面接の定番のよくある質問・回答例
リクルートホールディングスのシンクタンクである「リクルートワークス研究所」の最新の報告によると、2020年の新卒採用の求人倍率は1.83と昨年から0.05ポイント減少したものの、依然として高い数値を保っており、学生側の売り手市場が続いています。
更に中途採用の求人倍率に関しては、新卒採用の求人倍率を上回る2.60倍と昨年に引き続き非常に高い数値になっています。
これは純粋に企業が人手不足で悩んでいることを意味しますが、同時に企業と求職者のマッチングが上手く出来ておらず、入社しても早期に退社してしまうケースが増えているということも理由として挙げられます。
また、いくら企業側が人手不足で悩んでいて、マーケットが求職者側の売り手市場になっても、日本経済は引き続きに不景気が続く見通しの為、企業は本当に望んでいる人材しか採用しない傾向になっています。
「企業が本当に望む人材」を採用するには、エントリーシートの内容以外に、面接の内容が重要だと言えるでしょう。実際に会って、面接をしてその人材がその企業にとって本当に適しているのかどうかを見極めることで早期退職を防ぐことができると言えます。
本記事では、就職の際に行われる企業面接でよくある質問とそれらの回答例、また答えづらい質問をされた場合の対処方法、面接官に好印象を持ってもらう為のコツなどを詳しく解説していきますので、是非参考にして見て下さい。
自己紹介をしてください
企業面接では、ほぼ全ての企業が面接の初めに自己紹介を求めて来ることが一般的だと言えるでしょう。自己紹介は、採用担当者と初めて会話をするタイミングになるので、第一印象で好印象を与える事は極めて重要なことだと言えるでしょう。
大切なことは、元気よく、ハキハキと答えることです。但し、元気よくと言ってもあまり大きすぎる声で自己紹介をするのは控えるようにしましょう。また、余計なことは喋らず、面接官に訊かれたことだけ話すようにしましょう。
自己PRの時間は殆どの場合、その後の面接時間で自己PRを話す機会が設けられるのでその際に答えるようにしましょう。これは単純なことですが、重要なことです。訊かれていないことまで話すような人材は、仕事でも同様のミスを犯す可能性があると捉えられる可能性があるからです。
氏名、学校名、学部など、特に「簡単な自己紹介をして下さい。」と訊かれた場合、必要最低限の内容を伝えるようにしましょう。自己PRなどを話す機会は、面接官にその旨を質問された時にするようにしましょう。
あなたの長所・短所を教えてください
自分の長所・短所を尋ねられたら、事前の企業研究でその企業が好みそうな回答を事前に準備して、その内容を簡潔に分かり易く述べましょう。企業理念や社風は各企業によって異なります、その為企業研究は必須事項だと言えます。
自分の長所と短所を訊かれた場合、長所から先に伝えるようにしましょう。また、その際に抽象的な表現を使うのも避けた方が良いでしょう。
回答例として「私の長所は人当たりの良さと、コミュニケーション能力が高いことです。これらの長所を生かし、大学ではボランティアで良く人の悩み相談などを実際にお会いして訊いたり、メールで相談を受けていたりしていました。初対面の人でも物怖じせずに笑顔で接することが出来ます。」
「逆に、私の短所は一つのことに没頭してしまうと、その事に集中しすぎて周りが見えなくなってしまうことです。悩み相談を受けている時も、一人深刻な悩みを抱えている方の相談に没頭しすぎ、他の相談相手の対応が少し疎かになってしまったことがあります。」
このように、まず自分の長所・短所が何なのかを分かり易く説明し、次に実例を話して相手に良いイメージを持ってもらうように心掛けましょう。短所に関しては、仮に重大なミスを犯していた過去があってもそれを全て正直に話す必要はありません。
尊敬する人は誰ですか
この質問は全ての企業が訊いてくるわけではありませんが、可能性は高いので、準備しておきましょう。この回答もその企業理念に沿うような回答が好ましいと言えるでしょう。仮に尊敬する人がいなくても「特にいません。」はNGです。
仮に特に尊敬している著名人などがいない場合、「両親を尊敬しています。」または「父親を尊敬しています。」という回答は、好印象を与える事が出来ると言えるでしょう。
理由として、面接官にも子供がいる可能性が高いことが挙げられます。また、家族を大切にしているということを伝えると、コミュニティーを大切にするとも捉えられ、就職したら職場の仲間や上司も大切にするだろうと、捉えられるからです。
好きな言葉・座標の銘はなんですか
「座右の銘」も比較的定番の質問だと言えるでしょう。これも企業の社風に合わせるのが無難です。極端な話、完全に成果主義の企業であれば「結果が全てで、達成するには如何なる犠牲も覚悟の上です。」のような座右の銘を探しすと良いでしょう。
