昇給の平均額はどれくらい?大手と中小企業の違いや交渉術などもチェック!

昇給の平均額はどれくらい?大手と中小企業の違いや交渉術などもチェック!

中小企業などは会社の規模によって昇給の平均額というものが異なってきます。また、職業が事務員や公務員であるとさらに昇給額の平均も変わってきます。ここでは基本給や年俸制の仕組みを見ていきながら、現在の昇給の状況について説明していきます。

記事の目次

  1. 1.昇給とは
  2. 2.月給制と年俸制の違い
  3. 3.昇給の平均【中小企業】
  4. 4.昇給の平均【大企業】
  5. 5.昇給の平均【公務員】
  6. 6.昇給の平均【事務員】
  7. 7.昇給の交渉術
  8. 8.昇級なしの会社は辞めるべき?
  9. 9.昇給平均を参考に就職先を決めよう!

昇給とは

高校や大学を卒業し、新卒として就職すると、最初の給料というのは一貫して平均額が少ないです。しかし年齢とともにキャリアが上がるにつれて、給料の額も挙がっていきます。それは昇給というものが密接に関わっており、会社員はこの昇給のためにも頑張って働いています。では昇給とはどういう意味を表すのか、具体的に見ていきましょう。

毎月の給与がアップすること

Photo by 401(K) 2013

昇給とはこの熟語からも理解できるように、給料が上がることを意味します。厳密には、月々の給与が上がることを昇給と言います。一般の会社員は徐々に昇給の平均額が上がっていきます。月々の給与であるため、昇給はボーナスとは関係ありません。また、昇給にもベースアップと定期昇給という2種類があります。以下では2つの紹介をしていきます。

ベースアップ

ベースアップとは、業績の改善やインフレーション、経済状況の変化などが原因で、勤続年数に関係なくベースである給与がアップすることを言います。

要するに、年功序列制度のように、年齢が上がるにつれて自動的に昇給がなされるわけではないということです。経済状況が悪化すれば会社員に対する昇給の平均額も下がります。ベースアップではそもそも昇給が確約されていません。

逆に、経済が上向きに働いているbときには労働者からベースアップを要求する動きがよくあります。ベースアップは経済の動きによって昇給の平均額に大きな変化を与えてしまう可能性がある制度です。

ベースアップは特に外資系企業やベンチャー企業で多く採択されています。要は、新卒であっても能力のあるものから昇給額が著しく上がるため、完璧な能力主義を取っています。企業側として有能な人材が多く集まるため、企業として大きく成長する兆しもあります。

定期昇給

定期昇給とは、名前にも定期と明記されているように。ベースアップとは真逆の意味を示しています。毎年、勤続年数によって昇給の平均額も上昇していきます。

いわゆる、従来の年功序列制度に類似しています。「昇給年1回(4月)」と求人広告に関わている際は、その企業が定期昇給制度を採択しているということが分かります。

これまでの日本企業にはこうした形式をとる企業がほとんどだった一方で、今や成果主義を重要視するベンチャー企業も多くなりました。定期招集では個人の能力に関係なく、全員の昇給が確約され、平均額も上がります。

正直、有能な人材だけを雇いたい企業側の目線としては非効率なやり方であり、有能な社員のインセンティブを損ない、大切な人材を失ってしまう場合があります。現在では定期昇給というよりかはベースアップの方が重要視されやすい傾向にあります。

月給制と年俸制の違い

給与の支払われ方にも種類があります。月給制と年俸制というものがありますが、2つはどちらかをとるかによって状況が異なってきます。そのため、どちらをとればいいかということは、以下の月給制と年俸制の説明を考慮した上で選ぶ必要があります。以下では、月給制と年俸制の特徴、メリットとデメリット等について解説していきます。

月給制は基本給をベースに支払い

基本給では、毎月基本給が支払われていくほかにも残業手当や家族手当、住宅手当といった手当が追加されて支払われていきます。以下で述べる年俸毎月基本給が支払われていくほかにも残業手当や家族手当、住宅手当といった手当が追加されて支払われていきます。

以下で述べる年俸制とは異なり、基本給は勤続年数などによって年収が定められていきます。急激な変化はないものの、安定した年収を得ることになります。

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基本給もメリットとして、まずは不満を述べる会社員が少ないということが用意に推測できます。確かに自分の成果が年収に反映されにくいということもありますが、基本給の制度は昔から日本に根付いています。

