派遣の面接は何をする?
派遣先との間で行われる面接ですが、正式には面接と言わず、面談、顔合わせと表現します。派遣では、面接は禁止されているためですが、この記事ではわかりやするために、あえて面接と呼びます。その面接で何をするのか説明しましょう。正社員を選ぶ面接とは、内容が少し違います。
業務に関する打ち合わせ
社員を選考する通常の企業の面接と違って、派遣の面接では、業務内容の打ち合わせが主な内容となります。派遣社員がこれから行う業務についてある程度予備知識が必要だし、他の社員との意思疎通もしなければいけません。そのために、面接(顔合わせ)という場が設けられ、派遣社員が準備をしていくのです。
派遣の面接は一度だけ
通常の面接の場合、個人面接、集団面接などいくつかの種類があり、その都度参加せざるを得ませんが、派遣の面接は1回だけです。その日時は、派遣社員が決めるのではなく、派遣会社が判断します。そして、派遣面接の場合は、一人の担当者と会う個人面接というよりは、担当者数人と打ち合わせをする形態のほうが多いようです。
派遣面接の事前準備
派遣の面接では、どのような準備をすればいいのか考えてみましょう。派遣の面接は、通常の面接とは違うので、準備すべきものも異なります。したがって、前もってよく確認をし、間違いのないように準備しておく必要がありますが、その内容を紹介します。この記事を参考に、完璧な準備をして、派遣面接に臨んでください。
①簡単な自己紹介を考えておく
まず派遣の面接にあたって準備すべきことは、簡単な自己紹介ができるようにしておくことです。面接で自己紹介は欠かせませんが、派遣の場合は、あまり詳しい内容に立ち入ることはないので、簡単な準備でOKです。職務経歴などを加えて、一通り情報がまとめられれば、準備万端です。
➁業務に関する質問をまとめておく
次の準備は、業務に関する質問をまとめておくです。どのような業務をすることになるのかはもちろん、労働環境、労働条件、残業の度合い、残業代の支払いはあるのか、職場環境、いつから勤務することになるのかなど質問すべきことはたくさんあります。それをしっかりと整理しておくことが、準備の一つです。
③派遣先の情報収集
これは面接のためだけの準備ではありませんが、派遣先の企業に関する情報収集をしておいたほうがいいでしょう。どのような企業で働くことになるのかは重要な問題であり、その企業の理念や雰囲気を事前に知っておくほうが、いい準備になります。その情報収集は、企業のホームページなどから行うだけで構いません。
派遣の面接時の服装
社員の選考を行う企業の面接とは違うからと言って、派遣の面接ではどのような服装でもいいというわけではありません。派遣の面接にもふさわしい服装があり、準備をしておかなくてはいけません。その準備すべき服装について、男女別に解説しますが、その情報を参考に間違いのない服装を選んでください。
男性の服装
派遣の面接に着ていく服装は、基本的にスーツです。スーツ以外でもいいとしている企業もありますが、スーツが無難です。その際、黒や紺、ダークグレーなどの真面目そうに見えるスーツを着ていくのがいいです。それ以外の色のスーツだと、仕事に対する態度を疑われてしまう場合があるからです。
スーツの柄は、無地が理想ですが、細めのストライプでも悪くはありません。アンダーシャツやワイシャツは、白の無地が基本です。それが一番スーツに合うからですが、派手な色のワイシャツなどを着ていけば、場違いな印象を担当者に与えます。
ネクタイやベルト
ネクタイやベルトもスーツに合わせなければいけませんが、やはり赤やピンクなどの派手な色は避けます。柄も、無地、ストライプ、チェックなど落ち着いたものを選びます。ベルトは、黒や茶色がよく、革性がおすすめです。あとは、これらの服装を準備して、当日着ていけば、面接を乗り切れるでしょう。
女性の服装
女性が派遣の面接に行く場合の服装もスーツが基本で、色は黒か紺、グレーなどがいいです。男性同様に色には注意しましょう。面接という場を考えたら、スカートは膝丈にし、タイトかセミタイトを選びます。パンツスーツでも悪くはありません。シャツ、ブラウス、カットソーなどは、白かパステルカラーなどの目立たないものを着用します。
夏はワイシャツ1枚でいい?
