高学歴はどこから?
日本の大学進学率は50パーセントを超え、近年では「大学に進学することが高学歴」とは言えなくなってきています。その背景には少子化問題と、大学を作る規制が緩和し私立大学が増えたことから大学全入時代に突入したという理由があります。
大学全入時代とは、大学が増えすぎたことにより入学定員も増え、受験する大学や学部を選ばなければ、誰もが大学に入れる時代であることを指した言葉です。
前述した通り、大学全入時代の今は、大学に進学することが高学歴とは言えません。どこからが高学歴で、どこからが低学歴なのでしょうか。
どこからが高学歴かと考えると、一種のボーダーラインは、偏差値が高い難関大学と言えるかどうかでしょう。難関大学は大学全入時代でも入学することが難しいです。高学歴か判断するには、偏差値が高い難関大学かということが重要でしょう。
3Kとは「高学歴・高年収・高身長」
バブルの時代に3Kまたは3高という言葉が流行しました。その言葉の意味は、「高学歴・高収入・高身長」の3つの高、または3つのKを満たした男性がモテるというものです。
現在に比べて、昔の受験は過酷であり、大学に進学することも難しいと言われていました。今のように4大卒でも低学歴と言われることはなく、4大卒は立派な高学歴だと捉えられる時代もありました。
よって世間では、男性の高学歴が求められていたのです。現在では女性の社会進出あって、男女とも高学歴の方が良いという声が高まっています。
高学歴大学は関東に多い
高学歴がもてはやされることは分かりましたが、どこに高学歴の大学は多いのでしょうか。高学歴大学は関東に多いと言われています。
高学歴大学が関東に多い理由は、関東には日本の首都・東京があるからです。東京には国会議事堂や官庁等があるため、優秀な人材を必要とします。
つまり優秀な人材を育成する大学も必要となってきます。従って関東には国立大、私立大を問わず高学歴大学が多く設立されたのです。
高学歴はどこからどこまで?
先ほど、「高学歴か判断するには、偏差値が高い難関大学かということが重要」と述べました。しかし、人によって難関大学がどこからかという判断の基準は違います。
また、企業が新卒を採用するときも会社の規模によって、どこから高学歴かということは異なります。ここでは、高学歴がどこからかという基準を、「一般人」、「中小企業」、「大手一流企業」に分けて解説します。
一般人の世界
最初にご紹介するのは、一般人の世界での高学歴はどこからかということです。ここで言う「一般人」とは、企業の採用者や就職活動をしている人などの新卒就職活動に携わっていない人とします。
一般人といっても様々な考えを持っている人がいるので、高学歴はどこからかと問われると色々な答えが出てくるでしょう。
しかし、大学名を聞いたことがあれば、それだけ知名度があるいうことなので、一般の方がしっかり勉強したんだなと感じるボーダーラインは、名前を聞いたことがある大学と言うことができるでしょう。
私立大学「日東駒専」
一般人の高学歴のボーダーラインは、名前を聞いたことがある大学と解説しました。具体的にはどこからが高学歴のボーダーラインなのでしょうか。
具体的に一般人の高学歴のボーダーラインは、「日東駒専」だと言えます。日東駒専とは、関東にある大学で、それぞれ日本大学、東洋大学、駒沢大学、専修大学の頭文字を取った略称です。
日本大学は元々は法律学校だった為、法学部が有名で、多くの学生が在籍するのでマンモス学校とも言われます。東洋大学は哲学館という名前で明治20年に設置された大学です。元々は哲学や宗教系の大学でした。
また、駒沢大学は元禄元年に曹洞宗が設立した大学と言われています。そして、専修大学は日本で初めて経済科を設置した大学と言われています。
いずれの大学も関東圏にあり、歴史ある大学で、受験する高校生にとっても一種のボーダーラインになっています。
中小企業の世界
次にご紹介するのは、中小企業での高学歴はどこからかということです。企業は優秀な人材が欲しいため、どうしても学生を学歴で判断してしまいます。
そんな中小企業の高学歴といえば、その中小企業の本社がある地域の国立大等になるでしょう。では、私立大学で言えばどこになるでしょう。
私立大学「MARCH」
中小企業の高学歴はどこからかと問われると、私立大では「MARCH」になるでしょう。MARCHとは、関東にある大学で、それぞれ明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学の頭文字を取った略称です。
