内々定を辞退したい!
就職活動は初めての経験が多く、どのようなことが常識で、どのようなことが非常識になるのかがわからない就活生が多くいるのではないでしょうか?そんな就活でも内々定がもらえると嬉しいことでしょう。
ただ内々定をもらったけれど、別の会社も狙っているという就活生も出てくるでしょう。一生を決める就活において、内々定を辞退したいと考えるシチュエーションは出てくるでしょう。
今という時代は、ひとつの会社に定年まで身を置くといった考え方をしない人たちも少なくないでしょう。しかし自分のキャリアプランを考える意味で、最初にどんな仕事に就くかは非常に大事なのではないでしょうか?
内々定は外資系企業やベンチャー企業で、早い人では大学3年生の秋ぐらいから出すケースも少なくありません。早いうちに内々定をもらっておくことができるのは就活生にとってありがたい話です。
しかしそこが本命の企業ではなく、就活を続けるうちに希望していた企業の内定が決まり、先にもらっていた内々定を辞退したくなった場合は、どうすればいいのでしょうか?
内々定の辞退方法は電話がいいのか、メールで済ませていいものか、悩むことでしょう。さらに、内々定を辞退する期限といったものはあるのでしょうか?内々定承諾書を書いてしまった場合も、辞退はできるのでしょうか?
内定と内々定の違い
就活をする上で、内定と内々定はどういう違いがあるのでしょうか?内定と内々定の違いは、労働契約が成立しているかどうかの違いです。労働契約が成立していないのが内々定です。
内々定は、企業側の採用予定通知になります。労働契約を結ぶ前段階にあるので、拘束関係は発生していません。
内々定であれば、就活生も企業も自由に取り消しができます。しかし企業が一方的に内々定を取り消すのは、企業イメージの悪化にもなります。内々定だからという理由で企業から簡単に内々定を取り消すといったことはされないと考えていいでしょう。
内々定が内定に変わるのは、内定承諾書あるいは入社承諾書といったものにサインをした時になります。これは正式な労働契約となり、双方の合意によって契約が成立します。入社日前に、その企業の社員として認められたことになります。
内定承諾書にサインをすると、正式な契約となります。では内々定承諾書とはどういうものなのでしょうか?内々定は内定を出すという口約束になります。
これを書面に起こしたものが内々定承諾書です。企業が出した内々定に承諾したという意味を持つのが内々定承諾書です。
なぜ、内々定という言葉が出てきたのでしょうか?これは経団連の倫理憲章に関わってきます。内定は10月1日以降でなければ出すことはできません。しかし企業としては優秀な人材を他者に取られる前に確保しておきたいと考えます。
その結果「内定を出す約束をする」という意味で内々定という言葉が使われるようになりました。内々定は7月ごろまで通知を出す企業が過半数を占めていると言われています。
内々定が内定に変わるタイミングとは、どのようなものなのでしょうか?まず、最終面接に合格し、内々定通知が送られます。これにサインしても、内定にはなりません。この後、内定通知が送られてきます。ここまではまだ内々定です。
内定承諾書にサインをした瞬間に、内々定から内定に変わります。そして10月1日以降に、内定式が行われるという仕組みです。
内々定の辞退の期限
それでは内々定を辞退する期限は、いつまでなのでしょうか?経団連の倫理憲章で、10月1日以前に内定を出してはいけないということになっています。
そのため、10月1日以前の合格通知を内々定、10月1日以降の合格通知は内定となります。内定の場合は、承諾書により契約が成立します。
承諾書の提出の保留期限は、企業によって多少異なるようです。しかし1週間が期限と考えていいでしょう。複数企業から内定が出ている場合は、自分がどこで働きたいのかをよく考えたうえで、期限内に承諾書を提出しましょう。
内々定通知を受け取った月内
内定の辞退の期限はわかりやすいですが、内々定の辞退の期限はいつ頃なのでしょうか?内々定の辞退をするのに、はっきりした期限はありません。だからといって、いつまでも延ばし延ばしにしているわけにはいきません。内々定通知を受け取った月内を期限に申し出るのが、トラブルも少なく、おすすめと言えるでしょう。
遅くとも入社予定日の2週間前
いくつかの企業から内々定をもらい、どこの企業に就職するかがなかなか決まらない場合、通知を受け取った月内という期限を過ぎてしまう場合もあるでしょう。内々定を辞退する期限を、入社直前にしてしまうとトラブルになりかねません。
内々定を辞退するのは、最低でも入社予定日の2週間前が期限といっていいでしょう。内々定辞退の期限を守らずにぐずぐずしていると、企業側に人材を確保できないというリスクが生まれます。期限を守り、きっちりと対処することが求められます。
内々定を辞退しても法的な問題は発生しませんが、社会人のマナーとして、期限はきっちり守って、早めの決断をしましょう。
内々定辞退のマナー
内々定は正規の労働契約ではありません。したがって、内々定承諾書を書いたからといって、法的な拘束関係は発生しません。しかし、内々定を辞退しようと考えているなら、辞退の際のマナーについてもよく考える必要があるでしょう。では内々定を辞退する時に、どのようなマナーに気を付ければいいのでしょうか?
