履歴書の添え状はなぜ必要?
高校生や大学生など学生の就職活動でも中途採用の就職活動でも、履歴書を事前に郵送する場合には履歴書の他に「添え状」というものも封筒に入れて送ることがあります。添え状は履歴書を郵送する際に絶対に必要不可欠だというものではありませんが、添え状をつけて送る方が良いと言われることもあります。
企業などが履歴書の郵送を指示してきた場合に、添え状をつけて送れとは書いてありませんが、添え状をつけて送った方が良いのには理由があります。履歴書の添え状はなぜ必要なのかをまずご紹介しましょう。
あいさつとしての役割
履歴書の添え状はなぜ必要なのかの一つ目は、添え状はあいさつとしての役割を持っているからです。履歴書を郵送しない場合、面接を受ける本人が履歴書を持って面接に臨みますが、その際部屋に入る前にドアをノックし、入室したら名前を告げて「よろしくお願いいたします」とあいさつをします。
ですが履歴書を郵送する場合には、そういった対面でのあいさつができません。そのため、じかにあいさつをする代わりに添え状を履歴書に添えて、あいさつ状として送るということです。
表書きとしての役割
履歴書の添え状はなぜ必要なのかの二つ目は、添え状が表書きとしての役割を持っているからです。商品などに添えられる「表書き」は、何が何点入っているのかを明記するものです。履歴書に添える添え状も同じような役割を持っています。添え状は誰が誰に対して何をいくつ送ったのかを記す、表書きの役割を果たします。
履歴書の他にも何か必要書類を同封する必要がある場合には、特に添え状は必要になります。履歴書などに添え状をつけて送ることで「この封筒には何がいくつ入っているのか」を相手に明確に伝えることができます。
補足に役立つ
履歴書の添え状はなぜ必要なのかの三つ目は、添え状は履歴書などに入りきらなかった内容の補足に役立つからです。履歴書は形式が決まっていますし、書き込むスペースも限られています。また、履歴書以外にも必要書類の提出を求められることがありますが、そちらも形式や書き込むスペースが限られていると、補足が必要になる場合があります。
提出しなければならない履歴書やその他の書類で書ききれなかったものに関して、添え状に書き込むことによってその補足をすることができます。
持ち込みの場合添え状は必要ない
履歴書の添え状はなぜ必要なのかの四つ目は、履歴書持ち込みの場合添え状は必要ないということです。添え状はあくまでも履歴書を郵送する際に必要なものです。なので、履歴書を持ってじかに面接に行く場合には添え状は必要ありません。逆に言えば、持込みではない場合には必ず必要であると言えます。
先に説明したように添え状には色々な役割があります。ですがそれはあくまでも、直接履歴書を持ちこまず郵送する場合に限りますので覚えておきましょう。
履歴書の添え状の準備とマナー
履歴書に添え状を添えることはなぜ必要なのかをご紹介しましたので、次は添え状の準備とマナーについてご紹介します。履歴書は手書きするものですが、添え状も手書きするのかパソコンで入力して出力してもいいのかなど、添え状の書き方について良く知らないという人も多いです。
ですが意外に簡単ですので、一度覚えれば失敗することはそうそうありません。それでは、履歴書の添え状の準備とマナーについてご紹介しましょう。
PC・手書きのどちらでもOK
履歴書の添え状の準備とマナーの一つ目は、PCと手書きのどちらでもOKだということです。通常履歴書は丁寧に手書きするものなので、添え状も手書きしなければならないと思う人も多いですが、そういうわけではありません。添え状は履歴書ではありませんので書くスペースなどは決まっていません。
そのため履歴書と同じように手書きであっても、PCに入力してプリンターで出力してもどちらでも問題なく、マナー違反にはなりません。
消えるボールペンはNG
履歴書の添え状を手書きする場合には、消えるボールペンはNGです。近年消しゴムで消せる「消えるボールペン」というものを取り入れるオフィスも増えていますし、個人的に消えるボールペンを好んで使う人もいます。ですが、履歴書と同じように添え状も消えるボールペンで書いてはいけないというのがマナーです。
消えるボールペンは鉛筆と大差ないものとして認識されます。知らないうちに誰かが消しゴムで消して改ざんすることもできる筆記用具ですので、添え状に使うのは重大なマナー違反になります。
縦書き・横書きどちらでもOK
履歴書の添え状の準備とマナーの二つ目は、縦書きと横書きどちらでもOKだということです。履歴書は横書きなので履歴書に合わせて横書きにする人も多いですが、添え状を手書きにする場合は縦書きでもマナー違反にはなりません。添え状をPCで入力して出力するという場合は、横書きで添え状を作るのがマナーです。