夏にスーツを着るのは大変だから、省エネルックで、服装をワイシャツ1枚で決めたらどうだろうかという男性もいるでしょう。それがOKの場合もありますが、ジャケットなどを準備しておくほうが印象がずっとよくなります。その際、外ではジャケットを脱いでおき、エアコンの利いた室内で着用すればいいでしょう。
カジュアル過ぎる服装は避ける
いくら社員選考の面接ではないと言っても、カジュアル過ぎる服装は避けてください。女性は露出の少ないものにし、男性はジーパンやTシャツというわけにはいきません。そんな服装で面接に参加すれば、仕事への気持ちが真面目なのか疑問を持たれます。物事は最初が肝心なので、まずは真面目な服装で決めましょう。
オフィスカジュアルはどうか?
オフィスカジュアルという服装のスタイルがあります。これは、スーツほどフォーマルではないが適度に仕事に合っていて、それでいてカジュアルな服装という意味です。ただ、オフィスカジュアルと言っても、企業によって定義が異なります。したがって、派遣の面接で、オフィスカジュアルでいいかどうかは状況次第です。
オフィスカジュアルの注意点①サイズを合わせる
オフィスカジュアルな服装で決める場合、一番大切なことは清潔感を演出することです。それができれば、派遣の面接にオフィスカジュアルな服装で臨んでもいいでしょう。その清潔感を出すうえでいくつかの注意点がありますが、まずはサイズがぴったり合った服装でないと、だらしない印象を与えます。
オフィスカジュアルの注意点②アイロンをしっかりかける
しわの多いシャツやワイシャツ、くたびれた襟元などでは、印象が非常に悪くなります。スーツを着る場合もこれらの点には注意するでしょうが、オフィスカジュアルとなると気が緩む恐れもあります。したがって、アイロンをしっかりかけて、しわやよれよれは直しておく必要があります。
オフィスカジュアルの注意点③露出は避ける
オフィスカジュアルだと、少しラフな格好でも構わないように思う人もいますが、露出は避けてください。ボタンを開いて、肌を見せるというようなことはあってはなりません。あくまでも仕事の面接に行くのですから、控えめに整った服装にしなければいけません。いい印象を得るためにも、これは最低条件です。
男性のオフィスカジュアル
オフィスカジュアルな服装と言っても、その定義は企業ごとに異なっています。しかし、派遣の面接に行く場合は、あまり砕けた格好はよくないので、オフィスカジュアルでも一定の節度が必要です。例を挙げると、ブレザーかテーラードジャケット、白いワイシャツ、チノパンなどの格好がおすすめです。靴はスニーカーではなく、革靴にします。
女性のオフィスカジュアル
女性もカジュアル過ぎないように、ジャケットやカーディガンを上に羽織り、白いシャツかブラウスを中に着ます。スカートはスーツの項目でも指摘したように、タイトかセミタイトがいいでしょう。かっこよくパンツ姿でまとめるのありですが、色は派手にならないようにしましょう。履物はパンプスがおすすめです。
派遣の面接時の髪色と髪型
派遣の面接で、服装と同時に注意したいのが髪色と髪型です。派遣の面接とは言え、髪色や髪型がふさわしいものでないと、相手先から顰蹙を買う場合もあります。そこまで行かなくても、仕事への姿勢を疑問視されることもあるでしょう。それほど髪色や髪型は大切なので、これも男性・女性別に詳しく解説しましょう。
男性の場合
せっかくスーツを着て服装を完璧に決めても、髪色や髪型が悪ければ、派遣の面接でいい印象を持たれない場合があります。それだけ、髪色や髪型には注意すべきですが、男性の場合、あまりもさもさした髪型だと、仕事をするのにふさわしくありません。できれば理容店で短くカットしてもらい、清潔な感じを出してもらうのがいいでしょう。
長髪は派遣先で禁止になっている場合があります。したがって、短髪にするのが無難です。ワックスで固めた髪型も、派遣の面接には合いません。それから、短髪でも寝ぐせなどがあっては格好が悪いですから、朝きちんと整えておきましょう。
最近は、髪の毛をいろいろな色に染める人もいますが、派遣の面接に臨むことを考えたら、黒髪にしたほうがいいでしょう。茶髪などでは、真面目さを疑われる場合があります。もし髪の毛を染めているのなら、黒に染め直すという手があります。
女性の場合
女性の場合は、必ずしもショートヘアにこだわる必要はありません。長い髪でも派遣の面接で問題が生じることはありません。ただし、あまり髪をいじくるようだと、相手も少し気になるでしょうから、髪が長いようなら、ポニーテールやシニヨンにまとめておくほうが落ち着きが出ます。
前髪も長いと、手で直すことが多くなります。それでは、相手は少し気にしてしまうでしょうから、やや短めにカットするか、ピンでまとめておくといいでしょう。顔の前面は、派遣の面接に限らず非常に重要なものなので、気を遣いましょう。