逆に、コンサルティング会社のような顧客と長く付き合い徐々に成果を上げていくタイプの企業では「勿論、結果にも拘りますが、大切なのは過程です。結果だけならジャンケンでいいと思います。」という、棋士の羽生善治九段の格言のようなものをそのまま伝えるのも良いでしょう。
最近のニュースで気になるものはありますか
この質問には、普段新卒の学生や転職者が世の中の政治や経済などの分野にどれくらい興味があるのかを聞き出す意図があります。当然、企業側としては最低限の世の中の政治や経済状況に詳しい求職者を採用したいと考えているのが一般的だと言えるでしょう。
この意図的な質問は、新卒・転職の求人者問わずどれくらいの社会人としての常識があるのかを問われていると認識しましょう。今はネットで情報を素早く集める事が出来るので、面接前の2~3か月程前から意識して、ネットのニュース記事などを読んでおくことをおすすめします。
最後に何か質問はありますか
これも採用の面接の際に新卒・転職の求人者問わず頻繁に訊かれる質問の一つだと言えるでしょう。特に企業側は新卒の学生にこの質問を最後に訊く傾向にあります。この質問に対しては、仮に何も質問することがなくても必ず答えるようにしましょう。
この質問が意図することは求職者の「就職に対する意欲」や「コミュニケーション能力」を測る為のものであると言えます。従って、この質問に対しても予め回答を準備しておくことをおすすめします。
回答例として「御社ではどのようなタイプの社員が活躍されていますか?」または「御社の社風は風通しの良い雰囲気作りと、御社のウェブサイトで拝見したのですが、具体的にどのような工夫をされているのですか?」のような回答例が考えられます。
新卒の面接でよくある質問・回答例
「GAFA」のような特殊な外資系企業などは例外として、日本の一般企業に就職する際に、新卒の面接でよくある質問は、比較的ステレオタイプなものが多いと言えるでしょう。ここでは「志望動機」「自己PR」以外で比較的良く訊かれる質問と回答例を紹介します。
学生時代に最も打ち込んだことはなんですか
この質問は新卒の面接に於いて、非常に多くの企業が質問してくる典型的な質問の一例だと言えます。既にエントリーシートで記入しているケースが殆どだと考えられますが、敢えて企業側は口頭で学生に説明させて、「説明・解説能力」を見定めることを意図しています。
回答する際に重要なことは説明の構成の仕方です。先ずは、学生時代に打ち込んだことの大まかな概要を伝え、次にその動機を伝えます。そして、その過程に於いて特に努力したことや苦労したことを説明し、それらにどのように対処したかを分かり易く説明しましょう。
また、この質問に対して虚偽の回答をすると突っ込まれて回答に困ってしまうケースもあるので、実際に学生時代に最も打ち込んだことを話すようにしましょう。例えそれが「ゲームを沢山した。」「漫画をたくさん読んだ。」などの回答でも、工夫次第でポジティブな回答にすることが出来ます。
例えば「私は団体行動よりも一人で本を読むことが好きで、学生時代には様々な本に触れあいました。その結果色々なジャンルで様々な知識を身に付けることが出来て、どのような会話でもそれなりの受け答えが出来ると自負しています。」
このような回答でも、学生時代に打ち込んだことが社会で役に立つと相手に思わせる事が出来るような文章を予め用意しておきましょう。
研究内容・学部の内容について教えてください
これは今に限ったことではないのですが、特に理系で専門性の高い学部を卒業予定の新卒学生に対し良く求められる質問です。いつの時代でも理系の学生は重宝されます。優秀大学の理系学生の青田刈りが、全体の就職活動の時期を早める原因になっていると言っても過言ではありません。
現在の採用マーケットでも特にIT関連の企業は人手不足に悩んでおり、優秀な理系の新卒を採用したがっています。これは、優秀なプログラマーなどは即戦力になるのが理由です。
卒論のテーマはなんですか
この質問も新卒の面接に於いて比較的よく訊かれる質問だと言えるでしょう。多くの場合「卒論」の内容は膨大であり、それらを長々と説明するのはおすすめでしません。従って「何故そのテーマを選んだのか?」「そのテーマとその企業の関連性」を分かり易く説明しましょう。
一例として「昨今のAI市場のマーケット規模は拡大を続けており、将来的にもAIは経済発展に欠かせないと感じています。自分自身もAIの分野に対し非常に興味があり、且つ御社のようなAIに特化した企業に就職したいと考えてこのテーマを選びました。」
このような回答例が模範的な回答例の一つとして考えられると言えるでしょう。ポイントは「何故そのテーマを選んだのか?」そして「そのテーマはどのように仕事に活かせるのか?」の2点を簡潔に分かり易く説明することです。
なぜ今の学部を選んだのですか
大学で現在専攻している学部は、厳密に言えば高校の時に決めた学部ということになります。高校時代から将来を見据えて学部・専門分野を絞っているというのは、将来の人生設計がしっかりと出来ていると、採用担当は考え、結果的に好印象を残すことが出来ます。