書道などをやっていて文字に自信がある場合には、きれいな文字で縦書きの添え状を作ると、文字がきれいな事のアピールにもなりますので、あえて手書きで添え状を作ることもおすすめできます。
用紙は白・無地の普通紙
履歴書の添え状の準備とマナーの三つ目は、添え状に使う用紙は白で無地の普通紙だということです。履歴書には枠線が引いてあってそれぞれの項目を書き込む場所が決まっていますが、添え状にはそのようなものはありません。書き込む内容は決まっていても枠などは必要ありませんので、白い無地の普通紙に内容を書き込めばマナー違反にはなりません。
白い無地の普通紙と言われるとどんな用紙を買えば良いのか迷うという人もいますが、PCのプリンター用紙で構いませんので、自宅にあるPCのプリンター用紙を使いましょう。白い無地の普通紙を使えば絶対にマナー違反ではありませんので、覚えておきましょう。
履歴書の添え状の書き方
履歴書の添え状の必要性やマナーについてご紹介しましたので、次は実際にどのような内容を書き込めばよいのか、添え状の書き方をご紹介します。添え状に書き込む内容には決まりがありますので、その決まり通りにちゃんと内容を書き込めば、それが添え状の正しい書き方になります。
それでは実際に、履歴書の添え状にはどのような内容を書き込めばよいのか、添え状の書き方について詳しくご紹介します。履歴書の添え状は横書きにする場合が多いので、横書きでの書き方をご紹介しましょう。
添え状の日付
履歴書の添え状の書き方の一つ目は、添え状の日付を書き込むということです。履歴書の添え状はまず最初に、添え状を作成した日付を入れることが大切です。履歴書に合わせて横書きにする場合、まず縦長の白い用紙の右上に日付を入れます。西暦ではなく元号を使った日付を入れてください。
PCで入力する場合、右揃えの機能を使うと簡単にきれいに右上に記入することができますので、右揃えの機能を使いましょう。
添え状の送付先の会社名・担当者
履歴書の添え状の書き方の二つ目は、添え状の送付先の会社名と担当者の名前を入れることです。日付は用紙の右上に入れますが、送付先の会社名と担当者名は左上に入れます。会社名を上に記入し、そのすぐ下に担当者名を記入します。担当者名は「採用ご担当者様」でOKですが、個人名がわかっている場合は個人名を入れましょう。
こちらもPCで入力する場合には左揃えの機能を使って、きれいに左側に入れるようにしましょう。
添え状の氏名・連絡先
履歴書の添え状の書き方の三つ目は、添え状の氏名と連絡先です。会社名と担当者名を左上に記入したら、今度は用紙の右に移って自分の住所氏名を記入します。郵便番号の次の行には住所、その次の行には電話番号を入れます。必要があれば電子メールアドレスをその次に記入しましょう。その下に自分の氏名を記入してください。
氏名と連絡先もやはり、PCで入力する際には右揃えの機能を使ってきれいに右側に揃えて入れましょう。
添え状のタイトル
履歴書の添え状の書き方の四つ目は、添え状のタイトルです。添え状のタイトルは相手にわかりやすくする必要があります。「応募書類の送付について」などというように、相手に用件がすぐに伝わるようなタイトルをつけましょう。日付や会社名などとは違い、タイトルは少し目立たせなければなりませんので、他の文字より大き目の文字にしてください。
他の項目は右揃えや左揃えでしたがタイトルは中央揃えにしますので、中央揃えで入れてください。
添え状の頭語・結語
履歴書の添え状の書き方の五つ目は、添え状の頭語と結語です。頭語と結語というとわかりにくいという人もいますが、わかりやすく言えば「拝啓」が頭語で「敬具」が結語です。「拝啓」は本文より一行上に入れるのが基本ですが、本文の頭に入れて一文字開けて本文を入力してもマナー違反にはなりません。
「拝啓」を頭語として本文の頭に入れたら、末尾には必ず結語である「敬具」を入れましょう。「謹啓」という頭語と「敬白」という結語を使うとさらに丁寧な言い方になりますので、こちらを使っても良いです。
添え状の時候の挨拶
履歴書の添え状の書き方の六つ目は、時候の挨拶です。時候の挨拶というのは季節によって異なります。例えば8月初旬なら「盛夏の候」、8月でも下旬なら「残暑の候」となりますので、何月のいつごろなのかによって使い分ける必要があります。手紙をよく書く人なら良く知っている時候の挨拶ですが、わからなければ検索してみましょう。
時候の挨拶は「拝啓」などの頭語の次に入れ、時候の挨拶と本文との間は一文字開けるようにしましょう。
添え状のあいさつ文