女性の髪色も黒が理想ですが、濃いめの茶色なら特に問題にはならないでしょう。間違っても派手な色にしないことです。派遣会社が拒否感を示す場合もあります。それから、染める場合は、髪の毛先と根本に食い違いが生じないように注意しましょう。
派遣の面接の履歴書の写真
派遣の面接に持参する履歴書の写真をどうしたらいいのかを考えてみましょう。派遣の面接であっても、履歴書の写真は重要です。正社員の選考時に担当者が使うのとは使途が異なりますが、その写真をもとに一定の評価はします。したがって、履歴書の写真もきれいに整った姿で写さなければいけません。
履歴書の写真はスーツが望ましい
派遣の面接では、オフィスカジュアルな服装でもいい場合がありますが、履歴書の写真でオフィスカジュアルはおすすめできません。正式な書類の写真である以上、スーツ姿で写すのが正しい在り方です。清潔な印象のあるスーツを着た姿で写した写真には、担当者も好感を抱いてくれます。
派遣の面接の基本的なマナー
面接には守るべきマナーがありますが、特に派遣の面接におけるマナーを取り上げてみましょう。派遣の面接にあたって、準備すべきものを準備し、清潔な服装で決めて、万全な体制が整っても、当日のマナーが悪ければそれらの努力も意味を持たなくなります。それほどマナーには注意をしなければいけないのです。
①話は分かりやすく
派遣の面接で注意すべきマナーの第一は、話し方です。話をする場合、わかりやすく、相手に伝わるようにしなくてはいけません。だらだらと話すのではなく、要点を絞ってうまくまとめていきます。発音もはっきりさせ、語尾まで言い切ります。ただ、自分の話し方の欠点がわからない場合があるので、家族や友人のアドバイスをもらうといいです。
話し方のマナーで注意すべきことに、敬語の使い方があります。社会人として恥ずかしくない敬語の使い方をしておかないと、担当者の印象が悪くなります。最初の派遣の面接で悪い印象を与えると、仕事環境にも差しさわりがあります。
➁忘れ物はNG
派遣の面接に臨むにあたって、忘れ物がないかよくチェックをしておきましょう。忘れ物をして、面接に参加するのはマナー違反です。では、どのようなものを派遣の面接に持っていけばいいかですが、履歴書、職務経歴書、筆記用具、印鑑、連絡先を書いたメモ、会社情報を記した用紙などを準備します。
③視線は相手
派遣の面接に限りませんが、話をする時は必ず視線を相手に向けます。もし視線を逸らしたり、別の方向を見たりすれば、マナー違反となります。では、担当者が複数いる場合はどうすればいいかですが、これは話をする相手により視線を移していきます。もし全員に話しているのならば、交代に目を向けるようにしましょう。
④仕草・表情に気を付ける
派遣の面接時のしぐさや表情にも注意が必要です。何気ないしぐさや表情にも、人の癖というものが現れるので、人一倍気を遣う必要があります。たとえば、貧乏ゆすりなどは問題外です。また、やたらと髪を触ったり、ペンをいじくったりするのもよくありません。表情で言えば、相手の話に応じてメリハリをつけることが大事です。
⑤携帯電話の電源はオフ
面接時に、携帯やスマホの着信を鳴らすのもマナー違反です。面接の最中にそのような音が鳴れば、面接が一時中断されますが、そうなれば基本的なマナーを知らない奴だと思われてしまいます。それから、交通機関に乗っている場合は、マナーモードでもいいとしていますが、面接時にはマナーモードも印象がよくありません。
⑥挨拶はきちんと
これは当たり前のマナーなので、あえて取り上げるまでもありませんが、挨拶はきちんとしましょう。入室時、退席時に挨拶を明るく、はきはきとすることで、印象が非常によくなります。この人となら、一緒に仕事が楽しくできそうだと相手が思ってくれるような挨拶を心がけましょう。
⑦持ち物やメイクのマナーにも注意
派遣面接というと服装上のマナーに意識を向ける人も多いですが、持参する小物やメイクにも注意が必要です。たとえば、書類や筆記用具などを入れるかばんは、リュックタイプのものでは面接にふさわしくありません。ショルダーバッグか手提げバッグのほうがいいです。色も、黒や茶色、ネイビーなどの地味なものにします。
アクセサリーはどうしても必要と思われるもの以外は外しておきます。男性の場合は、無理に付ける必要はありません。女性の場合は、身に付けるにしても清楚な印象を与えるものにし、目立たないようにします。
女性の場合、メイクを全くしないと、外見に気を遣わない人だと思われるので、メイクをするのがマナー上好ましいのですが、その場合でもくどいメイクにならず清楚な印象を与えるようにします。
腕時計はどうする?
