効果のある推薦書のポイント
「推薦書」とは対象(人・物)に対して第三者が評価をし、就職先や進学先、または昇格をする際に対象を推薦していることを表現する書状です。今回は推薦書を書いてもらう側と書く側、両方の視点で書き方や書式のポイント、推薦書の内容や例文、誰に書いて貰うと良いかを詳しく紹介します。
誰に書いて貰うのか
推薦書は誰に書いてもらうのが良いのかご存知でしょうか。単に自分の身近にいる友達や知り合いに推薦書を書いてもらっても何の効果もありません。推薦書は推薦書を受け取る側にとって「この方が推薦しているなら」と思ってくれる人に書いてもらうのが一番効果的です。
自分が学生であれば大学の教授、社会人であれば部長などの役職がある程度高い人に書いて貰うと推薦書を受け取る側からの信頼を得ることもでき、次のステップ(昇格など)に行きやすくなります。
どんな内容なのか
「推薦書」は推薦する人、物などをいかにPRできるかが問題です。かといって嘘偽りを書くのでは書いて貰う人にとっても書く人にとっても信頼を失うなど後にデメリットしかありません。
書く内容としては推薦する対象の実績やアピールポイント、次のステップに対してどのような貢献が出来るかなど、推薦する対象にとってもやる気が出るような内容にするのがポイントです。
なお、推薦書の提出先や書く対象によって、一番効果的なアピールの仕方が異なります。後々目的別にご紹介しますので今は大まかな内容だけ頭の中に入れておきましょう。
就活の際の推薦書の書き方
はじめに就活をする人に対しての推薦書の書き方をご紹介します。就活の際の推薦書は推薦書を依頼した学生が受ける企業に対して有能であることを示す必要があります。企業に対して有能な人材であることを伝えなければならないので、見ず知らずの学生に推薦書を書くことは出来ません。
いい加減な気持ちでデタラメを書いてしまうと、面接で面接官に質問された際に、推薦書を書いてもらった学生本人が困ってしまいます。また、学生だけではなく書いたあなたも信頼を失い、最悪の場合、学校自体の信頼を失ってしまうかもしれません。
そうならない為にも推薦書を書く側は学生をよく観察し、書いて貰う側も物事に対して積極的に取り組むことで、より強い関係性になることが重要です。
真面目な学生を証明する書き方をする
次に就活の際の推薦書の書き方についてご紹介します。役割としては学生が受けたい企業に対して推薦書を書いてもらえるような真面目な学生であることを証明する事ができます。就活の場合、大切なのは実績よりも本人の人柄が分かるような書き方にするとより良いです。
内容ですが、その学生が普段の授業やクラブなどの活動に対し真面目に取り組んでいることに加え、積極的に行っていることを書くとよいとされています。企業に対して役に立つ存在と一読すれば分かるような書き方にすることがポイントです。
自己推薦文が必要な事も
自己推薦文とは文字通り、自分で自分を推薦することを言います。自分が今までに取り組んできたことや、就活において長所をアピールする大切な書類となります。内容ですが、学校生活に限らなくても問題ありません。アルバイトや、自身が興味を持って真剣に取り組んでいる活動でも十分効果を発揮できます。
自己推薦文の書き方としては、まず自分のことを客観的に知る必要があります。受けたい企業に対して必要とされるような文を書かなければなりません。自己PRと似ている部分もあるので、PRする部分がある方はそこから話を膨らませると良いでしょう。
内容はひとつにまとめる
自己推薦文の場合、アピールポイントがたくさんあったとしても全てを書くことは逆効果です。それはアピールポイントを書けば書くほどひとつひとつのアピールが弱くなってしまうからです。
アピールするポイントをひとつにするコツは受けたい企業がどのような人物像を欲しているかで決めると良いでしょう。上手くマッチすることが出来れば受けたい企業に対して自分の存在を更にアピールできます。
せっかくのアピールポイントがあっても肝心の文章が支離滅裂では台無しです。相手にきちんと伝えるためにも、道筋を立てて書いているか確認することが大切です。また、自己推薦文では書き出しと終わりは特に重要になります。書き出しが悪いとそれだけで興味を持たれない可能性があります。書き出しと終わりは何度も確認しましょう。
