プリンストン大学はどんなところ?
日本でこそ知名度はそれほどないためご存じない方も多いプリンストン大学ですが、現在は世界大学ランキングで7位(2014年時点)に位置したこともあるほどの大学で、アメリカの中でも8番目に古い1746年創立の歴史のある大学として知られています。
今回の記事ではそんな歴史、品位のあるプリンストン大学についてお伝えしていきますが、まずはそのプリンストン大学の場所や学生数、寮の施設などの概略についてざっと解説していきます。
プリンストン大学の場所
プリンストン大学は、ニューヨークとフィラデルフィアの中間にあるニュージャージー州にキャンパスがあります。キャンパスの周囲は非常に緑あふれる場所となっており、大きな湖や草原もあります。
周辺にはプリンストン大学以外にも多くの学術機関や研究機関が多く並んでいてアメリカ国内でも有数の学園都市的な場所となっています。また、プリンストン大学内の学者や学生寮は非常に歴史観にあふれていてアカデミックな雰囲気を感じられる場所ともなっています。
学生数
プリンストン大学の学生数は約5300人で、男女比は男性51%、女性49%とほぼほぼ半々の割合となっています。また、留学生の割合も10%ほどを占めておりカナダや韓国、イギリスなどからの留学生が集まる場所となっています。
例えば日本の東京大学の学生数が2万8000人弱、早稲田大学が5万2000人ほどとなっており、それらと比較すると非常に小規模な大学となっております。その分、日本の「偏差値ランキング」などで上位に来る大学以上に選び抜かれた学生が集まる場所ともなっています。
寮の施設
プリンストン大学の学生が普段住んでいる場所についてですが、基本的には学生の98%はキャンパス内に点在する6つの学生寮に住んでいます。
寮にはそれぞれ食堂がついており、基本的には自分が住んでいる寮以外でも食事をとることができます。量は教授や大学院生などが管理を行っており、コミュニティのつながりが大切にされている場所でもあります。
プリンストン大学の歴史
先ほどもお伝えしたように、プリンストン大学は1746年創立と全米でもトップクラスの歴史を誇る名門校です。そんなプリンストン大学は、かつて多くの有名人が在籍した大学でもあり、またその創立の起源についても特徴のある大学です。
そんな歴史を感じる場所であるプリンストン大学について、そこで学びの時間を過ごした有名人や大学の成り立ちについて詳しくお伝えします。
プリンストン大学に在学した有名な人物
プリンストン大学はこれまで歴代で2人の大統領や41人のノーベル賞受賞者、14人のフィールズ賞受賞者らを輩出するなど、そうそうたる顔ぶれが集まってきた場所でもあります。かのアインシュタインもドイツからの亡命後にプリンストン大学の教授に着任したことも有名で、学内に彼の頭像もあります。
卒業生の中にも作家のスコット・フィッツジェラルドやアマゾンの社長であるジェフ・ゾベス、アメリカ史上初のアフリカ系アメリカ人のファーストレディーであるミシェル・オバマなどがいます。また、かつて村上春樹も客員研究員として在籍するなど、世界中の歴史を作ってきた頭脳が集結する場所であり続けているのがプリンストン大学です。
プリンストン神学校と創立の起源が同じ
プリンストン大学は、隣接するプリンストン神学校と創立の起源が同じであるという歴史もあります。
同じアイビーリーグに属するハーバード大学やイェール大学がプロテスタント清教徒会派であるのに対して、プリンストン大学はプロテスタント長老派に起源があるという点で歴史的な対比がされることも多いです。
プリンストン大学の偏差値・難易度は?
