青バラとは
青いバラを見たことはありますか?自然界には、アジサイやアヤメといった青い花がいくつもあります。バラを愛する人たちは、昔から研究を繰り返し、なんとか青いバラを作ろうとしてきました。
さまざまな色のバラが作られる中で、青いバラを作るのは不可能と言われてきました。それだけに青いバラに意味や魅力を感じる人は多いことでしょう。
花には花言葉がありますが、青いバラはどんな花言葉があるのでしょう?青いバラの花言葉は、青いバラを作るのが奇跡的に難しいことから、いくつかの意味が存在します。
青バラの魅力
人は不可能と言われたら、その分だけ余計に奇跡を期待したり、魅力を感じたりするのではないでしょうか?青いバラの魅力とは、まさにその存在が奇跡的だということにあるでしょう。もしあなたが青いバラを贈られたら、その花束の本数も確認することをおすすめします。青いバラの花束は、本数によって意味が変わってくるからです。
青バラが奇跡の花といわれる意味
青いバラは、奇跡の花と言われています。バラは昔から多くの研究者が、交配を繰り返し、さまざまな形や色のバラを作ってきました。そういった研究者たちの中でも、青いバラを作ることは夢であったそうです。
長い年月、多くの人が努力しても、作ることができなかった青いバラは、もしも作ることができたなら、奇跡と言えます。そのため、青いバラは奇跡の花と言われるようになったのでしょう。
青バラは昔「不可能」という花言葉だった
バラを愛する研究者たちの間で、長いこと、青いバラは存在しないと言われてきました。なぜ、青いバラは存在しないのでしょう?理由は、バラにもともと青い色素がないせいでした。
そのため、青いバラの花言葉の中には、永遠に作ることができないことから「不可能」という花言葉もありました。青い色素を持たないバラは、「不可能」と「存在しないもの」の象徴とされてきたことが多かったようです。
奇跡の青バラは存在する
青いバラの魅力は、なんといってもその希少性にあると言えるでしょう。青いバラは自然界に存在しないから、交配によって作り出すことは不可能でした。しかし、今、遺伝子組み換え技術が発達し、状況は変わってきました。
2004年、日本のサントリーフラワーズとオーストラリアの植物工学企業のフロリージンが、世界で初めて青いバラを作り出しました。2009年に「アプローズ」というブランド名で発表され、青いバラは切り花として全国の花屋で販売されています。
奇跡の花「青いバラ」の花言葉と意味
青いバラは自然界には存在しません。長い間、バラを愛する研究者たちにとって、青いバラは夢とされていました。このことから青いバラにはさまざまな花言葉があります。かつては「不可能」が花言葉でもありました。
しかし、アプローズが開発され、青いバラの花言葉にも変化が生まれてきたようです。青いバラには他にどのような花言葉があるのでしょう?
花言葉・意味①夢かなう
バラを愛する研究者の夢だった、青いバラが現在、存在します。それも、日本の技術開発によって生まれました。青いバラ「アプローズ」は正式名称を「SUNTORY blue rose APPLAUSE」と言います。「APPLAUSE」は拍手喝采を意味する言葉です。
サントリーフラワーズではこの青いバラ「APPLAUSE」の意味を「喝采」としました。そして青いバラの新たな花言葉として「夢かなう」が付け加えられました。「夢かなう」は青いバラの中でも、アプローズという品種の花言葉と言うことができるでしょう。
花言葉・意味②奇跡
青いバラの花言葉を「不可能」から「夢かなう」に変えた、サントリーフラワーズとフロリジーンの功績は大きいと言えるでしょう。青いバラ「アプローズ」が開発されてから、西洋では「attaining the impossible」、日本語で「不可能なことを成し遂げる」といった花言葉も加わりました。日本では「奇跡」という花言葉になりました。
花言葉・意味③神の祝福
青いバラは長い研究期間を経て、日本とオーストラリアの共同研究によって、開発に成功しました。しかしそれ以前の長い期間、他の国でも同時に開発が続けられていました。青いバラの花言葉のひとつに「神の祝福」という言葉があります。
これは青いバラの魅力に取りつかれ、奇跡を信じて研究を続けてきたバラ愛好家たちの、研究チームへの祝福の言葉とも言えるのではないでしょうか?