早めの連絡
内々定を辞退する場合のマナーの1つ目は、早めにメールか電話で辞退の連絡をするということです。内々定は法的拘束力はありません。しかし企業側は、あなたに期待して内々定の通知を送っているといっていいでしょう。
あなたに他社に行かせたくなくて、内々定という口約束で踏みとどまらせているのかもしれません。そうした場合、内定通知が来てから辞退するのはとても失礼と言えるのではないでしょうか?
できれば内定通知が出る前に、早い段階での連絡を心がけるようにしましょう。連絡手段はメールでも電話でも構いません。とにかく早めに辞退の連絡をしたほうがいいでしょう。
辞退理由を正直に伝える
内々定の辞退をする場合のマナーの2つ目は、辞退の理由を正直に伝えることです。辞退する時に嘘をついいても、人事担当者は結局は他社と比べた結果だとわかっているでしょう。わざわざ作ったような嘘をついて辞退すると、あまり印象がよくなりません。きちんと正直な理由を述べて、誠実な姿勢で内々定を辞退しましょう。
感謝と謝罪
内々定の辞退をする場合のマナー3つ目は、感謝とお詫びの言葉を必ず伝えるということです。内々定は口約束で、法的拘束力はありません。しかし企業の人事担当は忙しい合間にあなたと面接の時間を作ってくれて、その上で内々定を決定しています。
お礼の言葉をしっかり述べましょう。さらにお詫びの言葉も伝えることが、辞退をする上でのマナーと言えるでしょう。
内々定辞退の理由
内々定辞退の理由は正直に述べるべきと先述しました。しかしいくら正直に述べるといっても、言い方というものがあります。企業の人事担当はこういったことに慣れているでしょうが、理不尽な理由を告げられると不愉快にもなるでしょう。辞退をすると決めたら、穏便に済ませられる理由を頭でまとめておきましょう。
極端な嘘を理由にしない
内々定を辞退する時、真実を言うと人事担当が不快な思いをする可能性もあるかもしれません。嘘も方便と言いますが、内々定辞退の理由に極端な嘘は避けましょう。たとえば、病気になったとか、留学することになったとかいう嘘は問題です。
別の企業を選んで就職した後、内々定を辞退した企業が取引先になるケースもあるでしょう。嘘をついていたことがわかってしまうと、勤めている企業を巻き込む大きなリスクになりかねません。
ネガティブな理由は言わない
内々定を辞退する理由として、ネガティブな内容は言わないようにしましょう。また、相手にとって失礼に当たる理由も避けましょう。たとえば、「ネットでの評判が悪かった」「収入が低い」「やり甲斐が感じられない」「企業の規模が小さい」といった理由です。
相手が気分を悪くしてしまうと、トラブルに発展しかねません。お互いが気持ちよく同意して終わらせられる理由を考えましょう。
職種を理由に断る
内々定の辞退をスムーズに行うためのポイントがあります。その1つ目は、職種を理由に断るということです。内々定をもらっている会社と、行きたいと考えている会社の職種が違う場合、これを理由に断ると、納得してもらいやすいのでおすすめです。
「最後まで悩みましたが、〇〇職が私のやりたかったことに1番近いと考えました」といった言葉を使ってみましょう。
適性を理由に断る
内々定の辞退をスムーズに行うポイントの2つ目を説明しましょう。内々定を受けていた企業と同じ業種、同じ職種での内定を受けた場合に、適性を理由に辞退するというものです。
「最後まで悩みましたが、自分自身の適性を鑑みた結果、内定をいただいたそちらの会社の業務内容が、私の適性に合っているのだと考えました」といった言葉を使ってみましょう。
業界を理由に断る
内々定の辞退をスムーズに行う3つ目のポイントは、業界を理由にことわるということです。これは職種と同じパターンで、辞退する会社の職種と、入社をしたい会社の職種が違う場合、人事担当者も納得してくれやすくなるでしょう。
「最後まで悩みましたが、同時期に進行してた別業務の会社に内定をいただきました。最後まで悩みましたが、そちらのほうが私のやりたかったことに一番近いと考えました」とするといいでしょう。
地元で働くことを理由に断る
