気概の意味とは?読み方・使い方・例文・英語での言い方もまとめて紹介!

気概の意味とは?読み方・使い方・例文・英語での言い方もまとめて紹介!

困難に直面した際、「気概を示せ」とか「気概を持て」とか言われることがあります。この「気概」とはいったいどのような意味や読み方なのでしょうか。今回は「気概」を取り上げます。「気概」とはどのような意味なのかだけでなく、その語源・由来や英語表現まで掘り下げます。

記事の目次

  1. 1.「気概」の意味とは
  2. 2.「気概」の語源・由来とは
  3. 3.「気概」の類語とは
  4. 4.「気概」の反対語とは
  5. 5.「気概」と「感慨」の違い
  6. 6.「気概」と「覚悟」の違い
  7. 7.「気概」の使い方とは
  8. 8.就活でもって欲しい「気概」とは
  9. 9.「気概」の英語表現とは
  10. 10.「気概」の意味は困難にも屈しない強い意気

「気概」の意味とは

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難しい問題に直面した場合などに、上司や仲間から「気概を見せろ」とか「気概を示せ」とか言われることがあります。「そんな抽象的なことを言われても困ってしまう。」という若い人の声が聞こえそうです。この「気概」とはいったいどのような意味なのでしょうか。併せてその読み方も見てみましょう。

困難にも屈しない強い意気の意味

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「気概」とは、「困難に屈しない強い意気」を意味します。そこには自ら困難に立ち向かう強い意志があります。「気概」は目に見えませんが、それは具体的な行動や言動、振る舞いに現れます。

「気概」には、これまでと同じように行動する前例踏襲(ぜんれいとうしゅう)ではなく、新しいものにチャレンジしようとする積極的な姿勢の意味合いがあります。前向きなビジネスマンであれば、是非備えておきたい心の持ち方です。

読み方は「きがい」

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「気概」の「気」の読み方は音読みで「キ・ケ」と読みます。一方の「概」の読み方は音読みで「ガイ」、訓読みで「おおむね」と読みます。「気概」はそれぞれの音読みを合わせて「きがい」と読みます。どちらの字もさほど難しい漢字ではありませんので、特に意識する必要はなく普通に読めば大丈夫です。

「気概」の語源・由来とは

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「気概」は使われる頻度が高い割にはつかみ所のない言葉です。「気概」は直接目に見ることもできません。この「気概」という言葉は何から生まれたのでしょうか。「気概」は「気」と「概」という漢字で構成されています。それぞれの意味から「気概」の語源・由来を探ってみましょう。

「気」は精神・感情の働きの意味

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「気概」を構成する漢字の「気」は「精神・感情の働き」を意味します。「気」はもともとは中国思想や漢方医学で使われる用語で、目で見ることはできない流動的な運動・作用を表すと考えられています。一方で「気」は物資として凝縮し、万物の構成要素となりえるという解釈もあります。

「概」はその人に現れた風格・気迫の意味

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「気概」を構成するもう一つの漢字である「概」には二つの意味があります。一つは「その人に現れた風格・気迫」の意味で、「おもむき・雰囲気」の意味で使われます。もう一つは「大体のところ・あらまし・おおむね」という意味です。「概略」「概況」「概算」などの熟語として使われます。

「概」は「斗掻き」を表す

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「概」のおおもとの意味は升(ます)の表面を平らにならす「升かき棒」です。「升かき棒」のことを「斗掻き(とかき)」といいます。この棒は「凹凸(おうとつ)なく一定にならす」ことから、「抜けのない強い気持ち・心に隙(すき)がなく決心が変わらない様子」の意味で一般化して使われるようになりました。

「気概」の類語とは

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「気概」とは「困難に直面しても屈しない強い精神」を意味しますので、古今東西様々な場面で使われてきました。そのため「気概」には多くの類語があります。ここでは、「反骨」「胆力」「根性」の三つを見てみましょう。これ以外にも「肝っ玉」「ガッツ」「熱意」なども「気概」の類語として使われます。

反骨の意味

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「反骨」の読み方は「はんこつ」です。「気概」の類語として使われます。「反骨」とは「権威・権力や時代の風潮に逆らって戦う精神」を意味します。「容易に屈しない」という姿勢は「気概」と同じニュアンスがありますが、「反骨」は「気概」よりも「何か強いものにも容易になびかず、対抗する意識」が強い言葉です。