花言葉・意味④一目ぼれ
青いバラはとても魅力的な花だという点は確かでしょう。バラ愛好家だけでなく、人々の夢であった青いバラには「一目ぼれ」という花言葉もあります。英語では「love at first sight」と言います。
魅力的な青いバラは、ずっと心待ちにされていました。青いバラを見た瞬間、その魅力に一目ばれしてしまった人も多いのではないでしょうか?「一目ぼれ」の花言葉を持つ花は、もう1つあり、それはボケ(木瓜)です。
青いバラ開発ストーリー
青いバラを「不可能」「存在しないもの」から「夢かなう」に実現したアプローズは、どういった経緯で研究開発されていったのでしょうか?青いバラを作るプロジェクトが始まったのが、1990年でした。
そもそも80年代にバイオテクノロジーは飛躍的に進歩していました。この技術を応用すれば、青いバラを開発することができるのではないかと、大きな期待が集まったようです。
この当時から、他の研究チームは世界中にいくつもありました。青いバラをどこが最初に作るのかという競争も始まっていたのでしょう。
青いバラ開発の課題
青いバラを開発するために解決しなければならない課題は2つありました。1つは青い花に含まれる遺伝子の中から青い色素を合成するために必要な青色遺伝子を取り出すことでした。
もう1つはバラの細胞に青色遺伝子を入れて、そうして作った細胞から青バラを作成する方法を開発することでした。青色遺伝子が成功すれば、特許権で保護ができます。
そのため、他のライバルチームより早く見つけ出すことが重要だったと言えるでしょう。研究員たちが青色遺伝子をとる対象とした花は、濃い紫色をしたペチュニアでした。
ペチュニアが持つ青色遺伝子候補の3万種の遺伝子から300種に絞ります。そして1991年についに青色遺伝子を取ることに成功しました。
青色色素を蓄積させる
しかし簡単に成功はしませんでした。失敗に次ぐ失敗で、「青色遺伝子が入っているのに青色色素ができないバラ」ばかりが作成されました。努力が報われずに辛い日々が続く中、1995年に青色カーネーションの開発に成功します。
このカーネーションは「ムーンダスト」と名付けられ、1997年から日本でも販売が開始されました。この頃にようやく、バラでも青色色素が蓄積され、花の色が変化していったとされています。
そして1998年から1999年ごろに、やや青みを帯びたバラの開発に成功しました。さらに遺伝子導入が続けられます。
努力の甲斐があり、やがて青色色素が100パーセント蓄積したバラを咲かせることに成功しました。こうした青い系統のバラの品種から1つを選び出したのが2002年のことでした。
大反響を呼んだ青いバラ開発成功
2004年、世界初の青いバラ開発成功は公式発表され、会見場でお披露目がされました。これは大反響を呼び、海外でも大きく取り扱われました。とはいえ、まだ最後のハードルを越えなければなりませんでした。
遺伝子組み換え技術で開発されたものは「遺伝子組み換え生物等の使用等の規制による生物多様性の確保に関する法律」という通称「カルタヘナ法」に基づいて、農林水産省から認可を得なければなりませんでした。
さまざまな実験が引き続き行われ、生産、販売しても生物多様性に影響しないと実証するために、4年の歳月がかかりました。2008年1月31日に見事許可が下りました。
もっと青いバラを
青いバラは誕生しました。しかし花の色は色素の他に働く成分に左右されるのが実情です。青いバラ、アプローズは、現状では青紫色に近い色になっているという問題があります。
このため、さらに青い色に近づける研究は、今も続けられているという状態になっています。さらに、アプローズは遺伝子組み換え技術による栽培で可能になりました。
しかし遺伝子組み換え生物に対する抵抗感を強く感じる人も多いことでしょう。今後はこういった調整がカギになっていくと見られます。
青いバラは贈る本数で意味が変わる
さまざまな素晴らしい花言葉を持つ青いバラを、贈られたらさぞうれしいことでしょう。ただ、バラを贈る場合、その花束の本数も気にしなければならないことを、知っているでしょうか?バラは本数によって、さまざまに意味の変わる花でもあります。
魅力的で特別な意味を持つ青いバラを贈る時、その本数に気を付けましょう。本数が1本の場合、「一目ぼれ」や「あなたしかいない」という意味になります。本数が2本の場合、「この世界に2人だけ」という意味になります。
さらに本数が3本だと「愛しています」や「告白」の意味になります。4本では「死ぬまで気持ちは変わりません」、5本は「あなたに出会えたことの心からの喜び」を意味します。
さらに6本では「あなたに夢中」、7本では「ひそかな愛」、8本では「あなたの思いやり、励ましに感謝します」という意味になります。
バラを多く贈る場合も、意味が変わってきます。本数が100本だと「これ以上ないほど愛しています」という意味になり、本数が108本で「結婚してください」とプロポーズの意味になります。365本で「あなたが毎日恋しい」という意味になり、999本もの本数を贈ると「何度生まれ変わってもあなたを愛します」という意味になります。
青い薔薇を贈るなら9本がおすすめ
青いバラは開発に成功したとはいえ、まだまだ希少種で、値段も高価です。青いバラを50本も100本も贈るというのは現実的でないかもしれません。もしあなたが大切な人に青いバラを贈ろうと思った場合、本数は何本がいいのでしょうか?
