音読の効果で脳が活性化する?
小学生の頃、宿題と言えば「音読」がありました。「音読カード」に毎日、サインをしてもらっていたあの「音読」が、脳を活性化すると言われています。今回は、「音読」の効果について、具体的にご説明していきましょう。また、音読の効果がより得られる時間や方法についてもご紹介するので、参考にしてみて下さい。
音読の効果
「音読」には、どのような効果があるのでしょうか。「音読」の効果について、詳しくご説明していきましょう。「音読」の効果には、「文章の内容が頭に入る」「脳の前頭葉が刺激される」「声を出すことでストレス発散になる」「読むことに抵抗がなくなる」「活舌がよくなる」などの効果があります。
他にも、「コミュニケーション能力があがる」「子供の勉強前のウォーミングアップに最適」と勉強以外にも効果が期待できます。子供の頃の宿題で毎日していた「音読」に、勉強以外にもこんな効果があったなんて、驚くことでしょう。それでは、「音読」の効果について詳しくご紹介していきます。効果を知ってする「音読」は、高い効果が発揮されます。
文章の内容が頭に入る
音読の効果1つ目は、「文章の内容が頭に入る」です。「音読」をすると、文章をただ読んでいるだけのように見えます。しかし、文章を読みながら、同時に耳でも音読の文章を聞いています。加えて、口では、音読の文章を読んでいます。そして、目では、音読する文章を見ているのです。この様に、「音読」は、1度にたくさんのことを行っているのです。
そう考えると、音読をするだけで、脳をフル回転しているという訳です。「音読」をすることによって、文章の内容が入ってくるというのは、そういう理由があります。小学生の頃は、宿題で出されていたので、勉強のため音読をしていました。それは、文章の内容をより理解するために、毎日していたのです。大変意味のある宿題だったのです。
脳の前頭葉が刺激される
音読の効果2つ目は、「脳の前頭葉が刺激される」です。前頭葉の働きには、感情のコントロールをしてくれる働きがあります。前頭葉を刺激することによって、感受性が豊かになっていくとも言われています。また、前頭葉を刺激するということは、積極性と自主性も高めてくれます。前頭葉は、音読によってかなり刺激を受けます。
「音読」することによって、前頭葉の発達させることで得られる効果があるのです。「音読」は、前頭葉を刺激するのに、大変効果があるのです。そのため、子供の頃から、継続して「音読」の勉強をすることによって、知らず知らずのうちに「前頭葉」を鍛えていたのです。前頭葉を刺激するこことで得られる効果については後ほど詳しく解説します。
声を出すことでストレス発散になる
音読の効果3つ目は、「声を出すことでストレス発散になる」です。「音読」をする時には、必ず声を出す必要があります。声を出すためには、呼吸を深くする必要があります。呼吸が浅くなると、身体が緊張してストレスが高まってきます。「音読」で、声を出すことでストレス発散になるのは、そのためです。
他にも、「音読」の勉強をすると脳では、セロトニンと呼ばれる幸せホルモンが分泌されます。このホルモンは、ストレス発散に大変効果が期待できると言われています。
「音読」をし終わった後、なんともいえない「スッキリした気分」になるとこでしょう。これは、セロトニンのなせる業になっています。このセロトニンの効果をより、期待できるのは、夜にゆったりと音読をした時です。寝る前に、ゆったりとした音読をすることで、その後深い眠りを得ることができるのです。
読むことに抵抗がなくなる
音読の効果3つ目は、「読むことに抵抗がなくなる」です。「音読」をしていると、自然と声を出して読むことに抵抗がなくなります。「音読」を始めたばかりでは、発声方法や、呼吸の仕方が難しくて、「音読ってこんなに難しかったっけ?」と思うことがあるかも知れません。しかし、毎日続けていくと、「音読」することに抵抗がなくなってきます。
抵抗がなくなると、読むことが何の苦にもなりません。その内、声を出すことがうまくなっていくことでしょう。大きな声をお腹から出したり、正しい声の発声方法を獲得できるのです。そういった効果が「音読」では、あるのです。声の出し方がうまくなれば、コミュニケーションもスムーズになり、積極的にもなります。音読で人間性まで変えられるのです。
活舌がよくなる