例えば語学を専攻していて、商社や外資企業に面接する際に回答例として「現在、英語は世界の標準語となっており、英語を取得することで約35億人ともいわれる英会話を使える世界の人々と交流を持ち、様々な価値観や感性を磨くことが出来ると感じています。
私にとって、他言語を使い他の国の人々と交流しビジネスをすることが長年の夢でした。そのような理由から大学では英語を専攻しております。また、同時に第二外国語としてスペイン語も選択しております。」などの回答例があります。
サークル・部活・バイトの経験はありますか
この質問の意図は、企業側は学生に対し「コミュニケーション能力」または「仲間との協調性」のレベルがどの程度かということを知る為の意図があると言えるでしょう。この質問に対しては「やりがい」「苦労したこと」「得られたこと」を簡潔に説明しましょう。
回答例として「私は大学での4年間で、起業サークルという主に将来的に独立を目指している仲間たちと共に、成功している起業家や企業の代表などにインタビューをするなどして、成功するビジネスモデルの研究をしてきました。
多くの成功している起業家などからは厳しいお言葉を頂きましたが、協力的な方も多く、多くの方から貴重な御意見を訊くことができ、更にその過程に於いて、インタビュースキルやコミュニケーションスキルを向上させることが出来たと感じています。」
この様な回答例が考えられます。一方で、大学時代にサークルやバイトの経験がない学生でも「大学生活は学業に励んでおり、特にそのような特別な経験はして来ませんでした。」という、印象を与えることが出来ないような回答は避けるようにしましょう。
特になければ、例として「私は大学時代サークルやバイトの経験は御座いませんでしたが、その代わりプログラミングに非常に興味を持っていた為、プログラマーである兄から色々なアドバイスをもらい、プログラミングの勉強を独自にやっていました。」
このような回答例で「少なくとも何かしらに熱中していた」ということを強く印象付けることが出来るような答え方が相応しい回答だと言えるでしょう。
ボランティアの経験はありますか
ボランティアに関しては、実際に経験したことがある場合はその旨伝え、経験が無い人は虚偽の申告はNGです。一見ボランティア活動の経験がある学生は企業から高く評価されると思いがちですが、実際に企業がこの質問を通して知りたいのはその学生の「人柄」です。
この質問に関しても「何故ボランティアをしようと思ったのか?」「何故そのボランティアを選んだのか?」また「ボランティアという経験をして実際に感じたことや得られたこと」を分かり易く伝えるようにしましょう。
答え方の一例として「私は東日本大震災で母親を亡くしました。その時の私の精神状態は非常に不安定でしたが、周りのお温かいサポートのお陰で立ち直ることが出来ました。その為、2018年に起きた九州北部豪雨で被害を受けた子供の心のケアのサポートの為、ボランティアに参加しました」
このような答え方が一般的に望ましいと言えるでしょう。また、ボランティアとうものは基本的に報酬がなく、それなりの体力も必要になります。それらを含めた自分の「人柄」をアピールできるような答え方をすることをおすすめします。
あなたにとって仕事とは何ですか
この質問はかなり抽象的な質問だと感じる人もいると言えるでしょう。しかしこの質問に関してもきちんとした企業側の意図があります。それは「新卒の学生の仕事に対する価値観と企業理念がマッチングしているか。」というものです。
回答例として、「私は生きることは働くことだと感じています。働かざる者食うべからずという言葉があるように、人間として自立し、税金を納め、より良い社会を目指すことが私の目標です。」
「その為には、私が今まで培ってきた教養と、社会人になってから得られる経験によって努力を積み重ね、新しい価値観を提供することが大切だと思っています。」この様に仕事に対する「覚悟」を訴求するのが良い一例だと言えるでしょう。
あなたの就活の軸はなんですか
この質問は「就活の軸はなんですか」と意図的に難しい文章にしている様に見えますが、「就活で最も重点を置いたものはなんですか」と言い換えると、比較的回答しやすい文章に変換することが出来ます。
回答例として「私は語学が堪能なため、日本語以外の言語が必要な企業に絞って就職活動をしてきました。御社のような様々な国々と取引をされているような企業は特に私とって魅力的に感じ志望いたしました。」
このような回答例が考えられます。面接時に「なんとなくこの企業を選んだ。」という印象を持たせないように注意することが大切です。
学生と社会人の違いは何だと思いますか
この質問は近年各企業の新卒面接に於いてよくある質問の1つとされています。企業面接の際に新卒の学生にこの質問を訊く意図としては「学生と社会人の違いをはっきりと理解しているか。」また「社会人として組織の一員となり働く覚悟が出来ているか。」というものが考えられます。