胆力の意味

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「胆力」の読み方は「たんりょく」とです。東洋医学においては「胆」は単なる消化器官の一部というより、「物事を判断して決断する力である決断力」と深く関係しています。「胆力」とは「恐れたり、尻込みしない精神力」を意味します。「臆せず、動じない」というニュアンスは「気概」とほぼ同じ意味合いで使われます。

根性の意味

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「根性」の読み方は「こんじょう」です。「根性」とは「あくまでやり通す、強い精神力」のことです。「強い精神力」は「気概」と似たニュアンスがあり、「気概」の類語として使われます。一方で「根性」には「その人が本来的に持っている性質」という意味もあります。こちらは「気概」とは異なった意味合いで使われます。

「気概」の反対語とは

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「気概」には幾つかの反対語があります。「気概」が「困難に直面しても屈しない強い精神力」を表す言葉ですから、その反対語のイメージはつかみやすいですが、ここでは「無気力「無頓着」「へっぴり腰」の三つを取り上げます。「気概」の反対語にはこれ以外に「脱力」「倦怠(けんたい)」「惰気(だき)」などもあります。

無気力の意味

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「気力」とは「何かを行おうとする精神力、気持ちの張り」を意味しますので、それに「無」が付いた「無気力」は「何をする気もない、やる気のなさ」を表します。「無気力」な精神状態は非常に否定的な心理に支配されており、「どんなに努力しても望む結果が得られない自己制御不能な状態」です。

無頓着の意味

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「気概」の反対語に「無頓着」があります。「無頓着」の読み方は「むとんちゃく」若しくは「むとんじゃく」です。「無頓着」とは「気に掛けない、こだわらない」という意味です。ネガティブな精神状態は「無関心」と同じですが、単に「関心が薄い」だけで、「無関心」のように「全てに関心がない」状態とはニュアンスが異なります。

へっぴり腰の意味

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「へっぴり腰」とは「いかにも自信がない、びくびくした様子」の意味です。恐る恐る何かをするときは恐怖を感じており、腰が後ろに引けた状態になります。その姿勢が「へひり」つまり「おならをする」姿勢に似ていることから「へひり腰」と呼ばれ、「へひり」が「へっぴり」に転じて「へっぴり腰」と表現されるようになりました。

「気概」と「感慨」の違い

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「感慨」は一見「気概」と雰囲気の似た言葉ですが、意味は全く異なります。「感慨」の読み方は「かんがい」です。「感慨」とは「身にしみて感じること」の意味です。「感動」に近い言葉で、「感慨」は「感動」よりもしみじみと感じる度合いが強い意味合いがあります。

よく見ると、「感慨」の「慨」と「気概」の「概」は違います。「気概」の「概」は「表面現れた風格や気迫」を意味しますが、「感慨」の「慨」は「心を揺さぶる思いでいっぱいになる」といった意味です。漢字の違いにも気をつけましょう。

「気概」と「覚悟」の違い

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「覚悟」の読み方は「かくご」で、意味は「心構え」です。「危険なことや困難なことを予想して、それを受け止めようとする心構え」なのです。「気概」の方は「目の前に既に困難なことが現れており、それに立ち向かう意向」を表しますが、「覚悟」では、その困難がまだ確実なものになっていません。一応予想しているだけの状態なのです。

「気概」の使い方とは

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ここまで「気概」の意味や類語、反対語といった基本的なことを見てきました。ここからは応用編です。「気概」は日常生活やビジネスシーンの様々な場面で使われます。就活などの場面で実際にどのような使い方をするのか、例文をまじえて見ていきましょう。ここにある使い方は様々な応用も可能ですので、参考にしてください。

例文①:気概をもって就活にのぞむ!

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就活事情は一時期の就職氷河期とは変わってきていますが、売り手市場といわれる今日の就活においても、自分の希望する第一志望の会社の内定を獲得するのはそれほど容易ではありません。

「君が第一志望とする企業の内定を取るためには、何が何でもこの会社に入りたいという強い気概をもって就活にのぞまなくてはいけないよ。」

例文での使い方は先輩若しくは大学の恩師がこれから就活に向かう学生に「気概をもって就活にのぞめ」と激励しています。

例文②:ライバルに負けない気概を見せる

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ビジネスの世界では、必ず自分のライバルとなる存在が出現します。ライバルとの競争に勝ち残れなくては、出世はおろか現状維持すら難しくなるかもしれません。その際は「気概」をもってファイティングポーズを示すことが重要です。

「今回のコンペは君とA君の両方に企画書を作成してもらうことになった。ここは君の踏ん張りどころなので、是非ライバルに負けない気概を見せて欲しい。」

社内で企画書を競い合わせることはさほど珍しいことではありません。例文での使い方は、ライバル同士で顧客に向けた企画書を競わせようとしています。ここでも「気概」は激励の言葉として使われていますが、少し追い詰め危機感をあおっているニュアンスもあります。

