので、今度は具体的な使い方を見てみましょう。その使い方の種類もいろいろなものがありますが、まずは、動作や目の使い方です。人間、動作や目の使い方を工夫すれば、さまざまな情報を相手に伝えられるし、相手からのシグナルも受け取れます。
動作や目の動き
動作や目をどのように使えば、ノンバーバルコミュニケーションができるのかを見てみましょう。と言っても、特に難しいことはなく、普段私たちがやっている動作や目の動きで、十分に相手に気持ちが伝わります。そのような動作や目の使い方の種類をいくつか取り上げてみますが、今度は意識して行ってもいいでしょう。
ミラーリング
ミラーリングという言葉は聞きなれないかもしれませんが、相手のしぐさや動作を真似ることです。あまりわざとらしくミラーリングをやっては、ノンバーバルコミュニケーションには使えませんが、自然とミラーリングをすれば、相手が好意を持ってくれる場合があります。似た者同士、感覚が合うのです。
アイ・アクセング・キュー
アイ・アクセシング・キューという心理学で使われるテクニックがあります。と言っても、意味がおわかりにならないでしょうが、日本語に訳すと「視線解析」となります。つまり、相手の視線の動きを分析することで、相手の心の動きも読み取ろうというテクニックです。視線の動きには一定の法則があるとされ、いろいろなことがわかるようになっています。
うなずき
相手が話している最中に時折うなずくと、相手は自分の話を聞いてもらえているのだなと安心をします。これもノンバーバルコミュニケーションの種類の一つですが、誰もがこのような表情の使い方をしていることでしょう。うなずくという動作は、それだけ自然なものですが、相手に与える影響は結構大きいです。
目を合わせる
会話をしている時に相手から視線を外す人がいますが、これではノンバーバルコミュニケーションにはなりません。目を合わせることで、相手にこちらの真剣な気持ちが伝わります。相手も確かに話を聞いているなと納得します。目を合わせるというのはそれほど重要な行為で、気持ちを通じ合わせるうえで欠かせません。
ジェスチャー
ジェスチャーを使えば、効果的なノンバーバルコミュニケーションができます。ジェスチャーの使い方にはいろいろなものがありますが、特に大げさにしなくても軽いしぐさで気持ちは伝わります。ただし一つ注意点があって、ジェスチャーは国や地域などによって意味が大きく異なるので、時と場所に応じた使い方が必要です。
姿勢
姿勢も大事なノンバーバルコミュニケーションの使い方の一つです。姿勢がいい人は、人柄までもいいと思われることがあり、人間関係で得をする場合もあります。逆に姿勢が悪い人は、どこか体が悪いのか、何か悩み事を持っているのか、やましいことを考えているのかなど、否定的な意味が伝わってしまいます。
会話で前傾姿勢を取ると、かなり身を入れて聞いているのだと相手にも伝わります。逆にのけぞったりしていると、威張っているような印象を与え、悪く取られる場合があります。姿勢の使い方は難しいですが、時と場合に応じて使い分けましょう。
目の表情
目には、さまざまな表情があります。目の使い方ひとつで、自分の気持ちをコミュニケーションできる場合があります。たとえば、驚いた時は目を丸くし、怒っている時はにらみつけ、悲しい時には目じりを下げたりします。それを見た相手にも大体の意味は察せられるので、目はノンバーバルコミュニケーションの有効な手段です。
ノンバーバルコミュニケーション【使い方②】
声もノンバーバルコミュニケーションで多くのことが伝わる要素です。声の調子や大小など、声の表情を読み取る方法はいろいろありますが、具体的に一つ一つの項目についてどのように伝えればいいか考えてみましょう。それがわかれば、声の使い方も今後変わってくるかもしれません。
声・話し方
どのような話し方をすれば相手に気持ちが伝わるか、どのような声にすれば言いたいことがストレートにわかってもらえるかは、結構悩むところです。話し方や声の調子で、こちらが考えている事とは違った意味が伝わってしまう場合もあり、かなり気を遣います。そこで、ノンバーバルコミュニケーションとしての声の使い方を見てみましょう。
声の質
人の声の質は生まれつき決まっています。声変わりということはありますが、変わった後は一定です。しかし、話の内容によっては、多少声の質を変えることはできます。もし声が高すぎて、軽い印象を与えていると思ったら、意識して低めの声にしてもいいでしょう。このように声の質を変えることで、効果的なノンバーバルコミュニケーションができます。