この質問に対する回答例の一つとして「私は学生の本業は将来に備えて勉学に励む事だと考えています。一方で社会人とは、雇用主に利益をもたらすのは当然ですが、勉学によって得た知識を活かし、自分なりの価値を提供できる人間だと考えています。」
このような答え方が一般的な模範解答だと言えるでしょう。「学生と社会人の違い」を明確に説明することにより、面接で「仕事に対する意欲」をアピールすることも出来ると言えるでしょう。
最近読んだ本はなんですか
この質問の意図することは、学生がどの様なことに興味を持っていて、その学生の価値観や知的好奇心を知る為の意図があると言えるでしょう。この質問に対しての回答に於いての注意点として「極端な思想の偏り」を意識させる本を挙げるのは避けた方が無難だと言えます。
但し、この質問に関してはその学生の思想やイデオロギーに関する質問になるので、厚生労働省のガイドラインで「訊くべきではない質問」のリストに入っています。従って、この質問をする企業は現在あまりありませんが、訊かれた場合素直に自分の好きな本とその本に対する感想を述べましょう。
また、同様に新卒・転職者の求職者に関わらず「出身地」や「信仰している宗教」などを訊くのも、厚生労働省のガイドラインで「訊くべきではない質問」とされています。
転職の面接でよくある質問・回答例
続いて転職の面接でよくある質問とそれらの質問に対する回答例を紹介します。転職をするということは、以前いた会社をに何かしらの理由で退職し、新しい会社に就職するということなので、「退職理由」を事前に分かり易く説明できるようにしましょう。
なぜ今の会社を選んだのですか
近年では転職の際に、リクルートエージェントのような、転職者と企業を事前にマッチングさせるサービスを利用するケースが増えてきています。このようなサービスは、企業にとってコストは掛かりますが、効率よく望んでいる人材を採用することが出来るというメリットがあります。
しかし、そのようなサービスを利用して内定がほぼ決定していても最終確認の意味も込めて企業側と転職者が面接を行うのが一般的です。
そこでまず聞かれる質問の1つとして「志望動機」が挙げられます。この志望動機に関する答え方は新卒とあまり変わらず、事前の企業研究が必須となります。また転職者の場合、以前の会社で得た知識やノウハウを活かせるなどの答え方が出来ます。
回答例として「前職での経験を生かし、国内のみならず海外でも事業展開されている御社でさらなるステップアップをしたいと思っております。以前勤めていたメーカーでは国内でのシェアはありましたが、海外展開はしておりませんでした。」
「また事前に御社のホームページなど色々と拝見させていただきましたが、御社で展開されている商品は、海外の更に多くの地域でも需要があると強く感じました。より多くの日本製品が世界中で使われるようにと思い志望致しました。」という回答例が考えられます。
この質問に対して、相応しくない回答例として「お給料が良いから」また「自分に合っていると思うから」のような曖昧なものは、熱意を伝えることが出来ておらず、決して良い印象を与えることが出来ないような回答例だと言えるので、避けるようにしましょう。
なぜ転職をするのですか
基本的に現在勤めている会社を辞めて、転職するということはネガティブな理由が多いと考えるのが一般的だと言えるでしょう。しかし、退職理由がネガティブなものでも、面接の際に採用担当者にネガティブなイメージを与えることは得策だと言えません。
模範的な回答例の1つとして「私は新卒で以前の会社に入り、4年間"B to B"の営業に徹してまいりました。その間様々な研修や先輩社員からのアドバイスもあり手前味噌になってしまいますが十分なヒアリング力と営業力を身に着けることが出来ました。」
「しかしながら以前の会社で行っていた"B to B"営業は、最近になってルート営業のようなものが多くなり、事前に商品の購入が決まっているようなケースが殆どで、正直、自分の営業力を十分に発揮できないと感じることが多くなりました。」
「そこで御社がメインで行っている"B to C"の新規開拓営業にて、より難易度の高い営業力が試されるような、個人のお客様のニーズに合った提案をさせていただくような仕事を望み、その結果"転職する"という結論に至りました。」
上記のような答え方は、業種や職種によって異なりますが、模範的な回答だと言えるでしょう。採用担当者に「自分の強みが何か」ということをしっかりと説明できて、どのようにして転職後の企業に貢献できるかをしっかりと説明することが大切だと言えるでしょう。
あなたが当社を転職先に選んだ理由は何ですか
この質問の回答例は志望動機と多少重なる部分も出てきますが、回答例として「以前働いていた会社の取引先の方から御社の事業内容を何度か聞く機会があり、自分で企業研究を行っていくうちに御社の企業理念や事業展開の方針が素晴らしいと感じました。」