例文③:最近の若者は気概がない

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「最近の若者は」は古今東西使われてきたフレーズです。世代差による考え方や価値観の違いが若者に対する愚痴として現れるのです。近年は特に「ゆとり世代」や「さとり世代」の若者に対してこのフレーズが使われます。

「まいったよ。幾らあおっても反応が芳しくないんだ。最近の若者は全く気概がないね。我々の若いときとは大違いだよ。」

例文での使い方は、中間管理職とおぼしき同僚がお互いに愚痴をいいあっています。得てして自分たちの若い時代のことは美化して都合よく振り返る傾向があるものです。

例文④:リーダーの気概を示す

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リーダーは孤独です。強がりであっても、困難に立ち向かっていく「気概」を示さないと部下はついてきません。

「このプロジェクトを引っ張っていくには難しい問題がたくさんありました。でも私は如何なるときにも困難に立ち向かっていく気概をプロジェクトメンバー達に示してきたつもりです。」

例文での使い方は、ビッグプロジェクトのリーダーがプロジェクトの成功を振り返って、自分の振る舞いを自画自賛しています。彼が孤独に自分を奮い立たせてきた姿が目に浮かびます。

就活でもって欲しい「気概」とは

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例文のところでも見ましたが、就活は「気概」がものをいう大舞台です。就活で最も重要な場面はいうまでもなく、面接官との対面です。

就活する方は面接官が現実よりも人間的に大きく見えるものです。でも現実は面接官といっても実は社内ではたいした成果を出していないこともよくあるのです。就活で面接に臨むときは、「3年か4年であんたなんか抜いてやる」くらいの「気概」を持ちたいものです。

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「気概」の英語表現とは

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「気概」という心の持ちようは人類に共通しますので、英語圏にも幾つかの英語表現があります。ここでは「guts」「courage」「bravery」の三つの英語表現を例文をまじえて取り上げます。

これ以外では、「spirit」も「気概」の英語表現として使われることがありますが、「spirit」は「情熱・熱狂」という意味がありますので、「気概」とは少し違ったニュアンスの英語表現になります。

guts

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「guts」は「気概」に一番近いニュアンスを持つ英語表現です。「He is a man with plenty of guts.(彼は気概がある男だ。)」といった使い方をします。「guts」単独では「気概」と同様名詞的な使い方が一般的です。「guts」は「ガッツ」として日本語でも英語と同様な意味で伝わる言葉です。

have the guts to〜

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「何かをする気概がある」という意味を表現する場合は、「have the guts to~」という使い方をします。「He has the guts to say bosss whatever he needs.(彼は必要と思ったことは何でも上司に言う気概を持っている。)」のような使い方をします。「to」の後に様々な動詞を入れ替えると応用の幅が広がります。

courage

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「courage」は「苦境に陥っても恐れず不安を抑える勇気」を意味しますので「気概」と似た意味で使える英語表現になります。「The courage to live is very important.(生きる勇気が非常に重要だ。)」といった使い方をします。例文では安易に死を選ばず困難に立ち向かうことの重要性を述べています。

bravery

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「bravery」は「勇敢」を表す英語表現です。物語のヒーローなどに対してよく使われる言葉です。「He is brave enough to make the impossible possible.(彼には不可能を可能にする気概がある。)」といった使い方をします。「brave」は「bravery」の形容詞形です。

「気概」の意味は困難にも屈しない強い意気

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「困難に直面しても屈しない意気」である「気概」について意味や読み方などを解説しました。多くの類語や反対語もありました。ニュアンスの違いを理解して、ボキャブラリーを増やしていきましょう。「気概」は男性だけでなく女性に対しても問題なく使えます。相手を追い詰めるのではなく、励まし、激励する文脈で無理のない使い方を心がけましょう。

もちろん「気概」だけで全ての問題が解決するほど単純ではありませんが、うまく行くはずの物事が「気概」という心の持ちよう一つで躓(つまづ)いてしまうこともあります。逆もまたあります。「気概」をうまくコントロールして成功を勝ち取りましょう。

土居
ライター

土居

公務員、大学教員をリタイヤ後ライターをやり始めました。これまでの山歩きと日帰り温泉に加えて、今は孫と過ごすことが楽しい毎日です。ビジネスや経済関係に強いと自負していますが、最近はエンタメや生活関連のような柔らかいものにもチャレンジしています。宜しくお願いします

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