声の大きさ
声の大きさの使い方によって、相手に与える印象が変わってきます。大きな声を出せば、元気がよく活発な人だと思われるでしょうが、反面ガサツな印象を与えることもあります。一方、声が小さい人は、繊細な感じがしますが、気も小さいのかなと相手が思うかもしれません。したがって、声の大きさもノンバーバルコミュニケーションの大事な要素です。
言葉の使い方
声の大きさや質の使い方によってもノンバーバルコミュニケーションが取れますが、言葉の使い方でも伝わるものがあります。難しい言葉を連発すると、知識があるようにも思えますが、何をインテリぶっていやがると嫌われることがあります。一方、平易な言葉を使って話をする人は、性格のいい人だと見なされることがあります。
同じ表現を何度も使う人は、頭が悪い人かしつこい人だと思われる場合があります。相手に言い印象を与えようと思ったら、表現にもメリハリをつける必要があります。
話す速さ
声の使い方と同時に、話す速さでもさまざまなことが相手に伝わります。話が早い人は、せっかち、慌て者などの印象を与え、時には相手もせわしない気分になることがあります。一方、話すテンポが遅い人は、のんびり屋さん、スローな人などの印象を与え、相手もまどろっこしいという気分になるかもしれません。
話すペース
話すペースと言っても、話すスピードという意味ではなく、話と話の間に入れる間のことです。人と会話をする場合は、一方的にまくしたてたのでは相手も聞きにくいです。そこで、間を入れる必要があるのですが、その間は、相手の聞いているペースに合わすといいです。そうすれば、ノンバーバルコミュニケーションが円滑に進みます。
ノンバーバルコミュニケーション【使い方③】
動作や目の使い方、声の使い方以外のノンバーバルコミュニケーションの種類を見てみましょう。動作や目、声の使い方でも伝わるものは多いですが、それだけがすべてではありません。ノンバーバルコミュニケーションの種類はさまざまで、多方面から相手に自分の意を訴えかけることができるし、相手の気持ちを察することも可能となります。
表情
人の表情からは多くのものが読み取れます。年齢、性別、今考えていること、思考の方向など、表情を見つめていればある程度察しがつく場合があります、それほど表情というものは、人間の気持ちをストレートに表すものです。ノンバーバルコミュニケーションでも、人の表情は最も重要な要素の一つとなっています。
表情を気持ちとは逆の方向に意識的に持っていくことも可能ではありますが、普通は考えていることがそのまま表れます。したがって、表情さえ見ていれば、相手の考えを悟ることもできるほどで、それほど多くを語ってくれます。
パーソナルスペース
パーソナルスペースの在り方で、ノンバーバルコミュニケーションが左右されます。もしパーソナルスペースの至近距離に初対面の人が侵入してくると、不快感や落ち着きのなさが相手に伝わることもあります。逆に親しい人、好きな人がパーソナルスペースに入ってくると、うれしさや喜びが表情となって表れることもあります。
身体的接触
身体的接触もノンバーバルコミュニケーションの一種です。身体を触れ合わせれば、言葉を交わす以上に親密さが伝わります。と言っても、外国人のようにほおずりしたり、キスをしたり、ハグしたりというわけではありませんが、握手を交わしたり、肩を組んだりするだけでも友好的な気分が広がります。
ただ、身体的接触には注意点もあります。あまり親密な行為に及ぶと、セクハラなどで訴えられる場合もあるので、誤解を招かないようにほどほどにする必要があります。
ノンバーバルコミュニケーションの注意点
言葉を用いないノンバーバルコミュニケーションは便利な意思疎通の方法ですが、言葉がないだけに誤解を招いたり、真意が伝わらなかったりなどの注意点があります。その注意点について詳しく解説しますが、ノンバーバルコミュニケーションを使う場合は、その注意点をしっかり頭に入れておく必要があります。
受け取る相手のせいにできてしまう
ノンバーバルコミュニケーションの注意点は、言葉なしで伝えたことが相手に理解されない場合、相手のせいにできることです。こんなこと言わなくてもわかるだろうというように、怒り出す場合もあり、関係が気まずくなることもあります。言葉を使えば伝わりやすいことも、ノンバーバルコミュニケーションではそうもいかず相手を非難する場合があるのです。