この回答例はかなりざっくりしたものなので、この文章をベースとして他の理由もいくつか付随して回答するようにしましょう。「以前から知っていた」「熱心に企業研究をした結果」などは話を展開させていくにあたり便利な文言だと言えるでしょう。
当社で生かせる経験はありますか
この質問にも事前の企業研究は必須だと言えるでしょう。転職先の企業が求めている人材とはどのようなものか?どのようなスキルを持った人材が重宝されるのか?などの情報を細かく調べ、スムーズに回答できるように準備しておきましょう。
回答例として「私は学生の頃からプログラミングの勉強をしており、以前の会社に勤めている間にも勉強をしておりました。その為、現在の主流の言語である「HTMLやCSS以外にもJavaやPhytonなど複数の言語を扱うことが出来ます。」
「複数のプログラミング言語を組み合わせることによって、より高度で複雑なシステム構築やアプリの開発に重点を置かれている御社の企業戦略のお役に立てると思っております。」
このように転職者に何が出来て、どのような形で企業に貢献できるのかを明確化して説明することは企業側にとって重要な判断材料になります。特に中途採用は即戦力が求められる為、その企業が何に重点を置いているのかを把握することは非常に大切だと言えるでしょう。
どのくらいの年収を希望していますか
年収に関する質問はデリケートな問題になりますので、答え方には注意が必要だと言えるでしょう。この質問に関しては以下のような、ある程度テンプレ化しているような回答例がありますので、是非参考にしてみて下さい。
「私の現在の年収は〇〇万円です。基本的に年収に関しては御社の規定に従うつもりではありますが、希望としては現在の年収と同等かそれ以上の金額を検討していただけますと幸いです。」
このように「基本的には御社の規定に従うこと。」また「金額は現在と同等かそれ以上。」という文言を含んだ答え方が一般的には無難な答え方だとされています。
面接の自己PR中でよくある質問・回答例
続いて面接の自己PRの際によくある質問とその回答例について詳しく説明します。面接の中で自己PRは企業側もかなり重視して訊いています。しっかりと事前に対策したり、成功例などをいくつも参考にして自分らしい自己PRを事前に考えておきましょう。
どんな資格を持っていますか
就職活動の際に必要な資格と言えば「TOEIC」か「TOEFL」が定番ですが、実際にこれらの資格を持っていることで即戦力になることは、日本の一般企業に於いてあまりないことだと言えるでしょう。勿論、「TOEIC」や「TOEFL」で良いスコアを持っていることはマイナスにはなりません。
しかし、企業の分野によって即戦力となる資格を持っていた方が企業側としては魅力的な人材に見えると言えるでしょう。例えば、不動産業であれば宅建。金融業であればファイナンシャルプランナーなどがそれに当て嵌まります。
面接では保持している資格を述べ、何故その資格を取ろうと思ったのかを分かり易く説明するようにしましょう。また普通自動車免許の資格の有無も合否に影響する可能性もある為、出来れば普通自動車免許は取得しておいた方が無難だと言えるでしょう。
あなたの趣味は何ですか
この質問は自己PRの際に頻繁に訊かれる質問の1つです。事前に何を言うのか決めておき準備しておきましょう。面接に於いてのこのよくある質問の意図は、簡単に言うと「求職者の人柄や性格を知りたい」というものです。
この質問にも正直な自分の趣味を伝えるようにしましょう。そして、その趣味に対してどれくらいの熱意を持って取り組んでいるのか、あるいはその趣味を通じて得られたものなどがあれば伝えるようにしましょう。
回答例として「私の趣味は将棋です。将棋には様々な定跡があり、それらの定跡を工夫して自分の得意な戦術を考えることが大好きです。また、プロ棋士の先生方には人格者が多く、先生方の本などを愛読して自分に磨きをかけることを常に意識しています。」
このような回答例であれば、好きなことに熱意を持って、更にその趣味を生かして自分を洗練させていくという明確な理由を伝えることが出来ます。趣味に関しては正直に答えるのが一般的ですが、余りにも偏ったネガティブな類の趣味を回答するのは避けるようにしましょう。
自分を動物に例えるとなにですか
この質問は最近の面接では比較的よく聞かれる質問の1つとなっています。面接でいきなりこの質問をさせると回答に躓いてしまうことが多いので、この質問が聞かれることを想定して予め回答を用意しておく必要があると言えるでしょう。
回答例として「自分を動物に例えるとしたら熊だと思います。私は何か目的がある際には比較的時間をかけてそれに向けて準備するようにしています。熊でいえば冬眠のような例えになります。」
このような回答例を参考にして、具体的な事例などを考えて自分の言葉で文章にするよう工夫してみましょう。
挫折・失敗談について教えてください