青いバラを贈る時におすすめの本数は9本だと言われています。9本のバラの花束は「いつもあなたを思っています」という意味になります。「夢がかなうよう、私はいつもあなたを応援しています」という意味になり、大切な人にエールを送ることができるでしょう。
「青いバラ」以外の奇跡の花の花言葉と意味
青い花を見ると、なぜか不思議と安らぎを感じる人も多いのではないでしょうか?青い色は「開放感」や「信頼」といった気持ちをもたらす効果があると言われています。青いバラ以外にも、青い花は存在します。
そんな青い花の中でも、青いバラ以上に珍しい花はあるのでしょうか?遺伝子組み換え研究の結果、バラ以外にも青い花を開発することに成功しているので、紹介しましょう。
青い菊
遺伝子組み換え技術により、青い菊の開発も成功しています。青い菊は、色素を飾る2種類の青い色素から。遺伝子を取り出します。それをピンクの菊に組み込んだものが、青い菊となりました。
ただし、栽培の過程で花粉が飛んでしまい、自然の菊と混じる恐れがあります。そのため、一般的に栽培されたり、流通したりというのはまだ難しいようです。青い菊の花言葉は、まだありません。ちなみに菊の花言葉は「高尚」「高潔」「高貴」です。
青いカーネーション
青いカーネーションは、アプローズを生み出したサントリーの研究チームの手によって生まれました。
アプローズがまだ開発される前に、アプローズと同じようにペチュニアの青い花から青色色素を作る遺伝子を採取し、カーネーションの遺伝子に組み込むことに成功しました。
この青いカーネーションの開発成功は、青いバラ、アプローズの開発成功の足掛かりとなったとも言われています。青いカーネーションの花言葉は「永遠の幸福」です。
青いバラをモチーフにした曲や本
「願ってもかなわない夢」といった意味を持つ青いバラは、小説や歌謡曲の題材にぴったりなのではないでしょうか?「夢をかなえたい」と強く思う人は多いことでしょう。「不可能」に挑戦したいという心意気をテーマに小説や曲を作り出すのも、魅力的な作業だったことでしょう。そんな青いバラをモチーフにした作品を紹介します。
ブルーローズ(工藤静香)
工藤静香の曲に「Blue(ブルー)」とつくタイトルは複数あります。「BlueRose」「BlueVelvet」「BlueZone」の3曲です。これらは「Blue三部作」と呼ばれています。「ブルーローズ」は1994年3月18日にポニーキャニオンから発売されました。
工藤静香の21枚目のシングルとなります。歌詞の内容は、前向きとは言えません。かつての青いバラの花言葉であった「不可能」をイメージして作られた曲だったと推定できるでしょう。
青いバラ(最相葉月)
岩波現代文庫から2014年9月17日に刊行された「青いバラ」も、青いバラにまつわる作品と言えるでしょう。著者の最相葉月は、美しいバラを作ろうと奮闘してきた人々や実績などを事前に念入りに調べているようです。
バラを歴史的、科学的な観点からとらえ、そうしたバラを愛情を持って育ててきた人たちの努力についてを記しているノンフィクションです。
青バラの魅力的な「花言葉とその意味」を理解して大事な人へ贈ろう
人々の夢であった青いバラを贈られたら、それは感動することでしょう。青いバラの魅力だけでなく、青い色を実現するまでの苦労は、想像を超えるものだったでしょう。青いバラの花言葉や意味を理解した上で、本当に愛おしいいと思う人に贈ってみてはいかがでしょうか?きっと贈る側も贈られる側も、幸せな気持ちになることでしょう。