履歴書の添え状の書き方の七つ目は、あいさつ文です。添え状のあいさつ文は、ビジネスメールなどに使われるあいさつ文と同じように「貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます」「貴社ますますご隆盛のこととお喜び申し上げます」といったあいさつ文を、添え状のあいさつ文として使うことができます。
あいさつ文には色々なパターンがありますが、ビジネス文書やメールで使われる文章なら間違いはありません。
添え状の応募経緯
履歴書の添え状の書き方の八つ目は、応募経緯です。応募経緯というのは、なぜ応募することになったのかの経緯を説明することです。昨今は大企業が自社ホームページで求人広告を出していることもありますので、それを見て応募を決めたなら、ホームページを見て応募書類を送ったということを記入します。
「貴社のホームページにて貴社の求人を拝見し、応募書類を送付させて頂きました」といった具合に応募経緯を記入しましょう。
添え状の結び
履歴書の添え状の書き方の九個目は、添え状の結びです。ここには、採用の検討をお願いする旨を記入します。「ご検討の上、面接の機会を頂ければ幸いに存じます」などと、履歴書を見たうえで面接をしてもらえたら嬉しいという気持ちを告げ、「ご査収のほど宜しくお願いいたします」と結びます。
「ご査収」は「確認して受け取る」という意味で、「履歴書を確認して受け取って下さい」という意味になりますので、必ず結びの言葉として入れてください。
添え状の記書き
履歴書の添え状の書き方の十個目は、記書きです。先にご紹介した「結びの言葉」を入れた後、結語である「敬具」を右揃えで入れたら、その下に「記」という言葉を一文字入れますが、これが「記書き」というものです。この「記書き」の「記」の文字は中央揃えで入れてください。
また、この「記」という一文字の記書きを入れたら、必ず添え状の末尾に「以上」を入れるのを忘れないようにしましょう。
添え状の送付書類の内訳
履歴書の添え状の書き方の十一個目は、送付書類の内訳です。「記」という記書きを入れた後、左から少し文頭を下げて送付書類の内訳を記入します。箇条書きの印である丸印などを頭につけて「履歴書1枚」というように、同封した書類は何か、数はいくつなのかを記入しましょう。
PCで添え状を作成する場合には、インデント機能を使って文頭を下げると綺麗に揃いますので、インデント機能を使って下さい。
履歴書の添え状のポイント【注意点】
履歴書の添え状の詳しい書き方をご紹介しましたが、添え状の書き方にはポイントと注意点があります。形式的な書き方がしっかりしていても、余計な事をしたりすると逆に心証が悪くなるという場合もあります。不要なことは記入しないなど、履歴書の添え状には書き方のポイントと注意点があります。
それらをしっかり押さえてこそ良い印象を与える履歴書の添え状となりますので、そのポイントと注意点についてもご紹介しましょう。
誤字脱字に注意する
履歴書の添え状のポイントと注意点の一つ目は、誤字脱字に注意するということです。添え状を手書きする場合はあまり誤字脱字はありませんが、PCで作成する場合誤字脱字には注意が必要です。PCは手書きとは違って機会が漢字変換しますので、これが誤字につながる可能性があります。
また間違ってバックスペースやデリートで削除した時に、消さなくて良い部分まで消してしまって脱字になってしまうこともあります。誤字脱字に注意することはかなり大きなポイントと注意点ですので、添え状を作成したらしっかりと見直すことが大切です。
自己PRは必要ない
履歴書の添え状のポイントと注意点の二つ目は、自己PRは必要ないということです。添え状は同封したものの詳細を知らせるものであって、履歴書ではありません。履歴書にちゃんと、得意科目や得意な分野などを自己PRするスペースがありますので、添え状には自己PRは必要ありません。
必要のない自己PRを入れることで逆に心証が悪くなるという可能性も無きにしも非ずなので、添え状では自己PRをしないというのも大切なポイントと注意点です。
不利な経歴の言い訳をしない
履歴書の添え状のポイントと注意点の三つ目は、不利な経歴の言い訳をしないということです。不利な経歴というのは「前の会社でリストラに遭った」などという経歴のことです。こういった経歴については履歴書の職歴記入欄でもわかることですので、添え状に記入する必要はありません。
添え状はあくまでも履歴書の添え状ですので、履歴書に記入するような内容については書く必要がないというのも注意すべきポイントです。
過去の自慢話を書かない