この質問に対して抑えるべきポイントはいくつかあります。先ずは何かに挫折した経験の話を大まかに説明しましょう。その後のポイントとして、どのようにしてその挫折を乗り越えたのか、その挫折から何を得ることができたのかを回答しましょう。
例として「私は幼いころから水泳に打ち込んで、毎日のように水泳教室に通っていました。しかし中学生のころ親しい友人を水の事故で無くして以来、水に対して恐怖感を感じるようになってしまい、水泳が出来なくなってしまいました。」
「この悲しい出来事から、私も普段から水泳が得意という理由で水難事故のことなど考えたことがありませんでしたが、水難事故の恐ろしさを知る切っ掛けになりました。」
「そして、あのような悲しい思いを誰にもして欲しくないと強く願うようになり、大学では4年間、プールの監視員のバイトに励みました。」というような回答例が考えられます。この質問では、学生が「挫折・失敗に対応する力」をどの程度備わっているのかを判断しています。
自分のキャッチフレーズは何だと思いますか
この質問も突然されても回答に困る質問だと言えるので、しっかりと事前に自分に当てはまるであろう「キャッチフレーズ」を考えておきましょう。この際にポイントとして、「分かり易く、誰にでも理解できるようものにする」ものを選ぶのが重要です。
回答例はいくつか考えられますが、出来るだけ「仕事」に繋げやすいキャッチフレーズを考えることをおすすめします。例として「不屈の努力家」(どんなに困難な課題でも努力する)や「屈強な精神力」(何があっても折れない心を持っている)などが挙げられます。
10年後の自分はどうなっていたいですか
面接の際にこのような質問では、企業側が新卒の学生に対し「明確な目標を持ち、しっかりとそれに沿ったキャリアプランを考えているか。」ということを聞いていることを意識して事前に回答を考えておきましょう。
回答例としては「私は10年後には、会社の仕事で様々な経験と知識を得て、上司からも部下からも信頼されるような管理職になっていたいと思います。その為には、仕事上のスキルのみではなく人間として人格者である必要があると思っています」
このような回答例が考えられます。これにプラスして更に具体的に「どのようなプロジェクトをしたいのか。」などを加えると更に明確なビジョンが見えていると企業側から認識され好印象を与えることが出来ると言えるでしょう。
周囲にどんな人だと言われていますか
この質問の本質は「どれくらい自己分析ができているのか」という点にあります。回答例の1つとして「私は周りの友人から思いやりのある人間だとよく言われます。私は何か行動したり発言する際には、必ず相手の立場になって一度考えてから行動するようにしています。」
「信頼できる友人が多いと、困った時に相談相手にもなってくれることも多い為、これは自分の為だとも言えますが、私自身も相手を思いやることで良い気持ちになれます。また、困ったときはお互い様、という言葉を両親からよく聞かされて私は育ちました。」
「その為、このような考え方を出来るようになったのは両親のお陰だと思っています。」面接に於いて、このような回答例は、家族も含めた全ての人間に敬意を払うことができる、という印象を与えることが出来る為、模範的な回答例の1つだと言えるでしょう。
面接先の企業に関係するよくある質問・回答例
続いて、主に新卒での企業面接にに関する質問でよくあるものと、それらの質問の回答例をいくつか紹介します。面接先の企業でよく聞かれる質問をより正確に答えるためには、何といっても事前の入念な企業研究は欠かせません。
その企業の企業理念、社風、規模、得意としているサービス・商品の詳細、事業所の数、競合の数、あるいは他社からの評判など企業研究に於いて調べることはたくさんあります。
現在はネットでこれらの情報をほぼ全て把握することができ、そのことは当然採用担当も理解しています。従って、新卒・転職者限らず全ての求人者がどれくらい企業研究をしているのかは一目で見抜かれてしまうので、しっかりと事前準備をしましょう。
当社は第一志望ですか
この質問は完全にテンプレ化しており、回答は1つしか存在しないと言っても過言ではないと言えるでしょう。当然、第一志望の場合は「はい。第一志望です。」と回答すれば良いですが、仮に第2、第3希望、若しくはそれ以下の場合はどうでしょう。
これらのケースでも必ず間を置かず「はい。第一希望です。」と答えるようにしましょう。この質問は企業面接に於いて唯一「嘘をつくこと」が許される回答だと言えるでしょう。
採用担当側の立場に立って考えればわかると思いますが、仮に「ええと...第3希望くらいでしょうか?」などと回答する求職者を採用する気持ちになる採用担当者はまずいないと言えるでしょう。
冒頭でも記した通り、現在の採用マーケットの状況は企業側にとって良い人材を確保するのに1人あたり約100万円前後の費用が掛かっているケースがほとんどです。それに加え企業側も採用にかなりの労力と時間を割いているケースが多いという事実があります。
