遅刻魔とは
遅刻魔と言う言葉がありますが、「魔」を辞書で調べると、「しつこく~する人」という意味が出ています。つまり、遅刻魔で、「しつこく遅刻する人」という意味です。「しつこく」というくらいですから、1回や2回では済みません。何度も何度も遅刻をし、言い訳ばかり繰り返す人のことを遅刻魔と言います。
遅刻癖のある人
遅刻魔と言われる人は、遅刻が癖になってしまっています。毎日のように仕事や待ち合わせなどに遅れ、周りの人や相手に迷惑を掛けます。それでいて、あまり深刻には考えていないケースが多く、簡単に言い訳をして済まそうとします。しかし、遅刻という癖は褒められるべきものではなく、改める必要があるものです。
遅刻魔な人の特徴
遅刻魔な人にどんな特徴があるのか見てみましょう。遅刻魔と言われる人は、少し変わった特徴を持っています。普通の人なら、遅刻することはいけないことだと思い、早目に行動を開始しますが、遅刻魔の人はそのような態度を取りません。では、なぜそうなるのか、その背景にどんな特徴があるのか、詳しく解説しましょう。
①予定通りに動けない
いったん予定を立てたら、その予定に従って動くのが普通ですが、遅刻魔の人は予定通りに動けません。待ち合わせ時間の間近になって、急に別の作業を始めたり、打ち合わせの前に余計な仕事を組み入れたりと、予定に支障が出るようなことをしてしまうのです。このような特徴を持つ人は、何かと周囲に迷惑を掛けます。
②時間の計算が出来ない
毎日生活をしていれば、これこれにはどれくらい時間が掛かり、あれにはこのくらいの時間配分が必要だと計算ができるようになります。ところが、遅刻魔の人はその計算がうまくできないのです。出発前の身支度や準備にどれくらい時間が掛かるのか正確に把握できず、仕事や待ち合わせなどに遅刻してしまうのです。
③楽観的な思考
遅刻魔の人は、楽観的な人が多いです。少しくらい遅れても大丈夫だろう、このくらいの遅刻ならたいして問題にはならないだろうと、甘く考え、ついつい遅刻してしまうのです。しかし、その楽観的な考え通りに行くとは限らず、後で苦労することもありますが、それでも悪びれずに遅刻を繰り返してしまうのが遅刻魔の人の特徴です。
④憎めない性格
遅刻魔の人は周囲に迷惑を掛けているので、厳しく説教の一つでもしたくなりますが、なぜか憎めない性格の人が多いです。遅刻は繰り返すけれど、仕事は丁寧だとか、明るい性格の持ち主で、周囲を和ますなどの特徴を持った人もいて、遅刻を繰り返しても、ついつい許してしまうということがよくあります。
⑤優先順位が曖昧
物事には優先順位がありますが、これを決めるのが苦手なのも遅刻魔の人の特徴です。予定を優先すべきか、目先のことを優先すべきかは考えてみれば明らかですが、遅刻魔の人はそれが逆になる場合もあります。そうなれば、大事な予定に遅れることになり、相手も困りますが、意外にそのことを気にしていないのが遅刻魔の人の特徴です。
⑥整理が苦手
日頃から、物事をきちんと整理する性格の人は、時間にも几帳面で、あまり遅刻をしません。ところが、遅刻魔の人は、この整理が苦手で、片付けなどもうまくできません。物事をいい加減に放置するという性格の特徴がある遅刻魔の人は、どうしても時間にもルーズになりやすく、ついつい遅刻をしてしまいます。
⑦服装や身だしなみにも特徴が表れる
物事の整理が苦手で、時間にルーズな遅刻魔の人は、その特徴が服装や身だしなみに表れることがあります。しわだらけの服装、髭の剃り方がいい加減な顔、切れていない爪など、外見に十分な時間を使わず、慌てて、仕事や打ち合わせ、待ち合わせにやってきます。このような特徴があったのでは、相手の印象も悪くなります。
⑧行動がルーズ
遅刻魔の人は、行動そのものがルーズです。何をやるにもいい加減で、自分に甘いです。それは、片付けや服装、身だしなみと言った面だけではなく、日常でも仕事でもさまざまな場面で表れてきます。約束の時間に出かけるのにも、時間が掛かり、きびきびとは行動できず、遅刻してしまいます。
遅刻魔な人の心理
遅刻魔な人の特徴に続いて、心理についても考えてみましょう。遅刻魔の人は、独特の特徴を持っていますが、心理状態も普通とは違っています。遅刻をそれほど大ごととは考えず、軽く見ているのですが、そのような心理状態では、周囲に迷惑を掛けても気が付きません。そんな遅刻魔の人の心理を一つ一つ分析してみましょう。