明治大学は、サークル活動が盛んで先輩・後輩の結びつきが強いのが特徴です。青山学院は箱根駅伝で全国に名前を轟かせました。立教大学は、全学共通カリキュラムという学年や学部に関係なく授業を受けることができるシステムが有名です。
中央大学は法学部が有名で、司法試験に強いと言われています。法政大学も法学部に歴史があると言われています。
もちろん日東駒専も良い大学ですが、MARCHは日東駒専より偏差値が高く、MARCHの方が優遇される傾向にあります。またMARCHは関東だけでなく、全国で知名度があり、誰もが知っている大学です。しばしば、MARCHに学習院大学の「G」を付けてGMARCHと呼ぶこともあります。
大手一流企業の世界
最後にご紹介するのは、大手一流企業での高学歴はどこからかということです。大手一流企業は、一流の名の相応しい学生を求めます。大手一流企業はお給料が高かったり、福利厚生がきちんと整っていたりしています。
その為、多くの学生が採用試験を受けるので、人事担当者は手間を省くために学歴で学生を判断し、書類選考の時点で低学歴の学生を落とすという噂もあるくらいです。
国立大「旧帝大」・私立「早慶上智」
そんな大手一流企業の高学歴はどこからかということですが、国立大で言えば「旧帝大」でしょう。旧帝大とは、旧帝国大学の略で、戦前に作られた帝国大学のことを指します。旧帝大は、国立大の中でも歴史があり、偏差値も高いです。
具体的に旧帝大は北から、北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学のことを指します。この旧帝大の中でも、東京大学と京都大学は日本のトップを争う大学で、さらに評価が高いです。
一方、大手一流企業の高学歴はどこからかと私立で言えば、「早慶上智」です。早慶上智は、早稲田大学、慶応義塾大学、上智大学の略称でいずれも関東にあります。
早稲田大学は大隈重信、慶応義塾大学は福沢諭吉が設立者であり、上智大学はフランシスコ・ザビエルが大学設置のきっかけになったと謳っています。
いずれも偉人であり、早慶上智は歴史ある大学だと言えます。旧帝大及び早慶上智を卒業していれば、どこに行っても高学歴と評価されるでしょう。
関西の高学歴はどこから?
先ほどは、高学歴はどこからということを解説しました。一般的には日東駒専、中小企業から見ればMARCH、大手一流企業から見れば旧帝大及び早慶上智が高学歴とご紹介しましたが、旧帝大の京都大学、大阪大学、九州大学以外はいずれも関東にある大学です。
有名な大学が関東ばかりにあり、関西の大学が低学歴と言われる訳ではありません。もちろん関西にも高学歴の大学はあります。関西の高学歴とはどこからなのでしょうか。
関関同立
まず、関西の高学歴として挙げることができるのは、関関同立です。関関同立とは、関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学の頭文字を取った略称です。
関西大学は大阪府にある総合大学で、幼稚園から大学院まであります。関西学院大学は兵庫県に主にキャンパスを置いている大学で、キリスト教の影響を受けている大学です。
同志社大学は京都府にある大学で、新島襄によって設立されました。立命館大学は京都府や滋賀県、大阪府にキャンパスがある大学で、西園寺公望によって設立されました。
完全に比べることは難しいですが、関関同立は、MARCHと同じレベルだと言われています。関関同立は関西のみならず全国の高校生が合格を目指す大学です。関東圏でも高学歴だと言われる大学です。
産近甲龍
関関同立には劣ってしまいますが、「産近甲龍」も関西では高学歴だとされます。産近甲龍は、京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学の略称です。
京都産業大学はその名の通り京都にある大学で、産業界への就職が強いのが特徴です。近畿大学は大阪府にある大学で、マグロの養殖が有名です。
甲南大学は兵庫県にある大学で、良いところの子息、子女が通うことで有名です。龍谷大学は京都にある大学で、仏教の影響を受けています。
産近甲龍は関西ではほとんどの人が知っている大学です。関東の大学と比べてみると、日東駒専と同じくらいのレベルではないかと言われています。関西で就職活動を行うなら、産近甲龍は充分有利でしょう。
理系の高学歴はどこから?