音読の効果4つ目は、「活舌がよくなる」です。「音読」をすることで、自然と声を出す練習にもなっています。何度も文章を読むことで、下の動きも滑らかになるので、活舌がよくなるという効果であります。また、うまく音読しようとすれば、自然と姿勢や声の出し方が正しく矯正されていきます。
そうした効果が音読によって得られるのですから、小学生の勉強として出ていた音読は「すごかったんだな。」と思わずにはいられないことでしょう。大人になった今からでも、「音読」の効果を得ることができます。さあ、今からでも「音読」を始めて効果を実感してみましょう。
コミュニケーション能力があがる
音読の効果5つ目は、「コミュニケーション能力があがる」です。先ほどから、効果としてあげてきた事柄は、どれもコミュニケーションになくてはならないものです。例えば、前頭葉を刺激することは、まさにコミュニケーションを円滑にしてくれる働きがあります。コミュニケーションが円滑になれば、積極的になることができます。
また、「音読」をすることで、「正しい発声の仕方」であったり、「活舌がよくなれば、人とコミュニケーションをとる時に明るい声を出すことができます。明るく挨拶するだけでも、人の印象は全く違ってきます。明るく気持ちのいい挨拶をしてもらうと、「この人は話しやすいな。」と思ってもらえます。「音読」の効果に値することでしょう。
子供の勉強前のウォーミングアップに最適
音読の効果6つ目は、「子供の勉強前のウォーミングアップに最適」です。勉強を始めるまでは、「あぁ、勉強したくないな。」「勉強するの面倒だな。」という気持ちになることは、誰しもあります。そんな時に、「音読」をすると大変効果的に勉強に移行することができます。「音読」が、勉強のウォーミングアップになるのです。
「音読」は、勉強のなかでも比較的簡単にこなすことができます。ただ読むだけという簡単な音読は、子供でも、ハードルの低い勉強になっています。もし、「勉強したくない。」と子供が言い出したら、「じゃあ、音読から終わらせてしまおうか?」と声を掛けてみて下さい。「音読」が、勉強のウォーミングアップになることでしょう。
音読が脳を活性化させる効果がある理由
それでは、どうして音読が脳を活性化させる効果があるのか理由についてご説明していきましょう。「音読」の効果には、脳を活性化させることによって、たくさんの効果が生まれることは、ご理解いただけたことでしょう。では、その理由についてより詳しく、解説していきましょう。
「音読」が脳を活性化する理由について知ると知らないとでは、効果の出方が変わってきます。しっかり理解しておきましょう。
文字と音の処理が同時に行われる
音読が脳を活性化させる効果がある理由1つ目は、「文字と音の処理が同時に行われる」です。「音読」をする時は、口や目、耳と様々な部位を同時に働かせる必要があります。脳にとっては、大変な作業をしていることになるのです。1度自分で音読を試してみて下さい。1度にする情報処理の多さに驚くことでしょう。
脳は、「音読」をするときには、たくさんの部位をいっぺんに動かしているので、どんどん働かないといけなくなってしまうのです。どんどん働いている状態とは、たくさん刺激を与えている状態とも言えます。これによって脳が活性化し、効果を得ることができるという訳です。
黙読より使う脳の部位が広い
音読が脳を活性化させる効果がある理由2つ目は、「黙読より使う脳の部位が広い」です。「黙読」をしている時のことを思い出して下さい。「黙読」は、使っているのは、目で文字を見て、情報を処理していく働きを脳が行っています。一方、「音読」は、黙読よりも圧倒的に脳を使います。まず、目で文章を見ます。その後、黙読を同じ、情報を処理します。
この作業を行いながら、同時進行で口から言葉を発してくるのです。なかなかすごいことを「音読」では行っているのが、お分かりいただけたことでしょう。それと同時に、「黙読」と「音読」は、全く別物であることも、お分かりいただけたことと思います。よって、「音読」をおすすめしているのです。
慣れない文章で刺激が加わる
音読が脳を活性化させる効果がある理由3つ目は、「慣れない文章で刺激が加わる」です。人間の脳は、同じことを何度も繰り返し行っていると、だんだん慣れてきます。慣れてくると、脳を刺激することができません。脳を活性化するには、常に新しいことをする必要があるのです。