そんな歴史のあるプリンストン大学ですが、入学するための難易度は非常に高いことでも有名です。先ほども述べたように学生数が多くない分、歴史のあるプリンストン大学に入学するための試験はシビアです。ここでは、中々日本のような偏差値だけでは測り切れないプリンストン大学の入学難易度や学部構成などについてお伝えしていきます。
プリンストン大学の学部
プリンストン大学には全部で29の学部があり、その中で自由に授業を選択することができます。コアカリキュラムなどはありません。
特に物理や数学の分野については世界最高峰の著名人が教鞭をとることもあります。例えばこれまでの歴史の中ではアインシュタインもプリンストン大学内の高等学術研究所内で教鞭をとっていました。
人気のある学部としては「情報工学」「経済学」「行政学」などがあります。これらの学部は日本でも偏差値が高い大学が多いですが、プリンストン大学内でも入学難易度は高めです。
プリンストン大学の偏差値・難易度
アメリカの大学は一般的に日本のような偏差値ランキングで測れないような側面もありますが、基本的に日本の偏差値トップクラスの大学と同じかそれ以上に難易度は高いです。
合格率は7%ほどで、アイビーリーグの中でもトップクラスに難しい大学の一つです。求められる英語力もTOEFL iBTで100点以上と非常に高いため、基本的にはネイティブレベルの英語力が求められると考えて間違いありません。
このように、日本で東大のような偏差値トップクラスの大学に受かるような人でも中々難しいのがプリンストン大学なのです。
プリンストン大学にMBAはない
実は、プリンストン大学にはMBAプログラムはありません。プリンストン大学は社会科学や人文科学、自然科学系のアカデミック系の分野において非常に存在感を示している一方で、一般的に人気のある商学、医学や法学系の学部は設置していません。
そのため、プリンストン大学に留学を考えるとなるとそういったビジネスに直結しそうな学部というよりは純粋に学びを深めるという方向で考えることをおすすめします。
偏差値を世界大学ランキングで比較!
ここでは、そんな偏差値以上の難易度があるプリンストン大学について他の大学ランキングトップクラスの大学と比較していきます。
どの大学も日本の偏差値ランキングで見るような単なる学力だけで入れる大学ではないので一概に偏差値での比較とはいきませんが、それぞれのトップ大学をざっくりと見ていきます。
ランキング7位:プリンストン大学
まずは、これまでも紹介してきたプリンストン大学です。2014年時点の大学ランキングで7位と、毎年ランキングの上位に来る常連の大学であります。
後ほど詳しく説明していきますが、これらのトップ大学の中では学費も比較的安い方ではあり奨学金も充実しているなど、多くの学生に門戸を開いている大学であるのが特徴です。
ランキング6位:ハーバード大学
2014年の世界大学ランキングで6位になったのがかの有名なハーバード大学です。プリンストン大学と同じアイビー・リーグに属する大学の一つでもあり、1636年とプリンストン大学以上に古い歴史があります。
バラク・オバマやビル・ゲイツなどの有名人が多く在籍してきた大学でもあり、日本人の留学先でもよく候補として挙げられることの多い大学です。
ランキング5位:カリフォルニア工科大学
続いて、そんなハーバード大学を押さえて世界大学ランキングで1位になったこともあるカルフォルニア工科大学です。こちらは1891年に創立とアメリカの大学の中では比較的新しいものでもあります。
工科大学ということから理系の大学院生などの間で留学先の候補として挙がることも多く、サイエンス分野の大学の中ではこちらもトップクラスです。
ランキング4位:マサチューセッツ工科大学
そして、「MIT」の愛称で日本人の中でも有名なマサチューセッツ工科大学が2014年の世界大学ランキングでは4位にランクインしています。こちらもサイエンス系の人たちにとっては憧れの大学の1つです。
世界的に研究分野でリードしている大学であり、マサチューセッツ州のケンブリッジに位置するMITはまさに研究分野の最前線を行っていると言えます。
ランキング3位:スタンフォード大学
そして第3位はカルフォルニア州スタンフォードに本部のあるスタンフォード大学です。こちらも1891年創立とアメリカの大学の中では比較的新しい大学です。
卒業生の中にはラリー・ペイジなどの有名人も多数おり、学費が世界トップクラスに高いことでも有名な格式高い大学の一つです。
ランキング2位:ケンブリッジ大学
これまではアメリカの大学が世界大学ランキングに名を連ねてきましたが、1・2位はいずれもイギリスの大学です。第2位のケンブリッジ大学はイギリスのケンブリッジに所在する総合大学で、第1位のオックスフォード大学と並んで常に世界トップの大学として評価されています。
進化論などで有名なチャールズ・ダーウィンや哲学者のフランシス・ベーコンなど、ヨーロッパで学術を牽引してきた歴史上の人物が在籍してきた大学です。
ランキング1位:オックスフォード大学
そして第1位は、イギリスのオックスフォード大学です。こちらは12世紀には現在の大学の礎ができているなど現存する大学の中で3番目に古く英語圏では最古の大学でもあります。
誰もが一度は留学してみたくなるような歴史感あふれるキャンパスが魅力的であり、少人数教育も整備されている世界最高峰の大学です。
プリンストン大学の学費はいくら?