履歴書の添え状のポイントと注意点の四つ目は、過去の自慢話を書かないということです。添え状を履歴書のおまけのように勘違いしている人は結構多く、自分の自慢話などを書こうとする人もいますが、これは大きな間違いです。余計な事を記入すると「この人はビジネスマナーも知らない」と逆に評価を下げてしまいかねません。
例え前の会社でどんなすごい仕事をしていようと、添え状はそのようなことを書くものではありません。添え状を勘違いしないということも注意すべきポイントの一つだと言えます。
希望条件を書かない
履歴書の添え状のポイントと注意点の五つ目は、希望条件を書かないということです。勤務時間や給与などの希望条件は、履歴書に記入欄がちゃんとあります。なので添え状にそのようなことを記入する必要は一切ありません。添え状に希望条件を記入したりすると、勤務時間や給与を最も重要視しているように見られてしまう恐れもあります。
希望条件を書くスペースは履歴書にちゃんとありますので、添え状には希望条件は絶対に書かないようにするのも注意しなければならないポイントとなります。
定型文だけで書くのはNG
履歴書の添え状のポイントと注意点の六つ目は、定型文だけで書くのはNGだということです。添え状は履歴書に書くようなことは書いてはいけませんので、どうしても定型文に頼りがちになってしまいます。ですが、ごく一般的な定型文ばかり使っていると機械的になってしまい、良い印象を持ってもらえない可能性もあります。
時候の挨拶をちょっと個性的にしてみるなど、他の人とは少し違った個性を出すことで目をとめてもらえることもあります。添え状は定型文だけで書くのはNGだというのも、小さいけれど大切な注意すべきポイントと言えます。
履歴書の添え状の封筒への入れ方
ここまで履歴書の添え状の書き方などをご紹介してきましたので、次は履歴書を送る際の封筒への入れ方についてもご紹介します。自分が希望する会社に履歴書や添え状を送る時には、注意が必要です。履歴書を通常の手紙用の封筒に三つ折りにして入れて送っても良い場合もありますが、添え状や他の書類も送る場合は手紙用封筒ではいけません。
また、ちょっとした気遣いで濡れたりすることなく送ることができますので、履歴書の添え状の封筒への入れ方もご紹介しましょう。
クリアファイルに入れる
履歴書や添え状、その他の応募書類などを会社に送る時には、まずクリアファイルを用意します。そして添え状を一番上にして、その次には履歴書を入れます。その他の必要書類がある場合には、履歴書の後に入れてください。クリアファイルに入れることによって、書類が折れてしまったり雨で濡れてしまったりすることを防ぐことができます。
添え状、履歴書、その他の書類の順番にクリアファイルに入れたら、クリアファイルが入る大きさの封筒に入れましょう。
履歴書の添え状の人事の本音
それでは次に、履歴書の添え状に対する人事の本音についてご紹介します。ここまで履歴書の添え状のマナーや書き方などを詳しくご紹介してきましたが、添え状は就職活動においてかなり重要な役割を果たすことがあります。履歴書の郵送を望む会社の人事担当者の人達は、添え状を意外によく見ているからです。
履歴書の添え状に対して、企業の人事担当者の人達がどのように考えているのかについてご紹介しましょう。
約3割の人事が評価に影響すると回答
企業の人事担当者の人達に「添え状は面接や採用を決める際の評価に影響するかどうか」というアンケートを取った所、意外にも約3割の人が「添え状は評価に影響する」と答えています。そのようなことから、添え状はビジネスマナーが身についているかどうか評価する対象であると言うことができますので、真剣に作成することをおすすめします。
添え状以外にも書類が必要な場合もある
履歴書の添え状について色々とご紹介してきましたが、履歴書の送付以外にも書類が必要な場合もあります。高校生や大学生の就職活動ではほぼ求められない書類でも、中途採用の場合は提出を求められるというものもあります。添え状以外に履歴書と共に送ることもある書類についてご紹介しましょう。
中途採用の場合は職務経歴書も必要
添え状以外に、履歴書と共に送らなければならないこともある書類に「職務経歴書」というものがあります。今までの職務経験を全て記入する書類で、何年何月から何年何月まで何という会社でどのような仕事をしてきたのかを細かく記入しなければなりません。中途採用の場合にはこれが求められることもありますので、覚えておきましょう。
履歴書の添え状は例文を参考に書くのがおすすめ!
履歴書の添え状のマナーや詳しい書き方などをご紹介してきましたが、如何だったでしょうか。書き慣れないうちは時候の挨拶などもわからなくて当然ですので、まずは例文を参考に書いてみて下さい。例文を参考にしてしっかりとした添え状が書けるようになって、就職活動を成功させましょう。