比較的、漢字であったり、ひらがなで書かれた文章は、読むのを慣れているので、スラスラ読めます。しかし、カタカナが多い文章は、途端に難しく感じてしまいます。詰りながら読むことで、脳を活性化しているのです。子供が、ゆっくりゆっくりでも「音読」を毎日するのは、脳を活性化させていたのです。
音読の効果を高める方法
これまでの文章をご理解いただければ、「音読」がいかに脳を活性化させて、効果があるのかよく分かったことでしょう。それでは、音読の効果をより高めてくれる方法について、ご紹介していきます。せっかく「音読」をするのですから、より効果的な方法で「音読」をするといいでしょう。是非、参考にしてみて下さい。
自分の興味のある内容の文を読む
音読の効果を高める方法1つ目は、「自分の興味のある内容の文を読む」です。いくら「音読」に効果があると聞いても、興味がない文章を読むのは、面白くありません。歴史が好きな人であれば、歴史書を読めば、ワクワクするかも知れません。しかし、歴史に興味がない人は、眠たくなってしまう可能性があります。
脳は、自分に興味があることを記憶として残しておくことができます。せっかく「音読」をするのですから、少しでも記憶に残るような文章を読みましょう。読む方法は、本でも、インターネットの文章でも、新聞でも、参考書でもなんでも構いません。あなたが「面白い」「楽しい」「ためになる」と感じる文章選ぶようにしましょう。
「音読」する意味を理解する
音読の効果を高める方法2つ目は、「「音読」する意味を理解する」です。「音読」の効果を理解して音読をするのか、「音読」の効果を理解しないまま、音読をするのかでは、音読の効果の出方が全く違ってきます。「音読の意味」であったり、「音読の効果」を具体的に分かっていれば、意識して音読ができるからです。
例えば、「勉強をする前に、腕慣らしで音読をしよう。」と思って音読をすれば、より効果的に勉強に身が入ることを意味しています。実際に「音読」は、勉強のウォーミングアップに最適です。分かってやるのと、分からずにただなんとなくするのでは、効果が全く違ってきます。
高速音読をする
音読の効果を高める方法3つ目は、「高速音読をする」です。「高速音読」とは、その名の通り、高速で音読することを意味しています。脳は、筋トレと同じで、負荷が高ければ、高いほど効果が発揮するとも言われています。また、いつもしないようなことをすれば、それだけ脳の刺激になるという訳です。
「高速音読」は、大変効果的な方法です。初めは、慣れないため難しいかも知れません。しかし、そうやって何度も練習することで、どんどん脳が刺激されて、活性化します。限界に挑戦していくとより、「音読」の効果を高めることができるので、是非「高速音読」に挑戦してみて下さい。
ポジティブな言葉を選ぶ
音読の効果を高める方法4つ目は、「ポジティブな言葉を選ぶ」です。ポジティブな言葉を聞いていると、不思議と気持ちまでポジティブになってきます。仕事で嫌なことがあったとしても、「音読」する時に、ポジティブな言葉の文章を読むようにすると、どんどん自分の心もポジティブになっていきます。
自分の気持ちをポジティブにするような、文章を読むようにしましょう。そうするとより効果的に「音読」の効果を得ることができるでしょう。また、美しい言葉で書かれた詩集もおすすめです。読み終わった後、心が洗われたような気持ちになることでしょう。
音読に負荷をかける
音読の効果を高める方法5つ目は、「音読に負荷をかける」です。脳は、負荷をかけることによって、その負荷に対応できるように、容量を大きくしていくことができます。「音読」で負荷をかけるには、高速で読む方法をおすすめします。
高速音読の方法は、文章を読みながら、イメージをします。イメージしながら音読を高速で行うことで、より負荷をかけることができます。
音読の効果をあげる時間帯・時間
続きまして、音読の効果をあげる時間帯や時間について解説していきます。「音読」をするのに、より効果をあげる時間とは、一体何時なのでしょうか。音読をする時間を、意識して音読を行えば、勉強や仕事にも効果が上がります。また、子供にもこの時間に音読をすすめてみて下さい。勉強するときに、頭の状態がいいときに学校に行っている状態になります。
朝音読をする効果
音読の効果をあげる時間帯・時間1つ目は、「朝音読をする効果」です。朝に音読する効果は、大変高いです。特に、高速音読がおすすめです。朝に高速音読をすると、頭の中がフル回転して、1日をスムーズにスタートすることができます。朝の日課にしてしまえば、1日を有効に過ごせます。