①待っている時間が勿体ない
待ち合わせ時間よりも早く到着すれば、相手を待つ時間が生まれます。その時間が勿体ないと思うと、早く行くのがばからしく思われますが、遅刻魔の人の心理状態はまさにそういうことなのです。待っているよりも待たせたほうがいいという心理であり、ある意味図々しいのですが、それを当然と思っています。
②実は行きたくない
仕事や学校に行きたくないと思う時があります。しかし、普通の人はその気持ちを抑えて、通います。ところが、遅刻魔の人は、行きたくないという気持ちが強くなると、気持ちが乗らず、身支度や準備に時間を掛け、時間に間に合わなくなってしまうのです。行きたくないけれど、しょうがなく行っているという心理なのでしょう。
③遅刻魔も個性の1つ
遅刻魔の人は、遅刻を繰り返すことを自分の個性だと受け取っている節があります。これも個性なのだから、受け入れてもらわないと困ると考え、改善の努力をしないのです。したがって、遅刻を繰り返し、怒られても、それほど悪びれず、この個性を大事にしていこうという心理になっているケースさえあります。
④謝れば許される
遅刻魔の人は、遅刻と謝罪が当たり前になっています。何度も遅刻して、謝るという行為を繰り返しているので、謝りさえすれば許されるという心理状態になっています。しかし、遅刻を責めているほうは、そんな気持ちは毛頭なく、これ以上遅刻したら厳しい処分を取るという考えになっている場合もありますが、遅刻魔はそれもあまり気にしていません。
⑤時間ぴったりを狙う
遅刻魔の人でも、遅刻をしないようにしようという心理状態の人もいます。しかし、そのような心理になっても、余裕を持って行動することはなく、ぎりぎりに間に合うように出発します。けれども、ぎりぎりでは間に合わないことも多く、予定よりも遅れてしまう場合があります。それでもその行動パターンを改善しようとしないのが遅刻魔の人です。
⑥時間を守る気がない
遅刻魔の人でも、遅刻をしないように時間ぎりぎりを狙っている人はまだいいほうです。しかし、最初から時間を守る気がない人もいます。そのような心理状態の人は、遅刻を悪い、ことだとは認識せず、それほど深刻にはとらえていません。そのため、何度でも遅刻をしてくるのですが、周囲の人間は「どうしようもない奴」だと思っているでしょう。
遅刻魔で言い訳をする人への対処法
遅刻魔で、遅刻を繰り返す人はさまざまな言い訳を思いつきますが、その言い訳をそのまま受け入れるわけにはいきません。言い訳に対する適切な対処法が必要です、その対処法を誤ると、また遅刻魔は遅刻をします。そこで、遅刻魔の言い訳に対して、どのような対処法を講じればいいのかを解説しましょう。
①直球で聞く
遅刻を繰り返す遅刻魔があれこれ言い訳をしたら、直球で聞き返すという対処法があります。どういうことかというと、言い訳に対して、「じゃ、誰が悪いの」と真正面から聞いてみるのです。そうすると、遅刻魔も言い訳に窮して、それ以上は何も言えなくなり、素直に謝ることになります。それで改善してくれればいいのですが、そうなるとは限りません。
②自分だけが悪いと思わせない
仕事に遅刻ばかりしている人には、頭ごなしに𠮟りつけたくもなるでしょうが、これはいい対処法ではありません。遅刻魔が自分だけが悪いと思うのは逆効果です。むしろ、「ほかにもそういう人はいるが、注意してもらいたい」くらいに柔らかく言うほうがいいです。そのような対処法にすれば、言い訳をそれ以上せず、「今後気を付けます」となるでしょう。
③言い訳をスルー
遅刻の言い訳にはいろいろなものがありますが、その言い訳をすべて聞いていても意味はありません。時には、その言い訳をスルーするという対処法も必要です。もちろん、スルーなどしなくて何か言いたいところでしょうが、状況によりスルーするという対処法で対したほうがうまく行く場合があります。
④結論だけ聞く
言い訳を繰り返す遅刻魔には、ずばり結論を聞くという対処法もあります。なぜ遅刻をしたかの言い訳はそれほど大事ではなく、遅刻をした事実を認めることと今後改善していくことを約束させることのほうが重要です。遅刻魔に結論を言わせれば、それ以上言い訳はせず、改善すべき点を改善するかもしれません。