内々定の辞退をスムーズに行う4つ目は、地元で働きたいからという理由にすることです。実際、内々定を受けた会社が地元から離れている場合、地元を理由に辞退すると、スムーズに行くでしょう。「最後まで悩みましたが、地元で両親を支えていこうと考えて、この決断にいたしました」といった言い方をするといいでしょう。
第一志望だと言ってしまった場合
もし面接の時に、この企業が第一志望だと言ってしまっている場合は、どうしたらいいでしょうか?この場合、よく理由を考えなければならないでしょう。
内々定の辞退をしようとしたら、「第一志望と言っていたのになぜ辞退するのか?」や「面接では嘘を言ったのか?」と追及されてしまうでしょう。それでも充分に納得してもらえる理由を考えましょう。
内定をもらった仕事のほうが「自分が将来目指す姿にふさわしい仕事ををさせていただけると考え、決断いたしました」というのも一例です。
内々定辞退を決心する前に
内々定の辞退は、慎重に行ったほうがいいでしょう。もし第一志望の企業選考が順調に進んでいるからといって、他の企業の内々定を全て辞退してしまうと、第一志望にも落ち、「無い内定」になってしまう危険性があるからです。
辞退することは簡単にできます。しかし1度辞退したら、その企業には二度と採用されないでしょう。内々定に関して、漠然とした不満や、何か違うといった気持ち程度の理由で、内々定を辞退するのは危険だと言えるでしょう。
内々定をもらって、辞退を考えるなら、その企業で1度インターンシップで働いてみるのも手です。実際に働いてみると、自分に合った企業かどうかを判断することができます。
その企業にインターンシップ制度がない場合は、同じ業界の企業で有給インターンシップをしてみることもおすすめです。業界の雰囲気、企業の評判などもわかる可能性があります。
同じ業種の仕事にトライしてみることで、自分に合っているかどうかを気づくことができるでしょう。また反対に、自分には合わないという判断もできるでしょう。
就活に後悔しないよう、有給インターンシップを経験してみるのは、おすすめの方法と言えるでしょう。
内々定の辞退方法【電話】
内々定を辞退すると決めたら、どういった連絡方法を取るのがいいのでしょうか?基本的に電話でもメールでも構わないとされています。しかし、可能であるなら電話で直接、人事担当にお詫びと感謝の言葉を述べた方が、誠実さが伝わるでしょう。
メールは人事担当者が見逃してしまうと、見落とされる危険性があり内々定辞退の確認が遅れるケースもあり得るからです。
電話をかける時間帯にも、気を使いましょう。人事担当者になるべく迷惑をかけない時間帯がいいでしょう。まず朝の出勤前後の8時から10時、次に夜の退勤直前の17時以降、またお昼休みの11時から13時までは避けましょう。
多くの企業で忙しいことが多い時間です。会社にもよりますが、14時から16時の間であれば、人事担当者も対応しやすいかもしれません。電話では丁寧な言葉を心がけましょう。さらに電話をかけた後は、メールや手紙で改めて謝意を伝えましょう。
内々定辞退の電話のポイント
では、内々定の辞退の電話は、どのようにすればいいのでしょうか?まずは人事課に電話をし、新卒採用担当者に代わってもらいましょう。ここで、自分が通っている大学と氏名を述べます。担当者に電話が代わったら、まず、内々定の決定に関して、お礼を言いましょう。それから真摯な態度で内々定の辞退を述べることをおすすめします。
結論から述べるようにする
内々定の辞退は電話でも言いにくい問題ではあるでしょう。しかし問題を後回しにしないことをおすすめします。メールに比べると電話はどうしても、要件が後回しになるケースが多くなります。前置きを長々と話すのではなく、言いにくい事ではありますが、まず結論から述べることが大切だと言えるでしょう。
理由を答えられるようにしておく
電話で内々定の辞退を伝えたら、採用担当者に辞退の理由を尋ねられるケースは多いです。その時にはっきりしない曖昧な言葉を使ったり、相手の腑に落ちない返答をしてしまうと、採用担当者も納得してくれないかもしれません。あらかじめ、自分が言いたいことや、明確な理由を頭の中に入れて、話す準備をしておきましょう。