高学歴はどこからかということで、一般的な高学歴、中小企業の高学歴、大手一流企業の高学歴について解説しました。また、関西の高学歴についても解説しました。しかし、大学名で高学歴と言っても、学部で偏差値が違う場合があり、特に理系、文系ではレベルが異なることがあります。ここでは、理系の高学歴はどこからかということをご紹介します。
研究機関としてのレベルが高い大学
理系は専門性が高まるので、文系より高学歴の基準が厳しくなりがちです。理系の学部としては、医学部や歯学部、理学部、工学部などがあります。理系学部の中で高学歴はどこかと問われると、医者を養成する医学部、歯学部が高学歴と言われています。
大学で理系の高学歴がどこからかというと、前述した通り、理系は専門性が文系より高まるので、研究機関としてのレベルが高い大学がそうだと言えるでしょう。
具体的に言えば、ノーベル賞を受賞した大村智の卒業校である東京理科大学や農業に特化した東京農業大学などは理系大学で高学歴と言えるでしょう。また東京薬科大学、明治薬科大学も薬科大学の中では高学歴です。
文系の高学歴はどこから?
理系の学部の高学歴がどこからかといえば医学部・歯学部で、大学の高学歴がどこからかといえば研究機関としてのレベルが高い所でした。文系の高学歴はどこからなのでしょうか。
まず文系の学部の高学歴はどこからかを見ていきましょう。文系の学部は、学部で偏差値がかなり違うということは滅多にありません。
しかし、その中でも高学歴と言える学部は法学部です。文系国立大で1番偏差値が高い学部は、東京大学文科一類です。文科一類は法学部に当たります。
大学の知名度と比較する
では、大学で文系の高学歴といえば、どこからなのでしょうか。文系の学部だと、理系とは違い専門性はあまりなく、幅広いことを学べます。その為、理系のように研究機関としてのレベルが高い大学と言っても、あまり違いはありません。
なので文系の高学歴はどこからかと言うと大学の知名度と比較されるでしょう。国立大でいえば地方国立大も高学歴と分類される場合もあると言われています。
医学部の高学歴はどこから?
先ほど理系の高学歴はどこからかということで、学部としては医学部を挙げました。医学部は医者を養成する学部ということもあり、あまり高学歴とは言えない大学でも、医学部だけは高偏差値ということがほとんどです。
医学部というだけで高学歴なのですが、大学によって医学部の偏差値には少し差があります。医学部の中でも高学歴はどこからなのでしょうか。
偏差値70超えの医学部
国立大医学部となると偏差値60以上が普通となります。その為偏差値70越えの医学部が高学歴となります。偏差値70越えの国立大医学部は、北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学を指す旧帝大や東京医科歯科大学等です。
私立大となると慶応義塾大学等が挙げられます。医学部は医学部というだけで高学歴と言うこともできますが、医学部の中にも高学歴があります。
高学歴が評価される理由
ここまで、全体からみた高学歴はどこからか、関西での高学歴はどこからか、理系・文系の高学歴はどこからか、医学部の中の高学歴はどこからか、ということについてご紹介しました。様々なところで低学歴より高学歴が優遇されることが分かりました。
なぜ低学歴よりも高学歴がもてはやされ、評価されるのでしょうか。ここでは、その理由である「問題解決能力に長けている」、「人脈が強い」、「根が真面目」ということにフォーカスしてお伝えします。
①問題解決能力に長けている
まず一つ目に紹介する高学歴が評価される理由は、「問題解決能力に長けている」ということです。これは特に理系の高学歴に言えることです。大学で研究していると、日々条件が変わったり、新しい研究結果に対応しなければいけなかったりします。
これらによく触れるのは、最先端の研究をしている高学歴の大学生が多いです。よって大学でこのような経験をしているので、社会に出たときに急な業務に対応でき、問題解決能力を発揮することが多いと見られます。
②人脈が強い
2つ目に紹介する高学歴が評価される理由は、「人脈が強い」ということです。高学歴ということで、大学の同級生は必然的に高学歴の人が多くなります。また高学歴の人は、中学高校も高偏差値の所に通っている可能性があるので、中学高校の同級生も低学歴ではなく高学歴の人が多いです。
低学歴よりも優秀な集まり
高学歴の人は低学歴の人に比べて、社長など人の上に立つ位置に就く人が多いです。また、低学歴の人に比べて高学歴の人は、人脈が強いので起業などをする際に、優秀な人に助けてもらえる可能性が高いです。
日本の社会では人脈をステータスと見る人も多いので、低学歴の人よりも高学歴の人は強い人脈を持っているということで一目置かれます。こう見ると高学歴は低学歴よりも優秀な集まりとも言えます。
③根がまじめ
3つ目に紹介する高学歴が評価される理由は、「根が真面目」ということです。高学歴は根が真面目の人が多いので、多くの人に信頼されやすいです。特に社会人として働いたときに、根が真面目で責任感を持って仕事に取り組むので、評価が高いです。高学歴の人は根が真面目なので、会社で昇進しやすいと言えるでしょう。
高校からしっかり勉強をこなしている
なぜ高学歴の人は根が真面目な人が多いのでしょうか。それは低学歴の人に比べて、高校からしっかりと勉強をこなしているからです。高学歴の大学に合格するには、人より倍の勉強時間が必要です。
しっかりと勉強をこなすには、継続力が必要不可欠で真面目でないと難しいです。低学歴の人に比べ、高学歴の人は、高校からしっかりと勉強をこなすことで、社会に出たときに必要な真面目さを養っているのです。
高学歴大学への進学率が高い高校はどこ?