これらを踏まえて考えるとこの質問に対しては、どんなことがあろうと即座に「御社が、第一志望です。」と答えるのが適切な回答であると言えるでしょう。
入社後どのような仕事をやりたいですか
この質問の意図は「企業の事業内容をどれくらい理解しているのか?」という点にあります。繰り返しになりますが、この回答にも事前の企業研究が非常に重要となってきます。回答のポイントは先ず結論から述べ、その後その仕事をやりたい理由などを詳しく説明することです。
また、この質問に関しても自分の努力してきたことや強みをアピールすることが出来ます。もしインターンなどをしていたらその時の経験などを話すのも良いでしょう。
回答例として「私は大学在籍中にwebデザイン会社にインターンしていた経験があります。また、大学では広告のデザインの創り方に特化した学部を専攻しておりました。その際に実際色々なデザインを創ってみたり、工夫したデザインのアイデアの考え方などの学びました。」
「その為、先ずは御社の企業理念にある"他社との差別化を図るような訴求力のあるデザイン"のアイデアの提案などできるような仕事をやらせていただけたら幸いです。そして、経験を重ねた後に、一人でアイデアから作成までの作業が出来るように努力したいと考えています。」
この様に「企業理念」「自分が努力してきたこと」また「実際に経験したこと」を上手く織り交ぜながら、説明するように心掛けましょう。一方で、「まずは一人の社会人として認めてもらえるような仕事がしたいです。」のような曖昧な回答は避けるようにしましょう。
当社への志望動機は何ですか
この質問に関しては、企業側からすれば最も興味のある質問だと言えるでしょう。この質問の意図は「弊社のような企業は沢山あるのに、何故弊社を選んだのですか?」という意味があります。この質問は面接の中でも特に重要な質問だと言えるので、しっかりと事前に準備しておきましょう。
回答例として「私が御社に応募したのは、私は物づくりが昔から大好きで、更に物づくりこそがあらゆる仕事の原点となっているという御社の企業理念に非常に共感出来たというのが、主な志望動機です。」
「また御社の社風である、"フェミニズムを重視した企業づくり"というフレーズも女性である私にとって非常に共感できるものでした。実際に重役には女性の方も多くおられ、ホームページでメッセージなどを拝見させていただきました。」
このように、事前の企業研究をしっかりと行うことによって「事業内容」「企業理念・社風」そして「職場の状況」などを、しっかりと把握していることをアピール出来るような志望動機を事前に用意しておきましょう。
転勤・勤務地はどこでも大丈夫ですか
この質問も事前の企業研究である程度質問されるかどうか予測できる内容の質問だと言えるでしょう。もし転勤で海外や今住んでいるところから離れる可能性がある企業であれば初めからエントリーするべきではないと言えるでしょう。
また、この質問は特に女性の総合職を志望している学生に多く聞かれる傾向にあります。この質問に対しても「はい。全く問題ございません」と即答する以外の選択肢はないと言えるでしょう。
当社の弱みをどのように認識していますか
この質問に関しては、企業研究のみならず、競合他社との比較、現在のマーケットシェアに於いての位置、また将来のマーケットの規模の予想など、事前に調べておく必要が沢山ある質問であると言えるでしょう。
但し、この質問に正解ではなくても、自分なりの明確な意見を述べることにより、他の志望者と差をつけることが出来ると言えるでしょう。
回答例として「御社は国内シェアに関しては第3位と非常に優れた企業だと多くのユーザーから認知されておりますが、海外に於いての認知度に関してはアジアを除いてそこまで高くないという点が、御社の弱みではないかと私は感じています。」
「御社の提供しているサービスの質は非常に高く、欧米のマーケットでも十分に戦える要素を備えていると私は思います。」このように「弱み」を述べながら同時に「強み」も述べるような答え方が理想的な回答例の一つだと言えるでしょう。
面接で答えづらいよくある質問・回答例
最後に、就職活動の面接に於いて答えづらいよくある質問と、その回答例を紹介します。これらの質問は、そこまで質問される頻度の高いものだとは言えませんが、就職活動をするにあたり、どのような質問にも適切な回答が出来るという点は重要視されるため、事前に想定しておきましょう。
苦手な人はどんな人ですか
この質問は一般的に考えればかなり抽象的な質問だと捉えられますが、企業面接に於いて、この質問には意図があります。この質問では求職者の「環境適応能力」または「他人との協調性があるかどうか」を聞いているのだと理解しましょう。
この質問に対する回答のポイントとして、あまりネガティブ過ぎる回答は避けることです。出来れば、初めはネガティブな内容から始まり、最後は比較的ポジティブに締めくくれるような文章を事前に考えておきましょう。