面接に腕時計をしていくでしょうが、その場合は、あまり派手でないものを選びましょう。できればブランド物などは避けたほうがいいです。派遣の面接には目立ち過ぎます。そして、デジタル時計よりもアナログ時計のほうが、大人っぽい印象を与えます。これらは小さなことですが、腕時計も担当官から見える位置にあるので、注意しましょう。
どんな靴を選べばいい?
派遣面接に履いていく靴についてもマナーがあります。まず、汚れていたり、傷ついていたりする靴では、派遣面接に適していないので、磨くか新しいものに交換します。靴の種類は革靴がベストですが、ひも付きがいいでしょう。色は、黒か茶色が定番ですが、女性の場合は、もう少しカラフルにして、ベージュや淡いピンク色という選択もありです。
⑧事前に勉強していくこともマナー
派遣の面接にあたって、派遣先企業や同じ業界のことに関して事前に勉強しておくことは基本的なマナーです。まったく予備知識や情報を持たずに派遣面接に臨むのは少し失礼です。特に同じ業界に関する情報や知識を少しでも持っていないと、同じような業務をこなせるか不安がられることがあります。
⑨面接に行けなくなった時のマナー
急病などにより派遣面接に行けなくなった場合のマナーを解説しておきます。まず、できるだけ早く電話で欠席の旨を伝えます。メールでは見落としがある場合があるので、必ず電話連絡をします。電話連絡の相手は、派遣先だけでなく派遣元も対象です。そのうえで、双方と打ち合わせをして、新たな面接の日取りを決めます。
派遣の面接時の注意点
派遣面接には、服装や髪型、マナーなどのほかにいくつか注意点があります。その注意点をしっかり頭に入れておかないと、面接時だけでなく、後後の業務にも支障が生じる場合があります。したがって、一つ一つ注意事項をチェックし、スムーズに面接をこなし、次の業務へとつなげる必要があります。
①履歴書の内容が間違っていないか
派遣先企業では、派遣されてきた人の情報を派遣元からも入手しますが、履歴書も重要な情報収集手段となっています。したがって、派遣先に面接時に提出する履歴書の内容に間違いがないかよく確認しましょう。履歴書の内容によって業務内容が変わることもあるので、間違いがあると自分に合わない仕事へ回されることがあります。
➁働くのに相応しい服装・応対
たかが派遣の面接などと軽く考えてはいけません。面接は、これから一緒に仕事をする人との大事な顔合わせであり、今後の労働環境を左右する場でもあります。したがって、服装には十分注意し、応対などもしっかりできるように練習をしておくのがいいです。慣れている人は心配ないでしょうが、まだ経験が少ない人は、シミュレーションをしておきましょう。
③派遣先にあった自己紹介を
派遣先の企業で自己紹介をする場合、通り一遍のものではなく、企業にあった形にするのがおすすめです。そうすれば、企業もこの人は即戦力として期待できるなと感じます。それがきっかけとなって、さらにいい仕事に回される場合もあります。自己紹介は第一印象を決める場でもあるので、よく考えて臨みましょう。
面接の結果で派遣が中止になることも
派遣面接の結果、派遣がキャンセルされることがあります。と言っても、派遣先企業が独断で、派遣されてきた人を追い返すということはできません。派遣先企業にはそのような権限が許されていません。では、どこが判断するのかというと、派遣元です。派遣元の会社が、派遣社員を派遣先に送るのをふさわしくないと思えば、中止になります。
派遣元が派遣社員を派遣先に送るのをふさわしくないと思うのは、派遣先の企業の仕事をこなせそうにない、職場環境が合わない時などです。そのような時は、あきらめて、派遣元と調整のうえ、別の派遣先を探す必要があります。
派遣の面接時には好印象を与える対応をしよう!
ここまで、派遣面接では何をするのか、派遣面接の事前準備、服装、髪型、基本的なマナーなどについて解説しました。派遣面接は通常の面接とは異なった様相を呈しますが、それでも面接である以上、服装や髪型、マナーには注意が必要です。それができて初めて、好印象を与えられ、その後の業務もしやすくなります。