世界の他のトップ大学と比べてもそん色ないプリンストン大学ですが、留学のためにかかる学費も気になるところです。一般にアメリカの大学は学費が高いイメージがあるため、留学がためらわれるという人も多いのではないかと考えられます。
しかし、これから解説していくようにプリンストン大学はアイビー・リーグの中では最も学費が安く奨学金も充実していることから、日本人の留学先としては非常に有力な候補となりうる大学の一つなのです。
アイビー・リーグの中で最も学費が安い
プリンストン大学の学費は、寮費が151万円で学費が453万円、あわせて604万円となっています。この金額だけ見ると日本の大学のおよそ5倍から10倍程度の学費となり、非常に高額な印象も受けてしまいますがそれでもアイビー・リーグの中では最も学費が安く留学も経済的な観点からはしやすいと言われています。
プリンストン大学の奨学金
プリンストン大学は積極的に奨学金制度の充実や学費支援などを行っている大学で、学部生の6割が学費援助を受けているとされています。
2001年からは、アイビー・リーグ史上では初となる返済不要の奨学金制度も設置しています。これは、日本でも問題となっている奨学金の返済ローンに苦しむ学生を少なくするための措置です。この背景には卒業生からの多額の寄付とその資金の投資運用などがうまくいっているという事実があります。
これらの奨学金は非常に基準が緩く、両親の年収が2000万円を超えているような場合であっても承認されることがあります。
日本で募集される奨学金
一般的に、留学生に対してはプリンストン大学側が用意している奨学金が適用されることはないです。しかし、成績が優秀である場合は奨学金が支給されることもあるようです。そうはいっても留学生向けの奨学金は倍率も高いため、可能であれば国内で募集している奨学金を利用する方がベターです。
日本国内で募集されている奨学金として、文部科学省の「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」や独立行政法人の日本学生支援機構などのものがあります。
申請条件や返済の要不要などはそれぞれ異なるため、要チェックです。また、基本的にそれらの奨学金は渡航前に申請を行う必要があるので十分に注意しなくてはいけません。
プリンストン大学に留学をする方法
そんなプリンストン大学に留学する方法ですが、まず基本的には留学できるのは新入生のみで他の大学で既に科目を履修している場合は編入することはできません。したがって、その場合は大学院からの入学になります。
また、新入生として留学する場合には日本の大学入試と異なる評価対象があったり、将来のビジョンについて問われることがあるためそれらの点について注意する必要があります。
留学での評価対象
プリンストン大学はアイビー・リーグの中でも屈指の難しさとして有名で、GPAだとおよそ3.9ポイント、TOEFL iBTにおいては100点以上はマストだと言われています。つまり、ネイティブ並みの英語力は大前提であるということです。
また、単に高得点を取るだけでなく、学風に合った人柄や価値観などをエッセイや推薦状などで示す必要もあります。そのため、プリンストン大学の学風などを事前に詳しくリサーチしておくことを強くおすすめします。
留学前に将来のビジョンを明確にする
さらに、これはプリンストン大学に限らずアメリカのどの大学でも言えることですが、単に留学をするだけではなく学業やそれ以外の活動に積極的に参加することが求められます。また、インターンなどもしながら将来どのようなキャリアを築いていくかということも考えていかなくてはいけません。
そのため、留学前に大学卒業後のビジョンを設計するということも入学のための対策と合わせてしっかり行っていくことが必要です。
プリンストン大学は多くの学生に門戸を開く学校!
これまで説明してきたように、プリンストン大学は歴史も深い世界トップクラスの大学である一方で返済不要の奨学金を給付するなど多くの学生に門戸を開いてきた大学でもあります。
もし今回の記事を読んでプリンストン大学への留学を考えるようであれば、大学の公式ホームページなどでさらに詳しく情報収集をして対策をしていくことをおすすめします。