日本で主に農耕をしていた時代、全員の協力のもとで成果を出していたのであり、時代は現代に入っても自分だけ高収入を望むという声は出にくくなっています。

次に、収入の安定というのも基本給のメリットとしてあげられます。長い目を通せば、急に年収の上がり下がりをするよりも、一定の年収をもらっていく方がこれからのことを深刻に心配する必要もなくなります。また、基本給ではボーナスがでます。

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基本給でつくボーナスというのは自分のやる気を上げるための重要な要素であるため、ボーナスがあるだけで会社員のインセンティブは違います。

その他にも、基本給制度をとる企業には残業手当や休日出勤手当が出ることによって、自分の努力次第で給与がより多く払われることがあります。

また、基本給においては家族手当といった様々な扶助もついているので、基本給を採択している企業によってはかなり会社員に優しいところもあります。

しかし、最近は成果主義が重要視され基本給といった年功序列に沿った経営は廃れつつあります。自分の能力を若いころから買われたいという方は基本給よりも年俸制に向いていると言えます。

年俸制は1年単位で給与が決まる

まず、月給制とは1年を単位として給与額をもとに支払われることを意味しており、毎年自分の成果などで給与額の見直しが行われています。そして年俸制において支払われる方法は大きく分けて3種類あります。

まず、単純に12分割した金額が毎月支払われるケース。次に年俸を12分割した金額の他にボーナスといった賞与が支払われるケース。そして最後は年俸を16分割して毎月の支払いとは別に4ヶ月分の賞与が支払われるケースです。

まず、初めの年俸制を見ていくと、まず自分の年俸が720万円とします。計算方法は単純で、これを12分割にします。1か月で60万円、自分の手元に入ってくるということになります。

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2つ目の年俸制では、1つ目と同じように12分割に分けて、月60万円の収入があります。ただ、1つ目の年俸制との違いは賞与があるかないかの違いです。

日本では夏と冬に一回ずつボーナスというものがある企業が多いです。ボーナスで30万円、50万円の規模収入が入ってきます。そのため、この年俸制は1つ目の年俸制よりも金額が高くなります。

そして最後の年俸制は、まず720万円を16分割します。そして12か月分の他の4か月分は夏と冬に2か月分一気に払われます。

いわゆるボーナスのような形で支払われますが、年間を通して収入の額は初めの年俸制と変わっていません。ただ、日本には夏冬にボーナスがあるという習慣があるので、日本向きであると言えます。

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そして年俸制を取るメリットとしてまずは、急激な年収の向上が狙えるということです。これはもちろん自分の実力に伴っていればの話ですが、1年に1回自分の年収が見直されるため、自分の前年度の成績などにより、自分の年収が大いに変わるということもあります。

また、年俸制においては残業手当というものがあまり出されません。そのため、年俸制をとっている多くの会社員は残業をする方もあまりいません。残業に追われている現在の会社員にとって、年俸制というのはかなりのメリットであると言えます。

また、年間を通した自分の収入が事前に決まっているため、長期的な計画が立てやすいというのも、年俸制を取る上での大きな利点です。年間を通して自分の収入に特別こだわる必要もなく、長期的な目で自分の計画を立てていくことができます。

昇給の平均【中小企業】

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昇給の平均というのはもちろん企業の規模によっても異なります。自分が働いている中小企業の経営状況によっても大きく左右されますが、ここでは企業を中小企業という大きな枠組みに区分けし、それぞれの企業とで昇給の平均額がどれくらい異なるのかについて見ていきましょう。

昇給平均1.45%

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中小企業の場合、昇給した給料の平均割合は1.45%となっています。例えば、25万円の給与を受け取っている方の場合、具体的な昇給額は3,500円前後となるケースがほとんどとなります。

中小企業は規模の大きさが異なるので一概には平均で出すことは難しいですが、昇給平均が高い中小企業となると4%ほどとなります。もちろん、相場の1.45%を下回る中小企業も多くあります。

中小企業側は昇給をするのにためらいがあります。理由は、一度昇給をしてしまうとそれ以下の給与を渡すことができなくなるためです。

いくら景気が良くなったところで、状況が下向きに一転し、会社の経営困難の時を考えると、どうしても経営者側は昇給の率を抑え目に見積もっています。

また、中業小企の10年後の昇給率に関しては、一般的に120%前後となることがデータに出ています。25万円の給与は昇給のおかげで30万円前後になる計算です。しかし、中業小企においてはそのような保障はないというのも事実です。

中業小企は大企業に比べてマーケットが安定していません。中業小企は他のベンチャー企業に自分の消費者である顧客可能性もあれば、海外展開している中業小企はインフレーション、デフレーションの問題で自分製品を買ってくれなくなることも大いにあります。