大学教授に書いてもらう例文
大学の教授に推薦書を書いてもらうことができればよいですが、書いてもらうにはまずその教授に自分のことを知ってもらわなければなりません。大学の教授は毎日たくさんの生徒と接していますから、頑張って自分を教授の視野に入れてもらうことが大切です。
また推薦書を書いてもらう依頼をする際、直接会うのが一番良いですが、難しい場合はメールでも大丈夫です。メールの書き方の例文として、件名は「推薦状のご依頼」等と記載し、メールでお願いする旨を断っておきます。また最後に自分の署名を加えることを忘れないようにしましょう。
昇格推薦書の役割と書き方
自分と一緒に仕事をしている部下が昇格をしていくために面接などを行う際、上司が推薦書を書かなければならないという状況があります。昇格推薦書と言われ部下の昇格の後押しとなる重要な書類です。昇格推薦書の役割としては、部下に対し、仕事の能力が高いことや信頼をおける人物であることを証明できることにあります。
書き方は実績を具体的に書く
昇格推薦書の書き方ですが、就活の時の推薦書とは違い、会社での貢献度を数字などの実績で表すと良いです。販売の営業で例えるなら売上のデータを参考に会社に貢献している書き方が出来ます。
実績のある書き方をすると言ってもその実績を偽ってはいけません。後の面接にて支障がない内容にすることが必須です。その為にも自分の知っている範囲ではなく、本人と話し合いをした上で整合性がとれる推薦書にすることが大切です。
昇格推薦書の例文
昇格推薦書の役割や書き方をご紹介しましたが、いまいちピンとこない方もいるかもしれません。今回は昇格推薦書の例文をご用意しましたので是非参考にしてください。
始めに「ますますご清祥のことお喜び申し上げます。」と基本の挨拶分を書きましょう。その後にその部下を推薦することを宣言し、推薦の内容を記載します。文の始めと終わりは「拝啓」と「敬具」を記載しますが、よ「謹啓」と「敬白」と記載する方がより丁寧な表現になります。
推薦書はとにかく内容が一番大切な部分となります。日常の仕事もあり大変ですが、きちんと見定めた上で書くのと面倒な作業と思って書くのでは書いて貰う人にとって後々大きな差になる場合があります。テキトーに処理せず真剣に取り組みましょう。
推薦書の書式例
推薦書の書式ですが、書類を送付する際に書類の一番上に付ける送り状(レターヘッド)を参考にするとよいでしょう。推薦書の一番上の行に日付を右揃えで記入します。その後に相手先の企業を左揃えで記入し、自分(推薦書を書く人)の所属をまた右揃えで記入します。
そのあとは中央揃えで「推薦書」と記入し、「拝啓~」と推薦する内容へと入っていきます。推薦する内容の記入が終わったら最後は右揃えで「敬具」と記入し文章を閉じます。これが推薦書の基本的な書式です。
但し、こちらは一例ですので場合によっては最初から推薦の内容を記入することもあります。時と場合によって書式を変えると良いでしょう。
基本的な書式と内容を押さえれば十分
「推薦書」と聞くとはじめは作文や履歴書の様に長文だったり、沢山の項目をかかなければならない書類と感じてしまいがちですが、これまでご紹介した推薦書の例を見るとさほど難しいものではないと感じた方もいるのではないでしょうか。
これまでご紹介した通り、就活の推薦書であれば「真面目で積極性がある学生」の書き方、昇格推薦書であれば「実績を交え、企業において信頼がある社員」の書き方をしていれば過大評価していなければ何ら問題はありません。
推薦書は自らが推薦したい気持ちさえあればパソコンで簡単に作成できます。また、最近ではネットで推薦書を検索すると様々なテンプレートが無料で配布されていますので、用途にあったテンプレートを使って推薦書を書くのも一つの手です。
推薦書の書き方は偽りなく具体的に書く!
推薦書は就活、進学においてあるのとないのでは大きな差が出てくる場合があるくらいとても大切な書状です。その為、書く際にはキチンと仕組みを理解し、書く対象のことを同様によく理解することが大切です。ご紹介した例文などを参考に嘘偽りのない、推薦書を見ただけで対象のことが分かるよう具体的に書くようにしましょう。