LINEの既読スルー
LINEの既読スルーがあると、相手はどういうことなのだろうかとイラつきます。既読スルーとは、既読になっていても返信がない状態ですが、ノンバーバルコミュニケーションで相手にその意図を伝えられるかというと、そうはいきません。いくら相手に察してもらいたいと思っても相手にはわかりませんが、それを相手のせいにしてしまう場合があります。
相手との距離感で伝わり方が変わる
ノンバーバルコミュニケーションを図る場合、相手との距離感も注意点です。ごく親しい友人が相手なら、言葉なしのコミュニケーションで伝わることも多く、伝わることも好意的に受け取ってもらいやすくなります。しかし、あまり親しくない人が相手だと、ノンバーバルコミュニケーションで誤解されることもあるので、言葉が必要となることもあります。
伝えたくないことまで伝わってしまう場合も
ノンバーバルコミュニケーションの注意点の一つに、伝えたくない情報まで伝えしまうというものがあります。誰でも隠したい情報や秘密にしておきたいことがありますが、言葉を使わないコミュニケーションでそれがわかってしまう場合があるのです。したがって、ノンバーバルコミュニケーションを用いる場合は、この注意点を頭に入れておきましょう。
民族や文化・社会の違いも注意点
ノンバーバルコミュニケーションの在り方は、民族や文化・社会などによっても異なります。したがって、この注意点を覚えておかないと、コミュニケーション自体が成立しないこともあるし、誤解のもととなる場合もあります。そういう意味では、これらの違いがある場合は、言葉を用いてコミュニケーションを図ったほうがいい場合も多いです。
ノンバーバルコミュニケーションが苦手な人がいる
ノンバーバルコミュニケーションは便利な方法ですが、苦手な人もいます。そういう人は、相手の表情や声のトーンなどから、うまく気持ちをつかめないので、そのような人へは優しく言葉で伝えてあげましょう。この注意点に鈍感だと、相手に意地悪になってしまう場合もあり、関係が悪くなることもあります。
コミュニケーションを改善する方法
ノンバーバルコミュニケーションの注意点はわかったでしょうから、今度はノンバーバルコミュニケーションだけではなく、コミュニケーション全体の改善方法を考えてみましょう。コミュニケーションと言っても種類はいろいろありますが、それぞれの種類により改善方法も異なっています。それらを詳しく解説します。
メールは非言語が少ない
メールは書かれた文章ですべて判断されるので、言語的要素が多く、非言語部分は少なくなります。このメールのコミュニケーション力を改善したいという場合は、文章能力を上げる必要がありますが、もし非言語部分も改善したければ、返信スピードを上げ、絵文字を工夫し、文章のトーンなどを変えるなどの手があります。
電話は非言語で伝えられる
電話は言語でコミュニケーションを図る道具ですが、非言語部分もかなりあります。したがって、電話でのコミュニケーション改善の注意点として、非言語部分にも注目する必要があります。たとえば、声のトーン、大小、抑揚、間の取り方などに工夫をして、非言語部分で伝える要素を改善すれば、より気持ちが伝わりやすくなります。
チャットは非言語が豊富
チャットには、言語的要素も非言語的要素も含まれますが、ノンバーバルコミュニケーションに属する部分も多いです、というのも、言葉による伝達だけでなく、視覚的要素に訴える部分もあるからです、したがって、チャットのコミュニケーション力を改善したければ、言語部分も非言語部分も磨く必要があります。
対面は多くの非言語で距離感を変えられる
対面では言語によるコミュニケーションも一定の役割を果たしますが、非言語部分が多くの要素を占めています。つまり、相手のしぐさ、ジェスチャー、表情、声の調子など、対面にはノンバーバルコミュニケーションの道具がそろっているのです。したがって、対面でのコミュニケーション能力を改善するには、すべての面での努力が必要です。
ノンバーバルコミュニケーションで伝わる情報
ノンバーバルコミュニケーションの意味をよく考え、注意点を頭に入れ、コミュニケーション能力を改善すれば、さまざまな情報が相手に伝わりますが、具体的にどのような情報が伝わるのか見てみましょう。そうすれば、自分でも気が付かないうちに多くの情報が伝わっていることに思い当たり、驚くこともあるでしょう。