今まで高学歴はどこからということについて解説しました。その中で高学歴の人は、根が真面目な人が多く、低学歴の人に比べて高校からしっかりと勉強をこなしているとお伝えしました。ではしっかりと勉強をこなしている人が多い、高学歴大学への進学率が高い高校はどこなのでしょうか。
灘高校
まず最初に高学歴大学への進学率が高い高校としてご紹介するのは、灘高校です。灘高校は兵庫県神戸市にある私立の男子校で、その名前は関西のみならず全国に知れ渡っています。制服を着用しなくてもよいという自由な校風を持ちます。約半数が日本トップの東京大学に進学するという超進学校です。
開成高校
次に高学歴大学への進学率が高い高校としてご紹介するのは、開成高校です。開成高校は中高一貫校の私立の男子校で、東京都荒川区にある高校です。よく関東の開成高校、関西の灘高校と、前述の灘高校と比べられます。
開成高校も灘高校と同じく、東京大学への多くの合格者を出すことで有名です。東京大学の合格者数は毎年100人以上とも言われています。東京大学への合格者の人数は灘高校より多いと言えます。
お茶の水女子大学附属高校
高学歴大学への進学率が高い高校として、3校目にご紹介するのは、お茶の水女子大学附属高校です。お茶の水女子大学付属高校は、その名の通り国立大であるお茶の水女子大学の付属高校であり、幼稚園まで擁しています。
関東の女子校としては偏差値トップを誇り、早稲田大学や慶応義塾大学などの有名私立大から難関国立大まで幅広く合格者を輩出しています。
ラ・サール高校
高学歴大学への進学率が高い高校として、4校目にご紹介するのは、ラ・サール高校です。ラ・サール高校は鹿児島にある、関西圏で有名な私立の進学校です。中学校からの内部進学者と高校からの進学者を合わせた混合型の中高一貫教育をしています。難関国立大や難関私立大への合格率が高く、鹿児島県外からの進学者も多いです。
東大寺学園高校
高学歴大学への進学率が高い高校として、5校目にご紹介するのは、東大寺学園高校です。東大寺学園高校は奈良県にある私立の男子校です。先ほど紹介したラ・サール高校と肩を並べる関西での進学校です。
この東大寺学園高校の特徴は、その名の通り東大寺が高校の経営に関わっていることです。その為、理事長は東大寺の僧侶になります。進学にも特徴があり、私立大が少なく、国立大や公立大が多いと言われています。
高学歴はどこからかは大学の知名度による!
この記事では、どこからが高学歴と言われるのかについてお伝えしました。高学歴はどこからどこまでという所では、大手一流企業は国立大の旧帝大、早慶上智レベルが求められることをご紹介しました。
関西の高学歴や理系の高学歴、文系の高学歴、医学部の中の高学歴についても解説しました。また、高学歴が評価される理由を3つご紹介しました。
そして高学歴の人は低学歴の人に比べて、高校からしっかりと勉強をこなしているとし、有名進学校についても紹介しました。
これらを振り返ってみると、多くの人から高学歴と言われる大学は、大学の知名度によると言えます。自分が卒業した大学が高学歴か知りたければ、誰もが知っている大学かどうかを考えてみると良いでしょう。また、大学受験を控えているならば、自分が知っている大学を目指せば、高学歴になれる可能性が高いと言えるでしょう。