感謝を忘れない
さらに電話では、企業と採用担当者に対して、感謝の気持ちを述べるのを忘れないようにしましょう。内々定を出してくれたことや、面接時に真摯に対応してくれたことなどに、感謝の言葉も用意しておきましょう。辞退するという事実は変わりません。しかし相手への気遣いの一言が言えると、相手は気持ちよく理解してくれるしょう。
自分から電話を切らない
最後に電話する時に大事なポイントは、就活生であるあなたの側から先に、電話を切らないことでしょう。採用担当者が電話を切るまで待って、電話が切れたのを確認してから、自分の電話を切りましょう。これは内々定の辞退に関することだけでなく、最低限のビジネスマナーと心得ておきましょう。
内々定の辞退方法【メール】
内々定の辞退の方法として、電話の他にもう1つ、メールという手段があります。直接に電話をかけても、人事担当者が忙しい場合もあります。メールにすると、時間がある時にゆっくり読んでもらえます。また、自分の思いを文章にすることで、よく考えることができ、適切な言葉で伝えることができるでしょう。
内々定辞退のメールのポイント
それでは次に、内々定の辞退のメールを書く上でのポイントを見ていきましょう。「件名」は「内々定辞退のご連絡」とし、次に自分の大学と氏名を記します。本文にはまず、企業名を書き、次に「新卒採用グループ・採用担当〇〇様」と、丁寧なメールを心がけましょう。メール本文の一行目は「お世話になっております」がおすすめです。
内々定辞退の連絡のみにする
メールでの内々定辞退の場合、用件はシンプルにしましょう。余計なことは書かず、内々定辞退の連絡だけにメール本文を収めるのがおすすめです。ビジネスメールというものは、用件以外の話をくどくど文章にするのは、よしとしない傾向があります。人事担当者も忙しいでしょうから、ぱっと見ただけで用件がわかるほうがありがたいでしょう。
感謝・謝罪の文章を入れる
いくら用件をシンプルにメールすると言っても、それだけでは人事担当者に送るメールとすれば、片手落ちではないでしょうか?「内々定を辞退したい」旨だけでなく、感謝の気持ちと謝罪の言葉をメール文の中に入れましょう。
あなたを評価してくれた会社なのですから、その好意に応えることができなかったという謝罪の言葉を入れるのもビジネスメールのマナーと言えるでしょう。
誤字・脱字チェック
メールでの内々定の辞退は、電話で辞退するより事務的なものになります。これまでビジネスメールを書いた経験のない人には、難しく感じられるかもしれません。ビジネスメールで、非常に大事なのは誤字脱字がないようにすることです。
内々定の辞退メールは、ビジネスメールの中でも非常に重大なものと言えるでしょう。誤字脱字がないか、丁寧にチェックしてから送るようにしましょう。
内定承諾書提出後でも辞退可能?
内々定の場合、口頭で告げられる場合と、内々定承諾書の提出によって確認される場合があります。これは企業によって異なります。内定承諾書の場合は、労働契約が交わされることになるので、辞退をするわけにはいきません。それでは内定承諾書によく似た、内々定承諾書を書いて提出してしまっている場合、辞退は可能なのでしょうか?
問題なく辞退できる
結論から言えば、内々定承諾書を書いて提出した後でも、辞退できます。内定承諾書と内々定承諾書は違います。内々定の場合は正式な労働契約前ですから、辞退をしても問題はありません。
ただし、内々定を出すに当たって企業は多くの時間とコストをかけています。その上であなたを評価し、受け入れるつもりで内々定を出したということに変わりはないでしょう。
辞退の時は、特に真摯な気持ちで申し入れ、感謝の気持ちを言うようにすることがおすすめです。
内々定の辞退連絡は早めに連絡をしよう!
内々定の辞退は、就活生にとっても企業にとっても不快にならないようにするには、早めに対処することが大切です。企業は内々定の就活生を戦力としてとらえています。内々定の辞退が遅くなると、あなたの分の採用枠に空きができてしまいます。
早い時期の辞退であれば、企業側も素早く対処できます。より自分に合った企業に就くため、内々定の辞退は早めに行いましょう。