朝は、なんとなくボーッとしてしまうことが多いですが、仕事や学校に行く前に音読をすることで、シャキとした頭で、仕事や勉強をすることができるのです。ここで、食後がいいのか、食前がいいのかは、「食後」がおすすめです。食後であれば、食事をすることで口の動きが滑らかになります。そのため、朝の音読は食後が効果的です。
夜ゆったりと音読をする効果
音読の効果をあげる時間帯・時間2つ目は、「夜ゆったりと音読をする効果」です。夜に高速音読は、おすすめできません。それは、高速音読によって、頭がフル回転するため、眠気がなくなってしまうためです。夜の音読は、ゆったりとすることを意識するようにしましょう。夜にゆったりと音読することで、リラックスすることができます。
そうすれば、幸せホルモンである「セロトニン」が分泌して深い眠りに入ることができます。その時は、自分の好きな小説であったり、素敵な詩集がおすすめです。「心がゆったりするもの」を選ぶようにしましょう。
夜の高速音読はおススメではない
音読の効果をあげる時間帯・時間3つ目は、「夜の高速音読はおススメではない」です。先ほどにも述べましたが、高速音読は、脳を活性化してくれるので、朝に向いています。夜に高速音読をしてしまって、頭がさえて眠れないようになっては、意味がありません。夜は、セロトニンを出して、質の高い睡眠を得ることを優先しましょう。
夜は、ゆったりとした自分の好きな文章を音読するようにします。「リラックス」を意識した音読にしましょう。そうすれば、より音読の効果を体感することができることができるのです。
1日10分程度がちょうどよい
音読の効果をあげる時間帯・時間4つ目は、「1日10分程度がちょうどよい」です。音読を長時間したら、それだけ効果がありそうな感じがします。しかし、より効果を実感したいのであれば、1日10分程度にしておきましょう。
朝に食後1日10分してから、仕事や勉強を始めることを習慣にしてみましょう。そうすれば、頭の回転がよくなった状態で仕事や勉強に取り掛かることができます。子供にも、学校に行く前の10分間を音読タイムにしてみましょう。そうすることによって、学校に到着する時は、頭がしっかりと勉強モードになっているのです。
英語の音読で英語力がアップ
英語での音読をすることによって、英語力がアップします。最近は、小学校から英語教育が始まりました。子供の習い事でも、英語が人気になっています。子供の英語力を付けたいのであれば、「英語の音読」がおすすめです。
子供であっても、簡単な英語の音読をすることで、英語力がアップすることができます。効果的に英語力をアップできるので、リスニング力やヒヤリング力も身に付きます。子供に英語を身につけさせたいと思う方に、「英語で音読」をおすすめします。
音読の歴史
日本では、音読はされてきたのでしょうか?音読の歴史についてご紹介していきましょう。音読は、江戸時代や明治時代では、寺子屋であったり、藩校であったりで本を読むことを行っていました。本を読む時は、声を出して読むことが主流で行われていたのです。それがいつしか衰退していくのです。そしてここ20年で再び音読が認識されています。
音読は江戸時代から寺子屋や藩校で行っていた
印刷の普及により、黙読が始まりました。そこからは、黙読がほとんどで「音読」の効果は忘れられていたようです。それが、20年程前から、脳科学の進化によって、「音読」の効果が再確認され始めたということです。先に述べたように、音読にはたくさんの効果が期待できます。
子供達が、毎日宿題でしている音読は、これからも効果的であるとされ、毎日宿題で出てくることでしょう。もちろん大人になってからも、「音読」の効果を享受することは可能です。
音読で脳を活性化してリフレッシュしよう!
「音読」には、脳を活性化してリフレッシュする効果があります。今回は、そんな「音読」の効果について詳しくご紹介してきました。音読をする時間帯を選べば、1日を頭をフル回転させて過ごすことができます。また、夜眠る前にゆったりとした音読をすると、リラックスをして眠りにつくことができます。
子供にも、「音読」の効果はあります。また、大人になってからも、「音読」をすることでの効果を体験できることでしょう。「音読」で脳を活性化させていくことで、よりよい毎日を送ることができます。今回紹介した方法で、「音読」を効果的に行いましょう。「1日10分音読習慣」を是非、始めてみて下さい。