なかなか安定して会社経営をすることが難しいという理由から、中業小企は大企業と比べても昇給平均がどうしても低くなってしまいます。

昇給の平均【大企業】

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ここでは大企業の昇給平均を見ていきます。中小企業とは異なり、多くの消費者が知っている大企業は彼らの愛用製品であることが多いです。自分の顧客をマーケットで集客できているため、安定した経営を見込めることから社員に対する昇給平均も高めになります。では、具体的にどれほど中小企業と異なるのか、以下で見ていきましょう。

昇給平均2.59%

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大企業の昇給平均は数字で見ると2.59%となっています。これは中小企業よりも約2倍昇給率が高く、25万円の給与を受け取っている場合、具体的な昇給額は6,500円前後となります。

中小企業に比べて、機械金属業や、自動車といった生産部門では大企業が大きなマーケットを手にしています。大企業の年商は中小企業と比べて確実に2倍以上は稼いでいます。

しかし、その分大企業は中小企業よりも雇っている会社員の規模も大きいです。そのため一人ひとりに昇給をあげるとなると、自動的に昇給平均も比較的抑え目になってしまいます。

昇給の平均【公務員】

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企業の規模の大きさで昇給平均を見てきましたが、国で雇われた公務員においては昇給平均はどのような違いがあるのでしょうか。昔から公務員は天職とされ、誰もが就職して安定した生活を望んでいたものでした。現在となったは国の政策により公務員の人員削減などもありますが、現在の公務員の昇給平均はどのようになっているのでしょうか。

昇給平均2万円前後~7万円前後

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公務員は企業の会社員の昇給の方式と異なります。公務員の給与は、基本的に俸給表の形式をとっているため、昇級すれば給料もあがるという仕組みになっています。そしてその公務員の昇給平均2万円前後から7万円前後となっています。

しかし公務員に限っては話はそこまで単純ではありません。公務員の給料は民間の給料に準ずる形式を採択しています。要するに、民間が経営困難に陥った時、それに応じて公務員の昇給額も下げられるということです。

公務員の昇給の平均割合を見ると、過去の結果では中小企業と同じくらいになっています。自分が昇級していけば、経済が落ち着いている限り、安定した生活を送ることは可能です。昔の公務員もそこは変わりません。

しかし、公務員は経営悪化の自体に民間の給料に応じて安定度が落ちたり、政府の政策でこれからも給料の制度が変わる可能性もあります。そのため、一概に公務員の昇給が安定しているとは言えません。

昇給の平均【事務員】

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ここでは事務員の昇給平均について見ていきます。事務員はパソコンスキルが必要であったり、簿記といった資格も必要とされることがあるため、中々事務員になることは簡単であるとも言えません。

しかし、年収で見れば事務員は平均で400万円前後と、そこまで高くありません。では事務員の昇給平均はどのような推移があるのでしょうか。以下で事務員の事情について見ていきましょう。

昇給平均5000円程

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事務員の昇給は良いとはいえません。そもそも、事務員には昇給があるところもあればないところもあります。昇給があったところでさえ、金額は平均で言えば5000円程に落ち着いています。事務員の中には4年間働いて昇給が1万円というところもあります。

事務員は正社員ではなく派遣や委託で雇われているケースが多いです。例え大企業の事務として行っても、所属しているわけではないので安定した昇給というのはもらうことがかなり難しいとされているのが事務員の現実です。

事務員は昇給に関して言えば他の職業と比べてもいいものではありません。事務員の昇給は期待して就職しない方がいいというのが一般的な意見です。

昇給の交渉術

昇級というのは、社長や株主の匙加減によって大いに変わってしまいます。そのため、自分の上司などに対する対応1つでよくなる事もあれば悪くなることさえあります。そのため、昇給においては交渉という、自分の給与を上げる手段があります。

ここでは交渉をいい方向にもっていくためにはどのような方法があるかについて解説していきます。交渉は9割が準備と言われています。以下の知識をもとに、しっかりと前もって計画を立てるようにしましょう。

交渉前には謙虚な気持ちになる

いつでも上司や社長の前では謙虚な気持ちをもつことは重要なのですが、交渉する前には特に気を張る必要があります。経営者にとって、相手が昇級を望んでいることは分かっています。

そのため、交渉前においていかにも自分の給料を上げてほしいというような、あからさまなアピールをしてしまうと相手に新庄が筒抜けです。交渉はどれだけ相手に自分の心を読み取られず、自分が相手の心情を読み取るかが重要です。