回答例の一つとして「私はミーティングなど皆で話し合いをする場で、自分の主観が正しいと信じ込み、他人の意見を一切無視するよう人が苦手です。人の考え方は十人十色であり、色々な人の意見を聞くことで新しいアイデアが生まれることも多いと思います。」
「異なる意見を持つ人たちが集まり話し合うことで、より良い選択肢や、事業内容の方針が出てくる可能性もあると思います。その為、そのようなチャンスのあるシーンで他人の意見を尊重できないような人には苦手意識を持ってしまいます。」
このような回答例が考えられます。特に近年では「多様性」などが重視されるような社会になってきているので、それらの点も上手く取り入れ回答できるようにしましょう。
他社の選考状況を教えてください
この質問は面接が進むにつれて企業が内定を出すかどうかの判断材料としてよく聞かれる質問の一つです。企業側からすると、コストと労力をかけて内定を出したにも関わらず、内定辞退されるのが最も大きなデメリットだと言えるでしょう。
また、新卒の学生が一貫性を持って就職活動をしているのかどうかも見ています。例えば「現在、商社は2次面接、アパレル関係の会社は最終面接の連絡待ちで、製薬会社からは内定を頂いております」などの回答をするのは一貫性のない典型的な例だと言えます。
仮に多少軸がブレていたり、実際に内定を既にもらっていても、この質問に関しても全て正直に答える必要はないと言えるでしょう。
留年理由について教えてください
この質問は非常に答えづらい質問の1つだと言えますが、ポイントを押さえれば特に問題ありません。最も重要なのは「学業より優先するものがあった」ことを明確に伝えるということです。これも結果から説明した方が分かり易く説明できます。
「私は、大学でテニスに没頭しており、3年生の時にはインターハイで3位になり、当時はプロになることまで考えていました。しかし徐々に私の実力ではプロになれないことが分かり、同時に学業をそのせいで疎かにしてしまったことを猛省しています。」
「その後は学業のみに専念し、卒業することが出来ましたが、結果として1年留年してしまったので自分の自己管理能力に問題があったと反省しています。」
このような回答例が考えられます。実際の回答では、特に学業以外に専念していたことがスポーツでなくても、全国大会レベルに達していなくても問題ありませんが、自分の言葉で実際にあったことを丁寧に説明することを心掛けましょう。
あなたは当社に向いていないけれどどうしますか
新卒の面接、また転職者での企業面接の場で僅か数分話しただけで、このような質問をしてくるのは正に典型的な「圧迫面接」と言え、社風もかなりブラック企業のような過酷な勤務を強いられる可能性が高いと言えるでしょう。
仮にこのような質問があった場合、この質問に対し「何故、数分お話しただけでその様に思われるのでしょうか?」と、逆質問をして相手の反応を見てみましょう。
この逆質問に対し、面接官が「いや、失礼。貴方のストレス耐性を試したかったんですよ。」などと返答して、通常の面接に戻る可能性もゼロではないと言えるでしょう。
希望しない部署に配属された時はどうしますか
企業面接に於いて、この質問でも企業側は求職者たちの「環境適応能力」がどれくらい備わっているのかを確認しています。回答例の基本は「どこの部署でも一生懸命働かせていただきます。」のようになりますが、もう少し具体的に説明すると良いでしょう。
残業・時間外労働についてどう思っていますか
近年ブラック企業の問題が取り上げられてから、各企業ともこのタイプの質問をしてくる可能性は十分考えられます。しかし特にこの質問をしてくる企業は、もともと残業や休日出勤が通常化している企業だと考えられるでしょう。
この質問は入社後のことも考えて曖昧な回答はせずにしっかりとした答え方をすることが大切です。例えば新卒入社で体力も気力も十分にあり、仕事に没頭したいタイプの学生は素直に「はい。問題ございません。」と答えましょう。
転職の際の面接でこの質問をされた場合でも、例として「基本的に問題はございませんが、現在我が家には1歳の幼い子供がおり、妻も働いているため、突然の休日出勤などに関しましては事前にある程度調整していただけますと幸いです。」
このように、現在の自分の年齢や置かれている状況に合わせてはっきりとした答え方をするのが大切だと言えるでしょう。
面接は相手の意図を汲んだ答え方が大切
企業面接というものは基本的に代替40分から長くても90分程のケースが多いと言えるでしょう。正直なところ、そのような短時間の面接でその求職者の人間としての本質をすべて理解するのは不可能です。従って、面接は企業側の意図を汲んだ答え方が大切だと言えるでしょう。
その為に最も大切なことは、「事前準備と練習」です。特に面接の練習は本番で緊張しないように繰り返し行うようにすることでスキルアップを図ることが出来ます。
働く環境を決める就職活動の面接は、その後の人生を大きく左右するものと言っても過言ではありません。十分な事前準備と練習をして本番に備えるようにしましょう。