交友緩解
SNSもノンバーバルコミュニケーションの一種です。このSNSを通じて、交友関係が知られてしまう場合があります。自分ではそのつもりがなくても、情報が拡散し、知らず知らずのうちに伝わってしまうのです。これなどはノンバーバルコミュニケーションの注意点とも言え、SNSの意味をよく考えて使う必要があります。
体型
体型というものは、意外に多くのものを伝えます。筋肉質、やせ型、ぽっちゃり方、肥満型などにより。その人が日ごろどういう生活をしているのかがわかります。場合によったら、悪い情報が伝わる場合もありますが、かといって体型を改善するのは容易ではありません。しかし、少しでも改善努力をしたほうがいいでしょう。
色眼鏡
色眼鏡で人を見るとは、偏見や先入観を持って人を見るという意味ですが、できれば避けなければいけないことです。特に色眼鏡で人を見ると、その心の内が相手にノンバーバルコミュニケーションを通じて伝わってしまう場合があります。この人は色眼鏡で私を見ているなどと思われていいことは何もないので、そのような態度は改善したほうがいいでしょう。
思考
人と会話をしている時は、相手に心を向けないといけませんが、時には自分の思考にとらわれて、相手の話が全く耳に入らないことがあります。そんな時は、態度や表情にも表れやすく、この人は自分のことで頭がいっぱいなのだと相手に感づかれてしまいます。したがって、できるだけ人の話を常に聞いていられるように心の中を整理しておく必要があります。
服装
服装の在り方でも多くのことが相手に伝わります。仕事でもプライベートでも、きちんとした服装をしている人はいい印象を相手に与え、信用できる人だと思われます。逆に、しわの寄ったシャツ、汚れたズボン、泥の付いた靴などを身にまとっていると、人格まで疑われる場合があります。したがって、服装をどう改善するかで、相手の気持ちも変わります。
身だしなみ
服装と同時に身だしなみもノンバーバルコミュニケーションの一種と言えます。身だしなみがいいか悪いかで、相手が受ける印象も大きく変わります。特に男性の場合は、身だしなみに無頓着な人がいるので、悪いイメージで見られる場合があります。そうなれば、自分だけでなく、所属している組織の信用問題にもなるので、改善したほうがいいでしょう。
権威
権威には、「他を支配し、服従させる力」という意味がありますが、この意味からもわかるように、権威には自然と相手に伝わるパワーがあります。権威がある人には、周りの人も一目置きます。この人の言うことなら従ってみようという気分にもなります。したがって、権威も強力なノンバーバルコミュニケーションとなります。
ビジネスにも活用したいノンバーバルコミュニケーション
ノンバーバルコミュニケーションは、さまざまな場所で行われる意思疎通の方法ですが、ビジネスシーンでも活用する場面があります。同僚、上司、部下、取引先との間では、言葉によるコミュニケーションも大事ですが、言語によらないノンバーバルコミュニケーションも重要な役割を果たします。
気持ちを伝える・読み取る
ビジネスシーンでは、上司と部下、同僚の間でさまざまなやり取りをしますが、その際、言葉だけでなく、表情、目の動き、服装、声のトーンなどによってもさまざまなことが伝わります。したがって、ノンバーバルコミュニケーションを上手に利用して、自分の気持ちを届かせる必要があります。受け手の側もその気持ちを鋭く読み取らなければいけません。
顧客や取引先に好印象を与える
ノンバーバルコミュニケーションとは、非言語コミュニケーションという意味なので、言葉以外の多くの部分が重要な要素となります。ビジネスシーンでは、顧客や取引先との関係で、これが大きな力となります。したがって、顧客や取引先との間がスムーズに行くように、少しでも外ににじみ出た部分を改善しなければいけません。
ノンバーバルコミュニケーションを使うことで人間関係が変わる
ここまで、ノンバーバルコミュニケーションの意味、種類、使い方、注意点、改善方法などについて説明しました。言葉によらない伝達手段であるノンバーバルコミュニケーションにはいくつかの注意点はありますが、上手に使えば、人間関係の改善にも役立ちます。したがって、言葉以外のさまざまな点を磨いて、いいコミュニケーションをしましょう。