決定権は全て相手にあるので、昇給の交渉というのはかなりシビアです。だからこそ、自分が前のめりで交渉に臨んでしまうと、相手には簡単にあしらわれてしまいます。自分の会社の成績を除けば、上司や社長は自分の性格や態度を重視します。

交渉前はより慎重になって相手の様子を自分から窺うようにしながら話をもちかける必要があります。

上司や会社を持ち上げて要求を伝える

上司は自分に媚を売る部下に慣れています。なので、長いキャリアの上司を持ち上げるというのはかなり難しいというのが現状です。上司を持ち上げるというよりかはなるべく上司との距離を近づけるというのが正しいです。

また、管理職というのは企業側に肩を持ちます。企業の利益を優先に考える方が多いので、会社を持ち上げることは管理職の上司を持ち上げているのと同じです。

2つのバランスを上手に保ちながら話を続けていくことで、交渉を前向きな方向にもっていくことができます。

また、要求を伝える際に注意点ですが、要求は自分の希望の2.3割増しで伝えることが好ましいです。具体的に言えば、自分の上げてほしい昇給の額があったとすれば、その上げる割合の2.3割を増して相手に伝えます。

上司との交渉ではだいたい自分の交渉額に応じてくれることは中々ありません。そのため、前もって自分の要求を理想以上にしておくと自分の理想に近づきます。

数字や事実を活用したアプローチ

相手に自分の要求を伝える際、数字で相手に対抗するというのが最も効果的な方法と言えます。数字というのはゆるぎない自分の会社での成果であり、貢献度です。

この客観的なデータは主観的な主張とは異なり、上司は記録自体には反対することができません。自分が会社内で前期にどれほど貢献できたのかを相手にデータを示しながら説明していきます。

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企業側としては設けたお金は大企業であれば大企業であるほど、内部留保に回す傾向にあります。理由は明白で、大規模な会社はより大きなビジネスを展開するため、次のビジネスのための資金を会社内で蓄える必要があるからです。

そのため、会社内の個人で結果を残している方がいたとしても案外、給与に反映されていないことも多いです。そのため、自分の成績が良かった場合には積極的に自分からアピールをすることが求められています。

数字以上のアプローチ

しかし数字だけでは説得しきれないというのも事実です。数字だけでの証明では交渉のもちかけに慣れてる上司であれば押しに負けません。データを証明したからと言ってどうなんだという、自分の存在意義を問われています。

そのため、自分が過去の性かからどれだけ、どのように貢献したのか、裏付けが必要とされています。また、上司は昇給後のことを聞いてくることもあります。

管理職側としては、一度昇給してしまうとその後給与を下げることはできないため、昇給に対しては敏感になります。そのため、交渉する際には自分がこれからどれだけ活躍できるのか、具体的なプロジェクト等を通して自分の存在価値を相手に表明します。

ですから、交渉の際には自分のこれからのことについても計画を練って交渉にもっていくことが良い交渉に繋がります。

昇級なしの会社は辞めるべき?

昇級だけのために就職しているという会社員だけではありません。もちろん、自分がやりたいことがあったがためにその企業に就職したという方はいます。しかし、昇給というのはこれからの自分の給与を増やしていくための重要な要素です。

そして昇給のない企業はそのまま昇給なしのまま継続するケースが多いです。例え長くそこに働いていたとしても、自分に見合わない給料のまま昇給がなされずにいたらかなり損をします。その場合には思い切って転職を考えてみるのも1つの手であると言えます。

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昇給なしの正社員の場合転職はすべきなのでしょうか。今回は、昇給なしの正社員が給与を上げる方法や昇給なしの正社員であるメリットについて詳しくご紹介していきます。昇給なしの正社員の方でどうしたらいいのか迷っている方は必見です。

昇給平均を参考に就職先を決めよう!

以上が昇級交渉の平均となっていますが、企業の規模や売上高によっても全く異なります。そのため、自分の企業を掘り下げていくことで自分の会社の経営状況などを探ることもできます。

また、会社員としてだけでなく、仲には公務員や事務員といった仕事などもあります。自分にあった職業を選び、今後の昇給について考えていきましょう。また、昇給については交渉もかなり重要となってきます。

自己アピールというのが会社内で求められていることが多いので、自分から上司に積極的に話、自分のセールポイントなどを明確にしていくことによって、より昇給のチャンスが巡ってきます。

大橋 泰成
ライター

大橋 泰成

よろしくお願いします。

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