⑤言い訳に一定の理解を示す
あまり遅刻魔に厳しい言葉を浴びせかけると、かえって遅刻癖を改善するどころか悪化させる場合があります。したがって、このような対処法ではなく、言い訳に対して一定の理解を示すという方法もあります。そのように同情されれば、遅刻魔も自分が悪いのだなと思い、遅刻癖を直すようにするかもしれません。
⑥罰ゲームを与える
遅刻魔の言い訳に一定の理解を示して、遅刻癖を改善してくれればいいですが、そううまく行かない場合があります。そのような場合は、罰ゲームを与えるというのも一つの対処法です。たとえば、「仕事に遅れたらトイレ掃除30分」とか、「遅刻をした場合はお茶くみ担当」などの罰ゲームです。遅刻魔もそれに懲りて、遅刻癖を改善する場合があります。
⑦遅刻魔に合わせない
遅刻魔の言い訳に対する対処法で特に大事なのが、相手のペースに合わせないことです。仕事に遅れてきた場合も、あまり配慮はせず、これまでの作業やスピードを維持していきます。会議に遅刻してきた場合も、会議を遅らせたり、それまでの内容を逐一教えてやったりしないことです。そうすれば、遅刻のデメリットを感じ、態度を改めるかもしれません。
⑧早い予定時間を伝える
これは仕事というよりも、待ち合わせなどに頻繁に遅れてきて、言い訳を繰り返す人への対処法ですが、次回からは待ち合わせの予定時間よりも早い時間を相手に伝えておくという手があります。そうすれば、ちょうど遅刻してきた時間が本来の待ち合わせ時間となり、双方にとっても都合がよくなります。
遅刻魔を治す改善方法
仕事でも勉強でもプライベートでも、遅刻をするのはいいことではなく、改善しなければいけませんが、どうすればいいのか悩んでいる人もいるでしょう。そんな悩みにいくつかの答えを示しておきます。その答えを参考に、改善すべき点を治し、遅刻魔から脱却するように努力しましょう。
①勉強が出来るように努力する
学校にいつも遅刻する遅刻魔の子がいます。そのような子は、何かしら学校に気に入らない点や不満点を持っていることが多いです。その中でも勉強嫌いというパターンが少なくありません。そのような場合は、少しずつでもいいので、勉強に精を出してみましょう。そうすれば、やがて勉強が好きになり、学校通いも楽しくなるので、遅刻癖が改善できます。
②仕事が出来るように頑張る
勉強嫌いな子が遅刻魔になりやすいのと同じように、仕事嫌いの大人も遅刻を繰り返しやすくなります。したがって、遅刻魔という状態を改善したければ、仕事がよくでき、好きになるように努力すればいいのです。と言っても、簡単なことではありませんが、仕事の楽しい面を思い浮かべて、早く会社に行きたいと思うようにするのです。
③早めの行動を心掛ける
遅刻魔の人は、時間ぎりぎりに行動するか、少し遅めに動きだします。その点を少し努力して改善し、早目の行動を心掛けてみましょう。もし5分遅刻するのが習慣になっているのなら、予定より5分早く行動を開始し、10分遅刻の常連なら、逆に10分早く動き出すのです。最初は億劫に感じるかもしれませんが、慣れればできるようになります。
④計画性を身に付ける
遅刻魔の人は、行き当たりばったりで行動しやすいです。できればその点も治し、計画性を身に付けるようにしましょう。たとえば、1日の予定を手帳や予定表に記し、その内容に応じて行動するようにするのです。紙やスマホに予定を書き入れれば、案外簡単に予定時刻を守れるようになります。
遅刻魔は仕事で信頼を落とす
遅刻など大したことはないと軽く考えている遅刻魔ですが、実際には仕事で信頼を落としています。というのも、一人が遅刻をすることによって業務に支障が生じる場合もあるし、連係プレイが乱れる場合もあるからです。遅刻は自分の問題だと考えたい気持ちはわかりますが、仕事では一人のわがままが多大な影響を及ぼすので、信頼度が大きく下がります。
遅刻魔は早めに治しておこう!
ここまで、遅刻魔な人の特徴、心理、遅刻魔な人への対処法、遅刻魔の改善方法などについてお伝えしました。遅刻を繰り返す遅刻魔は、遅刻という事態をあまり深刻には考えていませんが、実際には周囲に大きな迷惑を掛け、自分の信頼も落としています。したがって、早くそのことに気づき、治すように努力しましょう。